主な注目点

・「ゼクシオプライム」はドライバーのヘッドスピードが「35m/s以下」のプレーヤーに向けたゼクシオの超軽量モデル

・2021年の「ゼクシオプライム」ドライバーでは「リバウンドフレーム」と、2019年モデルよりスイートスポットを「200%拡大」した「Super-TIX PLUSチタンフェース」を採用

・「ゼクシオプライム」のアイアンも同じチタンフェースを採用、こちらはスイートスポットが2019年モデルよりも「110%拡大」

・新たにシリーズに加わった「ゼクシオプライム」ロイヤルエディションは、女性向けの超高級ラグジュアリーブランド


「ゼクシオプライム」を検討すべき人の話をする前に、まずは「検討すべきではない人」の話をしておこう。

もしドライバーのヘッドスピードが「44m/s以上」なら、ゼクシオのどのモデルも検討対象にはならないはずだ。ヘッドスピードが「35〜42m/s」ならば合うモデルがあるかもしれない。ただしその場合も「ゼクシオプライム」ではない。

そしてもし2021年のテーラーメイドやキャロウェイ、ピン製品の価格を知って暴動を起こしたくなったなら、「ゼクシオプライム」は、はっきり言っておくが、全く不向きだ。

では、「ゼクシオプライム」は誰のためのものか?ドライバーのヘッドスピードが「35m/s以下」なら、しっくりくるかもしれない。そして、「35m/s以下」のヘッドスピードに合わせて「グリップからチップまで特別に設計されたクラブ」が欲しいと思うなら、「ゼクシオプライム」はこれまたしっくりくるかもしれない。


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そしてそのいずれに対しても対価を支払うことに抵抗がないならば、「ゼクシオプライム」はドンピシャの選択肢かもしれない。


「ゼクシオプライム」:ゼクシオの中のゼクシオ

「ゼクシオはヘッドスピードがあまり速くないゴルファーのためのもの」と、スリクソン・クリーブランド・ゼクシオの研究開発統括責任者のジェフ・ブランスキー氏。「そしてゴルファーの半数はヘッドスピードが『42m/s以下』なのだ」。

ゼクシオの主要モデル、軽量の「ゼクシオイレブン」は、「35〜42m/s以上」のゴルファー向けに設計されている。

やや新しい「ゼクシオX」モデルは、少しばかり軽いものを求めている高齢の巧みなプレーヤーのためのもの。一方、「ゼクシオプライム」は、ヘッドスピードが遅いプレーヤーのための「超軽量モデル」だ。つまり、「シニア」および「女性」の多くが対象となる。

「ゼクシオプライム」はゼクシオの中のゼクシオだといえばわかりやすいだろうか。


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「『これだけ飛距離が伸びた』『楽にスイングができる』という声を聞く」とブランスキー氏。「それは素晴らしいことだ。しかし、例えば1ラウンドあたり80回ショットを打つとして、ラウンドが進むにつれ発揮できるエネルギーは減少するもの。つまり、最初のショットを遠くに飛ばせばいいわけではない。肝心なのは80回目あるいは90回目のショットを遠くに飛ばせるかどうかだ」。

はいはい、わかりました。ゼクシオは軽いし、「ゼクシオプライム」はもっと軽いと。でも、それってただのマーケティング的な表現だよね?普通のヘッドに「シニア用シャフト」や「Aフレックスのシャフト」を装着したらいいだけなんじゃないの?

だって同じ事だろう?


