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オデッセイの新作パター「TRTL」登場!カメ型ヘッドに秘められた新技術とは?

BY DAVE WOLFE

October 30, 2026

日本発のカメ型パター、オデッセイ「TRTL」が登場。新開発の「Ai-Star」インサートや高MOI設計など、注目の新技術と実際に試打して感じた性能を詳しく紹介する。

オデッセイの新型パター「TRTL(タートル)」ほど、発売前から存在が知られていたパターも珍しい。

グリーンとブラックを組み合わせたこの小さなパターは、今年2月の「AT&T」でミンウー・リーが使用して以来、ゴルファーの注目を集めてきた。

しかし、2026年の大半を通じて、「TRTL」はなかなかお目にかかれない存在だった。噂によれば、PGAツアーの選手たちでさえ、8月頃までは実物を目にする機会が限られていたという。

その後、ツアーで「TRTL」を見かける機会が増えても、オデッセイは詳細をほとんど明かさなかった。

「TRTL」? 何のこと?

だが、そんな噂や憶測もついに終わりを迎えた。オデッセイが、このカメをモチーフにしたパターを正式に市場へ送り出す。

「TRTL」がゴルファーの手に届くまでには長い時間がかかった。しかし、実際に試した第一印象では、その待ち時間に十分見合うパターだと感じている。

「TRTL」誕生の舞台裏

オデッセイの「TRTL」が誕生した経緯は興味深い。このパターのデザインは、日本のオデッセイ部門から生まれたものだ。当初は、動物をモチーフにした「クリーチャーシリーズ」の第2弾として、カメの形をしたパターを作るという構想だった。

シリーズ第1弾は、2025年に登場した「ジラフ・ビーム」パターだ。

「ジラフ・ビーム」が好評だったことから、動物をモチーフにしたシリーズをさらに展開しようという発想につながった。

日本の開発チームがカメ型パターの初期デザインを米カリフォルニア州カールスバッドにあるオデッセイ本社へ持ち込んだのも、当初はその構想を実現するためだった。

ところが、試作を進めるうちに、オデッセイはこのデザインが単なる動物モチーフのパターでは終わらない可能性に気づいた。

「TRTL」は、かわいらしいカメ型パターから、革新的なマレットパターへと進化し始めたのだ。

単なるユニークな形状のパターを作るはずが、将来のオデッセイのマレットパター設計を変える可能性を秘めたモデルが生まれた。ここで「革新的」という言葉を使うのは、そのためだ。

約1年の開発を経て、遊び心のあるデザインは、本格的な性能を備えたマレットパターへと生まれ変わった。

「TRTL」は日本市場ですでに好調なスタート

オデッセイは、「TRTL」が2027年に最も注目されるパターのひとつになると考えている。

これは単なる期待や予測ではない。「TRTL」はすでに日本で発売されており、今回紹介する4モデルが、日本のパター販売ランキングで早くも上位4位を占めたという。

この好調なスタートを受け、オデッセイは「TRTL」がほかの市場でも成功すると期待している。

4本脚のカメ「TRTL」は、8本脚のクモをモチーフにしたテーラーメイド「Spider(スパイダー)」に追いつけるだろうか。

現在のマレットパター市場でシェアを奪おうとするなら、最終的に競い合う相手は「Spider」なのだ。

「TRTL」の構造を徹底解説

「TRTL」の構造を詳しく見ていこう。この小さなカメ型パターには、ひと目でわかる特徴もあれば、外からはわかりにくい工夫も施されている。

最も目を引くのは、グリーンの「甲羅」だろう。この部分にはABS樹脂が使われており、「TRTL」の複合素材構造を支える重要な役割を担っている。

「TRTL」のボディ主要部には、PVDコーティングを施したスチールを採用。一方、ソール(カメでいえばお腹の部分)には、航空宇宙分野でも使われるグレードの軽量アルミニウムを使用している。

