2026年は、トゥーロン ゴルフ(Toulon Golf)にとって大きな節目となる年だ。その理由は大きく2つある。

ひとつは、2024年にブランドが再始動して以降、今回の「2026コレクション(2026 Collection)」が3世代目となるフルラインナップであること。

そしてもうひとつは、トゥーロン ゴルフが2016年に誕生してから、今年で10周年を迎えることだ。削り出しパターの美しさと性能を追求してきたブランドにとって、2026年モデルは、その集大成とも言えるコレクションとなっている。


もちろん、この10年の間には、創業者ショーン・トゥーロン(Sean Toulon)がオデッセイ(Odyssey)のエグゼクティブとして活動していた時期もあった。しかし、トゥーロン ゴルフ(Toulon Golf)というブランド自体が消えたわけではない。

トゥーロン ゴルフはもともと独立ブランドとしてスタートし、その後オデッセイ傘下に加わり、現在は再び独立ブランドとして展開されている。

その歩みの中で、一貫して変わらなかったのが、「最高の削り出しパターを作る」というブランドの使命だ。初期モデルについては、理想に完全には届いていなかった部分もあったと彼ら自身が認めている。しかし、今回の「2026コレクション」を見ると、トゥーロンがその後も設計や削り出し技術を磨き続けてきたことがよく分かる。


2026トゥーロンMonaco H1側面画像

結論から言えば、現在のトゥーロンパターは、あらゆるプレミアムパターブランドと肩を並べる完成度に到達している。むしろ、多くの高級パターメーカー以上に、削り出しの質感や仕上げの美しさで際立っていると言っていい。

そんな「2026コレクション」で、トゥーロンが掲げたテーマは少しユニークだ。

「古き良きもの、新しいもの、受け継いだもの、そして青いもの」。

欧米の結婚式で使われる“幸運のおまじない”になぞらえた表現だが、今回のコレクションには、その“ブルー”がかなり大胆に取り入れられている。


「Exotic Midnight Blue」仕上げ

2026トゥーロンAustinパター詳細画像

2026年トゥーロン「Austin」パターのフェース周辺を確認できるクローズアップ画像。精密ミーリング加工とExotic Midnight Blue仕上げの高級感が際立つ。

2026年のトゥーロン コレクション(2026 Toulon Collection)では、すべてのモデルに「エキゾチック ミッドナイト ブルー(Exotic Midnight Blue)」仕上げが採用されている。

この仕上げをひと言で表すなら、“表情が変わるブルー”だろう。光の当たり方や周囲の色によって、ほぼブラックに近い深いネイビーにも見えれば、鮮やかなロイヤルブルーのような色味にも変化する。


2026トゥーロンAlcatraz比較画像

今回掲載されている写真では比較的ダークに見えるが、一昨年の「ブラックアウト シリーズ トゥーロン ジェイルバード H1(Blackout Series Toulon Jailbird H1)」と比較すると、そのブルーのニュアンスの違いがより分かりやすい。

ブラック仕上げの「ジェイルバード(Jailbird)」を基準に見ると、2026年モデルのブルー仕上げがどれほど青みを帯びているかがよく分かる。

このブルーの見え方は周囲の光だけでなく、ヘッド形状によっても印象が変化する。数段下の写真で「ジェイルバード(Jailbird)」と「ジェイルバード ミニ(Jailbird Mini)」を比較すると、同じブルー仕上げでもヘッドごとに異なる表情を見せているのが確認できる。

さらに興味深いのは、ブレード型とマレット型で仕上げを変えている点だ。マレットモデルにはマット仕上げのブルーを採用し、一方でブレードモデルには光沢感のあるグロス仕上げを採用している。

これはブレード派とマレット派、それぞれに異なる個性を与える巧みなアプローチと言える。特にグロス仕上げは、コンパクトなブレードヘッドだからこそ成立するデザインだ。もし「アルカトラズ(Alcatraz)」のような大型マレットに採用すれば、光の反射が強すぎて眩しく感じられるかもしれない。


ディープ・ダイヤモンドミーリングへの回帰

2026トゥーロンパターフェース加工画像

2026年トゥーロンコレクションのフェースミーリング加工を確認できる接写画像。独自パターンによる打感性能と高級感あるExotic Midnight Blue仕上げが特徴。

