これだけははっきりと言いたい。68で上がろうが108で上がろうが、「ゴルフボール」はすべてのショットに使用する唯一の道具だ。
ということは、キャディーバッグの中に入っているものの中で、一番重要なのは「ゴルフボール」ということになるのか??
我々は2年に1度、ロボットを使用し「ゴルフボールテスト」実施している。またその他各モデルの「品質」と「一貫性」を調査すべく、ゴルフボールを真っ二つに割り、ボールの内側までの全てを調査し数値化するという、MyGolfSpy独自の試み『Ball Lab(ボールラボ)』。
これらの活動は通常目には見えない、メーカーも知り得ない部分までをも、我々がゴルファーに真実を明かす(伝える)という上でとても重要なものとなっている。
この「ゴルフボールテスト」も、今年(2023年)で3回目を迎える。テストを行うたびに、ゴルフボールの性能についてより多くの学び(良いことも悪いことも含め)驚くべき発見があった。
「コンプレッション(硬度)」と「ボール初速」の間には絶対的な相関関係があり、ドライバーのようにクラブとボールが高速で衝突する場合、「ボールが柔らかい」と「ボール初速も遅くなる」こと。
また、ボールの性能差は多くのゴルファーが思っている以上に大きいということ、そして完璧なスイングでも粗悪なボールはミスショットになりやすいことなどがわかった。
またその過程で、消費者に優しい価格で卓越した性能を発揮した“隠れた名品”も発見したのも事実だ。
『2023年ゴルフボールテスト』は、これまでで最大規模のものとなった。このテストの目的は、あなたのプレーに“最適なゴルフボールを見つける手助け”をすること。是非とも参考にしてほしい。
『2023年ゴルフボールテスト』
今年のゴルフボールテストは、テストする場所を2箇所に設置し、合計80時間以上の時間を費やした。
テストした数はなんと46モデルで、「ドライバー」と「ミドルアイアン」を使用し、それぞれ低・中・高と3つのヘッドスピード別に測定した。またグリーン周りの性能についても理解を深めるため、35ヤードからの「ウェッジ」テストも実施した。
テスト対象のゴルフボールについて
テストしたゴルフボールは、店舗で購入できるような大手メーカーのウレタンボールと、店舗では取り扱いのない小規模なDTC(直販)ブランドやショップが製造元と共同開発して作った独自のブランドが含まれる。また、人気のツーピースのアイオノマーボールも含めた。
あくまでもテストは公平を期すため、ユーザーが商品を購入する状況と同じく、可能な限り各商品を店舗(複数の)で購入した。※例外は「Not Your Ball」 とイネシス「Tour 900 プロトタイプ)」のみ。
テストロケーション
テストは7月中旬にアリゾナで実施。ファウンテンヒルズにある「クールクラブ」テスト施設とスコッツデールにある「スコッツデール・ナショナル ゴルフクラブ」の二拠点で行った。両施設では、「ゴルフラボ」のロボットを使用。
ロボットの使用と操作するエンジニアを許可してくれた施設だ。
環境条件
テスト期間中の気温は平均約40.5度。この環境下では、「飛距離」が伸びることは言うまでもない。だからと言って46種類のボールに与える影響はほとんど同じ。「ボール初速」、「打ち出し角」、「スピン量」などの主要な指標は、ほとんど影響を受けない。
また、両方にウェザーステーション(気象計測器)を使用。
風は1週間を通して概ね穏やかだった(風速±2.23m/s)。風速が4.47m/sを超えた場合は、風が収まるまでテストを中止した。
テスト指標
「ドライバー」と「アイアン」を使ったテストでは、低・中・高の3つの「ヘッドスピード」にそれぞれ特定の「打ち出し角」と「スピン」になるようロボットを調整した。
