「私は、いつも世界のトッププレーヤーと共に生み出されたパターからアイデアを得ている。このスペシャルセレクトには、私が20年以上に渡りツアープロのために作ってきた『ピュアミルドのシェープ』と『フェース』を復活させたかった。今回、新たなセットアップ、ネック、フェース、グリップ、ウェイトにより、こうしたデザインを現代に蘇らせている。各パターのそれぞれの部分を改良した。そしてそれらが一体となることで、このパターはスペシャルと言えるのだ。」―スコッティ・キャメロン

 

そこまでスペシャルか?

私はいつだって、キャメロンパターのプレスリリースの中でスコッティ・キャメロンのコメントが一番好きだ。

普段は、形状やスタイルの提案を詩的に伝えているものが多い。しかし今回は、キャメロンのコメントは非常に具体的な話になっている。

スコッティ・キャメロンは20年以上に渡りツアープロのためにパターを創り続けてきたが、今回のスペシャルセレクトシリーズでは、本人作のツアーパターから、このニューパターを創るためのインスピレーションを得ているようだ。

しかしその一方で、こうしたインスピレーションの全てを今風にして、基本的にパターの各部分を改良したという言葉もある。

なんだか妙な感じだ。伝統的なものに回帰しているものの新しくなっている。つまりは従来品とは違うということらしい。ここまではご理解いただけただろうか?

とにかく、リリースの文章がどうあれ、長きに渡りメジャーのパターブランドとして君臨するスコッティ・キャメロンが新作パターをリリースするとなれば、我々を含むゴルファー層はそのパターの全てを知りたくなるもの。

さあ、セレクトの新シリーズの詳細を深掘りし、何がスペシャルなのかをチェックして行こう。


 

ミルドに回帰

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私にとってのスペシャルセレクト最大の注目点は、完全ミルドのステンレススチール構造への回帰だ。

2018年のセレクトラインは303ステンレスか6061アルミニウムインサートが特徴だったが、今回のシリーズは完全ミルドでインサートもない。

つまりフェース後部の「バイブレーションダンピング」がなくなったことにより、新しいスペシャルセレクトは劇的に打感と打音が異なる。

理論上は、2018年モデルよりフィーリングはやや硬く、打音も若干高くなるはずだ。

ゴルファーのパッティング時の音の好みは両極端なので、これが良いとも悪いとも言えない。

ソールは2018年モデルの4ウェイバランスソールからニューソフトTRI SOLEに改良されている。これも気になるところ。

両ソールともに、アドレス時にパターの座りが良くなる(よりスクエアになる)ことを謳っているからだ。このことは、2018年のラグーナではチェック済み。

非常にバランスの取れたパターで、ボールに対して簡単にアドレスすることができた。

これは、アドレスでの手の位置が劇的に変わる、従来の3つのソールアングルの一つ、パターが立つTRI SOLEパターでは経験しなかったことだ。

私にとっては、従来のTRI SOLEだと不安定に感じたが、これこそがキャメロンがソフトという言葉を使って取り組んでいることなのかも知れない。

ソールの三平面の角度は従来のTRI SOLEよりも鋭角ではなく、結果として安定感が増しているようだ。

再デザインされたスペシャルセレクトシリーズでさらに興味深いことは、プランバーネックに新たな試みを施したことだろう。

キャメロンはこれまでもネックを短くして、トゥへのフローを向上させている。

短いプランバーネックがパターの特徴となったことは初めてではないが、デザイン、そしておそらく操作性においては重大な変化だ。

リリースでは、スペシャルセレクトのニューポート2は、新たなネックにより2018年モデルのニューポート2とは異なるトゥへのフローがあるという。

2018年モデルのニューポート2でプレーしていたゴルファーにとっては、この新しいネックがストロークにフィットしない可能性があるが、裏を返せば、一部のゴルファーにとっては、前作が合わなかった一方で新しいニューポート2の方がしっくりくるかも知れない。

ともかく私が待ちきれないのは、前作と新作を打ち比べて、ネックの変更を感じられるか、またフィーリングとパフォーマンスにどう影響を及ぼすかをテストすることだ。



 

2020年モデルのデザイン

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私は、パターの美観=「美とは大胆さ」と思っている。それでも、ステンレスパターの繊細でシンプルな作りは評価している。

2018年のスコッティ・キャメロン・セレクトパターは、キャメロンあるいは他社がこれまで生み出したパターの中で、一番イケてるステンレスパターの一つであると今でも思っている。

クリーンでクラシカル、他に良い言葉が思い浮かばないが、とにかく魅力的だった。

今回の2020年スペシャルセレクトは、なんとなく違和感があるので、見た目的にはあまり興味が湧かない。

「スペシャル」という名前にはちょっとイラつくが、ソールのレイアウトはかなり良い感じだと思う。クラシカルなキャメロンを彷彿させるからだ。

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しかし、キャビティ上にある「Milled In USA」とネックとヒールのエッジにある「Titleist」の刻印は、かなり不満だ。

アメリカでミーリング(削り出し)されていることがダメというわけではなく、実際は評価している。

そうではなく、後から付け足したように見えて、刻印をいれる部分としてちゃんとフィットしていない。

ズボンからはみ出た贅肉のようだ。端から文字がちょっとはみ出ていて、全体のデザインを損ねているからだ。

そのあたりがなければ、私の目を引きつけるお洒落でクラシカルなパターだと思う。とは言え、そう思うのは私だけかも知れない。

スペシャルセレクトの各モデルを見てみると、殆どのゴルファーのストロークタイプにマッチするブレードとマレットをラインナップしているし、大型マレットのPhantom Xに変わるモデルもある。

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気にいる人もいるだろう

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今回のキャメロンのリリースについては、いつもよりも多少厳し目な印象を与えてしまったかも知れないが、スペシャルセレクトにはちょっとがっかりしている。

確かに、ここでは第一印象を元に書いているし、写真と報告された意見が元になっていることは認める。

しかしこれまでは写真とリリースだけで、キャメロンの新作をまとめることができていたのだ。

今回は今のところ衝動に駆られることがない。試打すればその気持ちが変わるかも知れない…。

新パターは北米で1月24日から、世界では3月27日から発売予定。

好奇心から24日にニューモデルをチェックする予定だが、現時点で価格の399.99ドルが自分の財布から消えていくことはないだろう。


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