トゥーロン ゴルフは、“高級パター”ブランドだ。もちろん、それは決して皮肉ではない。他ブランドのパターと並べて比較すれば、トゥーロンの製品が「ラグジュアリー側」に位置していることは一目瞭然だ。

実際、一部の「スモール バッチ(Small Batch)」シリーズには、ロレックスの腕時計にも使用される特殊ステンレス素材が採用されている。これはまさに“次元の違う高級感”と言っていい。

そう考えると、フェース面にダイヤモンドパターンを採用しているのも自然な流れだ。スイスの審査員に聞けば、「ダイヤモンド」というだけで高級感スコアが3.2ポイントは上がるはずだ。

もっとも、「ディープ・ダイヤモンドミーリング(Deep Diamond Milling)」は単なる装飾ではない。この複雑なミーリングパターン(フェース面に細かいダイヤ形状の溝を刻む加工)には明確な機能的意味があり、同時にトゥーロンのブランド哲学そのものを象徴している。

それは、“美しさ”と“転がり性能”を両立させたパターを作ることだ。

もちろん、それは「スモール バッチ(Small Batch)」シリーズでも例外ではない。

2026トゥーロンパターフェース模様画像

2026年トゥーロンコレクションのフェースデザインを確認できる画像。独自ミーリングパターンとExotic Midnight Blue仕上げによる高級感が特徴。

「ディープ・ダイヤモンドミーリング」は、トゥーロンがブランド初期から採用してきた象徴的なフェースデザインのひとつだ。そして、このフェースを搭載したパターは、これまでにPGAツアーで69勝、さらにメジャー2勝を記録している。

もちろん、そのすべてがザンダー・シャウフェレによる勝利というわけではない(メジャー2勝は彼によるものだが)。それでも、トゥーロンパターを象徴するツアープレーヤーとして、シャウフェレが特別な存在であることに異論はないだろう。

もっとも、「トゥーロン コレクション」に採用された最新フェースは、10年前に登場した初代「ディープ・ダイヤモンドミーリング」をそのまま踏襲したものではない。今回の進化には、シャウフェレからのフィードバックも色濃く反映されている。

新しいフェースでは、ミーリングの溝がさらに深くなり、初代には存在しなかった横方向のラインも追加された。シャウフェレのような世界最高峰のプレーヤーとの共同開発によって、トゥーロンは“勝てるフェース”をさらに磨き上げている。

実際に今回の全モデルと従来世代の「トゥーロン コレクション」を打ち比べてみると、新しいDDMフェースの打感とボール初速性能の完成度は非常に高い。

現在バッグに入っている2025年モデルの「トゥーロン カールスバッド H1(Toulon Carlsbad H1)」の打感にも十分満足しているが、「もし最新の『ディープ・ダイヤモンドミーリングフェース』を搭載していたら、どれほど完成度が高くなるのだろう」と想像せずにはいられない。


知る人ぞ知る“ファミリービジネス”

トゥーロンパター開発工房イメージ

Toulon Custom Puttersの開発工房をイメージしたビジュアル。ショーン・トゥーロンによる高MOI設計と精密パター製造の世界観を表現。

トゥーロン ゴルフ(Toulon Golf)は、小規模な家族経営ブランドだ。しかし、その実態は意外と一般ゴルファーにはあまり知られていない。というのも、創業者ショーン・トゥーロンは、テーラーメイド(TaylorMade)やキャロウェイ/オデッセイ(Callaway/Odyssey)で重役を務めてきた、ゴルフ業界でも屈指の存在だからだ。

ショーン・トゥーロンは、大企業でキャリアを築き上げた人物だ。しかし現在は、息子たちとともに工房でパターを製作する“クラフトマン”として活動している。トゥーロンのパターヘッドには、彼がオデッセイ時代に手掛けたデザインDNAが色濃く受け継がれているが、ブランドの規模感はまったく別物と言っていい。

ブランドとしての存在感とは対照的に、トゥーロン ゴルフのものづくりは非常に小規模でクラフト色が強い。そのギャップもまた、このブランドならではの魅力だ。

まさに“ファミリービジネス”そのものだ。トゥーロン ゴルフへ電話をかければ、ショーンの息子プレストンが対応する可能性が高く、実際にパターを組み上げるのも、ショーン本人か、プレストン、あるいはもう一人の息子トニーであることが多い。

ちなみに、今回私の元へパターを発送してくれたのは、UPSの送り状によればショーンの妻キャシーだった。ここまで徹底した家族経営ブランドは、今ではかなり珍しい存在だろう。

もし「自分のパターを誰が作っているのか」を身近に感じたいなら、トゥーロン ゴルフは非常に魅力的なブランドだ。


ショーン・トゥーロンは“新たなDude”なのか?

