新しい「XXIO13」アイアンを1980年の気仙沼を舞台にした青春ラブストーリーに例えるなら「思えば“遠く”へ来たもんだ」レベルのアイアンと呼ぶことができるだろう。

池井戸潤の本で表すなら、ゴルフにおける「空“飛ぶ”タイヤ」だ。

あるいは、ユーミンは「“やさしさ”に包まれたなら~」とでも歌っていたかな。

2年に一度、ゼクシオは私たちが盛り上がるような話題を提供してくれる。

「XXIO(ゼクシオ)」ブランドは、ドライバーのヘッドスピード「40.23m/s以下」のゴルファーに特化しているため、「XXIO」をニッチなクラブと考える人もいるだろうし、確かにそうかも知れない。


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しかし、このニッチはとてつもなく大きい。つまり、クラブをあまり速く振れないゴルファーと、昔のように速く振れなくなったゴルファーという2つのゴルファー層に特化して設計されているということだ。今これを読んでいるみなさんは、自分は対象外と思っているかもしれないが、一般的には、歳を取ればいずれみんなそういうことになる。

確かにゼクシオは価格帯が安い部類のアイアンではないし、みなさんの想像以上に、かなり競合他社の軽量モデルに近い。

では、このモデルの中身を見て、真実を見極めてみよう。


「XXIO 13(ゼクシオ13)」アイアン

予め言っておくが、ゼクシオは軽量クラブの先駆けではない。軽量クラブというと、70年から80年にかけてカーステン・ソルハイムやデーブ・ペルツが打ち出してきた超軽量アルミシャフトや軽量製品にまで遡る。そして、軽いクラブの方が打ちやすく、低~中ヘッドスピードのゴルファーがボールを少し遠くに飛ばすのに役立つということは、今も変わっていない。

しかし、2000年の初代「XXIO(ゼクシオ)」の発売以来、グリップからクラブの先端に至るまでヘッドスピード40.23m/s以下のゴルファーのためだけに設計されたクラブということが、「ゼクシオ」の存在理由だ。「ゼクシオ」は他社製品とは違い、他社のシャフトをそのままクラブヘッドに装着して終わりというものではない。


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グリップからシャフト、クラブヘッドに至るまで、すべてターゲットゴルファーのために専用設計されている。もちろん、ひとりでも多くの人にもっとゴルフを楽しんでもらうためにだ。

「世の中の女性ゴルファーは、ゼクシオに適したスイングスピードだ」とゼクシオの研究開発ディレクター、ジェフ・ブランスキー氏。 「そして統計上では、男性の50%はスイングスピードが平均以下だ。」

「ゼクシオ」のクラブは、最近のフェアウェイウッドとハイブリッドを除いて、我々の性能テストで特段良い結果ではなかった。しかし、ターゲットを絞ったクラブなので、その結果については致し方ないという面もある。

一方で、データは一部のことを教えてくれることは多いが、全てを教えてくれるわけでもない。ゼクシオを愛用しているゴルファーからは軽量クラブによるパフォーマンスが事実である声や証拠が続々と寄せられているのだ。


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「XXIO 13(ゼクシオ13)」は何が新しいのか?

「ゼクシオ13」アイアンは、2022年の「ゼクシオ12」と比べ大きな改良点はない。「ゼクシオ12」は、フェースに高強度の「スーパーTIX51AFチタン」を最初に採用したモデルで、ゼクシオとスリクソンのドライバーにも搭載されている。

この素材は近未来的な素材のひとつで、驚くほど剛性が高く、同時に驚くほど触り心地も良い。極薄で良くたわむフェースを作ることが可能となり、ゲーム性を向上させるアイアンとしてはゼクシオは非常に優れている。

「チタンフェースは本当にクールだ」とブランスキー氏。「スチールよりも硬く、たわみ、そして軽い。とはいえ、チタンフェースをスチールボディに接着するのは難しい。ただ溶接するだけではダメだからね」。

