ドライバーにおいて、キャロウェイとテーラーメイドは腕相撲をやっているような間柄だ。どちらが最も長く持ちこたえるかがいつも議論になる。ピンやコブラ、スリクソンなども競合メーカーも、今では素晴らしいドライバーを造る。異論があるかもしれないが、ゴルフショップやツアー、インターネットのフォーラム、そして世界中のティーグラウンドにその証拠が残っている。テーラーメイドは長い歴史の中でドライバー市場をけん引してきたが、昨シーズンついに逆転が起こった。キャロウェイが完全にテーラーメイドを打ちのめし、ドライバーとその他のウッドカテゴリーを乗っ取ってしまった。

ゴルファー達は、キャロウェイがボールスピードが0.9m/s速くなると発表したエピックの「ジェイルブレイク」ストーリーを受入れ、信じた。MyGolfSpyの2017年Most Wantedテストでも、数値は現実に近いものがあった。当然、話題性や機能の良さもあったが、どこを見渡してもゴルファーはエピックを使っていた。とはいえMも十分に売れたし、テーラーメイドもなかなかの二番手だったと言える。だが、ゴルフ界のNo1.ドライバーであることにこだわり続けられたら、2番手は簡単には割り込めない。

これは昨年の出来事だが、きっとテーラーメイドは今年もまた大敗の道を選ぶことはしないだろう。必ず、倍にして打ちかえしてくるはずだ。リリースされた新M3及びM4ドライバーは、エピックに対するカウンターパンチである。テーラーメイドは、10年に一度の高跳びに挑戦したのだ。

あなたが今何を考えたか当ててみよう。“飛距離が10ヤード伸びたら・・・・”。いいや、飛距離は変わらない。少なくとも飛距離の変化はゼロだが、より多くフェアウェイに飛ばすことができるドライバーだ。M3とM4の強みは、飛距離はもちろん、テーラーメイドが強調しているのは直進性のある飛距離である。

 

では、どうやってそれを実現する?

 

" ツイストフェース "(ねじれたフェース)。

 

冗談ではなく、" ツイストフェース " なのだ。

 

ツイストフェースとは?

1885年、Bulgerドライバーはドライバーのフェースデザインに新しい基準をもたらした。Bulgerはバルジ(水平方向の湾曲)とロール(垂直方向の湾曲)のあるフェースデザインを業界に紹介した。つまりそれは、インパクトの衝撃を和らげるために設計された湾曲であり、弾道に影響を与える。もしボールがトゥでつまってしまったら、セオリー通りに言えばフェースの湾曲がボールを右側からスタートさせ、フェアウェイに引き戻してくれる。お気づきのように、どのメーカーもバルジとロールをドライバーに採用していったが、テーラーメイドによるとこの時期、誰もが間違いを犯していたという。

“1979年に最初のメタルウッド製造以来、テーラーメイドは新しい性能に到達するために伝統を打ち破り、、その伝説を築き上げてきた。2018年、私達はもう一度、ツイストフェーステクノロジーを駆使しドライバーの新しい可能性を切り開いた。伝統的なこれまでのドライバーに決別し、本来の人間のスイング傾向や癖を考慮して設計されたフェース設計は、ゴルファーにとって競争力のあるアドバンテージになるはずだ。”と、商品開発責任者ブライアン・バゼル氏は述べた。

ツイストフェースは、傾いてねじれたバルジとロールのことである。確かにバルジとロールではあるのだがが、テーラーメイドがメディア発表で配ったフェースのイラストが示しているのは、プリングルスのポテトチップのような形をしていた。テーラーメイドの話によると、1,000を超えるショットを分析し、大部分のミスショットがローヒールからハイトゥにかけた対角線上に起こることを発見している。これは特に新しいニュースではなく、基本的に多くのゴルファーが知っていることだ。つまり、コブラE9のフェーステクノロジーのように、息の長いテクノロジーの基礎である。

 

それでは、テーラーメイドの" ツイスト "とは何だろうか?