2026トゥーロンパターシャフトロゴ画像

トゥーロンファミリーと接していると、数年前に亡くなった伝説的パターメーカー、バイロン・モーガン(Byron Morgan)とのやり取りを思い出す。バイロンは卓越した技術を持つ職人だったが、それ以上に“気さくな普通の人”でもあった。

人生で初めてカスタムパターとして「007」を注文した数日後、驚いたことにバイロン本人から電話がかかってきた。内容は、オーダーした仕様について直接相談するためだった。

まさか、自分のパターを実際に削り出す本人と話せるとは思ってもいなかった。

その後も何度かバイロンとパターについて語り合う機会があった。そして、ファンから親しみを込めて「ザ・デュード(The Dude)」と呼ばれていた彼との会話は、今でもかけがえのない思い出になっている。

これまで何度もショーン・トゥーロン本人や息子たちと話をしてきたが、その空気感はバイロン・モーガン(Byron Morgan)の時とよく似ている。トゥーロン ゴルフは、「営業は3番を押してください」といった複雑な電話案内システムを持つような会社ではない。

2026トゥーロンHollywoodパター画像

2026年トゥーロン「Hollywood」パターのフェースデザイン画像。精密ミーリングパターンとExotic Midnight Blue仕上げが特徴の最新ブレードモデル。

実際、電話をかければ、高い確率で“トゥーロン家の誰か”が直接応対してくれる。

ショーン・トゥーロンのこれまでの経歴を考えれば、この距離感は驚くべきことだ。業界トップ企業で重役を務めてきた人物と、これほど気軽につながれるケースは、これまでほとんど存在しなかったと言っていいだろう。


2026 トゥーロン コレクション:ブレードモデル

2026トゥーロンブレード型比較画像

2026年トゥーロンコレクションのブレード型パター比較画像。Austin、Hollywood、Bostonの各モデルのソールデザインと仕上げを確認できる。

ここからは、ラインアップ全体を見ていこう。

「2026 トゥーロン コレクション(2026 Toulon Collection)」は、全11モデルで構成される。すべてのモデルにブルー仕上げが採用されており、シリーズ全体で統一感のあるプレミアムな外観にまとめられている。

ラインナップには完全新作もあれば、人気モデルの復活版も含まれる。また、一部のヘッド形状には、トゥーロンがオデッセイと協業していた時代を思い起こさせるデザインも存在する。ただし、今回のコレクションに採用されたデザインは、すべてトゥーロンによるオリジナルだ。

まずは3種類のブレードモデルから紹介し、その後に残る8種類のマレットモデルを見ていく。


「オースティン(Austin)」

2026トゥーロンAustinパター画像

2026年トゥーロンコレクション「Austin」モデル。クラシックなブレード形状とExotic Midnight Blue仕上げを融合した最新パター。

「オースティン(Austin)」は、トゥーロンによるアンサー型への秀逸なアプローチだ。

トゥーロンは、ヘッド各部のラインが自然につながる形状づくりに、かなりの時間を費やしたという。実際、ヘッド表面を指でなぞってみても、引っかかりを感じるような鋭いエッジはほとんど存在しない。

さらに、光沢感のあるミッドナイトブルー仕上げによって、「オースティン」はより滑らかで洗練された印象に仕上がっている。

「2026 トゥーロン コレクション」でマレットモデルが多数を占めていることからも分かるように、近年はブレード型からマレット型へ移行するゴルファーが増えている。

今後、再びブレード型が主流へ戻ることはないのかもしれない。いつの日か、クラシックなアンサー型パターも、「8802」のように“歴史的モデル”として語られる存在になっていく可能性はある。

