ボーケイのWedgeWorksが発売されると聞き、嬉しくもあり同時に腹立たしくもある。

仕上げのペイントやカスタマイズ可能な刻印以外にも、WedgeWorksにはユニークな特徴がたくさんある。現在の主力商品(SM7)にはないロフト、グラインド、バウンス角がWedgeWorksでは自由に組み合わせることができる。

WedgeWorks限定の仕上げもあり、心ゆくまであなた好みにカスタマイズできるが、ゴルフショップで気軽にオーダーできるウェッジではないことも忘れてはいけない。

そこがWedgeWorksの難点だ。

例えば、「Oil Can」仕上げの54度Vグラインドが欲しくても、Golf Galaxy(アメリカのゴルフショップ)で買えるわけではない。

WedgeWorksでオーダーする以外に手に入れる方法はないのだ。さらに、カスタマイズには別途費用がかかる。

本当に欲しいものを手に入れるためには、それなりの対価を支払わなければならないということだ。

新発売されるWedgeWorks Kグラインドは、そういうサンドウェッジだ。

SM7 Kグラインド(ロブウェッジのロフト角が58度、60度)の売上が好調だったため、グラインドをサンドウェッジにまで拡大したというのが、今回の発売に至った経緯だ。

新たにロフト角(54度、56度)を増やしたボーケイは、バウンス角も16度まで増やしおり、これはラインナップの中で最もハイバウンスである。

ヒールからトゥにかけてさらにアーチをつけ、リーディングエッジ(フェースとソールの境目)からトレイリングエッジ(バックフェースとソールの境目)にかけての丸みもさらに強くしている。

Kグラインドが誰にとっても万能だとは思わないが、ある種の「バランス」を生み出せるクラブではある。フルショットの打ちやすさを保ちながらも、グリーン周りでの素晴らしく多彩な機能も犠牲にしていない。

Kグラインドはグリーン周り専用でも、オープンフェース専用でもなく、バンカーやグリーン周りでサンドウェッジに頼りきっていたゴルファーにとって理想的な設計になっている。

さらに、ハイバウンスでありながらソールの形状(アーチ)を変えたことにより、グリーン周りでのショットの「創造性」に磨きがかかった。

「Kグラインドは、素晴らしいロブウェッジで私のお気に入りの一本でもある。現在ツアーでは54度、56度がグリーン周りで使われることが多く、そこでは機能の多様性がポイントになる。」

「このロフト角のウェッジは、フルショットでしっかり機能することが求められる。特に弾道をコントロールするため、バウンス角は16度に設計されている。ソールのキャンバー(ヒールからトゥにかけてのアーチ)を増やしたことも大きい。このキャンバーがハイバウンスを可能にし、タイトなライやグリーン周りからのショットでも柔軟に対応できる。さらにソールの前後方向のアーチも増やしており、芝でもバンカーでもゴルファー自身がグラインドを感じることができる。」(ボブ・ボーケイ氏)

標準のSM7と同じく、ボーケイはWedgeWorks Kグラインドにも革新的なCG(重心位置)とスピンミルドグルーブ※を採用している。

※ロフト角ごとにグルーブ(溝)の幅を変える独自設計に加え、溝と溝の間にもパラレルミーリングを施している。

販売状況・価格・カスタム

新しいボーケイのWedgeWorks Kグランドは6月13日よりボーケイのウェブサイトにて販売、価格は195ドルからだ。価格には10文字までの刻印、カスタムシャフト、BV Wingグリップが含まれる。

Brushed Chrome仕上げ、もしくはOil Can仕上げのどちらかを選択できる。

Brushed Chrome仕上げ:54度、56度

Oil Can仕上げ(右利き用のみ):54度、56度