 

ドライバーをロボットでテストする時、トゥからヒールの対角線上にヒットしたボールは、大体いつもフェアウェイの真ん中に向かって弧を描くように飛ぶ。ロボットと人間が打つ時の差はここにある。人間はロボットのようにスイングしない。トゥとヒールで打った場合を見るためにロボットを設定すると、(当然だが)毎回同じスウィングを繰り返す。人間では、ヒールやトゥでのボールコンタクトは、他の変動要素(軌道、フェースアングル、アタックアングルなど)により変化する。すべては、インパクトにおける動力学なのである。ゴルファーはロボットではないし、ロボットはゴルファーではない。

ゴルファーがトゥで打つ時、大抵インサイドアウト気味にスイングをしており、低スピンのフックという共通した結果になる。ツイストフェースでは、フェースはフラットでなくロールとバルジを持たせつつ、ハイトゥからローヒールにかけてねじられている。アドレスしても一見わからないが、フェースがトゥの高い位置で開いていて、その部分のロフト角が大きくなっている。これは理論上、これはボールがターゲットに対してかなり右方向へ打ち上げられ、高く上がり、そしてフェアウェイの中心近くまでカーブして戻ってくることを意味する。

逆に、ヒール部分はロフトが立ち、閉じた状態になる。ツイストフェースでは、ローヒール部分に当たると低スピンで低めの弾道を生み出すが、それによってボールはセンターに飛ぶか、もしくはハイフェードまたはハイスライスが軽減するか、どちらかの結果になるだろう。

" ツイストフェース " は素晴らしく優秀であるように思える。ゴルファーに、より可能性を与えてくれるような革新的な技術である。確かに、数ヤード飛距離を伸ばすことよりも高いポテンシャルがあるが、テーラーメイドがほとんど話題にしない現実に目を向けてみよう。

ゴルフ業界の誰も発見しなかったバルジとロールの構造をテーラーメイドが発見したという考えは、少々おかしい。誰もが絶え間なく、この構造に関しては研究しているし、エンジニアはこれらの機能についても十分に理解している。そうなると、あとは調整の問題であり、マーケットにおける最大のセグメントにヒットするものに対して最善の努力をすることである。次のシーズンにかけて、バルジやロールの新しい調整方法について誰も話題にしなかったとしても、それこそが、正にテーラーメイドが、ゴルファー達に今まで見たことがないと思わせようとする理由なのである。

 

しかし、実際にはすでに存在するのだ。

 

テーラーメイドはツイストフェースを過去10年で最大のイノベーションだと謳っているが、彼らが発表しているものを見れば、コブラの新F8ドライバーと何の違いもないことに気づくだろう。コブラが、ミルドフェースに注力することを決めた一方で、このミルドフェースはねじれたバルジとロールを特徴としている事実が忘れ去られている。あなたは今「聞いたことがある」と思ったはずだ。ローヒールでロフトとスピンが減り、ハイトゥでは増す、という話だ。コブラはE9フェーステクノロジーに合わせてバルジとロールのねじり構造を採用しているだけでなく、昔のAMPラインでもすでにこの技術を使っている。

私達が聞いたところによると、テーラーメイドの発明はよりアグレッシブで、弾道への影響がこれまでより大きくなるという。ツイストフェースを見た目や感覚で分かり易く表すために、テーラーメイドは実際のクラブの2倍の大きさのイラストを用い、ツイストフェース効果を4割増しで見せている。実際は、ツイストフェースは全く関係ないというほどではないが、気づかれない程度であり、以前から存在しなかったような表現はしない方がいいかもしれない。

どんなドライバーのリリースも説得力のあるストーリーが必要であり、今回のケースではたまたまツイストフェースを取り上げたということなのだろう。

 

ツイストフェースの警告

ツイストフェースは、よく考えられた設計である。ゴルフにおいて設計はいつも何かとのトレードオフになる。従来のバルジ・ロール構造のクラブに比べて、ツイストフェースは、トゥに当たればかなり右方向へ、ヒールに当たれば大きく左方向へボールが出ていく。練習場では良いだろう。しかしフェアウェイが真っ直ぐではなかった場合や、右や左に木や障害物があった場合は、ほんの少しの差がむしろマイナスになってしまうだろう。これは、テーラーメイド(及び他の競業含め)にとって新しい事実ではなく、ツイストフェースが機能する理由の一部なのだ。ただしあなたが知っておくべきことでもある。

それでは、ツイストフェースとは一体何なのか。称賛せざるを得ない技術-目新しくも、革新的でもないし、テーラーメイド独自の技術でさえないが、正確性というベネフィットを届けることができる。もちろん、結果が伴わなければならないが。

