「ゴルフGPSナビ」には、さまざまな形やサイズがある。「ハンディ型」、「ウォッチ型」、その他の「携帯タイプ」まで、どれも「素早く」「正確に」必要な情報を得るために設計されており、もはや、スプリンクラーヘッド(フェアウェイの散水口に刻まれた距離表示)を探したり、ヤーデージマーク(フェアウェイ上の基準距離標示)から歩測して距離を測る必要はない。

コース上で迷わず、ショットに集中するための道具として、「GPSナビ」はすでに欠かせない存在になっている。

一方で「レーザー距離計(ピンまでの直線距離を測る計測器)はもう持っているのに、GPSまで必要なのか?」という声も聞かれる。

距離計測のスタイルが細分化されたことで、どこまでの情報を求めるかはゴルファーのスタイル次第になっている。

確かに、「レーザー距離計」は眼に見える範囲なら目標までの距離を正確に計測できる。しかし、「ゴルフGPSナビ」が提供する情報量はまったく別物だ。

グリーンセンターまでの距離はもちろん、ホール全体のレイアウト/フライオーバー表示(ホール全体を上空視点で確認できる表示)、グリーン形状、グリーンの手前、中奥、奥のそれぞれの距離、ハザードまでの距離まで、一目で把握できる。

さらにはスコア管理やフィットネスのトラッキング機能(歩数や消費カロリーの計測、データ管理などの計測)まで備わっている。


MyGolfSpyの2025年テストで使用されたGPSゴルフナビ端末が芝の上に並ぶ集合カット。ブランドごとの画面表示やサイズ感が比較しやすい構成。

「ゴルフGPSナビ」と「レーザー距離計」を両方が必須というわけではない。しかし、二つを併用することでプレーが明らかに快適・明解になるケースは少なくない。

トップレベルのプレーヤーは、ピンまでの距離を正確に測る手段として「レーザー距離計」を主軸にするだろうが、ブラインドホール(グリーンやボールの落下地点が直接見えないホール)やピンが全く見えない場面では事情が変わる。

そうした状況では、「ゴルフGPSナビ」でホールレイアウトを確認し、ボールの落としどころやハザードの位置関係を把握することで、より精度の高い戦略を組み立てられる。両者を組み合わせることで得られる“情報の補完性”が、スコアメイクに直結する場面は多い。

今回我々は、ゴルフ仲間を一歩リリードしたい人や、憧れのゴルフ場の攻略を狙う方のために17モデルの「ゴルフGPSナビ」をテストした。

というわけで、ここからは2025年『ベストゴルフGPSナビ』を紹介する。


2025年ベストウェッジ

ガーミン「Approach S70」

ベスト「ゴルフGPSナビ」(ウォッチ型)第1位 –ガーミン「Approach S70」

ガーミン「Approach S50」

ベスト「ゴルフGPSナビ」(ウォッチ型)第2位 – ガーミン「Approach S50」

ブッシュネル「iON Elite」

ベストバリュー「ゴルフGPSナビ」–ブッシュネル「iON Elite」

 スカイゴルフ「SkyCaddie PRO 4X」

ベスト「ゴルフGPSナビ」(ハンディ型)第1位– スカイゴルフ「SkyCaddie PRO 4X」

ガーミン「Approach G80」

ベスト「ゴルフGPSナビ」(ハンディ型)第2位–ガーミン「Approach G80」

ブッシュネル「Phantom 3 Slope」

ベストバリュー「ゴルフGPSナビ」(ハンディ型)–ブッシュネル「Phantom 3 Slope」


2025年版 ベスト「ゴルフGPSナビ」

我々は、“最高モデル”見つけるために長年に渡って「ゴルフGPSナビ」をテストし、分析してきた。その中で断言できるのは、優れたモデルとは、直感性に操作でき、ディプレイが見やすく、正確で、高性能でありながら使いやすいというものだ。

さらに、多くの「ゴルフGPSナビ」には、日常生活やコース外でも役立つ機能が搭載されており、単なる距離計測器を超えた“万能ツール”として進化している。

もし、「ゴルフGPSナビ」がこうした機能に欠けていると、そのモデルが本来持つ性能を十分に引き出すことも価格に見合った価値を手にすることも難しくなる。

距離計測だけでなく、操作性・情報量・画面の視認性まで含めて総合的に優れていることが、真に“使える1台”の条件なのだ。

まだ「ゴルフGPSナビ」を使ったことがない人、あるいは「レーザー距離計」を補完するツールを探している人にとって、今がまさに「ゴルフGPSナビ」を検討するタイミングといえる。

