・イーブンロールの2023年モデルとして「Vシリーズ」パターが15モデル追加

・デザインを一新した人気モデル加え、イーブンロール史上最もカスタマイズ性の高いモデルが揃う

・Vシリーズパターの全モデルは、2023年2月中旬に発売


イーブンロール「Vシリーズパター」2023年モデルのベールがついに剥がされた。これらは完成されたパターラインナップであり、完全に一から開発、デザインされている。そして今年の「Vシリーズ」は、なんと15モデルも増えたのだ!

確かに、これらのパターのいくつかは、新モデルというより既存モデルの組み合わせのようなもの。それでも、登場するモデルの数には驚くばかりだ。

新作パターが登場すれば、その全てを迎え入れ探求するのが我々の役目だが、今回のラインナップにはそれ以上に期待するものがある。また、現「Vシリーズ」パターのホーゼルの多様性と同様、定評のある『スイートフェイステクノロジー』ももちろん搭載されている。

だが、これらに馴染みがないという方も問題ない。「Vシリーズ」とイーブンロールパターの主な特徴についていくつか振り返ってみましょう。


Versatility(多様性・多機能性)の「V」

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イーブンロールが「Vシリーズ」を発表したのは2021年のこと。このシリーズの目玉は、交換可能なホーゼルシステムだった。この多種多様なホーゼルの選択肢により、自分のストロークパターンに合ったホーゼルを選ぶことができるようになった。

もっとアーク(フェースの開閉)が欲しい場合は、短い「スラントホーゼル」を。アークを小さくしたい人には、長い「クランクホーゼル」が合うなど。自分のストロークパターンがわからない場合は、上の図を参考にすると良いだろう。

つまり、パッティングストロークの特性やパッティングの傾向を知ることで、正しいホーゼルを選択できるようになる。複数のホーゼルから選択できるのが「Vシリーズ」の素晴らしさであり、従来の備え付けホーゼルでは不可能なことだ。


スイートフェイステクノロジー

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もうひとつ、イーブンロールの『スイートフェイステクノロジー』については触れないわけにはいかない。今回ホーゼルのデザインが変わっても、『スイートフェイステクノロジー』は継続。このテクノロジーが『Most Wantedパターテスト』での勝因と言っても良いくらいだ。

圧倒的と言うと大げさかもしれないが、多くのゴルファーがイーブンロールのパターを長年愛用しているのは確かだろう。

では、何がフェースを「スイート」にさせるのか?上の画像をご覧いただくと、フェース全体に削られた特殊なV型の溝が見て取れる。これが、ミスヒット時の「距離」だけでなく、「方向性」の問題も解決してくれる。

基本的に、インパクトで中心から外れた場所で打ったとしても、この『スイートフェイステクノロジー』によってターゲットラインから外れることなくボールを転がすことができる。もちろん、常にスイートスポットでヒットできる自信があるなら必要のないテクノロジーなのだが…。


年「Vシリーズ」新調節可能ウエイト

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では、どのようにして「Vシリーズ」はラインナップの拡大を成功させようとしているのか?まず、ソールに調整可能なウエイトを追加。さらに、すべてのニューモデルのソールに取り外し可能なウエイトを搭載している。既に他のパターメーカーでは前例があるが、イーブンロールでは初となる試みだ。

人気の「EV2」は、「EV8」と同様に2つのウエイトを搭載している。従来の取り外し可能なウエイトシステム同様、意図した場所にウエイトを配置することが可能になる。つまり、ウエイトの配置は、「慣性モーメント (MOI)」と「重心 (CG)」の両方を調整することと同義だ。


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「EV2」モデルにウエイト2つ追加するのはちょっと…と思ったあなた。「EV5」のウエイトの数を見て欲しい。なんと配置できるウエイトの数が6個もあるのだ。これによりヘッドのどの部分にウエイトを置くか、自由にコントロールでき、前後だけでなく、ヒール/トゥのウエイトを調整することでパターのアーク(フェースの開閉)にさえ影響を与えることができる。