パラメーターは複数のボールメーカーと相談して決定した。各テスト条件(使用クラブを含む)の具体的な構成は以下の関連セクションで詳しく説明している。
テスト条件に関して、基準を作るために基準球としてタイトリスト「Pro V1」を使用。これをもとに、変化する環境条件の影響を軽減するためにボールを小さなグループに分類。また、基準球(「Pro V1」)を使用することで、ボールグループ間でより有意義な比較を行うことができる。
ボールのグループ分け
まず、基準球と併せ9モデルのボール(合計10モデル)からなる5つのグループに分けた。
これらのグループ分けは主に価格が基準になっているが、同じメーカーの同じような価格のモデルが同グループになるよう調整されている。
テストプロセス
各モデルについて、3~4ショットを打ってから次のモデルに移る。そしてこのローテーションを繰り返し、次のグループに移る。
テストでは、データのブレを抑え且つ一貫性を保つため「トラックマン」とフォーサイト「GC Quad(GCクワッド)」を並行して使用しデータ収集した。
異常値の排除
データの最終処理前に、外れ値は四分位の範囲「IQR×1.5」ルールを用いて異常値を排除する。「ドライバー」と「アイアン」については、キャリーとオフライン値(OB)に基づき、35ヤードの「ウェッジ」テストでは、「打ち出し角」と「スピン量」に基づいて異常値をはじき出す。
※「四分位範囲(IQR)」は、データセットを四分位数に分割することに基づく“ばらつきの測度”「IQR×1.5」で出た値よりも上回るもしくは下回る場合に「外れ値」となる。
結果
データの基準を確立するために基準球(タイトリスト「Pro V1」)を使用。そのグループの基準球と比較した際の差から結果を導く。
主な発見
1.「高コンプレッションボール」はほぼ全ての人に効果がある
低ヘッドスピード(38.0m/s未満)のゴルファーには「低コンプレッション(柔らかい)」ボールが最適という考えが一般に広まっているが、今回のテストで、実は「高コンプレッション(硬い)」ボールが有効であることが明らかになった。
たとえドライバーショットでの初速(飛距離)のメリットを得られなかったとしても、「高スピン」によるグリーンを捉えるメリットはかなりのものだ。
基本的に「柔らかい」ボールは「硬い」ボールよりも「低スピン」なる。低スピンは、ドライバーでは曲がらずまっすぐに飛びやすくなる一方、アイアンではグリーンをとらえるのが難しくなるのだ。
一方、高ヘッドスピードのゴルファーにとっては「高コンプレッション(硬い)」ボールを使うことのメリットとして飛距離アップは明らか。
ちなみに、高スピン(ドライバーで大体2,800rpm以上)ゴルファーが、「低コンプレッション」ボールを使用するとティーショットでの飛距離ロスにつながるので注意が必要。だが使いようによっては「低いコンプレッション」で損なわれたボール初速を「低スピン特性」で補いうるということを知っておいて欲しい。
とはいっても、「ソフトな打感」を重視したい場合、「低コンプレッション」が唯一の選択肢となるのだが。
2.進化するボールと進化しないボール
今回のテスト結果で、多くのモデルが時間の経過とともに進化を遂げてきたことがわかった。2年前に正しいとされたことが、今はそうでないかもしれない。
