・タイトリストが「Tシリーズ」アイアン4モデルおよび「U505」ユーティリティを発表

・「T100」「T100S」「T200」「T300」が現行モデルの後継となる

・店頭販売は8月26日より開始


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タイトリスト「Tシリーズ」アイアンのニューモデルを使えば「ハンク・レビオダ」になれるだろうか。と言われてもきっとこう思うことだろう。

ハンク・レビオダって誰だよ?と。

妥当な質問だ。

レビオダは2020年にPGAツアーに参戦したが、数回のトップ20フィニッシュ以外、あまり注目度は高くなかった。彼の名前を今日初めて知ったという人はつまり、彼が早い段階で「T100」を投入した選手の一人であることも知らなかっただろう。

本題はここからだ。「T100」をバッグに入れてからのレビオダときたら3試合連続でトップ10フィニッシュを決め、そのうち2回はトップ5に入った。

最近の成績は彼の生涯獲得賞金の大部分を占めており、レビオダは期せずしてタイトリストの新アイアンの広告塔となった。ジョーダン・スピースが新アイアンを使用して全英オープンで単独2位になったことも確かにプラス材料といえるだろうが、「T100」投入後のレビオダの大躍進には及ばない。

もちろんタイトリストは誰もがハンク・レビオダではないことを理解しているので、新しいアイアンのラインナップは「T100」以外にもたくさん用意しているが、PGAツアーにおけるいきなりの成功を考えると、他モデルから紹介するのはハンク(そしてジョーダン)に失礼になるだろう。


タイトリスト「T100」アイアン

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「AP2」から生まれた現行のタイトリスト「T100」は、PGAツアーはもちろんのこと、世界中のツアーで最も多く使用されているアイアンだ。世界中のトッププレーヤーに愛されているタイトリストを代表するアイアンには、世代にかかわらず一つの重要な使命が課せられている。

「失敗は許されない」ということ。

そういうわけで、新しい「T100」アイアンに進化は認められるものの、決して従来のモデルと根本的に異なるものではない。

「T100」を「MB」や超コンパクトな「CB」と混同することはないが、タイトリストはこのアイアンを「ブレード風」と表現している。トップラインは薄く、オフセットは少しあるが、それほど多くはない。ロングアイアンとミドルアイアンには、いくつかの寛容性が詰め込まれているが、そうはいってもこれはあくまで「ツアープロのために設計されたアイアン」だ。

もちろん、タイトリスト「T100」アイアンを使えばプレーは多少改善されるかもしれないが、ジョーダン・スピース...あるいはハンク・レビオダに変身できるとは思わないほうがいいだろう。


「T100」アイアン〜最新の構造

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前作との最も大きな違いはその「構造」にある。新しい「T100」アイアンでは、タイトリストは『コンティニュアス・フェース・コンストラクション』と呼ばれる構造を採用している。つまり、「T100」アイアンではパーツの組み合わせ方を変えているのだ。フェースとホーゼルは一体成形の「SUP-10」スチールから鍛造されており、接合部をフェース付近ではなく後方に回り込ませている。

3〜7番アイアンに採用された『タングステンウエイトシステム』により寛容性も向上した。このモデルではヘッド1つにつき平均90gのタングステンを使用している。この事実、あるいはタングステン関連の情報を特に真新しいと感じるゴルファーはいないだろうが、競合他社の製品より多くのタングステンを使用しているということは注目に値する。

このタングステンのおかげで得られた高打ち出し角とMOIの向上により、コンパクトなツアーモデルと呼べるものとなった。

タングステンはヘッドに溶接ではなくロウ付けされている。これはタングステン以上に興味の湧かない情報かもしれないが、この小さな変化は、より正確な「重心の配置」と、製造上の「一貫性」を高めることにつながる。

冶金学に興味のある人のために説明すると、「T100」の3〜7番アイアンのフェースとボディはともに「SUP-10」、8番〜ウエッジは「1025」カーボンスチールで鍛造されている。クラブの裏側にある太い棒状の塊によりインサートが不要となり、そのおかげで非常にすっきりした外観のアイアンになったと個人的には思っている。