2個の交換可能ウエイトで文句を言っちゃあいけない。

すべてのウエイトは簡単に取り外すことができ、追加したければイーブンロールのサイトで入手できる。


「EV5」の後方シャーシオプション

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「EV5」ほど「Versatility(多様性、多機能性)」という言葉がぴったりなモデルはない。交換可能なソールウェイトが6個も付属しているだけでなく、後方シャーシも交換可能でオプションが3つ揃う。更にヘッドは3色の組み合わせが可能ときた。非常に多くの選択肢があるのが魅力だ。

まず、カラーオプションから見ていこう。

「EV5」のアルミニウム製後方シャーシは、「ブラック」または「シルバー」。「EV5」の303ステンレス鋼のフェースは、「ブラック」または「サテンシルバー」から選べる。

「オールブラック」か「シルバー」、または「ブラック/シルバー」の組み合わせが可能。2 色の場合、シルバーフェースにブラックのフランジという組み合わせのみで、逆の組み合わせはない。

配色を決めたら、3種類のシャーシから選択する。3つとも「ファング(牙)」デザイン。「EV5.1」のファングは少しカーブがかっており、「EV5.2」はまっすぐ、「EV5.3」のファングは後部でつながっている。各モデルについては後ほどもう少し詳しく説明する。

新「EV5」モデルのデザインの選択肢は圧倒的。


2023年Vシリーズ「EV12」パター


少し寄り道して、「Vシリーズ」2023年シリーズのコンパクトな「EV12」マレットを見てみよう。

順番が違うかもしれないが、私が最初に目を奪われたのは「EV12」だった。さて、このモデルに見覚えがある人もいるだろう。この「EV12」を見て「あのパター」に似ていると思い出せなければ、まだまだパターに関しては初心者だな。そう、「EV12」にはテーラーメイド「Spider X」の要素が多く見られる。

では、新「EV12」の特徴を見ていこう。まず、「マルチマテリアル(複合素材)設計」によりウエイトが周囲に配置されている。中央ボディは「6061アルミニウム製」で、周囲のウエイトは「303ステンレス鋼」。ソール中央にある大きな穴にお気づきだろうか?これはウエイトをエッジ(端)に移動させ、「MOI(慣性モーメント)」と「安定性」を高めるのに役立つ。

もちろん、このホールを使ってボールを拾うこともできる優れものだ。


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全モデルの中で最も打ちやすかったのが「EV12」。多分、それは私が「Spider X」を使っていた時期が長かったためかもしれない。いずれにしても、「ER12」は非常に安定しており、予測しやすく正確であると感じた。

「Spider X」愛用者は、「EV12」を検討すると良いだろう。おなじみの形状と独自の技術をお楽しみいただけるパターとなっている。

また、仕上げが「ホワイト」というのも魅力的だ。決して「ブラック」仕上げが魅力的ではないと言っているのではなく、ただ、個人的にホワイトの方が面白いと思った。

最初は、ホワイト「EV12」が「クランクネック」だったことにがっかりしたが、そこでVシリーズの「V」(多様性・多機能性)を思い出した。そうだ!「ネック」は交換できるのだ!レンチの使い方を学び、ネックを「スラントネック」に交換した。

ネックの交換は非常に簡単だった。とても満足している。


2023年Vシリーズ「EV2」パター


最も関心を集めるのは「EV2」かもしれない。このモデルは『Most Wantedブレードランキング』を制したパターでもあるので、その期待は高まるばかり。だが、なぜ同社はこのような素晴らしい性能を持つパターを敢えて改良したのか、疑問に思うのは当然だろう。

理由は簡単。より良くするためだ。その言葉通り、今回の「EV2」はさまざまな改良が施されている。2023年「EV2」には、複数の『ホーゼルオプション』、『スイートフェイステクノロジー』、調整可能な『ソールウェイト』、および構造の改良に着手している。

私が気に入った新デザインアイデアの1つは、後方バンパーが四角になったこと。丸みを帯びていたときよりも全体的にしっくりくるルックスになった。

これで、「EV2」の全てのラインがアドレス時のスクエア感を意識させてくれる。もうパッティングアライメントはお手のものだろう?