いくつかの例を挙げよう。「Pro V1x」は前モデルよりもより低スピンになっている。また2021年モデルのミズノ「RBツアー」シリーズは「低弾道」、「高スピン」の360のディンプルを持つ4ピース構造だったが、2023年モデルでは、ミズノ独自のディンブル構造『272アクシアルフローディンプル』を採用した3ピース構造へと劇的に変化を遂げた。非常にソフトで強弾道の「RBツアー」とソフトで高弾道の「RBツアーX」との2モデルで、特に「RBツアーX」には感動した。
その他、新カークランド「パフォーマンス+ V3」は、主要特性や高いスピン性能はほとんど変わっていないように見える。
3.すべてのショットでボール性能が重要
たとえ短いショットであっても、性能の差は大きく出る可能性がある。グリーン周りのショットで一定の「高スピン」を求めるゴルファーにとっては突出したボールはあまりなかったが、ボールによって「打ち出し角」と「スピン量」の両方に大きな差があることがわかった。
「アイオノマー」ボールは「ウレタン」ボールに比べ、「打ち出し角」が高く、「スピン量」はかなり少ない。ウレタンの中には、意外にも残念なボールもあった。
また予想通り、グリーン周りのスピンに関しては、ほとんどのボールが平均的でだった。
4.DTC(直販ブランド)とプライベートブランドを見逃すな
価格重視(安価)のゴルファーであっても、性能を諦める必要はない。確かに高価なボールに比べて劣るかもしれないが、テストした中に際立っていた直販モデルがあった。
マックスフライ「Tour(ツアー)」シリーズは改良し続けており、特に「Tour Soft(ツアーソフト)」には感銘を受けた。バイス「Pro」と「Pro Soft」はいくつかのテスト条件下において際立っており、スピン量は少し高い方だが、PXG「エクストリーム」は驚くほどの性能を見せた。
1ダース70ドルという価格の「LA Golf」ボールには価値を見出し難いが、それ以上の力を発揮した。
また、シード「SD-02」は今回のテストでは珍しい成績だった。多くのテスト条件下で、明らかに「低弾道」だった。
5.不良なゴルフボールは存在しない
製造上の「品質」と「一貫性」は別として、不良ボールは存在しないと考えている。
市場にあるボールは平均的なゴルファーを中心に設計されているものが多いが、ニッチな商品が全てのゴルファーをカバーしていることもテストで明らかになった。
一番の課題は、あなたに適した役立つボールを見つけること。
6.ボール初速の必要性
ボールに何を求めようと過度に柔らかい打感を求めない限り、必要な「弾道」と「スピン量」を得るために「初速」を犠牲にする必要はない。
ボール初速が平均以上のモデルをテストしたところ、ほぼすべての組み合わせで「弾道」と「スピン特性」が得られることが分かった。
7.打ち出し角ではなく弾道
以前にもお伝えしたが、一般的に私たちはゴルフクラブの性能を飛びの3要素である「ボール初速」、「打ち出し角」、「スピン量」、そして「飛距離」で見ているが、ゴルフボールの場合、「打ち出し角」だけでは不十分だ。
多くの場合、ボール各モデルの「打ち出し角」の差はごくわずかだが、「打ち出し角」、「高さ(頂点)」、「頂点の高さまでの距離(地面から頂点に達するまでの距離)」、「落下角度」など、ボールの弾道全体を考慮すると、大きな違いが現れる。
ゴルフボールの箱には、大抵「打ち出し角の特性」が載っている。弾道の「低、中、高」くらいは誰でも理解できるが、その説明は簡素化され過ぎている。
要するに、ゴルフボールの弾道は複雑で簡素な言葉だけでは説明しきれないということ。適切なボールを探すときは「弾道の全体像」を考慮し、「打ち出し角」よりも「高さ(頂点)(」を見ることをお勧めする。
その他知っておくべきこと
ここでは、今回のテスト結果をより深く理解してもらうため役立つ情報を載せた。
「柔らかい」ボールとは?