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性能の違い

定量化できる性能の違いで言えば、新作は先代よりも少しだけスピン量が多い。ここで話しているのはあくまでツアーレベルの究極のチューニングについて。タイトリストはプレーヤーによって数値が異なると強調しているが、新モデルでは100~150回転分のスピン量を増やすことを目標とし、実際にその通りになった。

また、「T100」には新たに『ツアー デザインド ソール』が採用されている。数値化するのは少々難しいが、タイトリストのアイアン開発チームは、「Vokey」開発チームの知識を活用した。歴代のソールデザインをテストして、“最も抜けが良い”と思われるソールを見つけ出し、それを製品に採用したのだ。


「T100」アイアン〜ロフト角とライ角

タイトリストは「T100」アイアンの「ロフト角」を従来通りと表現しているが、46度のピッチングウェッジは現代の尺度での基準値でしかない。現代の業界用語で言うと、「T100」はストロングロフト化されていないということになる。

スペック表で注目すべきは、ロングアイアンの「ライ角」が過去のモデルよりもアップライトになっていることだ。

無作為な変更のように聞こえるかもしれないが、タイトリストはツアープレーヤーの多くがロングアイアンをアップライトに調整していることに着目し、世界のトッププレーヤーのアイアン設定を純正スペックと一致させることにした。そもそもロングアイアンで今より右に打ちたい人がいるとも思えないので問題はないだろう。


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タイトリスト「T100」アイアン〜標準シャフト

純正…いや、標準シャフトとしては、スチールではトゥルーテンパー「AMT White」、カーボンは三菱「Tensei White AM2」(重量もアップ)が採用されている。

いずれのシャフトも低打ち出し低スピンのモデルだ。

純正グリップはゴルフプライドの「ツアーベルベット360ホワイト」。

タイトリスト「T100」アイアンの小売価格は1本186ドルだ。


タイトリスト「T100S」

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「T100」の詳細が分かってしまえば、「T100S」について語るのは難しくない。

タイトリスト「T100S」はほとんど「T100」と変わらない。ヘッドサイズと形状は同一。唯一の違いは「T100S」のバックキャビティにある「小さな溝」。そしてもちろん、「T100S」はストロングロフトモデルだ。

「T100S」アイアンの存在理由を簡単に説明すると、タイトリストは「上級者向け飛び系」カテゴリーに「上級者」を呼び戻すことに尽力しているから。実際のところは、飛距離を求めるゴルファーもいれば、ストロングロフトの恩恵で最適、または最適に近い軌道を描くゴルファーもいるというニュアンスで表現している。

ではどれほどのストロングロフトなのか?「T100S」は番手全てにおいて2度立っている。

さあさあ、毒突くなりうろつくなり、落ち着いたら話に戻ろう。


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タイトリスト「T100S」アイアン〜設計の強化

いいかい、「T100S」は「飛距離重視のモデル」で、ストロングロフト化は飛距離を出すための非常にシンプルかつ効果的な方法なんだ。だがしかし、長年にわたり「中級者向け超ストロングロフトアイアン」をテストしてきてわかったのは、“止めるパワー”がなければ意味がないということ。

そこで「T100S」では、グリーンに止めるのに必要な落下角度を維持するために、ミドルアイアンとロングアイアンに「溝」を設けた。この溝により、ヘッド下部に質量を追加でき、フェースのたわみ(すなわち初速)も多少増す。

さらにタングステン(平均90g)を組み込むことで、多くのゴルファーがストロングロフトで打ったとしても十分な打ち出し角を得られるのがわかるだろう。

「とにかく遠くに飛ばしたい」というプレーヤーのために、タイトリストのテストによると、「T100S」は標準の「T100」に比べてスピン量を約150rpm減少させ、キャリーを7ヤード伸ばした。また、ストロング化したロフトによってダイナミックロフトが少なくなることで、打ち出しの条件が良くなる人もいるということを強調しておきたい。


