「7番ウッドはちょっと恥ずかしい」なんて、もう昔の話
少し前まで、7番ウッドは「ロングアイアンが苦手な人のクラブ」というイメージを持たれることもあった。
しかし、そんな見方はもう古い。
2026年のプレジデンツカップでは、スコッティ・シェフラーやクリス・ゴッタラップを含む6人が7番ウッドを使用。さらに2人が9番ウッドをバッグに入れていた。
24人中8人が、ロフト21度以上のフェアウェイウッドを選んだことになる。
ただし、ここで「ツアープロもみんな7番ウッドを使い始めている」と考えるのは早い。
残る16人は7番ウッドも9番ウッドも入れていなかったからだ。
では、なぜ飛距離に困らないトッププロが7番ウッドを選ぶのか。そして、なぜ使わない選手もいるのか。
その違いには、私たちアマチュアがクラブセッティングを考えるうえで重要なヒントがある。
重要なのは「8人が使っていた」という数字だけではない。「16人は使っていなかった」という数字も同じくらい重要なのだ。
なぜ飛ばし屋のツアープロが7番ウッドを使うのか?
飛距離を補うためではなく、必要なショットを打つためだ。
長い距離からグリーンを狙うとき、ただ狙った距離まで飛べばいいわけではない。グリーンに落ちたあと、ボールがどうなるかまで予測できることが重要になる。
7番ウッドは、同じような距離を打つロングアイアンと比べて、高い弾道を出しやすく、落下角度も大きくなりやすい。低い弾道ではグリーンに落ちてから転がりすぎてしまうような場面でも、高さを使って遠い距離からグリーンを狙う選択肢になる。
また、ラフや難しいライからのショットでも、ロングアイアンとは異なる選択肢になる場合がある。
今回の舞台となったメダイナは、グリーンが硬く、速いセッティングだった。だからこそ、7番ウッドや9番ウッドのようなロフトの大きいフェアウェイウッドが、複数の選手にとってコースに合った選択肢になったというわけだ。
ただし、ここで面白いのは、7番ウッドを入れたからといってロングアイアンをすべて抜いているわけではないことだ。
スコッティ・シェフラーは、7番ウッドとユーティリティ4番アイアンを両方バッグに入れていた。
パトリック・カントレー、ラッセル・ヘンリー、キャメロン・ヤング、ライアン・フォックスも、セットの長い番手にアイアンを残していた。
つまり、クラブセッティングを考えるとき、
「7番ウッドか、ロングアイアンか?」
と二者択一で考える必要はない。
それぞれで打てる弾道や距離が違うなら、両方をバッグに入れる意味がある。
では、なぜ全員が7番ウッドを入れないのか?
7番ウッドや9番ウッドをバッグに入れれば、それだけで番手間の距離がうまく埋まるわけではない。
実際、プレジデンツカップに出場した選手たちは、それぞれ違うクラブを選んでいた。
ザンダー・シャウフェレは、他の選手なら7番ウッドを入れるようなポジションに、ロフト21度のキャロウェイ「APEX UW」を入れていた。
イム・ソンジェは、長年使っている19度のハイブリッドを使用。コリン・モリカワは、5番ウッドの次にユーティリティアイアンを入れていた。
選んだクラブは違っても、解決しようとしている課題は共通している。
「フェアウェイウッドとアイアンの間の距離を、どのクラブで埋めるのか?」
その答えが、ある選手にとっては7番ウッドであり、別の選手にとってはハイブリッドやユーティリティアイアンだったということだ。
9番ウッドを見ると、その違いはさらに分かりやすい。
ジェイコブ・ブリッジマンは24度のテーラーメイド「Qi4D」9番ウッド、アダム・スコットは同じく24度の「Qi10」9番ウッドをバッグに入れていた。
数年前なら、「9番ウッド」という名前だけで選択肢から外していたゴルファーも少なくなかっただろう。
しかし、この2人はプレジデンツカップという舞台で、「9番ウッドだから」ではなく、そのクラブで必要なショットを打てるからバッグに入れていた。
ここで覚えておきたいのは、クラブに表示されているロフト角だけでは、そのクラブの役割は決まらないということだ。
シャフトの長さ、ヘッドの設計、自分の打ち方、そして必要としている弾道。
それらによって、実際に得られる結果は変わってくる。
自分のクラブセッティングでは何を見直せばいい?
プレジデンツカップのクラブセッティングを見て、「自分も7番ウッドを入れよう」と考える必要はない。
まず確認してほしいのは、長い距離からグリーンを狙うとき、バッグの中で一番打ちたくないクラブはどれかということだ。
たとえば、5回打って1回しかうまく当たらない4番アイアンかもしれない。
あるいは、ハイブリッドと5番ウッドの飛距離がほとんど変わらず、その下の距離が空いてしまっているかもしれない。
そんなクラブがあるなら、そのポジションで7番ウッドや9番ウッドを試してみる価値がある。
ただし、比較するときに見るべきなのは一番飛んだ1球ではない。
まず確認したいのはキャリーだ。
さらに、
▪ 弾道の高さ
▪ミスしたときの左右や前後のばらつき
▪グリーンに落ちてからボールがどう動くか
まで比較してみてほしい。
フェアウェイからもラフからも使うつもりなら、両方のライから打って結果を見ることも大切だ。
今回のプレジデンツカップが教えてくれたのは、7番ウッドがすべてのゴルファーにとって正解ということではない。
トッププロでさえ、必要な距離と弾道によって7番ウッド、9番ウッド、ハイブリッド、ロングアイアンを使い分けている。
だからこそ、今のクラブセッティングに不満があるなら、7番ウッドや9番ウッドを実際に打ち比べてみてほしい。
大切なのは、7番ウッドかロングアイアンかということではない。自分に必要な距離と弾道を、安定して打てるかどうかだ。




