キャロウェイがRogueドライバーとフェアウェイウッドを発表して以来、「Rogue」というネーミングが話題になっている(特に『スター・ウォーズ』に「ローグ・ワン」という作品があるからだと思う)。ところで、「Rogue」とは一体どんな意味だろうか。

 

辞書によると、「放浪する」「歩く」「不誠実」「価値のない人」「悪党」「群れから逃れはぐれた馬」「変異体」。キャロウェイがこれらを意図して名づけたとは、思えない。

「通常通り、型通りの行いをしない人、組織もしくは国」。これはUrban Dictionaryからの引用だが、キャロウェイの意図に近いと思う。

「自分の信念やルールに従う反抗的な一匹狼」。これが「Rogue」の元々の意味だ。

「斡旋業者の提案を退ける売春婦」。Googleからはこんな意味も出てくるが、少々品性に欠ける。

 

言葉の定義が分かったところで、早速Rogueアイアンの3モデルを見ていこう。

3モデル

そう、3モデルである。Rogueと、より薄くコンパクトなRogue Proは予想通りだったが、急速に広がるニッチ市場を狙うRogue Xは予想外だった。Rogue Xに関しては後ほど話すとして、まずはスタンダードとProモデルを見ていこう。

RogueとRogue Proは Steelhead XR/ XR Pro の後継モデルであり、あと6週間もしないうちに事務的に入れ替えられるだろう。

Steelheadは2016年9月に発売され(Proは昨年の同時期)、これまで調子良く来ている。キャロウェイのフラッグシップ、Apexアイアンも発売から2年半経つが強さをキープしている。

RogueとRogue Proは中級者向けで、ゴルフ市場で最も厚い層をターゲットにしている。この層は2017年にSteelheadが支配していたセグメントでもある。Steelheadでは、その名前やボアスルーホーゼルが復活したことで話題を作れたので、キャロウェイがたった1回の商品サイクルでその両方を捨てられるだろうかと疑わしかったが、それをやってのけるのが「自分の信念やルールに従う反抗的な一匹狼(Rogue)」なのだ。

実際キャロウェイは、今回採用した新技術によって、Rogueは全く新しいレベルの性能を持つ全く新しいモデルになったと言う。改善があるかと言えば、ゲームを変える技術革新は引き続き見られるし、説得力あるストーリーを作るのに十分な改良もある。そのストーリーとは「打感と飛距離の共存」だ。

ただし、それが「新しい」ストーリーだと言っているわけではない。

フェースカップとVFT

過去2年のMyGolfSpyのアイアンに関するストーリーを見れば、メーカーに関わらず共通するテーマがあることに気付くと思う。ボールスピードを高めるフェースのたわみだ。

ピンだろうが、テーラーメイド、コブラ、PXG、ウィルソンだろうが、このストーリーは皆同じである。フェースを薄くし、フェース全体の反発を上げることで、芯を外しても飛距離ロスが少ない、というものだ。

キャロウェイはRogueに360フェースカップやVFT(Variable Face Technology)のエッセンスも加えた。

「ApexやSteelhead XRの時は、フェースカップ技術をアイアンに適用するにあたっての試行錯誤の段階だった。今回のRogueでは、その時の経験が生きている。」(キャロウェイ 開発部門 上席役員 アラン・ホックネル)

 

ホックネル氏によると、キャロウェイは高度なレーザー溶接技術でフェースをさらに薄くし、前回よりさらにボールスピードを上げるフェースが完成したと言う。

しかし、薄いフェースには常に音と打感の問題が残る。「薄いフェースのアイアンは、フェースのたわみが大きい。ということは、インパクト後にかなり大きい振動が発生する。」とホックネル氏は説明する。

 

そこで、キャロウェイがとった解決策は、「ウレタン・マイクロスフィア」だ。

「私達はボールのカバー使われるものよりもさらに軟らかい、ソフトウレタンベースの素材をキャビティーの下半分に埋め込んでいる。そこにガラス製の微小中空球を大量に入れ込むことにより、その素材に多孔性を持たせた。」とキャロウェイゴルフのホックネル氏は言う。

 

ホックネル氏によると、発泡性素材などと違い、マイクロスフィアはフェースのたわみを制限しないと言う。

「もし軟らかい固形素材をキャビティ―に詰めた場合、キャビティーの容積に限界があるため、押しつぶされたときにその素材自体が行き場を失い、その結果硬直してしまうのだ。」とホックネル氏は言う。

 

ホックネル氏によると、薄いフェースのアイアンは振動が大きく、それが長く持続し、打音は高音になるいう。私たちはこれを(悪い意味での)打感として感じてしまうのだ。

どの薄型フェースや中空アイアンも、この難問にぶち当たる。各メーカーは独自の素材をキャビティ―に詰めてこの過剰な振動を和らげようとしている。例えば、テーラーメイドはSpeedFoam、ピンはSantoprene、ウィルソンはTE 031ウレタンなどだ。