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1つのスペックが万人に適しているわけではない

重要なのは、ドライバーのロフトが選べるのには理由があり、ドライバーに当てはまることはバッグに入っている他のクラブにも当てはまるということ。ストロングロフト化をベン・ホーガンへの冒涜や恥ずべき事だと考えるかもしれないが、クラブの種類にかかわらず、万人に適したロフト設定などというものは存在しないのだ。

本当のことだ。初代「T100S」はタイトリストに大きな変化をもたらすものではなかったが、社内では「T100S」は周囲の状況の犠牲になったとみられていた。会社としてはこのアイアンには需要があると信じているが、発売のタイミングが悪かったこと(他の「Tシリーズ」アイアンの数ヶ月後に「T400」と一緒に発売された)と、コロナウイルス感染症の影響で、混乱の中に紛れ込んでしまったのだ。

今回「T100」と同時に「T100S」を発売することで、ゴルファーが「T100S」を後知恵の産物と思うことなく、両方並べて比較検討できる機会をフルに活用し、より良い結果が得られるものを選んでもらえたら喜ばしい。


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タイトリスト「T100S」アイアン〜標準シャフト

タイトリスト「T100S」アイアンの "標準"スチールシャフトは「Project X LZ」。カーボンは三菱の「Tensei White AM2」。

純正グリップはゴルフプライドの「ツアーベルベット360ホワイト」。

タイトリスト「T100S」アイアンの小売価格は1本186ドル


タイトリスト「T200」アイアン

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初代「T200」からの進化を“大改造”とまでは言わないが、一連の新製品の中では間違いなく前作から最も大きく変化したモデルと言える。

「T200」は上級者にアピールするよう改良された、というのが大まかな説明だ。


タイトリスト「T200」〜改良された設計

タイトリストの初代「T200」アイアンと比較して、ブレード長が短くなった。オフセットが少なくなり(これで「T200」は「T100」と同調した)、トップラインとソールが薄くなった。初代アイアンの特徴である『マックスインパクト テクノロジー』は健在だが、内部に格納されている。

タイトリストは、上級者は「マックスインパクト」の恩恵を享受するだろうが、中級者ほどテクノロジーに興味は示さないだろうと考えている。

タイトリストの読みは正しい。

タイトリスト「T200」は中空アイアンの定義に合致しており、アップデートされた「T200」の設計に「T-MB」のDNAと「CNCPT」シリーズからの影響を感じる人もいることだろう。


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「T200」〜タイトリスト史上最も進化したアイアン

「T200」のシャーシはマルチマテリアル構造の代表格だ。ボディは「17-4スチールフレーム」で構成されている。

バックピース(タイトリストの言うところの「マッスルプレート」)はポリマー製で、打音と打感を向上させる『リブ構造』を採用している。フェースは高CORの「SUP10」を鍛造。謎の発泡体や粘着物質などは一切使用していない。タイトリストはアイアンに最適な充填剤は空気であると考えている。これは現在、PINGとミズノにも共通する認識だ。

いずれにしても、タイトリストがタングステン(平均100g)と再設計された『マックスインパクトコア』を追加してしまえば、アイアンの中に隙間は大して残っていないだろう。

タイトリストは「T200」を「タイトリスト史上最も進化したアイアン」と呼んでいる。

これはほとんどすべての新作クラブのリリースで出てくるような決まり文句だが、ゴルファーにとって本当に意味があるのは「T200」アイアンがタイトリストの「上級者向けアイアン」の中で「最も飛んで」「最も寛容性が高い」と証明されるはずだということ。さらに「T200」は上級者向けカテゴリーを超越して広くアピールしそうでもある。