そこで「ゼクシオ13」では、ブランスキー氏と彼のチームが、ボディーのトゥ部分から素材を取り除くことでフェースのたわみを強化。結果として、チタンフェースとの接合部が薄くなり、より大きなたわみ持たせることができた。


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「これにより、より大きなトランポリン効果を生み出す」とブランスキー氏は説明する。「マーケティングチームはこれを『リバウンドフレーム』と呼んでいるが、要するにフェースをよりたわませるための方法と言える」。

『リバウンドフレーム』は、スリクソン/クリーブランド/ゼクシオの特徴的なフェースの硬さとボール初速を向上させるテクノロジーを指す。

メタルウッドでは、「軟・剛・軟・剛」の4層構造でボールの反発性能が向上。そして「ゼクシオ13」アイアンでは、インパクト時に大きくたわむフェースと剛性を高めたボディーにより従来モデルよりもさらに大きな反発を生み出す。

とはいえ、アイアンのフェースがドライバーのフェース素材と同じなら、その反発もかなりのものとなるはずだ。


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ロフトと重心について

低ヘッドスピードのゴルファーの飛びの秘策は、ロフト角と低重心だ。だから各社のロングアイアンの重心は、低重心化競争となる。「ゼクシオ13」アイアンは、軽量チタンフェースと大量のタングステン搭載で、重心位置は従来モデルよりもさらに低く、まるで地面に届くほどにまで押し下げられている。

「どこまで低重心にできるのか?」とブランスキー氏。「とにかくフェースとホーゼルがシャフトに付いている必要はあるけど、それ以外のウエイトを可能な限り低くすることだ」。

そしてロフト。「ゼクシオ13」アイアンは、完全に今時の初・中級者アイアンに沿ったロフト角設定になっている。プレーヤーに合うロフト角を考慮することが重要なのだ。


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このカテゴリーのゴルファーは、多かれ少なかれ、インパクトでクラブを反転させボールをすくう打ち方をする。ある程度の腰の回転と肩の傾きがなければ、ボールをダウンブローにヒットすることは事実上不可能だ。

年齢を重ねると、身体の動きが鈍くなりその両方が失われる。それを補うために、ゴルファーはインパクトで、シャフトを前方ではなく後方に傾ける傾向がある。そのようなゴルファーは、クラブにロフトを加え、事実上7番アイアンを8番アイアンに変えている。

ロフト角を立たせて重心を低くすることで、ボールをより簡単に上げることが可能になる。またストロングロフトになっていることで、ボールをグリーン方向へ少しだけ遠くに飛ばすことも可能だ。ただストロングロフトにしたいだけの、ストロングロフト化ではないし、遠くに飛ばすことを自慢するためでもない。

こうした設計のクラブを必要とするゴルファーのための対応策であり、彼らにゴルフを少しでも楽しんでもらうためのもののだ。

ゴルフは遊びだ。だけど遊びは楽しくあるべきだ。


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AIの秘密

メタルウッドと同様、「ゼクシオ」アイアンもAIの活用を全面に押し出すことはしないが、「ゼクシオ」のパフォーマンスを最大化するためにAIを大いに活用していることは間違いない。

「我々は、プレーヤーテストから収集したすべてのインパクトパターンをチェックしている」とブランスキー氏。「そこから、設計対象のターゲットを絞り込み、その後で、そのプレーヤーのパフォーマンスを最適化するために重量をどこに配置すべきかをAIに判断してもらっている」。

「重心を低くし過ぎると、MOI(慣性モーメント)が犠牲となり、スイートエリアが変わってしまう可能性がある。では、キャリーを最大化したい場合、アルゴリズムは重心とMOIの観点からどうすれば良いのか教えてくれるのだろうか?」。


