ツアープロが7番ウッドをバッグに入れ始めた頃のこと、覚えているだろうか?

それまでこのクラブは、主に「超スコア改善型(高ハンディキャップや初心者向け)」のギアとされていた。ところがある時期からプロが使い始めたことで注目を集め、アマチュアゴルファーの間でも一気に人気が広がった。

今では7番ウッドがツアープロのキャディバッグに入っていても、そこまで驚かなくなった。

だが、次に来るのは「9番ウッド」だ。


芝の上に並べられたTour Edge「Hot Launch E523」シリーズの7番ウッドと9番ウッドのクラブヘッド。

9番ウッドとは?

9番ウッドは、ロフト角が大きいフェアウェイウッドのひとつで、メーカーによって異なるが、一般的にはロフト角が23〜26度ほど。これは、4番アイアンや5番ハイブリッドとほぼ同じ距離を打つクラブにあたる。

フェースは浅めで、高弾道が打ちやすく、ロングアイアンよりもミスに強い設計になっているため、ボールを素早く高く打ち出し、グリーン上でピタッと止めやすいのが特徴だ。

また、9番ウッドは他のフェアウェイウッドよりもシャフトが短めに作られており、ミスショットの削減につながっている。


なぜツアープロが9番ウッドを使い始めているのか?

まだツアープロのバッグに頻繁に入るクラブではないが、9番ウッドは今、確実に存在感を高めつつある。アダム・スコットは「ザ・メモリアル」で9番ウッドを使っている姿が目撃され、ライアン・ジェラルドも同様だった。

サヒス・シーガラは、すでに9番ウッドを継続的に使用しており、一時的な試用ではないことを示している。

トミー・フリートウッドも、過去に使用しており、特に硬いコンディションや、ピン位置が厳しいセッティングで高さが求められる場面で投入してきた。LIVの試合では、ダスティン・ジョンソンがバッグに入れていたこともある。

コリン・モリカワは、「9番ウッドを入れるのは“ズルしているみたいな感覚”だった」と語っており、実際に全米オープンでは深いラフへの対応策として9番ウッドを投入している。

こうした世界トップクラスのボールストライカーたちが、より高いコントロール性と深い自信を持ってロングアプローチを狙うために、このクラブを選んでいるのだ。


何を抜いて、9番ウッドを入れるのか?

9番ウッドをバッグに入れるために、多くのプロはロングアイアンかハイブリッドを抜く。

一般的には、4番アイアンや3番ハイブリッドがその対象となる。

9番ウッドが力を発揮するのは、深いラフやグリーンが硬く速く、高さと止まりやすさが求められるような場面だ。

ロングアイアンで十分な高さを出せないゴルファーにとって、9番ウッドは頼れる選択肢になる。

実際に9番ウッドを手に取って構えてみれば、すぐに“安心感のあるクラブ”だと感じるはずだ。

特に構えたときの見た目は、4番アイアンよりもはるかに信頼感がある。


ゴルファーが構えるテーラーメイド「Stealth 2」フェアウェイウッドのクラブヘッドを正面から撮影した画像。

9番ウッド、試す価値はある?

ロングアイアンの弾道が上がらないと感じているなら、あるいは高弾道でグリーンを狙いやすいクラブを探しているなら9番ウッドは一度試してみる価値がある。


こんなゴルファーにおすすめ:

・ヘッドスピードが遅めのゴルファー

・深いラフからの脱出を助けてくれるクラブを求める高ハンディキャップのゴルファー

・パー5や長いパー4で、よりやさしく攻められる高ロフトのクラブを求める競技志向者(上級者)

・ミスが多いハイブリッドやアイアンに代わる選択肢を探しているゴルファー


「ツアー向けのクラブじゃないから」と決めつけるのは早い。

今や、9番ウッドはツアーレベルの選択肢なのだ。