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ウイークロフト化…しているところも

タイトリスト「T200」のロフト角は、ロングアイアンでは少し寝かされたが、セットの端に位置するクラブはストロングロフトのまま。ピッチングウェッジが43度であるために48度のギャップウェッジも選択肢に入っているわけだ。これはいささか“諸刃の剣”感がある。

「T100S」と同様、この設計(ストロングロフト化)の恩恵を受けるゴルファーもいるが、ロフトが立つと必ずと言っていいほど、バッグの両端で「番手間のギャップ」の問題が発生する。


タイトリスト「T200」アイアン…あるいはユーティリティ

「T200」アイアンの魅力は、セットのアイアンとしても、単独のユーティリティアイアンとしても使えるよう、ロングアイアンを“二役対応型”にしたことにある。2番、3番、4番アイアンは、カーボンのハイブリッド用シャフトに対応するために、中間重量の「.355テーパーチップ」と、より重い「.370ホーゼル」が選択可能だ。また、長尺用に軽量ヘッドの用意もある。

少し複雑かもしれないが、タイトリストの「U505」ユーティリティアイアンに代わる選択肢を探している人にとって、「T200」がその候補となるよう十分な多用途性を持たせているわけだ。


「T200」標準シャフト

「T200」の 標準スチールシャフトはトゥルーテンパーの「AMT Black」、カーボンは三菱の「Tensei Blue」。

純正ハイブリッド用シャフトは「HZRDUX Smoke Black RDX(ハザーダス スモークブラック RDX)」。グラファイトデザインの「AD-DI」(85g)と「AD-IZ」(95g)は、標準プレミアムオプションで、120ドルの追加料金がかかる。

純正グリップはゴルフプライドの「ツアーベルベット360ホワイト」。


タイトリスト「T300」アイアン

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上級者に重点を置いてきた(それゆえに時には不利益をもたらした)タイトリストにとって、「T300」がオリジナルのTシリーズの中で最も売れているというのは、とても正気の沙汰とは思えないだろう。賭けてもいいが大方の予想は「T100」だったはずだ。

その要因は、タイトリストのアイアンは「上級者専用」であるというイメージをようやく払拭することを可能とした設計のおかげだと言えるだろう。

「T300」でタイトリストは初めて本気を出したのだと私は主張したい。

言うまでもなく、「上級者」が求めるものと「平均的」なゴルファーが必要とするものはほとんど一致しない。そのため、「AP1」が「中級者向けアイアン」と形容されるのは厳密に言えば正しいが、それが最も寛容性の高いアイアンだとしても、「上級者が中級者向けアイアンに求めるものは何か?」という問いに対する答えのように感じられてしかたがないのだ。


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タイトリスト「T300」〜“究極の中級者向けアイアン”

「AP1」から2世代後の今、タイトリストは「T300」を「究極の中級者向けアイアン」と呼んでいる。これまたいつもの決まり文句だが、性能面では、「高く遠くまで飛び」、十分な「寛容性」を備え持つアイアンであることを物語っている。

最初の2点に関しては、あくまでそのゴルファーがアイアンを意図した通りに機能させるのに十分なヘッドスピードを生み出せることが前提であると言っておくべきだろう。それに当てはまらないなら、ロングアイアンをハイブリッドに置き換えることを考えた方がいいかもしれない。

タイトリストの基準では「T300」はミドルサイズのアイアンだが、それは「T100」と「T200」が比較的コンパクトで、今回の発表には含まれていない「T400」が巨大であることに起因する。「T300」はコンパクトと巨大の間のどこかに位置している。


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設計の微調整

「T200」とは異なり、「T300」では『マックス インパクト コア』技術を少し目に見える形で残している。当然ながら性能向上のためにいくつかの微妙な改良が加えられているが、機能的には、「より速く」、「より安定したボール初速」を目指したものだ。

『マックスインパクトコア』をベースに、タイトリストは『変厚フェース(バリアブル シックネス フェース)』を採用した。具体的には、センターからヒールに向かって徐々に薄くなる設計となっている。例によって、フェース全体で「より速く」、「より安定したスピード」を出すためのアイデアだ。

パターンが見えてきたかな?

