「アプローチショットで、どのクラブをよく使う?」

ラウンド中、こんな話題になることも多いだろう。そしてその回答も、ゴルファーの数だけ存在する。お気に入りの番手がある人もいれば、距離で決める人もいる。だが実際ほとんどのゴルファーは、アプローチでどの番手を選ぶべきかを知らないままプレーしている。

PGAツアープロの場合、その答えはすぐに出る。しかし、一般ゴルファーが答えを出すには「データ」が不可欠だ。

COURSE MANAGEMENT

200万回のラウンドで得た1億以上のショットを取り込んだArccosのビッグデータを利用し、ゴルファーをハンディキャップ別のグルーブに分け、「60~80ヤード」と「100~120ヤード」からのアプローチショットにおけるピンまでの平均距離を分析する。我々の目的は、パー5を刻む時やパー4を攻める際に、ゴルファーがコントロールすべき距離を見つけ出すことだ。

Arccosを使えば、ゴルファーは自動的に集計された統計データと、スコア向上を目的として分析された情報を利用することができる。Arccosは、コースでのパフォーマンスデータをクラブのグリップに搭載されたセンサーを通して記録する。システムがすべてのゴルファーのプレーデータを自動的に記録・分析し、AIにより各ゴルファーに合った戦略をショットごとに示すだけでなく、高度な分析に基づいた的確な練習方法も提案してくれる。

 

結果はシンプルだった。どのハンディキャップのグループも、100~120ヤードの距離からよりも60~80ヤードからのほうがピン近くに寄せた(当然だが)。またデータは、忘れがちな練習である「ウェッジのハーフショット」において出現する可能性のあるパフォーマンスの差に関しても明らかにした。

ハンデ0~5のグループが示した60~80ヤードのアプローチショットでのピンまでの平均距離は、12.6メートル。一方、ハンデ20以上のグループでは19メートルという結果だった。この6.4メートルの差が3パットを生み出す原因になると同時に、「問題なのはパットだ」という幻想を生む傾向がある。データは真実を導く。つまり高ハンディキャッパーは、まずウェッジで距離を打ち分ける練習から始める必要があるということが分かる。

100~120ヤードからのアプローチショットを見ると、ハンデ0~5グループは60~80ヤードからのショットでの(ピンまでの)平均距離と大差がなく、その差はたった2.3メートルだった。

しかし、高ハンディキャップのグループでは、アプローチの距離が長くなると、ピンまでの平均距離が劇的に変化する。ハンディキャップ20以上のグループが100~120ヤードからウェッジで打った場合、ピンまで平均距離は25.4メートルだった。同グループの60~80ヤードからのショットと比べて、6.4メートルもの差が出た。

 

参考までに、PGAツアープロの平均は100~125ヤードからのショットで、ピンまでの平均距離は6メートルだ。

このデータから解るのは、我々に必要なことは限りなくピンそばに寄せることであり、そのためには練習時間の大部分をウェッジショットに費やすべきだということだ。

COURSE MANAGEMENT

60~80ヤードからのアプローチショットにおけるピンまでの平均距離

・ハンデ0~5:12.6メートル
・ハンデ6~10:13.8メートル
・ハンデ11~15:15.4メートル
・ハンデ16~20:16.8メートル
・ハンデ20以上:19メートル

 

100~120ヤードからのアプローチショットにおけるピンまでの平均距離

・ハンデ0~5:14.9メートル
・ハンデ6~10:16.6メートル
・ハンデ11~15:18.9メートル
・ハンデ16~20:21.6メートル
・ハンデ20以上:25.4メートル

ゴルファーは十人十色だが、Arccosはそれぞれのゴルファー、プレーに合った最良の戦略を教えてくれる。プレー中にArccos Caddieアプリ内の「Caddie」ボタンを押すと、現在地点からのショットについて的確な戦略が表示される。さらにArccosユーザーは、ウェッジショットのデータを確認することで、どのウェッジが最もピンに寄るかを知ることができる。クラブの「Smart Distance」をチェックすれば、どのように「刻む」べきかもわかる。

ツアープロは、すべてのショットについて慎重に計算した上でクラブを選ぶ。PGAツアーの放映では、プロとキャディーがどのクラブで打つか、どのようにリカバリーショットを打つか、グリーンを狙うかどうかなど、徹底的に議論する姿が見られる。このような場面はグリーンに乗せる前の段階で行われることが多いが、Accorsを使えばアマチュアにも同じことができるようになるのだ。