「EV2」にはサテン仕上げとブラック仕上げがあるが、ブラック仕上げは50ドル追加となっている。


2023年Vシリーズ「EV8」パター


「EV2」と同様に、「EV8」は抜本的な変更というより“微調整”の範囲。コンパクトな丸いマレット形状はそのままで、違いは「ウエイト」にある。前述のとおり、『調整可能ウエイト』は今年新たに導入した機能であり、重要な役割を果たす。

この調整可能なウエイトが加わったことで、前モデルよりもよりプレーヤーそれぞれに合ったパターを手に入れられるようになる。

また、今回はトップラインに二重ドットがないことにお気づきだろうか? これをやめた理由があるのだろうが、現段階ではその理由はわからない。同社のパターにはドットがあるものが多いため、逆にないのは興味深い。正直なところ、特にドットがなくて困ることはないのだが…。


イーブンロール「ZERO ERZ.1」パター


元々、私は初代「Zero(ゼロ)」が好きではなかった。試打した後、すぐさま棚に戻したくらいだ。

だがら、今回の新作を試打した後、私は混乱した。なぜなら「Zero ERZ.1」を打っていてとても楽しかったからだ。確かにヘッドはやや大きいが、ボールの転がりは最高で、これでラウンドをするのが楽しみなくらい。最終的には、前作を気に入らなかった理由が分からなくなったため、もう一度画像をチェックしてみた。

その理由は「シャフトの入り方」が気に入らないポイントだということがわかった。元祖「Zero」のシャフトは、ヘッド中央のホールより更にヘッド後方にささっていた。このシャフトが、私の“バックストライク型(シャフトがヘッド後方にささっているパター)”パター恐怖症のきっかけとなった。バックストライク型が好きな人もいるが、私には恐怖の記憶でしかない。


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一般的なシャフト位置とホーゼルになり、「Zero ERZ.1」はまったく異なるパターになった。私にとっては特に。

シャフトがささっている場所が変わったことで、「ERZ.1」のアライメントデザインを理解できるようになった。このパターは非常に簡単に狙いを定めることができ、ペリメーターウェイトデザイン(ヘッド周囲に配置されたウエイト)が「安定性」を高めてくれる。さらに寝袋のようなヘッドカバー付き。

パターのサイズ(大きさ)だけで判断しないでほしい。「Zero」新バージョンは、今回の新シリーズの中でも最もやさしく楽しいパターのひとつだ。


2023年Vシリーズ「EV5.1」パター


最も大きな改良を施した「EV5」の3モデルは、イーブンロールにとって更なる起爆剤になるに違いない。以前の「EV5」は、華奢な翼を備えたかわいいコンパクトな丸いマレットだったが、23年モデルは前作にわずかに似ているだけで、より力強いビジュアルに変化した。

その「変化」とは、金属素材から始まっている。「EV5」の3モデルのフェース部分には「303ステンレス鋼」を採用している。「EV5」マレットは「ブレード」から始まる。そこから、3つあるアルミニウムシャーシのうちの1つを装備したら、『Versatility(多様性)』への旅のスタートだ。

「リア(後方)シャーシ」、「ウエイト」、「ホーゼル」、「カラーオプション」についてはすでに述べた。「EV5」の組み合わせは数えきれないほど膨大だ。

だが、今回はその数ではなく、「EV5.1」の「シャーシ」オプションに焦点を当てたいと思う。後方部分は傾斜のあるアルミニウム製の「ファング(牙)」を特徴としている。形状的には、スコッティキャメロンの「ファントムX5」の後方デザインを思い出させる。

ただし、キャメロンよりも流れるようなデザインで、「EV5.1」の翼の方がはるかに滑らか。また、全体のすわりは最もコンパクトに見えた。

ルックス的には、オールブラックが最高で、ブラックボディにブラックシャフトとグリップの組み合わせが格好良い。


2023年Vシリーズ「EV5.2」


新「EV5.2」のシャーシは、より伝統的なファング(牙)を備えているのが特徴。「オデッセイ#7」のファングを思い浮かべてもらえると分かりやすい。そもそも、なぜこんなにも多くのシャーシオプションが必要なのだろうか?