「ソフトな打感」という表現は、通常コンプレッション35から100までのボールに使われる。ちなみに、ゴルフボールの「コンプレッション(硬度)」とは、ボールに負荷をかけた時にどれだけ変形するかを示す尺度をいう。コンプレッションが高いほど、ボールは硬くなる。
おおよそコンプレッションが70台半ば以下のものを「ソフト(柔らかい)」とし、80台前半を「ややソフト」と表現する。
また市場で最も柔らかいボール(コンプレッション60以下)は、2ピースのアイオノマー製品で、硬いアイオノマーカバーで失われた打感を相殺するために、非常に柔らかいコアが使用されている傾向がある。
ロボットの構成が重要
クラブ性能には人によるテストが最適だが、ボール性能のテストにはスイングロボットが最適だと考えている。我々のテストパラメーターは、各グループの平均的ゴルファーが出す「打ち出し角」と「スピン量」の数値に合わせている。「飛距離」は、飛びの3要素「ボール初速」、「弾道」、「スピン量(バックスピン)」で成り立つが、個々が生み出す弾道とスピン量によって、キャリーとそのトータル飛距離の値は必然的にある程度変化する。
「ボール初速」、「弾道」、「スピン量」の関係はあまり変わらないはずだが、結果はテストした条件下で起こったことを反映している。
「MyGolfSpy」のおすすめについて
各ヘッドスピードのグループごとに出た結果から、NO.1ボールを発表する。ボールは「高スピン」、「中スピン」、「低スピン」に分け、特に明記はしていないが、各リストには「高弾道」、「中弾道」、「低弾道」のボールが含まれている(この順番)。
ここで注意すべきは、ドライバーでは「高スピン」、「高弾道」のボールが、アイアンでは「中弾道」、「中スピン」(または他の組み合わせ)になることがあるように、ボールは1つのグループにきれいに収まらない場合がある。
大きなポイントは、各カテゴリーを性能別にしっかりと分けたこと。また、各カテゴリーの「お買い得」も選出した。上位3つに絞ったが、それ以上選ぶ場合もある。
比較によるボール性能
多くのメーカーが自社製品の性能と他社製品の性能とを比較して、ある程度の性能を決定していることに言及したい。簡単に言えば、「高弾道」、「低スピン」と謳っているボールは、実際には市場全体のボールと比較して「中弾道」、「中スピン」である可能性があるということだ。
しかし我々が計測した「弾道」と「スピン量」の結果も、他の多数のボールと比較したもの。だがここでの大きな違いは、我々のデータは常に「真実」を伝えるということだ。
低ヘッドスピード 結果
「低ヘッドスピード向け」おすすめボール
おすすめを決めるにあたり、「ボール初速」、「弾道」、「スピン」、「飛距離」などの主な性能指標を検討した。以下の低ヘッドスピード向けのおすすめボールは、「ドライバー」と「アイアン」の結果から選んだものだ。
低スピン – バイス「プロソフト」, マックスフライ「Tour S」、ブリヂストン「TOUR B RXS」
中スピン – LAゴルフ「ゴルフボール」、マックスフライ「ツアーX」、キャロウェイ「クロムソフト」
高スピン – スリクソン「Z-STAR♦」、タイトリスト「プロV1x」、PXG「エクストリーム」
お買い得商品 – マックスフライ「ツアーS」
低ヘッドスピード「ドライバー」

トータル飛距離
考察
・低ヘッドスピードのゴルファーでも、「高コンプレッション」であるほど「飛距離」を生み出すことがわかる。
・トップ10には、バイス「プロプラス」、タイトリスト「Pro V1x レフトダッシュ」、スリクソン「Z-STAR♦」、ウィルソン「トライアド」、スリクソン「Z-STAR XV」が含まれる。
・ウィルソン「トライアド」、オンコア「ELIXR」とタイトリスト「ツアースピード」のような「ややソフト」なモデルでも、「飛距離」トップ10のグループに入るようだ。
・最も飛んだトップ10のうち7モデルの「スピン量」は平均以上だった。
・トップ10の中で高さ(頂点)が最も高かったのは、「Z-STAR♦」、ミズノ「RB Tour」とバイス「プロ」がそれに続いた。
・「飛距離」に関係なく高さ(頂点)が高かったのは、ミズノ「RBツアーX」、テーラーメイド「TP5」、ウィルソン「スタッフモデル」、マックスフライ「ツアーX」。
・トップ10で最も「低弾道」だったモデルは、オンコア「ELIXR」、タイトリスト「ツアースピード」とウィルソン「トライアド」。
・「飛距離」に関係なく、最も低弾道だったモデルは、シード「SD-02」、ブリヂストン「TOUR B RX」、キャロウェイ「スーパーソフト」だった。