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これが、スーパーコンピューターや人工知能、機械学習の問題だ。しかし、すべてをAIに任せているのではない。実際のところ、コンピューターは計算をしてくれているだけ。しかも、100人のエンジニアがターボ付きの電卓を持ってレッドブルに乗り込んだ時よりも全然速いスピードで計算してくれる。

こうしたコンピューターは賢いが、何よりも従順だ。何をすべきかを指示し、次にどこに進むべきかを決めるには、今でも熟練の製品デザイナーが必要なのだ。

AIはまだ、開発の主導権を握ってはいない。今のところは。


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「XXIO 13(ゼクシオ13)」アイアン:まとめ、スペック、価格、発売時期

もし「ゼクシオ13」や他の軽量モデルがあなたのゴルフにフィットするようなら、試打の際には一点気をつけて欲しい。それは、軽量モデルはスタンダードな重量のモデルよりも試打中に飛びの利点があるということだ。

ゴルフは試打席でプレーするわけではない。軽量で易しいことは良いが、大切なのはバック9 でどの程度飛距離をキープできるかだ。また、数日のゴルフ旅行で3、4ラウンドした時の飛距離維持が大事なのだ。

「軽量で振りやすいのかをちゃんと確かめるのはそうした場面にある」とブランスキー氏。

「ゼクシオ13」アイアンは男女モデルがラインナップ。毎度の「ゼクシオ」のごとく、事実上カスタマイズはないし、また「ゼクシオ」によるとその必要もないとのこと。彼らによれば純正がすでにプレミアムであり、多くのゴルファーにハマるとのことだ。

「ゼクシオ13」のメンズモデルは、ロフト角22度の5番から56度のSWまでラインナップ。一方で、左右モデルがあるのは6番からPWまでとなっている。

メンズモデルの純正シャフトは「ゼクシオ」独自の「MP-1300」カーボンシャフト(47g、R)<Sはカスタムオーダー>。純正グリップはUSサイズの「ゼクシオ」グリップ(56g)となっている。


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ちなみに、「ゼクシオ」の売り上げの40%は女性が占めており、“短くして、ピンクにすれば良い”なんてことはしていない。

レディースモデルも同様のテクノロジーを搭載しており、GWまで2度ストロングロフトになっている。純正シャフトは、「MP-1300」カーボンシャフト(35g)でグリップは38gの「ゼクシオ」グリップ。全番手とも右打ち用のみとなっている。

価格は2年前に発売された「ゼクシオ 12」シリーズと変わらず1本219.99ドル。5本セットで1,099ドルだ。

「ゼクシオ13」の発売日は1月26日。


<「ゼクシオ13」アイアンの日本価格およびスペック>

◆ゼクシオ MP1300 カーボンシャフト

5本セット(#6~9、PW)¥148,500

1本(#5、AW、SW)¥29,700


◆N.S. PRO 850GH DST for XXIO スチールシャフト

5本セット(#6~9、PW)¥137,500

1本(#5、AW、SW)¥27,500

グリップ:ゼクシオ 13専用 WEIGHT PLUSフルラバーグリップ(バックラインあり、ロゴ入り)


<「ゼクシオ 13」 レディス アイアンの価格およびスペック>

◆ゼクシオ MP1300L カーボンシャフト ブルー

5本セット(#7〜9、PW、SW) ¥148,500

1本(#5、6、AW) ¥29,700

ゼクシオ 13 レディス専用 WEIGHT PLUSフルラバーグリップ (バックラインあり、ロゴ入り)〈38g/口径61〉


◆ゼクシオ MP1300L カーボンシャフト ボルドー

5本セット(#7〜9、PW、SW) ¥148,500

1本(#5、6、AW) ¥29,700

ゼクシオ 13 レディス専用 WEIGHT PLUSフルラバーグリップ (バックラインあり、ロゴ入り)〈38g/口径61〉

現在発売中。


尚、「ゼクシオ」の中古クラブをお探しなら、こちらを参考にすると良いだろう。

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