レストランにおけるスープが1種類ではないのと同じで、シャーシが重要な機能だと分かれば、選択肢が多くあるのは素晴らしいことだ。魅力的なシャーシ形状を選ぶことも大切だが、これらはアライメントにも影響し、全く異なる打感が生まれることを知っておいて欲しい。

「EV5.2」にはファング(牙)の内側のエッジ(端)に施された2本の長いアライメントラインがある。

これらのラインをトップラインのアライメントラインと組み合わせると、エイミング(正しい方向に狙いを定める)システムがパター全体に広がる。他の2つのアライメントデザインはトップラインのみ。これにより、目線がパター前方にいくはずだ。

これは、「エイム(目標に向けて構える)」という観点で何を意味するのか?まず、「見え方」が変わる。当たり前のことだが重要で、“見え方”が違えば“狙い”も違ってくる。

個人的には、マレットの縦方向に長い平行線があると狙いがよく定まると信じている。私の場合エッジ(端)ではなく、中央に目を向けたい。このアライメントデザインが全員に合うとは限らず、その場合違うアライメントを探す必要がある。

だが、それに役立つのが、Vシリーズパター用アプリ。シャーシから配色まで、あなたのプレースタイルに合った組み合わせを探すことができる。


2023年Vシリーズ「EV5.3」パター


「EV5」シリーズの締めくくりは「EV5.3」。繰り返すが、このシャーシデザインから思い出すのはオデッセイの「ジェイルバード」。今度はファング(牙)の先がつながっている。

視覚的には、後方がバーで繋がれているため、他のデザインよりも統一感がある。ファングの間にスペースがあると、アライメントを合わせにくいという人もいる。エイム(目標に向けて構える)にはパターの形状が大事である証拠。

ビジュアルは別として、もうひとつ私が気づいたのは、「EV5.3」の打音が3つのモデルの中で最も静かだということ。これは後方に接続されたバーによるものと思われる。チューニングフォーク(音叉)の先に指を置くようなもので、振動と音を減らす。

最後にもう1つ、「EV5」のアライメントのポイントを紹介しよう。

デュアルカラーを選ぶと、前述のアライメントデザインはほとんどターゲットラインに「平行」になる。ただし、サテンとブラックボディを使用すると、ターゲットに対して「垂直」のアライメントラインが出来上がる。サテンとブラックは、昔のオデッセイ「ヴァーサ」のように、ターゲットラインに対照的なラインを作り出す。このデュアルカラーが懐かしいゴルファーも多いだろう。

以上が「EV5」アライメントの選択肢のすべてだ。


2023年「Vシリーズ」パターまとめ

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イーブンロールの「Vシリーズ」2023年モデルには語りきれないほどの多くの秘密が隠されている。「ER5」のオプションについて語るだけで来年までかかってしまう勢いだ。

これほど多くの選択肢を備えた新ラインが出るのは久しぶりなので、圧倒されるのも当然。カスタマイズプログラムも用意されているため、上手く活かして欲しい。

あなたの気になるモデルはあっただろうか?「EV5」ならどんな組み合わせにしたい?前「ER2」から買い替えたいと思うほど、新作は改良されていたかな? この多様なオプションや調整機能に驚いただろうか?現在お持ちのパターに調整可能な機能があるという方は、それを試したことはあるだろうか?

いずれにせよ、まだ2023年が始まったばかりだが、「イーブンロール」は、新パターシリーズで今年一番の素晴らしい成果を上げようとしているに違いない。