パターンといえば…

他のタイトリストTシリーズアイアンと同様、「T300」は高密度の「タングステン」を使用し、「高い打ち出し」と「MOI」の向上を実現している。しかし、ヘッドが大きくなったぶん、必要な量はそれほど多くない。

「T300」はオリジナルよりも40%多くのタングステンを使用しているが、平均で1ヘッドあたり70gと、他のTシリーズアイアンよりもすこし少なく、他の「中級者向けアイアン」よりもかなり多いことがわかる。

MOIを高めることによる寛容性の向上はどの会社でも行われていることだが、タイトリストは打ち出しの寛容性についても述べている。つまり「T300」はミスをしても「上がりやすく」なっているということだ。


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安かろう悪かろう

アイアン1本あたり143ドルのタイトリスト「T300」は、「中級者向けカテゴリー」の中では高額の部類に入る。そのことで予算オーバーとなる中級者は出てくるだろうが、注目すべきは、ミズノと同じくタイトリストが中級者向け製品に「クロムメッキ」を施していることだ。業界の多くがコスト削減のために省略しているこの工程により、製品の仕上がり「品質」が向上する。


タイトリスト「T300」標準シャフト

「T300」の 標準スチールシャフトはトゥルーテンパーの「AMT Red」、カーボンは三菱の「Tensei Red AM2」。いずれも高打ち出し高スピンタイプだ。

純正グリップはゴルフプライドの「ツアーベルベット360ホワイト」。


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タイトリスト「U505」ユーティリティ

タイトリストの新しいラインナップを締めくくるのは「U505」ユーティリティだ。前回タイトリストは「U500」と「U510」を発表した。「U505」はその中間に位置し、タイトリストによると両方の長所を兼ね備えているという。

比較のためにいうと、ヒールからトウの長さは「U510」よりも短いが、ソールは広くなっている。

構造は「T200」と似ている。中空構造に『マックスインパクトコア』、大量の『タングステン』、高CORの『SUP-10 L-Face』、そしてテクノロジーを隠してすっきりと見せるための『マッスルプレート』などが採用されている。


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同じ…ようで違う

構造がほぼ同じなのは、その意図が同じだからだ。ユーティリティアイアンとしての「T200」も「U505」も、「打ち出しやすさ」を重視しつつ、ハイブリッドよりも「ボールを飛ばせる」しなやかさがある。

「T200」との違いは、ユーティリティとして構成されていても「T200」はセットの基本設計に準拠しなければならないということ。番手間の流れがあるのだ。

「U505」はユーティリティに特化しているため形状の自由度が高く、フェースの高さはそれほどではなく、ソールの幅も広くなっている。ソール設計は重心をより低く、より深くしているため、タイトリストの2つの新しいユーティリティの中では「U505」のほうがより高弾道の打ち出しを実現できるはずだ。


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タイトリスト「U505」スペック

また、「T200」の選択肢が2番アイアンから始まるのに対し、「U505」は16度の1番アイアン(うまく打てますように)が用意されているのもポイントだ。

「T200」と同様、タイトリストは「U505」ヘッドを豊富に取り揃えており、カーボンシャフトにスチールシャフト、長尺にも対応している。

タイトリスト「U505」は、1番(16°)、2番、3番、4番のロフト構成。標準シャフトは「HZRDUS Smoke Black RDX」(80gと90g)。プレミアムシャフト(追加料金120ドル)は、グラファイトデザイン「TOUR AD-DI」(85グラム)および「AD-IZ」(95グラム)。

純正グリップはゴルフプライドの「ツアーベルベット360ホワイト」。

小売価格は249ドル。


「Tシリーズ」アイアン スペック表

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Tシリーズおよび「U505」フィッティングと販売開始

新製品「Tシリーズ」アイアンと「U505」ユーティリティのフィッティングは7月27日から。店頭での販売は8月26日から。現在、先行予約を受け付けている。