キャロウェイ「パラダイム」「パラダイムX」アイアン – 注目ポイント

・上級者向け飛び系と中級者向けアイアンの新作

・『鍛造455カップフェース』および『スピードフレーム』搭載でボール初速を追求

・キャロウェイ特許の『ウレタンマイクロスフィア』採用で打感が向上

・価格は、スチールシャフト1本200ドル(約26,000円)、カーボンは215ドル(約28,000円)

・1月13日先行販売開始、2月24日販売開始


キャロウェイは2023年モデルのドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッドに加えて2種類のアイアンセットを発売する。

新作「パラダイム」アイアンは驚くほど洗練された「上級者向け(競技志向者)飛び系」アイアンで、「パラダイムX」はこれまたぶったまげるほど洗練された「中級者向け(スコア改善型)」アイアンに仕上がっている。

これらがキャロウェイアイアンのどのあたりの位置づけとなるかは微妙だが、スタンダード「パラダイム」は「Apex 21」よりも上級者向け、「パラダイムX」は「Apex DCB」よりわずかながら上級者向けといったところだろう。

ではその性能を確かめてみよう。


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キャロウェイ「パラダイム」「パラダイムX」アイアン

キャロウェイは、新しい「パラダイム」アイアンにお馴染みの機能を全て搭載した。AI設計の『フェースカップ』に『ウレタンマイクロスフィア』、バット側には『タングステン』を搭載。そして今回新たに追加した、『フォージド(鍛造)455フェースカップ』だ。

みんなは、この「455ステンレススチール」を鍛造できるって知ってるかな?

実は華氏1,600度から2,300度の温度下でならかなり容易にできることがわかっている。ホーゼルに“FORGED(鍛造)”と刻印を施すことで打感が良くなる気がするかもしれないが、キャロウェイはこれを称して“ツアーレベルの鍛造の打感”と表現している。

実際には“鍛造”というよりもっと別の何かが伝わってくるが、これだ!と断言されるとそのように感じてしまうのがゴルファーの常。


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というわけで、「パラダイム」アイアンシリーズも業界全体の傾向により、より洗練されたスタイリッシュな見た目の飛び系アイアンを継承しているが、実際かなり見栄えが良い。つや消しのクロームとダークブルーのスタイリングに黄色のアクセント、落ち着いた色味で洒落ている。


「パラダイム」のテクノロジー

前述のように、キャロウェイの「パラダイム」と「パラダイムX」アイアンは、AI設計の『鍛造455カップフェース』と、中空っぽいボディ設計を採用している。キャロウェイが『スピードフレーム』と呼んでいるもののためにあえて“っぽい”と言っておく。

「AI設計フェースの3次元的形状の変化が我々の求める性能差を生む」と、キャロウェイのアイアン・ハイブリッド部門シニアR&Dディレクターであるスコット・マンワリング。「問題は、それに相応しいボディが必要だということ」。


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そこで登場するのが『スピードフレーム』。これは、フェースのたわみを妨げることなく整合性を維持できるよう、フェースを支える内部構造だ。

「重要なのは、中空ボディ構造のアキレス腱を理解することだ。すなわち高い位置に多くの質量を包有するということ」とマンワリング氏。「個々のクラブにおいて、『鍛造455フェースカップ』がボディを損ねないようにしつつ、できるだけ多くの重量をどの部分から取り除くかを考えなければならなかった」。

その結果、重量が取り除かれたところに、内部に穴のあるフレームが設置されたというわけだ。

セット内の各アイアンには、それぞれに見合うよう独自設計された『スピードフレーム』が搭載されている。フレームは「カップフェース」を安定させてサポートしつつ、ボディに剛性をもたらし、オフセンターヒット時にもボール初速を維持する。


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マイクロスフィアとタングステン

中空ボディ設計の良いところは、フェースをいかようにでも曲げられるところだ。ただし、打音や打感が損なわれがちなのが玉に瑕。『ウレタンマイクロスフィア』は、フェースのたわみを可能にしながら耳障りな打音と打感を軽減しようとするキャロウェイの試みで、充填剤ならなんでもいいというわけではない。