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ゼクシオの…耐えられない軽さ

「まず第一に、クラブヘッドが全く違う」とブルンスキー氏。「テーラーメイドやタイトリストのクラブヘッドに軽量シャフトを入れることはできる。しかし、それらのヘッドはツアープレーヤーのために設計されたもので、アマチュア用に調整しているにすぎない。アマチュアのために特別に作られているわけではない」。

結果的に、クラブバランスやウエイト、重心位置がないがしろにされる可能性がある。つまり、ヘッドスピードが遅めのプレーヤーのスイングダイナミクスに悪影響を与えることになりかねないと言うわけだ。

「我々は20年間、ヘッドスピードが遅めのゴルファーに向けたクラブ作りをしてきた。それがゼクシオの研究開発グループ全体が掲げてきた唯一の目標だ。そういうゴルファーのためにシャフトやグリップ、クラブヘッドを特別に開発している」とブランスキー氏。

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MyGolfSpyは、「ゼクシオプライム」が提供していないカスタムフィッティングを一貫して信奉している。

ゼクシオの価格を考えると、この点がネックになるかもしれない。しかし、ブルンスキー氏によると、「ゼクシオプライム」はヘッドスピード「35m/s以下」のプレーヤーのために、「グリップからチップに至るまで総合的に設計」されているという。

「ツアープレーヤーのために設計されたクラブを調整して、『35m/s以下』のヘッドスピードを持つプレーヤーに合うようにするというならば、カスタムフィッティングの意味もある。しかし、『ゼクシオプライム』ならば、そういうプレーヤーのために最初から最適化されたクラブを使えるということになる。そこから更にカスタムフィッティングをしても、そのおかげで改良される余地はそれほどないだろう」。

ここでのポイントは、ターゲットゴルファーであれば、吊しの製品が問題なくフィットする見込みは平均以上であるとゼクシオが確信していることだ。本当だろうか?まあ、そのために神は我々に試打ブースとローンチモニターを与えたもうたのだから。信じ、そして検証すべし。


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「ゼクシオプライム」:2021年ラインナップ

スリクソン・クリーブランド・ゼクシオの研究開発グループは、あらゆる技術をゼクシオのラインナップに投入している。そこに技術の相互作用が見られることも少なくない。

例えば、新しい「ゼクシオプライム」ドライバーには、数週間前に新しい「スリクソンZX」ドライバーでお目見えした「リバウンドフレーム」が採用されている。この「リバウンドフレーム」は、クリーブランドの「ランチャーHBターボ」ドライバーで採用されているものに似たカップフェースと組み合わせられている。

「技術が実用化されると、通常、異なるタイプのプレーヤーでも使えるよう適応させることができる」とブルンスキー氏。「『リバウンドフレーム付きのカップフェース』を採用することで、インパクトパターンが大きくなり、スイングスピードが遅いプレーヤーに特別なメリットをもたらしてくれる」。


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フェース自体は同社が「Super-TIX PLUSチタン」と呼んでいるもので作られている。クールな響きだが、これはスリクソンのドライバーに採用されている高性能チタン合金「Ti51AF」と同じもので、名前を変えているだけだ。

しかし、「リバウンドフレーム」と「カップフェース」、「Super-TIX PLUS」の組み合わせで、前作の「ゼクシオプライム」ドライバーよりも「スイートスポットを200%拡大」することに成功している。

つまり、3倍は大きいということだ。

「スイートスポットとは、反発係数0.800のしきい値(境目となる値)を超えるものと定義されている」とブルンスキー氏。「それに近いフェースは多くあったが、現在の我々の製品では全てのエリアがその値を超えている」。

そりゃあもちろん、「200%拡大したスイートスポット」というのは魅力的。極めて魅力的だ。しかし、ゼクシオはデッドフェイスエリアをホットフェイスエリアに変えたわけではない。ブルンスキー氏が言うように、反発係数0.800のしきい値に近かったあたりがうまいこと0.800を超えるようにフェースを微調整したのだ。


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ウッド系に採用された技術

新しい「ゼクシオプライム」ドライバーには※「リバウンドフレーム」が、そしてドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッドの全てに「Super-TIX PLUS」カップフェースが採用されている。さらに、ウッド系は全てドローバイアスとなっている。ターゲットゴルファーのことを考えれば、それは完全に理にかなっている。