距離計測の精度に加え、コース戦略を立てるための“全体像”まで把握できるのがGPSの強みであり、プレーの質を一段引き上げてくれるはずだ。


ベスト「ゴルフGPSナビ」(ウォッチ型)第1位 ガーミン「Approach S70」

総合スコア
9.9/10
Price
$699.99

こんなゴルファーにおすすめ

  • コース上の全てのショットを“分析”する熱心なゴルファー:

    ガーミン「Approach S70」は、対応するスマートフォンと連携させれば、まるで“手首につけるキャディ”のよう。コース/ホールレイアウト、距離情報はもちろん、風速や風向きなどの詳細データまで確認でき、プレーに必要な情報を一度に引き出せる。コース戦略を立てるうえで頼もしい味方になってくれる。

  • ゴルフ好きで全てを網羅したモデルが欲しい人:

    ガーミン「Approach S70」は“プレミアムGPSゴルフウォッチ” という位置づけでありながら、そのスタイリッシュなデザインと機能はコース内外で役に立つ。このモデルなら、音楽を再生でき、トレーニングの記録も行え、キャッシュレス決済までこなせるので、日常使いのスマートウォッチとしても十分な性能を備えている。

こんなゴルファーにはおすすめしない

  • 予算に限りがある人:

    最先端機能搭載のガーミン「Approach S70」は間違いなく高額なモデルだ。このテクノロジーに700ドル(約9~10万)を投じる考えがないなら、より手頃な価格帯のモデルを検討した方が良いだろう。

最終評価

ガーミン「Approach S70」は、2025年『ベストゴルフGPSナビ(ウォッチ型)』のトップに立ったモデルだ。ガーミンは「ゴルフがあなたのすべてなら、これこそが選ぶべきGPSウォッチだ」と語るが、その言葉どおり、コースでも日常でも自然に使える完成度を備えている。

テスターたちの声

ほぼ全てのテスターが、鮮やかな有機ELディスプレイに驚愕。直射日光の下でも、コース上で見やすい明るいスクリーンを高く評価。また、別のテスターは、健康状態、スポーツ・フィットネストラッキング機能とゴルフ機能が両立しており、「日常使いとしても完璧な腕時計」とも評価している。

専門家の視点

ガーミン「Approach S70」は、「ゴルフGPSナビ」の中でも他社を大きく突き放す存在だ。ガーミンならではの高精度な計測能力に加え、コース内外で使える多彩な機能を搭載。コース上では、まるでバーチャルキャディのようにコースマネジメントを最大化し、ベストスコアを引き出すための判断材料を的確に提示してくれる。一方、オフコースでも手放せない。キャッシュレス決済、音楽再生、健康状態とウェルネスのトラッキング、歩数計測、その他のライフスタイル管理まで網羅しており、日常生活のあらゆる場面で頼れるモデルだ。ガーミン「Approach S70」は、まさに常に身につけていたくなる1台と言っていい。


ベスト「ゴルフGPSナビ」(ウォッチ型)第2位 ガーミン「Approach S50」

総合スコア
9.7/10
Price
$399.99

こんなゴルファーにおすすめ

  • シンプルに使えて、情報量が多すぎない「ゴルフGPSナビスマートウォッチ」を求めている人:

    ガーミン「Approach S50」は、必要以上に情報を詰め込んだモデルではないが、健康状態やウェルネスのトラッキング機能を備えており、コースでのショット選択から日常のコンディション管理まで、過不足のない情報を提供してくれる。

  • 「レーザー距離計」と「ゴルフGPSナビ」を一体化したい人:

    ガーミン「Approach Z30」レーザー距離計と「Approach S50」はペアリングでき、距離計のディスプレイにグリーンやピンまでのGPS距離を表示できる。「レーザー」と「GPS」をまとめて利用できる連動して使える環境が整っている点が大きなメリットだ。

こんなゴルファーにはおすすめしない

  • 大型化したものやより多くのゴルフ機能を求める人:

    もし大きめのGPSウォッチや、より精細なグラフィック表示、ホールマップの詳細なビューを求めているなら、「Approach S50」よりも上位機種であるガーミン「Approach S70」を検討したほうがいい。