最後に忘れてはいけないのが、ツイストフェースが機能するのはトゥやヒールでのミスショットの場合に限られるということだ。フェースが正しい方向を向いていなければ、芯や芯の近くに当たったとしても、同じような補正効果は得られない。

 

ハンマーヘッド

ツイストフェースに加え、M3とM4はハンマーヘッドと呼ばれる溝も特徴としている。溝はテーラーメイドのドライバーでは特に新しくないが、ウェイト位置調整が可能なモデルに搭載したのは、M3が初めてである。ハンマーヘッドの溝こそ、ジェイルブレイクテクノロジーの答えを意味する。中を割って見てみると、センターゾーンのスピードポケットが長めに、よりフレキシブルに設計されている。結果として、ボールスピードが増し、フェース下部に当たった時にバックスピンが減る。バーを補強するための溝の壁が、フェースを薄くすることを可能にし、スイートゾーンが拡大することでボールスピードを上げると、テーラーメイドは説明している。

 

白に代わるシルバー

テーラーメイドを代表するのは、白いクラウンだ。いや、少なくともR11、R15、M1、M2はそうだった。白一色か、白を基調としており、誰が見てもそれがテーラーメイドのドライバーと分かるほどであった。

ところが2018年、全てがシルバーに変わった(SLDR Sがうまくいったからか?)。実際、格好いいし、昔のアダムス スピードラインのドライバーに似ている。でも、なぜこれまで差別化に成功していた色を変えたのか?テーラーメイドによると、変わっていないと言う。シルバーは、M3及びM4が新しいモデルであるというメッセージを込めながら、よいコントラストを生み出している。全く異なる最新バージョンであり、購入する価値がある、というメッセージだろう。さらに、これに合う新しいシルバーのフェアウェイウッドも必要だとゴルファーに思わせるかもしれない。

これまで見た目や設計に関して話してきたが、みんなが触れたがらない話題を避けるつもりはない。多くの読者が指摘してきたように、M3とM4のロゴは、青と赤を特徴としたBMW Mシリーズのロゴの派生にみえる。おそらく、テーラーメイドは、究極の" ドライビングマシーン"(もちろんゴルフにおいて)を創造したというメッセージを込めたのだと思う。まるで、陳腐で怠慢なブランディングに思えるが、会社にとってはうまくいっているし、誰も気にしないだろう。

 

空気力学

テーラーメイドからすればついでかもしれないが、わずかに持ち上げられた新Mシリーズのクラウン設計が、タービュレーター及びスピードステップテクノロジーを説明している。彼らの宣伝によると、クラウンを上げたことでスイング中、ヘッドに対する空気の流れをタイトに保つことで抵抗を減らし、ヘッドスピードを増す。この設計の変化は、炭素繊維がポイントだ。これは2つの理由で重要だという。一つ目は、炭素素材は大変軽いため、重心位置を上げない。二つ目は、空気力学的な特徴をクラウンの前部分から後方へ移動させたことで、多くのツアープレーヤー好む見た目に比べて、アップライトに見えるのを防いでいる。

ここまでM3とM4に共通することを議論してきたが、次にそれぞれの違いについて見ていこう。

 

M3の特徴

M3では、M1のT-TrackがY-Trackへと変わった。これが一体何を意味するのか?ドローとフェードでの慣性モーメント(やさしさ)を上げ、高スピンをもたらし、ショットの方向性が高まる。この特徴が重心位置が左右に動くことを軽減し、ドロー・フェードバイアスをなくす。率直に言えば、高MOIは理にかなっていると思う。22グラムの重量(11グラムが2か所)のおかげで、幅広い範囲に設置することができる。M3は、1000以上の重心位置のパターンあると言われており、M1の倍以上である。ぜひ各パターンを試打してみて、その感想を聞かせて欲しい。

数字が表わす限り、前から後ろにかけての重心移動範囲は83%増加し、またM3の重心位置はあらゆるセッティングでもM1より低くなる。フルバック(2つのウェイトを最後部にした状態)で、バックIERが36%、一方で10%高いMOIを実現し、同時に低重心位置を維持することができる。

M3には膨大な量のウェイト位置のパターンがあるが、本当に必要かどうかは疑問だ。他のブランド(PXGでさえ)ウェイト調節機能に関してはシンプルに抑えているし、M2はツアー向けとしても、店頭でもとても人気のあるドライバーである。すなわち、テーラーメイドはマーケットで一番のウェイト調節機能を持ったドライバーを提供するという賭けにでたことになる。M3には、それをするに値する理由がある。