幸い、少なくとも今はまだその時代ではない。だが、「オースティン」のような美しいパターが姿を消してしまう日が来るとしたら、それは少し寂しい話だ。



「ハリウッド(Hollywood)」

2026トゥーロンHollywoodアドレス画像

2026年トゥーロン「Hollywood」パターのアドレスビュー。シャープなブレード形状とExotic Midnight Blue仕上げが際立つ最新モデル。

「ハリウッド(Hollywood)」を見た瞬間、真っ先に思い浮かんだのがバイロン・モーガンだった。

私自身、特に好きだったバイロン・モーガンのモデルが「006」だ。
やや角張ったアンサー2系ブレードだが、「ハリウッド」にはその“006らしさ”が随所に感じられる。
バンパー形状からキャビティデザインまで、バイロン本人もきっと気に入るはずだ。

「オースティン」と同様に、「ハリウッド」も個人的にかなり期待していたモデルだった。
ただ、最終的に“Best of Show”を獲得するのは、どうやらマレットモデルになりそうだ。

とはいえ、「ハリウッド」には魅力的なブレード要素が数多く詰め込まれている。

トライソール設計によって、ヘッドを自然にスクエアに据えやすい。
角張ったヘッド形状は、アドレス時にボールをフレーミング(視覚的に囲い込むように構えやすくすること)しやすく、構えやすさにもつながっている。
さらに、サイトドットの配置も実に秀逸だ。

ヒール側へ向かってテーパーする形状は、構えた際の見え方をよりシャープに演出。
バックエッジに施されたミーリングも、純粋に格好いい。

「ハリウッド」は、実に美しく存在感のあるブレードパターだ。



ボストン(Boston)

2026トゥーロンBostonパター画像

2026年トゥーロンコレクション「Boston」モデル。洗練されたブレードデザインとExotic Midnight Blue仕上げを採用した最新パター。

「ボストン(Boston)」のようなロングネックパターこそ、今後“ブレードカテゴリー”を救う存在になるかもしれない。

私自身、プレストン・トゥーロン(Preston Toulon)と話した際、彼は「ボストン」のようなロングネックモデルについて、
“マレットを試したものの、再びブレードへ戻りたいゴルファーに最適かもしれない”と語っていた。

「ボストン」はロングネック設計によって、「オースティン」よりもトゥハング(ヘッドのトゥ[つま先]側が下を向く角度)が抑えられている。
トゥハングは、「オースティン」の45度に対し、「ボストン」は30度だ。

30度という数値は、「H1」プラマーズネック仕様マレットの20度トゥハングに近い特性となっている。

つまり、「H1」マレットのストローク感を好みつつ、構えた際にはブレード形状を求めるゴルファーにとって、「ボストン」は非常に魅力的な選択肢になる可能性がある。

2026トゥーロンBostonパターソール画像

2026年トゥーロン「Boston」パターのソールデザイン。精密ミーリング加工と左右ウェイト配置により、高い安定性と高級感を両立している。

ロングネックパターには独特の魅力がある。このネック形状を見れば、その格好良さは一目瞭然だ。

もし2026年の「トゥーロン コレクション」の中から、ストロークを合わせてでも使いたくなるモデルを選ぶなら、「ボストン」かもしれない。

ロングネックパターを長年好んできたゴルファーなら、このモデルに強く惹かれるはずだ。

もちろん、このコレクションの中にはフィッティング的により合うモデルも存在する。
それでも、“理屈抜きで「ボストン」をキャディーバッグに入れたくなる”――そんな魅力を持つパターだ。



マレットモデル

2026トゥーロンパター全モデル比較画像

2026年トゥーロンコレクションの主要モデルを一覧比較できる集合画像。AlcatrazやLas Vegasシリーズなど多彩なヘッド形状を確認できる。

今やマレットパターは完全に主流となっている。

先週見かけた投稿では、PGAツアー世界ランキングトップ10選手の全員がマレット型を使用していたというデータも紹介されていた。

かつて存在した“大型パターへの抵抗感”は、ツアーでも一般ゴルファーの間でも、もはやほとんど消えつつある。
多少個性的で大型なヘッド形状であっても、結果的にカップへボールを沈めてくれる――それがマレットパターだ。