・低ヘッドスピードの「打感」重視のゴルファーには、キャロウェイ「スーパーソフト」が「ソフトボール」カテゴリーの中で最も飛んだ。
ボール初速
考察:
・繰り返し強調するが、「硬い」ボールは初速が速い。
・ドライバー初速38.00m/s で最も初速が速いボールはマックスフライ「ツアーX」、バイス「プロプラス」、バイス「プロ」、スリクソン「Z-STAR♦」、ウィルソン「スタッフモデル」。
・ボール初速としては平均的だが、最も速い「ソフト」ボールはバイス「Pro Soft」だった。
スピン
考察:
・ヘッドスピード38.00m/sで最も「スピン量」が多かったのは、カークランド「パフォーマンス+ V3」、PXG「エクストリーム」、スリクソン「Z-STAR♦」、イネシス「ツアー900」、キャロウェイ「クロムソフトX」。
・テーラーメイド「TP5」と「TP5x」も高スピンだった。
・最低スピンを並べると、キャロウェイ「スーパーソフト」、テーラーメイド「ツアーレスポンス」、スリクソン「Q-STARツアー」、ウィルソン「DUOソフト」とタイトリスト「AVX」のようなアイオノマーと非ツアーウレタンの完全ミックスだった。
・「ソフトな打感」で「高スピン」を求める低ヘッドスピードのゴルファーには、あまり多くの選択肢がない。ブリヂストン「TOUR BX」は柔らかめのコンプレッション80以上だが、ブリヂストン「TOUR B RX」とキャロウェイ「クロムソフト」は中間の選択肢となる。
低ヘッドスピード :アイアン
トータル飛距離
考察:
・アイアンのヘッドスピードが遅い場合(平均29.94m/s)、低コンプレッションボールの方が「飛距離」に貢献する。
・トップにランクインしたのはすべて「低コンプレッション」ボール。
・アイオノマーの(キャロウェイ「スーパーソフト」やウィルソン「DUOソフト」、「ノット ユア ボール」)がチャートのトップを占めるが、その他のほとんどがテーラーメイド「ツアーレスポンス」、ブリヂストン「TOUR B RX」、キャロウェイ「クロムソフト」など)の非ツアーウレタンだ。
・特筆すべき例外は、8位にランクインしたバイス「プロ」だった。
・トップ10に入ったボールの「スピン量」はすべて平均以下だった。
・最もスピンが多かったバイス「プロ」だが、それでも最低スピンのトップ10からはわずかに外れただけ。
・平均以上のスピン量で最も飛んだボールはLAゴルフの「LAゴルフボール」。高スピンで最も飛んだのがウィルソン「スタッフ」。それほど大きな差はないが、バイス「プロ ソフト」、バイス「プロ」、ブリヂストン「TOUR B RXS」がトップ10の中で最も飛距離が長かった。
・「飛距離」を気にせず最も飛んだのが、シード「SD-02」と「SD-01」、そしてバイス「プロプラス」とLAゴルフの「LAゴルフボール」だった。
・トップ10の中で最も「低弾道」のモデルはテーラーメイド「ツアーレスポンス」と「ノット ユア ボール」。
・「飛距離」に関係なく、最も「低弾道」だったボールは、カークランド「パフォーマンス+ V3」、イネシス「ツアー900」、「ツアー900プロト」、スネル「MTB プライム」、ボルビック「ツアー VS4」だった。
ボール初速
考察:
・ボール間の初速の差はあまりない(わずか0.98m/s)。
・キャロウェイ「スーパーソフト」が最も初速が速く、オンコア「ELIXR」、シード「SD-01」、ブリヂストンツアー「TOUR B RXS」が続く。
・上位には、バイス「プロ」とLA ゴルフ「LAゴルフボール」がランクインしている。
スピン
考察:
・低ヘッドスピードのゴルファーは、多くの場合、より多くの「スピン」の恩恵を受けることができる。それを念頭に置いて、アイアンショットで最もスピン量の多いボールは、キャロウェイ「クロムソフトX」、カークランド「パフォーマンス+ V3」、イネシス「ツアー900」、スリクソン「Z-STAR♦」が挙がる。
・一方、最もスピンの低かったボールは、シード「SD-02」、ブリヂストン「TOUR B RX」、テーラーメイド「ツアーレスポンス」、バイス「プロソフト」、ブリヂストン「TOUR B RXS」だった。
35ヤードウェッジ
ウェッジのテストでは、35ヤードのグリーン周りのショットを再現するように設計した。特定の「打ち出し角」と「スピン」を目標値に合わせて調整するのではなく、基準球を(トータル飛距離で)約35ヤード打つようにロボットを設定した。
スピン
考察:
・イネシス「Tour 900」、テーラーメイド「TP5」、カークランド「パフォーマンス+ V3」がグリーン周りでは最もスピン量が多かった。
・微妙な差はある程度重要だが、これらの数球を超えるトップでの差はあまりない。