テーラーメイドは、標準の460ccモデルに加え、440ccの提供も続ける予定だ。前回の460ccモデルのように、440モデルはディープフェースで、打ちやすさを犠牲にしても、低めの打ち出しと低スピンを生み出す。

M3のシャフトは、三菱製テンセイシリーズだ。プロバージョンでないテンセイレッドとブルー、ホワイトは全てオプションだ。24本以上のオプションシャフトが追加料金なしで利用可能。グリップは、Lamkin UTXを採用している。460ccモデルは、8.5°、9.5°、10.5°、12°のロフト角オプションがある。440ccモデルは9°と10°の展開だ。

M3の両モデルとも、前モデルと互換性のある4°の超軽量アルミニウムロフト調整用スリーブが特徴だ。

 

 

M4の特徴

M3が外科用のメスだとしたら、M4はこん棒だ。これはドライバーを微調整したいゴルファー向けではなく、ただ強く打ちたいゴルファーのための実用的なハンマーである。

競合ドライバーに比べて打ちやすく、打音を良くするため、ジオコースティックと呼ばれるソール設計を採用して重心位置を低くすると同時に、アドレス時に存在感のある顔に仕上げた。カーブしたソールは、テーラーメイドが表現するところの、よりパワフルな音や良い打感をインパクト時に高い頻度で出すことを可能にする。ハンマーヘッド設計により実現したジオコースティックソールと軽量化に伴い、M4はヘッドの後方に41gのウェイトを搭載している。テーラーメイドの言う、M4の"前代未聞のやさしさ"を提供する意味で、後方部に設置したウェイトがMOIを高める。

テーラーメイドは過去にMOIに関するストーリーをころころと変えてきた。ここ数年のドライバーに関して言えば、テーラーメイドは長い時間かけやっと高MOIドライバーカテゴリーにおいて、ピンや、コブラ、PXGに追いついたと言える。それは、カーボンクラウンを採用し、バックウェイトを強調することにより、ついに可能となった。準備が出来次第、MyGolfSpy独自のMOI測定をしたいと考えている。

M4のシャフトは、ツアースペックバージョンではないフジクラ製アトムスレッドを採用している。M4のロフト角は初の8.5°をはじめ、9.5°、10.5°、12°にて展開される。8.5°のオプションがあることで、一部のハードヒッターはテーラーメイドの旗艦モデル同様にセカンドモデルを好むことを示しており、それがこのモデルの売上を少し押し上げるかもしれない。

 

M4 D-タイプ

ドローバイアスのDタイプ M4もまた発売される。これはわずかにオフセットで、インパクト時にフェースをスクエアにするのに苦戦しているゴルファーのため、ヒール側にウェートが置かれている。クラウン上のラインを変えたことにより、アドレス時にスクエアに見せている。クラブの助けは必要だが、それが常に視覚に入ることを好まないゴルファーに向けにアピールしている。スシャフトは、マトリックスプレミアムホワイトタイで、ロフトは9.5°、10.5°、12°だ。

 

M4とM4 D-タイプの小売価格は、429ドルである。

 

フェアウェイウッドとユーティリティー

M3とM4ドライバーが何か新しい技術を導入する、もしくは、少なくともテーラーメイドにとって新しい技術ということに関しては多少議論があるが、フェアウェイとユーティリティーに対して同じ議論をするのは難しい。勘違いしないでほしい。フェアウェイウッドは特にかっこいい。しかし、あなたがこれまでにないようなテクノロジーを求めるのなら、残念だが何も伝えることはない。

 

M3 フェアウェイウッド

 M3フェアウェイウッドの特徴は5層のカーボンクラウンや、薄型C300フェース、長めのスピードポケットである。カーボンソールプレートを加えたことは特筆すべきである。ウェイトが通る溝が前方に移動することで、芝の滑りを向上し、またスライディングウェイトの重量は4g増えている。これらは確実に改善と言えるが訴求力は弱く、シルバークラウンが欲しいからという理由以外で、フェアウェイウッドを買い替えさせるのは難しいだろう。

M3フェアウェイのロフト角は、15°と18°があり、三菱製テンセイブルーシャフトが使用されている。

 

