・テーラーメイドとの提携発表を受け、ローガン・オルソンが「クラフトバッチ No. 3」 ブレードパターを発売

・「クラフトバッチ No. 3」 は、オルソン解釈によるクラシックなヒール・トゥーブレードデザイン

・このブレードパターは、独自のウエイト配分戦略と「フランバーズネック」が特徴


12月5日、ローガン・オルソンの公式サイト「LoganOlsonPutters.com」で独占販売、価格は$850(約12万7,272円)。

数日前、テーラーメイドはローガン・オルソンとの提携を発表した。今後、テーラーメイドのツアープロ向けに「ツアーマトリックス」フィッティングプログラムを共同開発する予定だ。

「ツアーマトリックス」とは、ツアープロのニーズに応じた高精度なフィッティングシステムであり、オルソンのデザインやミーリング技術を活かし、選手一人ひとりに合わせた最適なパターを提供することを目的としている。

オルソンの仕事に詳しい私は、このコラボに興奮しているが、オルソンのパターに馴染みのない方々は、まったくピンとこないだろう。わかってる。


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なので、今日はローガン・オルソンの最新パター、「クラフトバッチ No.3」に迫って、その魅力をじっくりと見ていくとしよう。

オルソンの独自のアプローチとテーラーメイドのリソースが組み合わさることで、どれだけ大きな影響を与えるかがわかるようになる。


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仕様:ローガン・オルソン「クラフトバッチ No. 3」 パター

・素材:303ステンレススチール

・製法:CNCミーリング

・仕上げ:サテンシリカブラスト

・フェース:水平グルーブミリング

・ネック:フランバーズネック

・トウハング:~5:00

・オフセット:ワンシャフト

・ロフト:2.5度

・ライ角:70度

・重量:338グラム

・シャフト:KBS CTクロームパターシャフト

・グリップ:グリップマスター レザーまたはゴルフプライド プロオンリー レッドスター

・参考価格:$850


「クラフトバッチ No. 3」はただのアンサーじゃないのか?

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皮肉な見方をする人は、この写真を見て「クラフトバッチ No. 3」をただの「アンサー」のコピーだと片付けてしまうかもしれない。それは間違いだ。確かに、このパターにはアンサーの特徴が感じられるが、オルソンが金属を操る方法は決して“普通”じゃない。


フランバーズネック

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名前が示す通り、「フランバーネック」は「フローネック」×「プランバーネック」の組み合わせだ。「フランバーネック」は、プランバーネックの特徴である「フルシャフトオフセット」と、上部90度にそして滑らかなカーブを描きながら、フローネックの輪郭と繋がり組み合わさっている。


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ネックはフェースから後方に取り付けられ、アドレス時にボールが完全に見えるようにカーブしている。トウハング(トウの傾き度合い)は伝統的なプランバーネックより少し深いが、ヒールに位置するフローネックほど深くはない。


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パターの他の部分と同様に、「フランバーズネック」もクラシックなデザインを新しい視点で捉えたものだ。その形状が似ているのは、ベティナルディ「BB1.1」の「プラマーズネック」だが、「フランバーズネック」はそれよりも流れるようなラインを特徴としている。


音響特性の調整

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「クラフトバッチ No. 3」のデザイン過程では、オルソンはインパクト時の音に相当こだわった。ゴルファーが求めているのは、インパクト時の「心地よい音」であって、不快な音や振動なんてもってのほかとオルソンは考えている。

テーラーメイドも「TPリザーブミルドライン」のパターをデザインする際、音に細心の注意を払ったことを覚えているかもしれない。2者がこのテーマに共鳴したってこと。

オルソンは、「クラフトバッチ No. 3」で音の周波数が調和するまで、重量を移動させ、デザイン調整を行った。


ソールのチャネルからのバランス

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「クラフトバッチ No. 3」のソールが一部削られているように見えるのは、オルソンが重心を最適化し、安定性とパフォーマンスを高めるために掘り込んだからだ。この「チャネル」がソール全体に施されていないのは、特定のエリアに集中させることで効果を最大化したかったのが目的。

部分的にしかチャネルが広がっていない理由を考えると、あのかっこいいローガン・オルソンの丸いロゴのためだろうと思うかもしれない。でも、それが理由じゃない。(でも、あのロゴがクールなのは確かなことだよね。)

素材を削った理由は明白で、ヘッド内の重心位置を変えるためだ。具体的には、重心をフェースの中心の真後ろに持ってくること。もしチャネルがなければ、ネックの余分な質量が重心をヒール側に押しやることになる。


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重心位置を測るツールは持っていないけど、バランスの取れたパターの感覚は分かる。「クラフトバッチ No. 3」のバランスは素晴らしい。

独特なネック形状とソールの組み合わせが、素晴らしいバランスとフィーリングを生み出している。それは私の意見だけじゃない。グリーンで他の数人にも「これ、ちょっと試してみて」と渡してみたけど、何も言わなくても、その感触に思わず目を見開いていた。みんなのリアクションがこのパターの実力を物語っている。

その素晴らしいバランスとフィーリングの気に入られっぷりに、貸したパターを返してもらうのに一苦労だったよ。


なぜこのパターが重要なのか

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ローガン・オルソンの「クラフトバッチ No. 3」パターは、いくつかの理由で注目に値する。まず第一に、オルソンの仕事に触れたことがない人にも、彼がデザインやパフォーマンスでどれだけの実力を持っているかを示すものだからだ。

「クラフトバッチ No. 3」は見た目も魅力的だ。大きな特徴に加えて、オルソンがパター全体に施した繊細なミルド加工の細部が気に入っている。

ネック形状やソールのチャネルをシンプルに滑らかに仕上げることもできたが、オルソンはあえてミルド仕上げにアクセントを加えて美的感覚を高めることを選んだ。フェースの横溝はロール性能を向上させるためにミルドされているが、その他のフェースのミルド加工は、純粋にその「美しさ」を引き立てるために施されている。

言うなれば、「性能」と「美しさ」の二刀流。その姿はさながらパター界の「SHOHEI OHTANI」というと言いすぎかな?(笑)

フェースロゴを囲む同心円は、フェース全体のデザインに絶妙なコントラストを加えている。この一手には思わず「完璧!」と言いたくなる。さすがローガンだ。

「クラフトバッチ No. 3」は、削り出しパターがまだまだ現役であることを証明している。オルソンは形状の微妙な違いを追求することで、性能をさらに高めたブレードパターを生み出した。

バランスは他の金属や追加ウエイトを使うのではなく、スチールのリバランス(再配置)によって実現された。

一言で言えば、これが職人技ってやつだ。ローガン・オルソンの手にかかると、その言葉がただの褒め言葉じゃなく、本当だってわかってくる。


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テーラーメイドのツアープレーヤーや「Tour Matrixプログラム」でのオルソンの取り組みが、一般向けに反映される保証はない。でも、このパターを見てしまったら、テーラーメイドとローガン・オルソンのコラボによる製品ラインがどんな仕上がりになるのか、期待せずにはいられない。

もしかしたら、販売されるであろうパターには「クラフトバッチ No. 3」の細かな部分が欠けているかもしれない。しかしそれでも、おそらくパター界で最も新しいアプローチの一つになるだろう。

詳細を確認し、「クラフトバッチ No. 3」をhttps://www.loganolsonputters.com/で手に入れよう。