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「ウレタンはそのままの状態では崩れることはない」とマンワリング氏。「密閉されたケース内ではまるで金属のようだ。我々が目指しているのは、それをコルクのような物質に変えて、自然に崩れ落ちるようにし、音そのものを変えることなく音響性能を変えることにある」。

また、タングステンなくしてキャロウェイのアイアンとは言えない。キャロウェイはタングステンの使用において業界をリードしており、「パラダイム」と「パラダイムX」アイアンも例外ではない。小ぶりで洗練された 「パラダイム」は最大67g、大きめの「パラダイムX」は最大79gのタングステンを搭載している。

「目に見えるように、外側に少量のタングステンをもってきた」とマンワリング氏。「装飾的なものではあるが、表面下では大量のタングステンが縁の下の力持ちの役割を果たし、重心を低く抑えている」。


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「重心が低いほど、ボールの打ち出し角は高くなり、高弾道で飛ばせるようになるのだ」。

そしてそれがロフト構成に行き着くわけだ。


ロフト構成、批判はご自由に

PINGの創業者カーステン・ソルハイムは何年も前に、周辺重量について、特に低重心にするとボールの打ち出し角が高くなると語っていた。さらに、ボールの打ち出し角が高くなるほど、ストロングロフトにでき、望ましい弾道と落下角度が保たれることで、ボールをより遠くに飛ばすことができると説明した。

つまり、6番アイアンの底に「7」と刻印するだけではどうにもならないということ。

批判したい人はすればいいが、「パラダイム」と「パラダイムX」は間違いなくストロングロフト設計だ。


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上級者向け飛び系アイアンの「パラダイム」は 29度の7番アイアンを軸に展開している。これは、このカテゴリの主流よりわずかに立ち気味だが、一番ストロングというわけではない。

「パラダイムX」は、27.5度の7番アイアンで、これはかなり立っている。とはいえ、7番アイアンで自分の望む通りに打ち出せて、望む通りに降下させられるなら、大騒ぎするほどの罪に値するとは思えない。

飛距離は重要な要素であり、我々の『Most Wantedランキング』は、新しい「パラダイム」の飛距離性能がどれほどかの判断材料になるはずだ。

スピン量は、よりストロングロフトのアイアン、特に低スピンのボールに対しては当然の懸念材料だ。さらに落下角度が重要になり、蓋をあけたら高スピンのボールのほうが相性が良い可能性もある。


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キャロウェイ「パラダイム」「パラダイムX」のスペックと価格、発売時期

前述のように、新作「パラダイム」と「パラダイムX」は、それぞれ「上級者向け飛び系」と「中級者向け」カテゴリに属する。

「パラダイム」はスリムなトップラインに控えめなオフセット、狭めのソールを備えた小ぶりな形状。中級者向けの「パラダイムX」は厚めのトップラインに大きめのオフセット、広いソールを備えた大型サイズだ。

純正のスチールシャフトは軽量で人気の高い「True Temper Elevate MPH(トゥルーテンパーエレベートMPH)」。純正カーボンシャフトはプロジェクト 「HZRDUS Silver(ハザーダス シルバー)」。

女性用モデルの純正シャフトはより軽量のアルディラ「Ascent PL Blue(アセントPLブルー)」が用意されている。キャロウェイの標準ユニバーサルグリップが純正グリップだ。


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「パラダイム」アイアンは、4番アイアンからギャップウェッジと51度ウェッジの構成。「パラダイムX」アイアンも同様のラインナップだが、追加で56度ウェッジも用意されている。キャロウェイは特に明記していないため、推測するに左利き用と右利き用の両方のセットがあるのだろう。

いずれのアイアンも、小売価格はスチールシャフトが1本200ドル(約26,000円)、カーボンは215ドル(約28,000円)。7本セットの小売価格は1,400ドル(約180,000円)。

1月13日より先行販売開始。両セットとも2月24日に店頭販売開始予定。