もしデータ重視で考えるなら、スコッティ・シェフラーがマレット型へ変更する前後で獲得賞金額がどう変化したかを見れば十分だろう。

2026年の「トゥーロン コレクション」は、まさに現代ゴルファーのニーズに応えるラインアップとなっている。

マレットは4種類のヘッド形状を展開し、それぞれに2種類のネックオプションを用意。
定番人気モデルに加え、完全新作となるスピード系モデルもラインナップされている。


「アルカトラズ(Alcatraz)」

2026トゥーロンAlcatrazパター画像

2026年トゥーロンコレクション「Alcatraz」モデル。ショーン・トゥーロン設計による大型マレット形状とExotic Midnight Blue仕上げが特徴の最新パター。

正直に言うと、最初にマレット型パターのリストを作っていたとき、私はこの「アルカトラズ(Alcatraz)」を「ジェイルバード(Jailbird)」と書いてしまっていた。ストライプこそ入っていないが、「トゥーロン」と「オデッセイ」のマレットに“血縁関係”があることは隠しようがない。

形状はよく似ている。ただし、細部の違いを積み重ねると、その差は十分に大きく、実際にはまったく別物のパターとして機能する。「ディープ ダイヤモンド ミルド フェース」の打感は、「オデッセイ」のどのインサートとも異なるものだ。

そしてもうひとつ大きな違いがある。いわゆる“囚人服のストライプ”がないことだ。

ボールに構えたとき、トゥーロン「アルカトラズ」のシンプルなアライメント(方向を合わせやすくする視覚的なガイド)のほうが好みだというゴルファーは多いはずだ。ミルドフェースにストライプも欲しいなら、白いテープやペイントを足せばいいだけの話である。



「アルカトラズ H1(Alcatraz H1)」

2026トゥーロンAlcatraz H1パター画像

2026年トゥーロンコレクション「Alcatraz H1」モデル。ネック形状の違いによる操作性と、Exotic Midnight Blue仕上げの高級感が特徴の最新マレットパター。

マレット型でもう少しトゥハングが欲しいなら、「アルカトラズ」に「H1」ネックを組み合わせるという選択肢がある。上の写真で、ブルーではなくブラックの「アルカトラズ H1(Alcatraz H1)」を掲載していることからも分かるように、これは私が最も気に入っている「アルカトラズ」の構成だ。

ブラックアウト仕様の「トゥーロン アルカトラズ H1」は、常に私の“エース候補”として話題に上がる存在だ。2モデルを打ち比べたことで、「ディープ ダイヤモンド ミルド フェース」の打感とパフォーマンスがいかに優れているかを改めて実感することができた。



「アルカトラズ ミニ(Alcatraz Mini)」

2026トゥーロンAlcatraz Miniパター

2026年トゥーロンコレクション「Alcatraz Mini」。コンパクトなマレット形状と洗練されたExotic Midnight Blue仕上げを採用した注目モデル。

「アルカトラズ ミニ(Alcatraz Mini)」は、その名の通り「アルカトラズ」をコンパクト化したモデルだ。

2026トゥーロンAlcatraz比較画像

2026年トゥーロンコレクション「Alcatraz」と「Alcatraz Mini」の比較画像。ヘッドサイズや形状の違いを視覚的に確認できる。

「大型マレットは少し構えづらいかも」と感じているなら、「アルカトラズ ミニ」は試してみる価値のある1本だ。私自身、フルサイズの「アルカトラズ」の打感とバランスを好んでいるが、それはあくまで個人的な好みであり、すべてのゴルファーに当てはまるとは限らない。

もしかすると、あなたにとっては「ミニ(Mini)」のほうが理想的なモデルになるかもしれない。

「アルカトラズ ミニ」は、フルサイズの「アルカトラズ」よりも、ややシャープで軽快なフィーリングを持っている。こうした特性に加え、コンパクトなヘッドサイズも相まって、「アルカトラズ ミニ」は「トゥーロン」の中でも特に人気の高いモデルとなっている。



「アルカトラズ ミニ H1(Alcatraz Mini H1)」

2026トゥーロンAlcatraz Mini H1パター

2026年トゥーロンコレクション「Alcatraz Mini H1」。コンパクトマレットヘッドとH1ネックを組み合わせた操作性重視の最新パターモデル。

新しいマレットモデルの中でも、「アルカトラズ ミニ H1(Toulon Alcatraz Mini H1)」は、最もブレード型に近いフィーリングを持っている。 「オースティン(Austin)」や「ハリウッド(Hollywood)」ほどトゥハングは強くないかもしれないが、実際にボールを転がしたときの感覚はかなり近い。