・一方、「スピン量」がかなり少ないアイオノマー製が並ぶ表の下の方では明らかな差が見られた。「低スピン」のウレタン製品には、ボルビック「ツアーVS4」、タイトリスト「ツアースピード」、スネル「MTBプライムX」などがある。
打ち出し角
「打ち出し角」は、グリーン周りのような短いショットではあまり意識されないかもしれないが、微妙な違いが見られる。
考察:
・簡単に言えば、グリーン周りのショットでは「低スピン」ボールの方が、打ち出し角が高くなる。
・これは低スピンを相殺するメリットにもなるが、グリーン周りの弾道の操作性を制限することにもなる。
・同様に、高スピンボールは打ち出し角が低くなる傾向がある。
・例外はテーラーメイド「TP5」で、「高スピン」でもごく一般的な「打ち出し角」だった。これは、グリーンでボールを止めるストッピングパワーが高いことを示唆しているのかもしれない。
2023年「ゴルフボールテスト」データ
以前のボールテストでは、「ボール初速」と「コンプレッション(硬度)」の関係を示す散布図を作った。今回はその散布図をさらに改良し、2つの指標を表示できるようにした。このグラフをどう使うかはあなた次第だ。
また、メーカーやモデルでボールをフィルターにかける機能も追加した。
チャートの読み込みに問題がある場合は、直接このリンクを使用していただきたい。
2023年「MyGolfSpy」ゴルフボールテスト – 散布図
<各項目>
・X-Axis Metric Ball Speed:X軸ボール初速
・Y-Axis Metric:Y軸
・Compression:コンプレッション(硬度)
・Compression & Ball Speed:コンプレッション&ボール初速
・OEM :メーカー
・Choose Club Speed:ヘッドスピードを選ぶ Fast:Mid:Slow:Wedge 35-Yard :高・中・低・ウェッジ35ヤードから
・Ball Model :ボールモデル
・Choose Club Driver:クラブ選択 ドライバー
<ボール初速>
124mph→55.42m/s
棒グラフ
次の2つのチャートにより、データをより簡単に見ることができる。機能は散布図に似ている。「クラブ」と「スピード」条件とともに、見たい項目を選択することができる。また、メーカーやモデルからフィルターにかけることもできる。
下の棒グラフは項目ごとのトップ10を示している。チャートに表示するボール数は増減できる(設定は10)。また、トップ、ボトム、ミドルの値を表示することも可能。
フィルターはやや操作が必要。「Choose What」のタブを「Include Top x(トップx)」にしたままにしていただきたい。もし「ボトムx」を表示したい場合は、チャート下部のソート機能で下から上にソートし直す。
もう少し詳しく説明すると、チャートはスピン量の多い上位10モデルを表示する。「トップx」フィルターを調整せずにチャートをフィルターにかけると、低スピンボールトップ10がチャートに再表示される。
・Choose Metric Ball Speed:項目を選ぶ(上から順に):ボール初速 / 打ち出し角 / スピン軸 / スピン量 / 頂点までの高さ / 頂点までの距離 / キャリー / トータル飛距離
・Choose Speed:初速を選ぶ
・Fast:Mid:Slow:Wedge 35-Yard :高・中・低・ウェッジ35ヤードから
・Show X Values:表示数
・OEM:メーカー
・All:すべて
・Ball Speed:ボール初速
・Ball Model All:ボールモデル 全て
・Choose What? :選択表示
・Include Top x:トップを含む
※「ボール初速」はmph表示の為、詳しくは下記の2023年「ゴルフボールテスト」データをご覧いただきたい。
2023年「ゴルフボールテスト」データ~低ヘッドスピード~
[table id=233 /][table id=232 /]
テーブルデータ
最後に、すべてを同時に確認したい人のために、クロスタブを追加した。ベストを尽くしたが、携帯端末で見るのは難しいだろう。
Mid Iron:ミドルアイアン
Ball Speed:ボール初速
Launch Angle:打ち出し角
Spin Axis:スピン軸
Spin:スピン量
Max Height:高さ(頂点)
Max Height Distance:頂点までの距離
Descent Angle:落下角度
Carry:キャリー
Total:トータル飛距離
2023年「MyGolfSPy」ゴルフボール – FAQ
Q:なぜ基準球として「Pro V1」を選んだのか?