最終評価

ガーミン「Approach S50」は、2025年『ベストゴルフGPSナビ』第2位となった。「Approach S50」は、コース上での距離計測だけにとどまらず、外部との通知連携や、健康・フィットネス目標のトラッキングまでこなす。ゴルフ用としての実用性に加え、日常生活でも活躍するスマートウォッチとしての機能をしっかり備えている。

テスターたちの声

あるテスターは「Approach S50」を、“多くのゴルファーにとって扱いやすいGPSウォッチ”と表現した。「S50」は、一般的なゴルファーが必要とする機能をしっかり備えていながら、情報が過剰になって使いづらくなることもない。さらに、オフコースで活用できる機能も充実しており、ガーミン「Approach S50」は日常用のスマートウォッチとしても自然に使えるモデルだ。

専門家の視点

「多機能なゴルフスマートウォッチまでは必要ない。けれど、シンプルで扱いやすいゴルフGPSナビは欲しい」──そんなゴルファーにちょうどハマるのが、洗練された薄型デザインのガーミン「Approach S50」だ。サイズは他のモデルよりコンパクトだが、手首で存在感が消えるほど小さすぎるわけではない。むしろ、小ささを感じさせない画面の見やすさと操作性が魅力だ。小ぶりだからと侮ることなかれ。このモデルは必要な性能をしっかり押さえており、多くのゴルフ愛好家にとって“ちょうど良い”バランスに仕上がっている。ディスプレイには主力モデル「S70」と同じ有機ELを採用し、視認性は非常に高い。一方でゴルフ機能はややシンプルになっており、余計な要素を排したい人にはむしろ使いやすい構成だ。オフコースでも活用できる機能として、メール・SNS通知、音楽再生なども搭載されている。「Approach S50」は、腕時計の代わりとしても違和感なく使える、日常対応型の「ゴルフGPSナビウォッチ」だ。


ベストバリュー「ゴルフGPSナビ」 ブッシュネル「iON Elite」

総合スコア
9.5/10
Price
$169.99

こんなゴルファーにおすすめ

  • 予算に制限があるけど「ゴルフGPSナビ」が欲しいという人:

    ブッシュネル「iON Elite」は、操作が簡単なフルカラーのゴルフGPSウォッチで、手頃な価格ながらプレーに必要な情報を的確に提供してくれる。

  • ゴルフテクノロジー初心者で選択肢を探している人:

    ブッシュネル「iON Elite」は、カラータッチスクリーン搭載で、コース情報も事前にアップロード済み。正確で、プレーをスムーズにしてくれて次のショットを判断できる機能も多彩だ。

こんなゴルファーにはおすすめしない

  • 「ゴルフGPSナビ」を日常使いのスマートウォッチとして使いたい人:

    ブッシュネル「iON Elite」はコース上では優れているけど、一般的なスマートウォッチ機能は備えていない。

最終評価

ブッシュネル「iON Elite」は、2025年のベストバリュー「ゴルフGPSナビ」となったモデル。フルカラータッチスクリーンと豊富な機能を搭載している。また、スロープ(高低差を反映した推奨距離)を加味した飛距離も確認できるので、次のレベルを目指すゴルファーには最適なモデルと言える。

テスターたちの声

テスターたちは、余計な機能満載で不要な情報をくれるモデルではなく、コースで必要な情報をくれるものが欲しいならこのブッシュネル「iON Elite」が最適と評価。あるテスターは、「コースに直行してすぐ使えて、無駄なものは省かれている」とコメントしている。

専門家の視点

もし、本格的なスマートウォッチはいらないけど、「ゴルフGPSナビ」が欲しいと考えているなら、ブッシュネル「iON Elite」がその答えとなる。このモデルは、他と接続できるような機能など、何から何までが備わっているわけじゃなく、もっとゴルフ寄りのモデルなので安心して欲しい。操作が簡単でコース上での距離表示が正確、スコア管理機能など必要な機能が搭載。スクリーンの周りにある5つのデジタルボタンで、グリーンビュー、スコア、現在地、ハザード、ショットトラッキングなどの機能に簡単にアクセスできる。「余計な機能はいらない」「予算に限りがある」という人にとっては、ブッシュネル「iON Elite」は購入候補となるモデルだろう。


ベスト「ゴルフGPSナビ」(ハンディ型)第1位 スカイゴルフ「SkyCaddie PRO 4X」

総合スコア
9.8/10
Price
$349.95

こんなゴルファーにおすすめ

  • ゴルフに正確性を求めている人:

    スカイゴルフ「SkyCaddie PRO 4X」は本物のキャディではないけど、プロゴルファーとアマチュアのニーズを満たす情報や正確無比の飛距離がわかるモデルだ。

  • カラー表示のハンディ型「ゴルフGPSナビ」を求めている人:

    「SkyCaddie PRO 4X」は、4インチのLCDタッチスクリーンを搭載。フルカラーHDグラフィックによる視認性が非常に高い。

こんなゴルファーにはおすすめしない

  • 会員制やサブスクが基本の製品は悩みの種という人:

    「SkyCaddie PRO 4X」は、箱から出したらすぐに使えるものの、その本当の性能と機能は有料会員にならないと使えない。

最終評価

スカイゴルフ「SkyCaddie PRO 4X」は、2025年『ベストゴルフGPSナビ(ハンディ型)』のトップとなった。コンパクトサイズながら、スコアアップにつながる多数の機能を備え、高い正確性と使いやすさを両立している。

テスターたちの声

テスターの一人は「グラフィックがとにかく素晴らしい!」とベタ褒め。他には、「SkyCaddie PRO 4X」 は自信を持って楽しくコースをラウンドするには十分すぎるほどの情報が備わっているとも語っている。また、会員制プランの追加に対して不満の声も多くあったが、このモデルの機能性や特徴を考えると、そのうち慣れるとも感じているようだ。

専門家の視点

「SkyCaddie PRO 4X」は、上位モデル「PRO 5X」の機能をよりコンパクトなボディに凝縮したモデルで、小さめの「ハンディ型ゴルフGPSナビ」を求めている人向けだ。4インチのタッチスクリーンとフルカラーHD表示により、コース上での視認性は抜群。さらに地上で実測してエラー修正されたマップを採用しているので、見た目だけでなく正確性も非常に高い。全ての機能を使うには会員になる必要はあるけど、コース上であなたの可能性を最大限に引き出す“バーチャルキャディ”となってくれるだろう。


ベスト「ゴルフGPSナビ」(ハンディ型)第2位 ガーミン「Approach G80」

総合スコア
9.7/10
Price
$499.99

こんなゴルファーにおすすめ

  • とにかくしっかりと距離を確認したい人:

    ガーミン「Approach G80」は距離表示が非常に正確で、スクリーンのタップの感度が高く、ホール上の任意の地点をタップするだけでキャリー、レイアップ、ハザードまでの距離、またグリーンのあらゆる地点までの距離も把握できる。

  • 数ホールを“仮想プレー”してから準備万端でラウンドに臨みたい人:

    ガーミン「Approach G80」なら、最初の数ホールを“バーチャル”でラウンドすることが可能で、本番での感覚を作ることが可能だ。

こんなゴルファーにはおすすめしない

  • 大画面ということで、グリーンの傾斜データがわかりやすいけど、この機能はガーミンの会員のみが利用できる。

最終評価

ガーミン「Approach G80」は、2025年『ベストゴルフGPSナビ(ハンディ型)』で2位となったモデルだ。43,000以上の登録コース、タッチターゲティング、統合型の弾道測定機能など多彩な機能を搭載しており、まさにあなたが求めていた“究極の相棒”ともいえる。

テスターたちの声

ガーミン「Approach G80」について多く挙がっていたコメントのひとつが、ハンディ型の多くの機能が追加の会費やサブスク料金なしで利用できるという点。ただし、注意点としてグリーンの傾斜データを利用するにはガーミンゴルフのメンバーになる必要がある。テスターによると、もしグリーンの読みに対するサポートが不要だというなら、ガーミン「Approach G80」にはコースを難なく攻略するためには十分過ぎる情報が備わっているようだ。

専門家の視点

ガーミン「Approach G80」は、「ゴルフGPSナビ」に「弾道測定機能」が備わったプレミアムモデルで、ヘッドスピード、ボール初速、スマッシュファクター(ボール初速とヘッドスピードの効率)、スイングテンポ、推定飛距離などが計測できる。本格的な弾道測定器並みのレベルを期待しちゃいけないけど、練習の質を高めるという点ではウィンウィンと言えるだろう。とはいえ何よりも、ハンディ型の「Approach G80」には、世界中の43,000以上のフルカラーコースビューマップが搭載。タッチターゲティング、グリーンビュー(グリーン形状を上空視点で確認できる機能)、プレーズライク・ディスタンス(高低差を考慮した実質距離)、ピンポインター(目標方向を示すガイド機能)といった機能があるので、どのようなコースでも攻略可能だ。そして「Approach G80」をガーミンゴルフアプリと連携すれば、グリーン傾斜の情報が追加できて、アプローチやパッティングにかなり貢献できるはず。ガーミン「Approach G80」は、コース上であなたをしっかりサポートしてくれる。問題は、あなたのゴルフがその性能に見合うかってことだ。