小売価格は299ドル。

 

M4フェアウェイウッド

M4フェアウェイウッドは、「テーラーメイド史上、究極の飛距離を生み出すフェアウェイウッド」と宣伝されており、そのストーリーはドライバーのそれを継承している。投影面積はわずかに大きく、またハンマーヘッドの溝も大きい。さらに打感・打音を向上させるジオコースティックソールも採用している。M3と同じインバート コーンテクノロジー搭載のC300フェースを駆使し、ボールスピードを保つのに一役買っている。さらに、新型のスプリットウェイトパッドによって重量が外周に移動したことで、より打ちやすさが増す。

標準のM4フェアウェイを補完するのがツアーモデルだ。サイズは小さめ(156cc vs 175cc)でディープフェース、期待通りの低い打ち出し角と操作性を実現している(すなわち、やさしさに欠けることになる)。

M4のロフト角は15°、16.5°、18°、21°、24°で展開され、フジクラ製アトモスレッド75(ツアースペックではない)のシャフトを採用している。

ツアーモデルは15°及び18°で、シャフトは三菱製テンセイブルーだ。

 

M4フェアウェイウッドの小売価格は249ドルだ。

 

ここまでを見るとテーラーメイドは優秀なフェアウェイウッドを造ったように思える。実際にそれが証明されることを期待するが、一方でマーケットを沸かす要素を見出だせないのも事実だ。

 

レスキュー

どのカテゴリーにも何か新しい技術やストーリーがなければならないので加えておくと、新ラインナップを締めくくるのは、ドライバーやフェアウェイに合うように設計されたユーティリティーだ。

 

M3レスキュー

フェアウェイウッドと同じく、テクノロジーに関するストーリーはあなたの期待通りだ。M3レスキューは、ちょうどいい輪郭、ツアー仕込みでプロ好みの形、それに昨シーズンのM1に比べてとてつもなく大きい調節可能ウェートが3g追加された。テーラーメイドは通常くどいほどの報道用資料を準備するのだが、M3レスキューについてはたった一段落しかないので、おそらく二層クラウンは見たままの機能なのだろう。

M3レスキューのロフト角は、17°、19°、21°、24°での展開で、こちらもシャフトは三菱製テンセイブルーだ。

 

小売価格は、249ドル。

 

M4レスキュー

ラインナップの仕上げは、M4レスキューだ。M3やM4に比べて、レスキューは低い形状で、構えた時の見た目も大きめの設計である。ジオコースティックソールと、高打出し角を生む貫通型スピードポケットを搭載している。また、M4フェアウェイウッドのように、寛容性を増すためにスプリット式ウェイト調節機能が採用されている。最後に、このクラブは少々ドロー気味で、いわゆる万人向けには設計されていないことも加えておきたい。

M4レスキューのロフト角は、19°、22°、25°、28°にて展開。シャフトはフジクラ製アトモスレッド(ツアースペックではない)だ。

 

小売価格は、219ドル。

 

最終考察

テーラーメイドはM3とM4のリリースでゲームをひっくり返せると信じている。先週から同社がソーシャルメディアで配信している、本物のツアープロのリアクション動画がその証拠だ。テーラーメイドのツアースタッフは、「こんなクラブを見るのは初めてだ。ツアーで使うのが待ちきれない。」と言っている。以前にも数回聞いたことがある気がするが、これは可愛らしいストーリーだ。

一度ゴルファーの注目を失えば、昨年No.1ドライバーとNo.1ウッドの座を失った今、テーラーメイドは、さらに大きな回復が必要であることを認識しなければならない。キャロウェイの新ドライバーにしても、他の競合から発売される魅力ある商品にしても、成功は既知の事実以外の何ものでもない。ツイストフェースと大して変わらない技術がここ10年程の競合のラインナップに存在していた事実を考えると、テーラーメイドは実に大胆なやり方を取っている。それは、Rシリーズがこのカテゴリーを牛耳っていた時代に戻るための手始めの一つである。

リスクを取った彼らの動向をしばらくそっと見守ることにしよう。私の記憶によると、正確さを売りにしたドライバーが成功したためしがない。もしこれがうまく行けば、テーラーメイドは売上をひっくり返し、その改革の腕を認められ、再び業界のリーダーとして返り咲くだろう。

 

もしうまくいかなければ....

まだそれを考えるのはやめておこう。