2026トゥーロンAlcatrazシリーズ比較

もし私がブレード型ユーザーに「まず試してみてほしいマレット」を1本挙げるなら、それは「アルカトラズ ミニ H1」だ。マレットらしい慣性モーメントと安定感はしっかり備えつつ、大型マレットと比べれば“ちょうどいいサイズ感”に収まっている。



「ラスベガス H1(Las Vegas H1)」

2026トゥーロンLas Vegas H1画像

2026年トゥーロンコレクション「Las Vegas H1」。特徴的なマレットデザインとH1ネックを採用した安定性重視の最新パター。

今回の「トゥーロン コレクション」の中でも、ひっそりと存在感を放っているのが「ラスベガス H1(Las Vegas H1)」だ。だが実際には、このシリーズ随一の“スコアメイク兵器”と言っても過言ではない。

ザンダー・シャウフェレは、このモデルで「PGA選手権」と「全英オープン」という2024年のメジャー2勝を挙げている。

さらに、2020年東京オリンピックで金メダルを獲得した際にも、非常によく似た形状のパターを使用していたとされる。

ツアーでの勝利実績をパター選びの基準にするなら、「トゥーロン ラスベガス(Toulon Las Vegas)」は十分すぎるほど“実証済み”のモデルだ。

今回の新作ラインアップの中で、もし私が“イチオシ”を1本選ぶなら、「ラスベガス H1になる。とにかく打ちやすい。ストロークを過度に神経質に管理しなくても、不思議なほど自然にボールがカップへ転がっていく。

ここしばらく「トゥーロン カールスバッド(2025 Toulon Carlsbad)」を使用していたこともあり、単純に自分の感覚に最も近かっただけかもしれない。とはいえ、「トゥーロン ラスベガス H1(Toulon Las Vegas H1)」が驚くほど安定してカップへボールを送り出してくれるのは間違いない。

もちろん、私のゴルフはザンダー・シャウフェレとは比べものにならない。それでも、このパターを構えると「カップが大きく見える」という感覚には妙な説得力がある。

あとはこの1本をキャディーバッグに入れるだけで、金メダル級のパッティングが手に入る……かもしれない。



「ラスベガス H7(Las Vegas H7)」

2026トゥーロンLas Vegas H7画像

2026年トゥーロンコレクション「Las Vegas H7」。特徴的なウィング形状とH7ネックを採用した高安定性マレットパター。

「ラスベガス(Las Vegas)」のヘッド形状が気に入っていて、もう少しトゥハングを増やしたいなら、「H7」ネック仕様が有力な選択肢になる。

「H1」ネックから「H7」ネックへ変更すると、トゥハングは20度から33度へ増加する。

「スラントネックなのに33度しかないのか?」と思う人もいるはずだ。その感覚は間違っていない。というのも、「H7」は一般的なスラントネックとは少し異なる設計になっているからだ。

「H7」ネックは、通常のスラントネックよりやや長めに設計されている。この長さに加え、ネック形状とヘッドへの接合位置によって、トゥハングが適度に抑えられている。


2026トゥーロンマレット比較画像

2種類ある「ラスベガス」の中では、個人的には「H7」バージョンのほうがより魅力的に映る。「H7」ホーゼルのラインが、「H1」よりもヘッド上部の丸みを帯びたシルエットに自然になじんでいるからだ。

ただ、見た目は「H7」のほうが好みでも、自分のストロークに合っていたのは「H1」ネックだった。

またひとつ、“見た目が良すぎて無理にでもキャディーバッグへ入れたくなるパター”が増えてしまった。



「モナコ H1(Monaco H1)」

2026トゥーロンMonaco H1パター画像

「トゥーロン(Toulon)」が再びレーシングカーをモチーフにしたマレットを作るなら、「モナコ(Monaco)」という名前は実によく似合う。モータースポーツを思わせるシャープさとスピード感が、このモデル全体のデザインに漂っている。