ベストバリュー「ゴルフGPSナビ」(ハンディ型) ブッシュネル「Phantom 3 Slope」

総合スコア
9/10
Price
$129.99

こんなゴルファーにおすすめ

  • コスパ重視のGPSゴルフナビを探している人:

    ブッシュネル「Phantom 3 Slope」は、セールにもよるけど150ドル前後で手に入り、正確性とコースの勾配を加味した距離がシンプルにわかる価格重視モデルだ。

  • カートに搭載されたGPS表示が好きだけど非対応コースでプレーしているという人:

    「Phantom 3 Slope」には、「BITEマグネット」を採用されているので、カートのフレームなどに簡単に装着可能。これで問題は解決だ。

こんなゴルファーにはおすすめしない

  • カラー表示やホールレイアウトは必須という人:

    「Phantom 3 Slope」には、操作が簡単な白黒タッチスクリーンが搭載されているものの、もっと細かいことを知りたいなら、ブッシュネルゴルフのアプリとの連携を検討する必要がある。

最終評価

ブッシュネル「Phantom 3 Slope」は、2025年『ベストゴルフGPSナビ(ハンディ型)』のベストバリューとなったモデル。コンパクトで低価格だけど、その性能は侮るなかれだ。コースの勾配を考慮した距離が分かるので、プレーに集中できるアイテムとなっている。

テスターたちの声

テスターたちからは「電源を入れるだけですぐ使えるシンプルなGPSデバイスを探しているなら、このモデルが最善」という声が多数。みんなが、ブッシュネル「Phantom 3 Slope」は電源を入れればすぐにコースとホールを認識するので、ホールやコース選択にボタン操作がいらないと評価していた。

専門家の視点

「Phantom 3 Slope」は、充電して電源を入れるだけというシンプルさが特徴。後は自動でコースとホールを認識する。またコースの勾配を考慮した距離表示、グリーン手前、中央、奥の大きな距離表示、最大6つのハザード距離、そしてピン位置を調整できる“グリーンビュー機能” (グリーン形状を上空視点で確認できる機能)といった他の機能により、ほとんどのゴルファーが求める情報を網羅している。こうした機能が、「BITEマグネット」付きのポケットサイズのポータブルモデルに満載。お求めやすい価格の「Phantom 3 Slope」をカートにつけるか、持っているだけで、後はプレーするだけだ。



その他のトップモデル


この他、「ゴルフGPSナビ」市場には様々なモデルがあって、その数は増え続けている。ここで挙げたベストモデル以外にも、検討すべきモデルはいくつか存在する。


「ゴルフGPSナビ」(ハンディ型)

◆ ガーミン「Approach G20 Solar」


「ゴルフGPSナビ」(ウォッチ型)

◆ ボイスキャディ「T11 Pro」

◆ ゴルフバディ「Aim W12」

◆ Blue Tees「Playmaker+」

◆ ボイスキャディ「A3」

◆ ショットスコープ「G6」


「ゴルフGPSナビ」の選び方

3つのGPSゴルフウォッチを腕に並べ、各画面で距離情報やコースレイアウトを表示している様子。モデル別の表示の違いがひと目でわかる比較写真。

新しい「ゴルフGPSナビ」を選ぶことは、そこまで難しくない。迷いそうにも思えるけど、大切なポイントを絞りこみ、できるだけ簡単に比較できるようにした。

我々が重視したのは選びやすさだけでなく、みなさんが払った価値に見合うものを見つられるようにするということ。「ゴルフGPSナビ」は高いものも存在するけど、予算に応じたモデルや個々のスタイルにぴったり合うものもあるのだ。

以下で、新しい「ゴルフGPSナビ」を選ぶ際にチェックしておくべき点を紹介する。


正確性


Garmin Approach G80 をゴルフバッグのストラップに固定し、距離表示画面を表示している様子。携帯しやすいGPS距離計としての使用イメージ。

「ゴルフGPSナビ」の精度はゴルフ用の「レーザー距離計」には及ばないけど軽く見るべきじゃない。条件が良ければ、誤差が3〜4ヤード程度に収まる「ゴルフGPSナビ」もある。

