フォージド(鍛造):金属を高温に熱し、ハンマー等で叩いて目的の形状に成形する製法

 

ピンがフォージド(鍛造)を採り入れてからが6年が経つが、それが今いろんな意味で変わりつつある。ピンの新商品「Glide Forged ウェッジ」がいい例だ。

ピンがこれまでのウェッジから脱却を図ったことは意外だった。Glide Forgedウェッジはツアープロの意見を取り入れ、明確に上級者をターゲットとしている。

もちろん、フォージドだ。

「ショットメーカー」のためのウェッジ

※ショットメーカー:ショットの切れ味が鋭い人のこと

まず注意してもらいたいのは、Glide Forgedは1年半前に発売されたGlide 2.0の後継モデルではないということだ。Glide 2.0はまだ継続中であり、Glide Forgedはピンの全く新しいカテゴリーとして登場するのだ。

「ツアープロやブランドアンバサダーは、小さめのヘッドを求めていた。社内では、Glide Forgedを『ショットメーカーズウェッジ』と呼んでいる。」(ピン商品開発部長  マーティー・ジャートソン)

ピンがGlide Forgedを『ショットメーカーズウェッジ』と呼ぶ理由は何だろうか?

まず、ヘッドサイズがGlide 2.0より10%ほど小さい。さらにわずかなオフセットが加わり、ヘッドには少し丸みがつけられた。

「全てはショットメーカーにより良いショットを打たせるためだ」とジャートソン氏は語る。

「ヘッドは明らかに小さめだ。ヒールからトゥにかけてさらに丸みを持たせており、ソールの設置面積が少ないことが、バンカーやラフ、グリーン周りからのアプローチショットで役に立つ。」

他の主な違いは、ソールグラインドだ。Glide2.0には、TS(Thin Sole)、SS(Standard Sole)、WS(Wide Sole)、ES(Eye Sole)の4つのグラインドオプションがあるが、Glide ForgedにはTSとSSの中間に位置する1種類のグラインドオプションしかない。

「バンス角を少し小さく、ソール幅も少し狭くすることで、フェースをスクエアにしても、開いても、リーディングエッジが低く保たれる」

「TSとSSの間がフィットする上級者は多い。だから、SSをもう少し削ろうが、60度のウェッジを曲げて58度に調整しようが、上級者は結局私たちが造る、この「中間」のウェッジを欲しがることになる。つまり、正確なフィッティングとソールグラインドの観点から見ても、彼らにはこのウェッジがフィットするのだ。」

ピンの契約プロであるルイ・ウーストハイゼンやアドバイザーであるスタン・アトリー、トッド・アンダーソンはGlide Forgedの設計に大きく貢献した。ウーストハイゼンは、すでに60度を使ってプレーしている。

完璧な形状と打感

Glide Forgedはピン版のブレード型ウェッジと言えるだろう。詳細を知れば知るほど、ピンならではの特徴が見えてくる。例えば、タングステン・トゥ・ウェイティング(10~16gでロフト角による)、ハイドロパール 2.0 クロム仕上げ、グースネック・テーパード・ホーゼルにヒントを得たアイ2(Eye 2)などだ。

しかし最も注目すべきなのは、高温の窯で熱しハンマーで叩いた「8620フォージドカーボンスチール」だ。

「私たちは完璧な形状のウェッジを造りたかった。それが、今回のウェッジにフォージド(鍛造)を採用した一番の理由だ。スコアライン、ホーゼル、ネック、オフセット、ヘッド形状の全てが鍛造工程を通して理想を超える出来となった。」

それから、上級者が好む「打感」も忘れてはいけない。

「ウェッジなのに、まるでVault 2.0パターを打っているような感覚だ。硬く、均一で、しっかりとした打感。控えめだが、インパクトではソリッドな打感を得られる。」

Forged Glideのバックフェースは、印象的なミーリングパターンが特徴であり、ベン・ホーガンの新しいEqualizerウェッジに似ている。

豊富なカスタマイズ

たとえ高額でもカスタムパターを望むゴルファーは多いため、カスタマイズはゴルフ用品業界で今でも伸びている分野だ。そのため、ピンもウェブサイトでGlide Forged用のユニークなカスタマイズプログラムを提供している。

「Mr. Ping」、ブーメラン、星条旗、アリゾナ砂漠の4種のデザインから選んで、バックフェースにプリントすることができる。また3種類の刻印オプションがあり、トゥ、中央、ヒールに3文字(文字と数字)まで、バックフェースに2文字もしくは「Mr. PING」のロゴを刻印することもできる。

さらに、シャフトやグリップオプションに加え、12色のカラーオプションから選んでカラーカスタマイズもできる。オンライン上でデザインが完了したら、近くのピン取扱店でスペックを決めて、注文するという流れだ。

 

価格・販売状況・オプション

本日よりForged Glideのプレオーダーが開始される。7月末までには小売店でも販売される予定だ。

Forged Glideはソールグラインドは1種類で、ロフト角は50度から2度刻みで60度までだ。ピンはForged Glideを上級者ウェッジと謳っているため、オリジナルスチールシャフトとして、ダイナミックゴールド S300、グラファイトシャフトはピンのALTA CBを用意している。グリップはゴルフプライドのツアーベルベットだ。

 

追加料金なしのシャフトオプションには、ダイナミックゴルフの X100、ダイナミックゴールド120のSとX、ダイナミックゴールド105 のRとS、プロジェクトX LZ、トゥルーテンパーXP95、日本シャフト NS Pro Modus 105、KBS Tourがある。その他のシャフトは全て有料だ。

ピンはGlide Forgedをプレミアムウェッジと位置付けており、鍛造の打感は価格に反映されている。アメリカでの小売価格はスチールシャフトで$217.50、グラファイトで$232.50。カスタマイズは別途料金がかかる。