「ヘッドスピードが遅めのプレーヤーの大半はスライスという課題に直面している」とブランスキー氏。「ゼクシオプライムのフェース角は、標準的なゼクシオと比較しても、よりクローズになる傾向がある」。

ブルンスキー氏によると、ゼクシオは以前からドローバイアスを生み出すように設計されたバルジ(フェースの水平方向の湾曲)とロール(垂直方向の湾曲)も採用してきたという。


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「技術的には、バルジとロールはひとつのものとして定義されている。ゼクシオでは、「ヒール」、「フェースの中心」、「ハイ&ロー」という3つの異なる範囲で定義している。我々がしようとしているフェース曲率には6つの象限がある。何年も前からそうだ」。

簡単に言うと、少し開いたフェースでオフセンターヒットをすると、クラブヘッドがボールをセンターに戻しやすくなり、ドローバイアスがかかりやすくなるということだ。「ツイストフェース」のように聞こえたなら、それは正しい。多くのメーカーがずっとそれをやってきている。テーラーメイドは、それに名前を付けるという賢い選択をしただけだ。

「ゼクシオプライム」のウッド系は、アイアンにも採用された「ウエイトプラス」と呼ばれる機能が搭載されている。昨年の「ゼクシオ11」と「ゼクシオX」で初めて導入された「ウエイトプラス」は、簡単に言うとシャフトに「カウンターウエイト」(グリップの後端部に重量)をかけるものだ。


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「シャフトの重量を少し減らして、ドライバーに『ウエイトインサート』を入れた」とブルンスキー氏。「ゼクシオプライムのドライバー以外クラブはグリップの密度が高いので、バットエンドの重量が重くなる。これがカウンターウエイト。これにより、クラブのバランスポイントが手元に近くなり、スイングがしやすくなる」。


「ゼクシオプライム」アイアン

「Super-TIX PLUS」チタンフェースは「ゼクシオプライム」アイアンにも採用されている。26gのタングステンが重心位置を地中レベルまで押し下げるにもかかわらず、非常に大きく、非常に寛容で、非常に軽い。そして、「ツイングルーブ」もある。

「クラブフェースの下部をより柔軟にして、より高いボール初速をもたらすための工夫だ」とブルンスキー氏。「内部には2つのスリットがあり、フェースの下部をより柔軟にしている。全体的なインパクトパターンから見て、より多くのショットが低い位置で当たるからだ」。


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少しでも注意を払ってきたなら、「フェースフの柔軟性」や「アイアンフェースを“飛び込み台”代わりにする」のは新しいアイデアではないことがわかるだろう。ただ、「ゼクシオプライム」は、「チタンフェース」を「スチールボディ」に接着している点が他とは少し異なる。

「装着しても柔軟性を残すようなやり方が必要」とブルンスキー氏。「フェース下部が重要なのだ」。

その結果、スイートスポットがまたもや大きく増加した。このケースでは2019年モデルの「ゼクシオプライム」よりも「110%拡大」している。

「これは『ツイングルーブ・テクノロジー』と、微調整されたヘッド全体の形状、わずかに高くなったMOIの合わせ技だ」とブランスキー氏。「これはかなり重大な飛躍だ。単なる漸進的な発展ではなく、他にも多くの要素が含まれている」。


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スペック、価格、発売時期

「ゼクシオプライム」ドライバーには、2種類の固定ホーゼルロフト角(10.5度と11.5度)がある。フェアウェイウッドは3、5、7、9番ウッド(15、18、21、24度)、ハイブリッドは23、26、29、32度のロフト設定だ。

「ゼクシオプライム」アイアンは、5番アイアンからSWまでのラインナップ。ロフトは7番アイアンの28度をベースにした、今どきの中級者向けアイアンの典型だ。

前述したように、ゼクシオは「グリップからチップまで総合的に設計」されており、シャフトも例外ではない。新しい「ゼクシオプライムSP-1100」シャフトは、「TORAYCA T1100Gカーボンファイバー」と「NANOALLOY樹脂」を使用している。ゼクシオによると、非常に軽量で、先端が非常に柔らかいため、クラブフェースを閉じやすく、ボールをスクエアに捉えやすいということだ。