とはいえ、全ての「ゴルフGPSナビ」が同じ性能というわけでもなく、モデルによっては10〜12ヤードほど誤差があるものも存在する。このレベルになると、殆どのゴルファーにとっては1番手分に相当するし、グリーンに乗るか手前のハザードやバンカーに捕まるほどの差となり得るのだ。

距離の正確性も気になるけど、GPSウォッチが良いという人なら、ブッシュネル「iON Elite」と「GolfBuddy Aim W12」は距離の再現性と精度の安定感で優れているモデルなのでおすすめ。

ウォッチ型ではなく、ハンディ型の方がしっくりくるという人なら、スカイゴルフ「SkyCaddie PRO 4X」とガーミン「Approach G20 Solar」が、正確性でがっかりさせるということはないだろう。


ディスプレイ


SkyCaddie PRO 4X を手に持ち、フェアウェイの形状や距離情報を詳細に表示している画面を撮影した写真。大画面でのコース攻略イメージ。

ディスプレイは、さまざまな光の条件下でも、鮮明で、明るく、見やすいことが重要だ。

ハンディ型の中では、大きなスマートフォンのようなスクリーンを備えたガーミン「Approach G80」とスカイゴルフ「SkyCaddie PRO 4X」が、直射日光が強く差し込む状況を除けば非常に見やすかった。

GPSウォッチはすでに飽和状態に近いが、ガーミン「Approach S70」は、圧倒的輝度の1.4インチ有機ELタッチディスプレイでかなり読みやすい。また、ひと回り小さなベゼルを採用したガーミン「Approach S50」も、上位機種と同じく高明輝度の有機EL技術を搭載している。

一方で、選択肢はガーミンだけではない。「GolfBuddy Aim W12」や「Voice Caddie T11 Pro」は、ガーミン「Approach S70」より若干小ぶりだけど、非常に明るくて見やすいディスプレイを備えている。

そして、より大きく独自性あるディスプレイが良いなら、鮮やかな楕円形の有機ELカラータッチスクリーンを採用した「Blue Tee Playmaker+」を検討して欲しい。


機能性


ボイスキャディ VC4(Voice Caddie VC4)の本体デザイン。丸型の薄型GPSデバイスが帽子のつばに取り付けられている様子をクローズアップで撮影。

一般的に、「ゴルフGPSナビ」は、電源を入れるとすぐに衛星信号の受信を始める。しかし、ここで問題となるのがコースとホールの認識だ。

機種によっては、近隣コースがリストで表示され、そこからスクロールして選択しなければならないものがある。中にはコースの自動認識機能があるのに、スタートホールを選ばないといけないものも存在する。一方、上位機種になると、コースだけでなく今いるホールまで自動把握する。

そんな中、「Voice Caddie VC4」の「ゴルフGPSナビ」はその使いやすさで突出ししており、電源を入れるだけでコースもホールも自動で正確に認識していた。

また、ガーミン「Approach G20 Solar」、「S50」、「S70」もコースとホールの自動認識に対応していて、すぐにラウンドできるようになっている。

そして機能性という点では、充電とバッテリー寿命も外せない。ナビは、乾電池式モデルもあればUSB充電式まであるけど、「Approach G20 Solar」は、ガーミン曰く「晴れていればバッテリーは無制限」というソーラー充電機能が特徴だ。

全体を見渡すと、今回テストしたモデルはどれも高い機能性と高い操作性を備えていた。事前にコースデータをダウンロードする必要はなくて、ボタンタイプもタッチスクリーンタイプも、少し使えば簡単に操作できるようになっている。


特徴


MyGolfSpy 2025年 Most Wanted GPSロゴを中心に、複数のGPSナビ端末が芝の上にレイアウトされた写真。ウォッチ型・携帯型端末がバランスよく配置されている。

「ゴルフGPSナビ」は、どれを取っても目標までの距離を表示してくれる。とはいえ、その中の多くは万歩計、心拍数とフィットネスモニター、グリーン/パットビュー、風速・風向き、ラウンドデータの登録、クラブ選択などの機能は搭載していない。

こうした機能を全て搭載している「ゴルフGPSナビ」もあれば、スマートフォンや専用アプリと連携しないとフルで機能を使えないモデルもある。どの機能が本当に必要なのか、あるいは欲しいのかはゴルファーによって異なる。