2026トゥーロンMonacoパター比較画像

2026年トゥーロンコレクション「Monaco」モデル比較画像。高慣性モーメント設計と特徴的なウィング形状を採用した最新パター。

「モナコ H1(Monaco H1)」の内部構造は、「ラスベガス H1(Las Vegas H1)」とかなり共通している。

「モナコ」は一見すると伝統的なファング型には見えないが、よく見るとファング形状が巧みに取り入れられていることが分かる。そう見えにくいのは、「トゥーロン」が後方でアルミニウム製ウイングを連結し、一体感のある周辺重量配分を実現しているからだ。

ヘッド中央部を見ると、「ラスベガス(Las Vegas)」との大きな違いが見えてくる。「ラスベガス」が中央部分を空洞化しているのに対し、「モナコ」には高めに設計されたアライメントプラットフォーム(構えた際の視覚的ガイド)が備わっている。

このプラットフォームによって、「トゥーロン」はヘッド中央を貫く長いサイトラインを配置できるようになった。もちろん、「ラスベガス」の構造ではこれは実現できない。

興味深いのは、「モナコ」が実際に打ってみると、どこかブレード型のようなフィーリングも持ち合わせていることだ。その理由は内部構造にある。写真を見比べると分かるように、2つのマレットモデルではスチールとアルミニウムの重量配分が大きく異なっている。「モナコ」は「ラスベガス」よりも重心が前方寄りに設計されているのだ。

もちろん、「オースティン(Austin)」とまったく同じ打感というわけではない。ただ、フィットするゴルファーのタイプはかなり近いはずだ。



「モナコ H4.5(Monaco H4.5)」

2026トゥーロンMonaco H4.5パター

自分のストローク軌道にしっかり追従してくれるパターを求めるなら、45度のトゥハングを持つ「H4.5」ネック仕様の「モナコ」は非常に魅力的な選択肢になる。

このモデルは、ブレード型に近い操作性と、マレット型ならではの高いアライメント性能をうまく融合している。

大型サイトラインと、T字型に設計された中央部分によって、ターゲットへ正確に構えやすいのも特徴だ。


2026トゥーロンMonaco H4.5側面画像

グリーン上では、「モナコ」と「ラスベガス」をかなり長い時間打ち比べることになった。最終的に感じたのは、この2モデルは似ているようでいて、実際にはかなり異なるタイプのパターだということだ。

「モナコ」は、マレットらしい安定感を持ちながらも、どこかブレード型に近い操作感がある。一方の「ラスベガス」は、よりオートマチックにストロークしやすく、自然にボールを転がしてくれる印象だ。

個人的には、実際にグリーン上で使うなら「ラスベガス」を選ぶことになりそうだ。ただ、「モナコ」の独特な操作感とアライメント性能にも、かなり強い魅力を感じた。



“引退後”も続く、ショーン・トゥーロンのものづくり

トゥーロンゴルフ開発工房イメージ

ショーン・トゥーロン率いるToulon Golfの開発ワークショップイメージ。2026コレクションの精密なパター製造とクラフトマンシップを表現。

ショーン・トゥーロンは、これまでのキャリアで数々の印象的なパターデザインを世に送り出してきた。その多くは単なる新製品にとどまらず、後に業界全体へ影響を与える存在になっている。

現在の「トゥーロン」は、大企業の一部門ではなく、家族とともに運営する独立ブランドだ。だからこそ、自分たちが本当に作りたいものを、細部までこだわって形にできる。

2026トゥーロンAustinアドレス画像

2026年トゥーロン「Austin」パターのアドレスビュー。ターゲットに対する構えやすさと、ブレード型ヘッドの美しいラインを確認できる。

その完成度は、「2026 トゥーロン コレクション」を見ればよく分かる。削り出し精度、新しいミッドナイトブルー仕上げ、そして各モデルの細かな作り込みまで、全体の完成度は非常に高い。

特に印象的なのは、小規模な工房ブランドでありながら、11種類ものモデルを展開している点だ。同じヘッドに異なるネックを組み合わせたモデルも存在するが、すべて100%ミルド製法で製造されている。つまり、新しいネック形状を採用するたびに、専用の削り出し工程を新たに設計していることになる。


2026トゥーロンパターグリップ比較画像

一方で、2025年に展開されていたゼロトルク設計の「フォーミュラ(Formula)」シリーズが今回のラインアップに含まれていない点も興味深い。おそらく、「トゥーロン」の開発はまだ次のフェーズを準備しているのだろう。

2026 トゥーロン コレクションの詳細は、toulongolf.comでチェックしてほしい。