こうした素材の組み合わせによって、「TRTL」のMOI(慣性モーメント)は5,000を大きく超え、ひと回り大きい「TRTL MAX」では6,000に近い数値を実現している。

MOIの詳しい意味や計算方法を知らなくても、ここで押さえておきたいのは、MOIが高いほど、芯を外した際にヘッドがねじれにくくなるということだ。

つまり、芯を外して打ったときでもヘッドがねじれにくく、安定したパッティングが期待できる。

「TRTL」の新しい「Ai-Star」インサート

「TRTL」のボディ構造については後ほど詳しく紹介するが、まずは最も重要だと感じた特徴、新しい「Ai-Star」インサートを見ていこう。

「Ai-Star」は、オデッセイにとって3世代目となるAI設計のパターインサートだ。初代の「Ai-ONE」インサートは革新的だった。AIによって設計されたアルミニウム製の下層部分に凹凸を設け、フェースのどこで打っても距離のばらつきを抑えることに成功。オデッセイにとって大ヒット商品となった。

今年登場した「Ai-DUAL」インサートは、ボールの転がりを改善するために開発された。こちらも人気を集めているが、市場に与えたインパクトは「Ai-ONE」ほどではなかった。

しかし、「Ai-Star」はこれまでとはひと味違う。

「Ai-Star」インサートには、従来モデルの優れた特徴が組み合わされている。「Ai-ONE」と同様に、AIを活用してフェース全体のボール初速を安定させる設計を採用。さらに、「Ai-DUAL」に搭載されていた、ボールの転がりを促す19度の溝も取り入れている。

一方、内部構造は大きく異なる。オデッセイはAIを活用し、実質的にキャビティバック構造を持つインサートを設計した。この構造によってスイートスポットが広がるだけでなく、ボール初速や打感の向上も図られている。

実際に打ってみると、「Ai-Star」はオデッセイがこれまで開発したインサートの中で、最も距離感を合わせやすいと感じた。約6メートル転がすつもりで打てば、実際にほぼその距離まで転がってくれるような感覚だ。

「TRTL」で最初に打った3球は、練習グリーンの端から約9メートル先のカップを狙った、軽いロングパットだった。2球はカップから約30センチ以内に寄り、3球目はそのままカップインした。

パッティングにはそれなりに自信があるが、初めて使うパターでこれほどの結果が出たのには驚かされた。

今は「TRTL」が大きな注目を集めている。しかし、今後オデッセイがほかのパターにも「Ai-Star」インサートを採用するなら、長い目で見て、こちらの技術こそがさらに大きな話題になるかもしれない。

「TRTL」はスクエアに構えやすいフラットなソールを採用

「TRTL」には、ひと目では気づきにくい特徴がある。オデッセイの従来のマレットパターと比べて、ソールがよりフラットになり、フェースもやや閉じた状態で構えられるよう設計されているのだ。

「TRTL」のソールを従来モデルと比較すると、ヒールからトウにかけての湾曲が緩やかになっている。フェース側からヘッド後方にかけての湾曲も同様だ。

完全に平らなわけではないが、ボールの後ろに置いたときに、ヘッドがしっかり安定する程度にはフラットになっている。また、フェースも従来モデルより閉じ気味だ。完全にスクエアというわけではないものの、大きく調整しなくてもフェースを目標方向に合わせやすい。

こうした形状の工夫によって、「TRTL」はボールの後ろで安定し、スクエアに構えやすくなっている。

4つのウェイトで細かなフィッティングが可能

「TRTL」を裏返すと、ソールに4つのウェイトが配置されているのがわかる。オデッセイは、フィッティングをより細かく調整するために、このウェイトシステムを開発した。

まずは自分のストロークに合ったネック形状を選び、その後、フィッターと相談しながら、あるいは自分でウェイトの配置を変えて、パフォーマンスがどう変化するかを確認していく。