結局のところ、自分のゴルフスタイルや重視している要素に合うモデルを見極めることが何より重要だ。

そんな中、日常使いできるスマートウォッチを求めている熱心なゴルファーには、ガーミン「Approach S70」と「S50」が最適だろう。コース上だけでなく、オフコースでも便利に使える多くの機能が搭載されているからだ。

逆に、GPSウォッチにこだわりがなかったり、スマート機能が必要じゃないなら、そんなニーズに合うハンディ型の「SkyCaddie PRO 4X」を検討して欲しい。

次のショットに必要な情報を取得できる十分な機能を搭載しているし、さらには「SuperTag」をクラブに装着すれば、あなたのゴルフやスイングの分析、練習効率の向上にも役立つ。


 

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「ゴルフGPSナビ」のテスト方法


ゴルファーの腕に装着されたGPSゴルフウォッチのクローズアップ。ステップ数・健康管理・ゴルフ機能などの表示項目が確認できる画面構成。

「ゴルフGPSナビ」は、最新設備を備えた我々のテスト施設とコースで専門スタッフがテスト。各モデルがデバイスの最終スコアが決まる前に、厳密なプロトコルに基づく一連のテストを実施し、一定の基準を満たしているかを確認した。

「ゴルフGPSナビ」は、以下の評価項目に基づいて採点されている。


正確性:複数回の連続測定を行い、既知の目標距離に対して表示距離どれだけ一貫しているかをチェックした。ほとんどのモデルは±1~2ヤード程度の誤差で収まるが、中には10〜12ヤードもズレてしまうモデルもあった。こうした誤差はコース戦略に直結するため、「ゴルフGPSナビ」を選ぶうえで見逃せないポイントと言える。


ディスプレイ:「ゴルフGPSナビ」のディスプレイは、情報が整理されていて直感的に読めること、そしてどんな明るさの環境でも視認性が保たれることが求められる。今回のテストでは、直射日光下と日陰の両方で、明るさや視認性を評価。また画面のレイアウト、タッチスクリーン操作のしやすさも比較した。ゴルフナビとしての実用性は、このディスプレイ性能に大きく左右される。


機能性:優れた「ゴルフGPSナビ」は、電源を入れるだけで簡単に使うことが可能となっている。テストでは、衛星信号につながる速さとつながりやすさ、正しくコースが表示されるかなどをチェックした。モデルによっては、コースと離れた場所でも衛星信号を捉えて周辺コースをリスト表示できたけど、他のモデルはコース付近に行かないと信号を捉えることができず、コースリストも表示されなかった。


特徴:「ゴルフGPSナビ」は、基本的に目標までの距離を表示するものになっているが、昨今の多忙な環境になると、それだけでは十分とはいえない。そのため我々は各モデルのオンコースとオフコースの機能と使い勝手も評価した。


「ゴルフGPSナビ」の使い方のコツ


Blue Tees GolfのGPSゴルフナビが衛星を検索している様子。屋外での使用時に「LOCATING SATELLITES」と表示された画面を手に持っている状態。

・ティーイングエリアに行く前に、「ゴルフGPSナビ」の電源を入れておくこと。

・理想的な環境下でも「ゴルフGPSナビ」の精度は3〜5ヤード程度であることを理解しておくこと。

・スイング中に腕に何かがあることが嫌なゴルファーもいるので、GPSゴルフ腕時計を使う前に腕にGPS腕時計をつけることに慣れておくこと。

・言うまでもないだろうが、「ゴルフGPSナビ」は、GPSモードにしていない時よりモードをオンにしている時の方がバッテリーの減りが早い。ラウンド後は充電して、ラウンド中に電源が切れるトラブルを防ぐようにしよう。

・充電器の扱いに注意すること。位置がちょっとでもズレると充電できないものもある。また、耐久性を気にするなら、ゴルフバッグに入れっぱなしにしない方がよい。


2025年『ベストゴルフGPSナビ』主要結果4選

芝生の上に配置されたGPSゴルフナビ端末の集合カット。距離表示画面やコースマップ画面など、各デバイスの特徴が分かる構成。中央にMost Wantedロゴ。

1. 正確性はそれぞれ


「ゴルフGPSナビ」は、「レーザー距離計」に匹敵する時もあるけど限界もある。理想的な状況でも、一番正確性が高い「ゴルフGPSナビ」の誤差は3〜5ヤードほど。多くのアベレージゴルファーにとっては、このレベルでも十分とは言える。