A:最初の選択肢は、USGAの基準球だった。残念ながら、そのメーカーからの提供を受けられなかった。私たちが「Pro V1」を選んだ理由は、二つ。まず、ボール性能の「一貫性」に優れている点。二点目は、ほとんどのメーカーが比較対象に「Pro V1」を選ぶこと。
Q:スイングに適した「コンプレッション値」は?
A:以前にも取り上げたことがあるが、答えはひとつではない。ゴルフクラブに関しては、最も重要な性能はボールの弾道(打ち出し角、高さ(頂点)、落下角度)とスピン量だ。
間違いなく普遍の原理はあるが(ソフトなボールはドライバーで初速が出ないことや、スピン量が少ないなど)、「弾道」と「スピン特性」の組み合わせをあなたのプレーに最適化させる必要がある。
多くの人が、「高コンプレッション」=高ヘッドスピード向けで、「低コンプレッション」=低ヘッドスピードと信じているが、高ヘッドスピードのゴルファーは「低コンプレッション」の「低スピン」特性からの利益を享受することができるし、低ヘッドスピードのゴルファーもまた「高コンプレッション」ボールの「高弾道」、「高スピン」のメリットが得られる。
Q:ゴルフボールを選ぶ際に、「ハンディキャップ」は重要か?
A:「ハンディキャップ」はスイング特性を決定づけるものにはならない。これは、「スキル」と「一貫性」を測るだけに過ぎない。ハンディキャップの差に関係なく、どのスイングタイプも同じフィッティングが適用される。
つまり、スライスやフックで悩むゴルファーは低スピンを提供するボールを検討したい。低スピンボールは、低くより真っ直ぐ飛ぶ傾向があるからだ。
ただし、このようなボールはアイアンやグリーン周りなどでも「低スピン」になる。つまりボールのコントロール性能が妨げられ、グリーンを捉える短いショットに影響があるかもしれない。
「コスト」もまた要因になる。1ラウンドで数個のボールを失くすようであれば、50ドル以上のボールは意味をなさない。中古ボールもアリだが、再利用ボールは避けた方が良い。
Q:「気温」はテスト結果に影響する?
A:確かに暑い中ではボールはよく飛ぶ。キャリー、トータル飛距離共に寒い時より長くなる。重要なのは最終的な数字ではなく、ボール同士で比較した時の性能だ。そう考えると、環境的なコンディションはテストにおいてはあまり関係がない。
Q:自分のプレーに最適なボールを探すには?
A:最適なボール探しは、その過程が大切。まずは合いそうなモデルから試してみよう。もし弾道測定器をお持ちなら、リスト化してみると良い。弾道測定器をお持ちでないなら、私たちのボールテストからのデータを活用して欲しい。ピックアップしたボールを、コースで1個ずつ試してみることをおすすめする。ただし、一度に2つ以上のボールを試さないこと。
もっと言えば、グリーン周りから試すことをおすすめする。短いウェッジショットからボールの性能を見るためだ。そこからさらに差が出やすいアイアンに移る方が良い。
もし調節可能なドライバーをお持ちなら、最適なボールを見つけた後、調節機能を使ってボールに合うように合わせてみよう。
Q:ヘッドスピードが同じなら、ロボットテストと同じ結果が得られるか?