4つのウェイトのうち、2つは軽く、残りの2つは重い。配置を入れ替えることでパターの回転特性が変わり、より自分に合ったセッティングに近づけられる可能性がある。

ただし、この技術については、「Ai-Star」インサートほど確信を持てているわけではない。「TRTL」をさまざまなウェイト配置で十分に試せておらず、位置を入れ替えることで実際にどの程度の違いが生じるのか、まだ把握できていないからだ。

この点は、MyGolfSpyの本部でさらに詳しく検証してみたい。ウェイトの配置変更がパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、データを集めて確かめてみたいところだ。

自分のストロークに合う「TRTL」のネック形状を選ぶ

自分に合った「TRTL」を見つけるには、まずストロークの特性に適したネック形状を選ぶことが重要だ。ゼロトルクパターを使用しているゴルファーなら、「TRTL MAX Square2Square」が選択肢となる。

前述のとおり、「TRTL MAX」はほかの「TRTL」よりもひと回り大きい。以下のアドレス時の写真を見ると、そのサイズの違いがわかる。

どのネック形状が適しているかは、ストローク中のヘッドの回転特性や、パッティングの軌道によって決まる。

ストロークのアークが大きくなるにつれて、適したモデルは「TRTL Double Bend」から「TRTL Crank Hosel」、そして「TRTL Slant Hosel」へと変わっていく。

以下では、4モデルそれぞれの形状を写真で詳しく見ていこう。

オデッセイ「TRTL DB」

オデッセイ「TRTL CH」

オデッセイ「TRTL MAX」

オデッセイ「TRTL S」

オデッセイが生み出したのは、かわいいカメではなく「ガメラ」だった

オデッセイの「TRTL」は、2026年の残りの期間から2027年にかけて、大きな注目を集める存在になりそうだ。すでに日本で販売上位に入っていることを考えれば、決して大げさな予想ではない。

それでも、オデッセイは想像以上の「怪物」を生み出したのではないかと感じている。

自然ドキュメンタリーのナレーション風に表現するなら、こんなところだろう。

「オデッセイは、『TRTL』を市場に放つことが、どれほど大きな影響を及ぼすか予想できなかった」

オデッセイの関係者と話した印象では、同社も「TRTL」がめったにない大きなチャンスをもたらす製品だと認識しているようだ。

オデッセイにとって、こうした製品は必要だった。長年にわたりツアーでナンバーワンのパターブランドを掲げてきた一方、テーラーメイドの「Spider」はツアーでの使用率と市場シェアを着実に伸ばしている。

考えてみてほしい。PGAツアーでオデッセイのパターが注目を集めたのは、いつのことだろう。「Spider」と比べるとどうだろうか。

少し厳しい言い方になるが、オデッセイが最後に大きな話題を呼んだパターは、2013年に登場したカウンターバランス仕様の「Jailbird」だった。同社には、次のヒットモデルが必要なのだ。

自然界では、カメがクモを食べることもある。ツアーやゴルフショップのパター売り場でも、「TRTL」が「Spider」を相手に同じような結果を残せるのか、興味深いところだ。

米国では、「TRTL」の4モデルが11月6日から店頭およびオンラインで発売される予定だ。価格は通常の3モデルが349.99ドル、「TRTL MAX S2S」が399.99ドルとなっている。

「TRTL」の詳細は、オデッセイ日本公式サイトで確認できる。

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著者情報

DAVE WOLFE

スタッフライター
MyGolfSpyのパター評価を担当するライター。
これまでに1,500本以上のパターを試打・検証してきた経験を持ち、パター選びに悩むゴルファーから信頼を集めている。
MyGolfSpyではさまざまなモデルを同条件で比較し、メーカーの宣伝文句ではなく実際の性能を重視して評価。転がりや打感、ヘッド形状による違い、ストロークとの相性などを分かりやすく解説している。
デイブが目指しているのは、「人気モデルを紹介すること」ではなく、「そのゴルファーに合うパターを見つけること」。
ゴルファーが自信を持ってパターを選び、より多くのパットを沈められるようサポートすることを大切にしている。

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