MyGolfSpy の『Ball Lab(ボールラボ)』では、市場に出回るゴルフボールの「品質」と「一貫性」の調査、数値化を行っており、価格に見合う最適なボール選びに役立てもらいたいと考えている。

今回取り上げるのは、タイトリスト「PRO V1」ボールだ。


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タイトリスト「PRO V1」について

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一般的にタイトリスト「Pro V1」は市場でナンバーワンボールだと言われる。個人的には、「Pro V1x」を含め小売店で最も売れていて、PGAツアーで最も使用されているボールだと思っている。さらには、『Ball Lab(ボールラボ)』でもトップランクの「品質」であることが証明された。

もし水を差すようなら申し訳ない。

同社が、数年前に「Pro V1」と「Pro V1x」の「立ち位置」を入れ替えた時は、多くのゴルファーを混乱させた。そのため、標準「ProV1」が同社の“プレミアムウレタンラインナップ”のどこに位置するのか明確にする必要がある。

タイトリストは、「Pro V1」を「中弾道、中スピン」のボールと分類している。ボール市場全体で見ると間違っていないのだが、「Pro V1」は、弾道・スピン量共に「中」よりもわずかに「低い」と私は考えている。

比較上では「Pro V1x」は、より「高弾道、高スピン」が特徴で、「AVX」は「低弾道、低スピン」を特性としている。さらに、この3つのプレミアムボールの中で「AVX」がいちばん柔らかい。

「Left」シリーズは少し複雑だが、覚えておいて欲しいのは限定バージョンの「Pro V1 Left Dot(プロV1レフトドット)」、「ProV1x Left Dash(プロV1xレフトダッシュ)」のどちらも、市場にある競合モデルより「低スピン」だが弾道は「同じ」だということ。

2021年モデルの「Pro V1」は、388個のディンプルを備えた「スリーピースボール」だ。

通常、アメリカで販売される「Pro V1」のほとんどは、需要が非常に高いマサチューセッツ州ニューベッドフォードにある同社の「ボールプラント3」で生産されるが、タイにある「ボールプラント4」製のボールを店頭に置くことも珍しくない。

そのことから、私たちは数ヶ月かけてボールを購入した。最初の2ダースは「ボールプラント3」で生産され、3ダース目は「ボールプラント4」で生産されている。


タイトリスト「Pro V1」− コンプレッション(硬度)

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私たちの測定では、タイトリスト「Pro V1」のコンプレッション値は87だった。これは、前モデルよりも3ポイント柔らかいが、市場全体では「FIRM(硬い)」カテゴリーに入る(ツアーボールとしては少しソフト寄り)。

長年の「Pro V1」人気から、ウレタンカバーボールを製造するほぼすべてのメーカーが、コンプレッション値±90周辺で製造している。


タイトリスト「PRO V1」− 直径サイズと重量

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特に驚くことではないが、今回も「真円度」や「USGAの規定」に反する重量の問題は確認されなかった。これまで合計10モデル、30ダースのタイトリストボールを測定してきたが、重量制限を超えたボールはまだ1つも見つかっていない。

一方で「真円度」に関しては、1個だけ規格外のボールを確認したことがある。







タイトリスト「PRO V1」− 検査

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目視検査では、重大な問題は確認されなかった。


中心性と同心性

よく見られることだが、マントルの厚さがわずかに一貫していないボールが数個見つかったが、同心性に関わるほどの問題はなかった。


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コアの一貫性

アメリカ製とタイ製では明らかな色の違いが見られたが、塊や破片などの異物は見られなかった。コアの色にばらつきがあるのは珍しくなく、心配する必要はない。ばらつきがある場合は測定に従う。


カバー

塗装工程で残ったピン跡はあったが、カバーに目立ったダメージは見られなかった。


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タイトリスト「PRO V1」− 一貫性

ここからは、タイトリスト「Pro V1」の「一貫性」について詳しく説明する。

これまでは主にUSGAの規格に準拠しているかどうかの評価だが、このセクションの「一貫性」は、これまでにテストしたすべてのモデルと比較して、サンプルのボールがどれだけの一貫性を持っているか?を測定している。

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タイトリスト「PRO V1」− ボール同士の比較

下のグラフは、ボックス(ダース箱)ごとの「Pro V1」の「重量」、「直径」、「コンプレッション(硬度)」の測定値を示している。


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重量の一貫性

・「重量」の「一貫性」は平均範囲内

・すべて異なる工場で製造されているが、「Box 2」と「Box 3」は最も類似していた


直径の一貫性

・「直径」はダース箱ごとにほぼ一致しており、工場間で大きな違いは見られなかった

・比較の観点では、「Pro V1」の「重量」の「一貫性」は「Good(良い)」と評価した


コンプレッション(硬度)の一貫性

・「コンプレッション(硬度)」の「一貫性」は、「Excellent(優秀)」。私達がテストした中では最高評価だ

・平均コンプレッションだけで見ると、「ProV1」の評価は「Good(良い)」

・各ボールの3点の「コンプレッション差」を比較すると、こちらも評価は「Good(良い)」だ

・「コンプレッション差」はいずれも2.5ポイントを超えていない

・数カ所の工場で製造しているにもかかわらず、全体として「平均コンプレッション」に大きな差は見られなかった


タイトリスト「PRO V1」− まとめ

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良かった点

・『Ball Lab』でテストしたボールの中で最も「一貫性」に優れたボール

・コンプレッション(硬度)の「一貫性」で「Excellent(優秀)」を獲得したのは「Pro V1」のみ

・重大な欠陥なし

・100%USGAのルールに準拠


悪かった点

・「49.99ドル」という価格帯は、大手ボールメーカーの中では最も高い


タイトリスト「PRO V1」− 最終スコア

タイトリスト「PRO V1」の総合スコアは 97。

コンプレッション(硬度)の「一貫性」においては「Excellent(優秀)」を獲得。過去最高スコアだ。

「49.99ドル」という価格と、彼らが「品質」と「一貫性」に重点を置いていることを考えるとまさに期待通りの結果だと言える。

詳しいテストプロセスや「不良」ボールの定義については、MyGolfSpy 『Ball Labページを』ご覧ください。