2. ディスプレイが鮮明だと見やすさは抜群


「ゴルフGPSナビ」のディスプレイは、ウォッチ型の小さなものからスマートフォン画面全面まで幅広い。どのタイプでも画質や明度には差があるので、購入を検討する際はあなた自身の視野を基準にすべきだろう。なお視力に不安がある人は、ハンディ型の方が向いていると言える。


3. 機能性もそれぞれ


「ゴルフGPSナビ」の電源を入れれば、どのモデルも同じように製造されていないことはすぐに分かる。GPSを素早く捉えるモデルもあれば、なかなか繋がらないものまで様々。またホールが自動に進む機種があるかと思えば、様々な画面やリストをスクロールしたりしなければ進めないモデルもある。


4. 正確性と直感的な操作性はモデルごとに違う


ベストモデルとそうでないモデルの差は想像以上に大きかった。中には、正確な測定が繰り返しできなかったり、表示が分かりにくかったり、ディスプレイが複雑でこだわり過ぎのモデルもあった。苦労して稼いだ金を使う前に、自分が求めているもの、必要としているものが何なのかを整理して、実際にいくつか試してから選んだ方が良いだろう。


5. アップデートを忘れないように


「ゴルフGPSナビ」の正確性や機能を最大限に引き出すためには、メーカーの公式サイトでコースデータやファームウェアの更新を定期的にチェックするようにして欲しい。


 

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Q.「ゴルフGPSナビ」は「レーザー距離計」と同じくらい正確なのか?

A.場合による。一般的に「GPSゴルフナビ」の正確性は3〜5ヤード程度。もし求めていることがそれ以上の精度なら、「レーザー距離計」の使用も検討して欲しい(まだ持っていない場合)。


Q.「ゴルフGPSナビ」にネット接続やWi-Fiは必要か?

A.そんなことはない。「ゴルフGPSナビ」は衛星信号を受けて動作する。ただし、コースデータやファームウェアの更新などにはネット接続が必要となる。


Q.「ゴルフGPSナビ」は「ウォッチ型」と「ハンディ型」、あるいは別のタイプとどれがベストか?

A.どれが絶対的に優れている、ということはない。モデル選びは、どのようにゴルフを楽しむかに寄るだろう。一般的に、ウォッチ型はハンディ型より画面が小さいし、その中の多くは日常のスマートウォッチとしても優れている。


Q.「ゴルフGPSナビ」を使うためにサブスクに登録したり会員になる必要はあるのか?

A.不要だ。ただし、高度な機能はサブスクを買ったり会員になることで使うことができるようになる。


2025年「ゴルフGPSナビ」|結果一覧

メーカー
モデル
総合スコア
ガーミン
(Garmin)
「Approach S70 47mm」(ウォッチ型)
9.9
スカイゴルフ
(SkyGolf)
「SkyCaddie Pro 4x」(ハンディ型)
9.8
ガーミン
(Garmin)
「Approach S50」(ウォッチ型)
9.7
ガーミン
(Garmin)
「Approach G80」(ハンディ型)
9.7
ボイスキャディ
(Voice Caddie)
「T11 Pro」(ウォッチ型)
9.7
ゴルフバディ
(GolfBuddy)
「Aim W12」(ウォッチ型)
9.7
ブッシュネル
(Bushnell)
「Ion Elite」(ウォッチ型)
9.5
ブルーティーズ
(Blue Tees)
「Playmaker+」(ウォッチ型)
9.5
ボイスキャディ
(Voice Caddie)
「A3」(ウォッチ型)
9.3
ガーミン
(Garmin)
「Approach G20 Solar」(ハンディ型)
9.2
ショットスコープ
(Shot Scope)
「V5」(ウォッチ型)
9.0
ブッシュネル
(Bushnell)
「Phantom 3 Slope」(ハンディ型)
9.0
ショットスコープ
(Shot Scope)
「G6 GPS」(ウォッチ型)
8.9
ラッドゴルフ
(Rad Golf)
「Watch +」(ウォッチ型)
8.8
ブルーティーズ
(Blue Tees)
「Ringer」(ハンディ型)
8.8
ラッドゴルフ
(Rad Golf)
「Hand +」(ハンディ型)
8.7
ボイスキャディ
(Voice Caddie)
「VC4 Voice Golf GPS」(クリップ型)
7.8

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