A:ヘッドスピードが近ければ、「ボール初速」、「弾道」、「スピン量」の関係はかなり合致してくるはずだ。最速のボールは速い。「最高スピン」を誇るボールはやはり高スピンのままだ。これらの要素が「飛距離」にどのように影響するかは、スイングの他の要素 (入射角やロフト角、インパクト) に大きく関係する。
Q:プロも市販品のゴルフボールを使うのか?
A: ほとんどの場合そうだ。PGAツアーで使用されるボールは、規格に適合しているかのチェックが入るが、ツアー専用の高性能ボールの秘密を知っている者は誰もいない。
ツアープロには市販ボールを使ってもらいたいと思っているのがボールメーカーで、ほとんどの場合その通りになっている。
そうは言っても、ほぼすべてのメーカーがシークレットメニューを持っていて、これらは典型的なニッチなボール(たとえば、非常に低スピン、高スピン) であり、一般ゴルファーには適さない。
また、かつては市販ボールであったものの、新しいモデルに取って代わられた前世代のボールを使用している場合もある。
Q:テスト用のボールは誰が提供したのか?
A: 大多数は小売店で購入したもの。可能な限り、複数の小売店から調達した。例外として、メーカーが提供したのは「Not Your Ball」とイネシス「Tour 900 プロトタイプ」。
Q:高ヘッドスピードのトータル飛距離の数値がこれほど伸びるのはなぜ?
A:高ヘッドスピードのテストでは、着地した際の各ショットの実際の飛距離を特定するためにグリッド・システムを採用した。ボールメーカーのアドバイスに従って、USGA の「バウンス・ロール計算式」を適用して、トータル距離の数値を導き出した。
このアルゴリズムはボールのテストで広く使用されるが、硬い地面を再現していると言っても過言ではない。テストの他の部分では、トラックマンのトータルヤード指標を使用。
Q:「最高到達点」が高い、または高 (または低) 弾道と言うとき、どのような指標を考慮しているか?
A:ゴルファーは「打ち出し角」の観点から考えることに慣れていると思うが、ゴルフボールにおいても同じように考える傾向がある。
弾道について議論するとき、どのボールが最も高く飛んだかを示す「最高到達点(高さの頂点)」を主に注目する。「落下角度」と「最高到達点までの距離 (ボールが頂点に到達する距離)」 とともに、「打ち出し角」の差異により、ボール軌道のイメージをより完璧に描くのに役立つ。
Q:結果の一部が前回のボールテストと異なるのはなぜか?
A:まず、前回のテスト以降、ほとんどのメーカーが新しいモデルをリリースしているため、性能の違いがあるはず。
次に、今年のテストでは、テスト指標の改善に取り組んだ。具体的には、2021年のテストではアイアンの「初速」が全体的に少し低いと感じた。新しい指標は、平均的なゴルファーが各スイング速度で生み出す「打ち出し角」と「スピン量」とに、より密接に一致している。
同様に、高ヘッドスピードでは、「打ち出し角」と「スピン量」が共に私たちが望むよりも高かった。メーカーと協力して、そのグループのゴルファーの平均値とより一致するようにテスト指標を更新した。
Q:飛距離を最大化するためにテストをいじったのでは?
A:論外であり、真実でもない。多くのゴルファーが「飛距離」に興味があることは分かっているが、テストパラメーターは現実世界の平均を反映している。「飛距離」最適化するようなことは一切なく、可能な限り現実に合わせている。
「飛距離」は重要だが、各プレーヤーに適したボールとは、スイングによって生み出される「弾道」と「スピン特性」が最適化されたボールをいう。
Q:「オフライン」と「方向性」についてはどうか?
A:これは諸刃の剣だ。
一方で、カバー/ディンプル パターンの影響を理解するには、ボールの飛び全体を捉えることが不可欠だ。もう 1つは、「オフライン」と「方向性」の値に常に影響を与える環境要因、つまり「風」がある。
今回のテストでは、主要な性能指標 (ボール初速、打ち出し角、スピン量、そして最終的にはそれらが飛距離の方程式に与える影響) に焦点を当てた。
『Ball Lab(ボールラボ)』が行っているのは主にボール品質の調査だが、今後の記事では 「方向性」についてさらに詳しく見ていきたい。




