高ヘッドスピードでテストした結果、タイトリストのドライバーは1本が化けた(もう1本は…)

この結果こそ、ヘッドスピード別にドライバーテストを行う理由そのものだ。

見た目には、「GT2」と「GT3」は、どちらも「競技志向者(上級者)向け」の似たモデルに見えるが、ヘッドスピードを考慮すると、その性能差は驚くほど大きい。

「GT2」は高ヘッドスピードでも低ヘッドスピードでも安定しており、ほぼ同じようなパフォーマンスを発揮してくれる。

一方の「GT3」の能力は、ヘッドスピードに大きく左右される。

低ヘッドスピードでは目立たず、高ヘッドスピードになると、一気にトップクラスのドライバーに変貌する。

では、詳しく見ていこう。


「GT2」vs「GT3」性能比較

タイトリスト「GT2」「GT3」ドライバーの各テスト項目(総合評価・飛距離・正確性・寛容性)を比較した表。

飛距離

「GT2」は、2025年の全体テストで最長飛距離を記録。どのヘッドスピードでも安定した飛距離性能を発揮し、その強みが際立った。

低ヘッドスピードおよび中ヘッドスピード部門においても、ボール初速と打ち出しのバランスが非常に優れており、「キャリーの飛距離」と「トータル飛距離」を最大化する組み合わせを実現。

飛距離スコアは9.8/10、キャリーの平均飛距離は237.97ヤードで、今回のテスト中トップとなった。

一方「GT3」は、わずかに「GT2」に届かないものの、高ヘッドスピードになると一気に性能が開花する。

高ヘッドスピードでの飛距離スコアは9.65/10を記録し、キャリーの飛距離は277ヤードを超えて、「GT2」よりも数ヤード長い結果となった。


タイトリスト「GT」ドライバーのヒール側クラウン部分に刻まれたTitleistロゴのディテール。

正確性

「GT3」が最もヘッドスピードの影響を受けたのが、この「正確性」だ。

「低ヘッドスピード部門」ではスコア7.6と平均を下回ったものの、「総合部門」では8.6を記録。

「高ヘッドスピード部門」になると一気に精度が向上し、「正確性」スコアは9.40に到達。

平均のブレ幅はわずか1.55ヤード(約1.42m)で、今回のテストで最も正確なドライバーのひとつとなった。

「GT2」は、どのヘッドスピードでも安定した精度を維持している。

すべてのゴルファーにとって十分な「正確性」を持つモデルだが、高ヘッドスピードにおける「GT3」のようなトップレベルの精度には届かない。

ヘッドスピードが速いプレーヤーほど、「GT3」のばらつきの少なさを実感できるだろう。


タイトリスト「GT」ドライバーのクラウン上部を真上から撮影。ミニマルな「GT」ロゴのみが中央に配置されている。

寛容性

「GT2」と「GT3」ともに、ヘッドスピードによる「寛容性」スコアの大きな変動はなかった。

「GT2」は全体的に控えめなスコアで安定しており、「GT3」は低ヘッドスピードではやや高いスコアを記録し、高ヘッドスピードではやや低い結果となった。

とはいえ、これはよくある傾向だ。飛距離性能に優れたドライバー(今回の2本がまさにそう)では、「寛容性」がやや犠牲になることが多い。


「GT2」と「GT3」、どちらを選ぶべきか?

ここまでの比較から、「GT3」が高ヘッドスピードでどれだけ性能を引き上げるかがはっきりした。では、どちらのドライバーが自分に合っているのか、その選び方のヒントを紹介しよう。


「GT2」が合うのはこんなゴルファー:

• ヘッドスピードが44.7m/s未満

•「飛距離」を重視したい

•「飛距離」「正確性」「寛容性」など、全体のバランスが取れた性能を求めている


「GT3」が合うのはこんなゴルファー:

• ヘッドスピードが47m/s以上

•「飛距離」と「正確性」の両方を最大化したい

•「寛容性」に頼らず、自分のスイングに自信がある


まとめ

「GT2」は安定志向。「GT3」はヘッドスピードによって性能が大きく化けるモデルだ。

ヘッドスピードが中程度で、安定感を重視するなら「GT2」が無難な選択になる。一方で、ヘッドスピードが速く、「飛距離」と「正確性」の両方を最大限に引き出したいなら、「GT3」がその期待に応えてくれる。

もしかすると、それ以上の結果すらもたらすかもしれない。