2種類のロフト角、2カ所のウェイトポート、そして見覚えのあるモデル名。PXGの新たな高MOIドライバーが、まもなく登場するかもしれない。
PXGの新ドライバー「Raptor X10K+」が、USGA(全米ゴルフ協会)の適合ドライバーリストに掲載された。
ここ数年のPXGを追っているゴルファーなら、「X10K+」という名前に聞き覚えがあるはずだ。
適合リストから分かる情報は限られているものの、今回の掲載によって、PXGが新モデルの投入に向けて動いていることがうかがえる。
10月は、各メーカーの新ドライバーが適合リストに登場し始める時期だ。
近年は1月まで新製品の情報が明らかにならないケースも増えている。しかし、発売前のクラブをツアーの公式競技で使用するには、適合リストへの掲載が必要だ。
そのため、この時期の適合リストは、これから登場するクラブを知る手がかりになる。
例年より静かなドライバー発売シーズンに?
近年は新製品の発売サイクルを長くするメーカーが増えており、次のドライバー発売シーズンは例年より静かになると予想される。
キャロウェイとコブラは、複数モデルを含む新シリーズの投入が見込まれている。
PINGも従来の発売サイクルに従えば、3モデルの新ドライバーが登場する可能性がある。
タイトリストからは「GTS1」の登場が予想される一方、テーラーメイドは「Qi4D」を継続する方針だという。
では、PXGはどうだろうか。
現行の「Lightning」シリーズは、これまでのPXG製品の中でも特に完成度が高いと評価できる。
しかし、「Raptor X10K+」の適合リスト掲載に加え、PXGがメディアイベントを予定していることを考えると、同社はまだ発売サイクルを長期化するつもりはなさそうだ。
適合リストで確認できた「Raptor X10K+」の仕様
USGAの適合リストに掲載された「Raptor X10K+」には、9度と10.5度の2種類のロフト角が用意されている。
また、ウェイトポートはヒール側とヘッド後方の2カ所に配置されている。
ここで注目したいのは、新しい技術というよりも、ゴルファーに合わせた調整機能だ。
重いウェイトをヘッド後方に配置すれば、MOI(慣性モーメント)を高め、ヘッドのねじれを抑える方向に働く。
一方、ヒール側に重いウェイトを配置すれば、ボールが右に出やすいゴルファーに向けたドローバイアスの設定が期待できる。
特別に新しい仕組みではないものの、高MOIドライバーを選ぶゴルファーが求める、安定性とつかまりの調整に対応できる可能性がある。
ただし、実際のウェイト重量や調整幅はまだ明らかになっていない。
現行「Lightning Max-10K+」との違いは?
現行の「Lightning Max-10K+」には、ウェイトポートが3カ所設けられている。
それに対し、今回の「Raptor X10K+」で確認できるのは2カ所だ。
適合リストの情報がすべてだとすれば、PXGはウェイトポートを1つ減らしたことになる。
これは調整機能をシンプルにするためなのか。それとも、ヘッド設計に別の狙いがあるのか。
その答えは、正式発表を待つ必要がある。
「X10K+」という名前が示すもの
「Raptor X10K+」というモデル名からは、高MOIを重視したドライバーであることがうかがえる。
MOIは慣性モーメントのことで、インパクト時のヘッドのねじれにくさに関係する指標だ。
一般的にMOIが高いほど、芯を外した際のヘッドの回転を抑えやすくなる。
「X10K+」という名称は、10,000を超えるMOIを意識したものと考えられる。
ただし、実際のMOI値はまだ公表されていない。
そもそもPXGは、現行モデルにも「Lightning Max-10K+」という名前を使用している。
今回の「Raptor X10K+」が、現行モデルからどの程度進化しているのか。名前だけでは判断できない。
PXGの高MOIドライバーに期待できること
高MOIドライバーの一般的な課題は、安定性を高める一方で、スピン量が増えやすいことだ。
その点、PXGはこれまで、高MOIモデルでもスピン量を比較的抑えてきた。
もちろん、極めて高いMOIを追求すれば、ボール初速などの面で一定の代償が生じる。すべてを両立できるわけではない。
それでも、フェースの芯を毎回正確にとらえるのが難しいゴルファーにとって、PXGの高MOIモデルは魅力的な選択肢となってきた。
「Raptor X10K+」にも、現行の「Lightning Max-10K+」が持つ長所を引き継ぐことを期待したい。
「Raptor」はX10K+だけではない?
現時点でUSGAの適合リストに掲載されている「Raptor」は、「X10K+」のみだ。
しかし、過去の製品展開を考えると、少なくともあと2モデルが追加される可能性がある。
現行の「Lightning」シリーズは、4種類のヘッドで登場した。
さらに、10月初めに開催された「Bank of Utah Championship」では、PXG契約選手のオルドリッチ・ポットギーターとエリック・コールのバッグに「Raptor」ドライバーが確認されている。
ポットギーターが使用していたヘッドには、「XLS」の表記があった。
一般的なモデル名の付け方から考えると、「XLS」は「Extra Low Spin(超低スピン)」を意味する可能性がある。
ただし、「Raptor XLS」はまだ適合リストに掲載されておらず、詳細も明らかになっていない。
今後、ほかの「Raptor」モデルが追加されるかどうかにも注目したい。
なお、昨年の「Lightning」は9月に適合リストへ掲載されており、今回の「Raptor X10K+」も、それに近い時期の動きとなっている。
発売日・価格は未発表
現時点で、PXGは「Raptor X10K+」の発売日や価格を発表していない。
現行の「Lightning Max-10K+」の米国価格は649ドル。
それを踏まえると、「Raptor X10K+」の発売時の価格も650ドル前後になると予想する。
もちろん、正式な価格はまだ発表されていない。
まとめ|PXG「Raptor X10K+」は何が変わる?
今回の適合リスト掲載によって、PXGの新たな高MOIドライバーとみられる「Raptor X10K+」の存在が明らかになった。
確認できるのは、9度と10.5度のロフト角、そしてヒール側と後方に配置された2カ所のウェイトポートだ。
現行の「Lightning Max-10K+」からウェイトポートが1つ減ったように見える点は興味深いが、その理由や性能への影響はまだ分からない。
また、「Raptor XLS」と呼ばれる別モデルもツアーで目撃されており、今後ラインアップが広がる可能性もある。
注目したいのは、高MOIによる安定性を維持しながら、PXGがどこまで飛距離性能や調整機能を進化させているかという点だ。
正式発表で明らかになる仕様と、実際のテスト結果を待ちたい。