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各クラブには、独自の「ゼクシオプライムウエイトプラスグリップ」が装着される。フェアウェイウッドのグリップ27.5gに対し、ドライバーのグリップは26.5gと極めて軽量だ。ハイブリッドとアイアンのグリップはもっと重く、それぞれ40g、42gとなっている。

ゼクシオの価格設定は気弱な人向けではない。「プレミアム商品」として作られているからだ。しかしプレミアム商品が欲しい人はプレミアム価格を覚悟しておくのが道理というものだろう。

「ゼクシオプライム」ドライバーの小売価格は899.99ドル、フェアウェイウッドは399.99ドル。ゼクシオプライムアイアンは1本274.99ドル、4本セットだと1,099.99ドルとなる。

2月12日より販売開始。


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「ゼクシオプライム」ロイヤルエディション〜クイーンズ・ギャンビット

念のため、標準の「ゼクシオプライム」ではプレミアム感が足りないという人のために、「ゼクシオプライム」ロイヤルエディションを紹介しておこう。

「ゼクシオプライム」自体にはメンズ、レディスの概念はないが、「ゼクシオプライム」ロイヤルエディションは女性専用となる。

「性能重視の商品。理由があって高価になった」とブランスキー氏。


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ブルンスキー氏によると、ゼクシオは「ロイヤルエディション」に、超柔軟な(しかも超高価な)「STAANFチタン合金フェース」を含む、ありとあらゆる素材を使った技術を投入したという。ロイヤルエディションは主に韓国で販売されてきたが、同社は北米でも販売する時期が来たと感じている。本間の「ベレス」やマルマンの「マジェスティ」と競合することになるだろう。

 

「市場における超プレミアム、高級部門の商品だ」とブルンスキー氏。「ロイヤルエディションは贅沢にデザインされているが、性能をないがしろにしているわけでは決してない」。

価格設定も超プレミアムで高級感がある。ロイヤルエディションの小売価格はドライバーが1,199.99ドル、フェアウェイウッドは799.99ドル、ハイブリッドは449.99ドル。「ゼクシオプライム」ロイヤルアイアンは各299.99ドル、6本セットが1,799.99ドル、8本セットだと2,399.99ドルで販売される。


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発売は3月12日。


「ゼクシオプライム」:結論

ゼクシオには2つの真実がある。

ひとつは、価格設定をめぐってキーキー騒ぐ読者がいるだろうということ。

もう一つは「売れる」ということだ。ゼクシオは北米に進出して以来、順調に収益を上げてきた。当初は高級カントリークラブブランドとしてスタートしたが、今では従来の店舗でも見られるようになった。

なにしろ人口統計学は嘘をつかない。軽量クラブにはかなりの市場がある。メーカー各社は彼らをほどほどのヘッドスピードのプレーヤーと呼ぶが、実際にはシニアゴルファーのことを指している。

シニアゴルファーの多くはリタイアして年金生活をしているが、残りのゴルフ人生、カントリークラブライフを楽しみたいと考えている富裕層のリタイア組は十分にいるとゼクシオは考えている。

パンデミック前のパームスプリングスへの旅はこのことを証明してくれた。インディアンウェルズカントリークラブで、我々は2つのことを発見:会員所有のカスタマイズされた派手なゴルフカートと、そのカートに積まれた大量のゼクシオだ。

ハンク・ウィリアムス(アメリカ合衆国のシンガーソングライター)風に言うならば「あなたがお金を持っているなら、ハニー、ゼクシオには時間がある」ということだ。

※元ネタ:If You've Got The Money(I've Got The Time)


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