中に詰めた素材は振動を抑えてくれるが、フェースのたわみを制限してしまう。

「それが問題だ。私達は、反発係数を減らすことなく打音をコントロールできる素材を探してきた。」

「他社の素材は、音の問題は解決するがボールスピードを犠牲にする。ウレタン・マイクロスフィアは多孔性であり、インパクトでマイクロスフィア自体の形状がフラットになり、フェースのたわみに合わせてウレタンがたわむ余地を与える。これによりフェースのどこにボールが当たっても、ボールスピードが維持できるというわけだ。」

 

 

 

MIM(金属粉末射出成型法)

Steelheadのストーリーの一つに、中空ボアスルーホーゼルがある。これは長めのブレード同様、重心位置をスコアラインの中心に配置し、各番手の重心位置を最適化する。キャロウェイはRogueでも、ほぼ同じことをやっている。

昨年、キャロウェイはEpicとEpic Proを発売した。どちらもプレミアム価格であり、PXGに対抗したテクノロジー満載のクラブであった。

Epicアイアンはまるでコンセプトカーのようだ。結果的に主流商品の仲間入りできる程のテクノロジーが盛り込まれている。MIMを用いたタングステンや、キャロウェイが「タングステン内蔵インターナルスタンディングウェーブ」と呼ぶ技術が、Rogueの主力商品としての道を切り開いている。

「MIMウェイトは、タングステンと鉄を接合する。ウェイト形状を変えることも、番手ごとにヘッド内のウェイトの位置を変えることもできる。」とホックネル氏は言う。

各番手ごとに重心位置を変えることにより、最適な打ち出し角と飛距離が生まれる。重心位置は、ロングアイアンでは最大限に低くすることでボールが上がりやすくなる。クラブが短くなるにつれ、コントロール性を保ちながら次第に重心位置を高くしている。

RogueとRogue Proとの違いは、予想通りだ。Rogueは比較的打ちやすいが、Rogue Proはコンパクトな造りの中に同じテクノロジーを詰め込んでおり、より上手いゴルファー向けと言える。加えてProはオフセットが少なく、トップライン、ソールともに薄い。

キャロウェイは、ホックネル氏のインタビューをメディアに発表した。19分間のビデオの10分25秒あたりに、最初で最後の飛距離についての言及があった。いつもフェースの中心で打てないゴルファーならば、前のモデルよりも0.5~1ヤードくらい飛距離を伸ばせるという。

つまり、私たちのほとんどがターゲットということだ。

 

Rogue X

Rogue Xは飛距離が欲しい年配ゴルファーをターゲットとした。このターゲット層は急成長中のニッチ市場だ。軽量でありながらテクノロジーを盛り込んだカテゴリーのリーダーはゼクシオだが、キャロウェイはプレミアム価格のEpic Starでその座を奪おうとしたのだ。

Epic Starは元々日本市場をターゲットとしており、実際日本ではかなりの人気だった。Rogue XもおそらくEpic Starに代わる主力商品になるだろう。

「今がEpicに搭載した全ての技術を駆使する時であり、それをさらにアグレッシブにした設計だ。」とホックネル氏。これは、3°~4°ロフトを立て、クラブ長を長くし、各番手を約10グラム軽量化した、という意味だ。

 

意外だったのは、Epic Starが1本$300、セットで$2,400なのに、同じテクノロジーのRogue Xが、スチールシャフトで$899、グラファイトシャフトで$999である点だ。

ロフトが立っているからだろうか。いや、それ以上の何かがありそうだ。ロフトを立てること自体はヘッドスピードが遅いゴルファーの役には立たない。彼らはそれでもボールを高く上げなければならないからだ。

「7番アイアン同士を比較するときに問題になるのは『ロフトが立ったクラブを同じ打ち方で打てるか?』だ。Rogueと比べてRogue Xはわずかに大きく、ソール幅もわずかに広い。それにより重心位置が少し深くなり、結果としてボールを高く上げやすくなる。こうして打ち出し角を減らすことなく、ロフトを立てることができる。」とホックネル氏は述べている。

Rogue Xはスペックやサイズからして間違いなく初級者向けであり、Big Bertha OSの代わりとして活躍しそうだ。

Rogueは失った飛距離を取り戻したいゴルファー向けのクラブだが、ホックネル氏は「たるんだ胸筋に悩むベビーブーマー向けクラブだと決めつけるべきではない。」と言う。

「Rogue Xはサイズもオフセットも大きいが、単にヘッドスピードが遅い人向けというわけではない。実際は、もっと思い切って振りたい中級者向けでもある。」

スペック・販売状況・価格

上からRogue、Rogue Pro、Rogue Xのスペック表だ。

 

【表内の用語】Loft(ロフト角)、Availability(利き手)、RH(右利き用)、LH(左利き用)、Standard Length(クラブ長)、Lie(ライ角)、Offset(オフセット)、 Graphite(グラファイトシャフト)、Steel(スチールシャフト)、Swing Weight(スイングウェイト)

 

RogueとRogue Proのスペックは、予想通り中級者向けだ。ロフトは、Rogueは少し強め(立っている)、Rogue Proは弱め(寝ている)の設計だ。

Rogueのスチールシャフトは、True Temper XP 95、グラファイトシャフトはAldila Synergy 60。Rogue Proのシャフトは、True Temper XP 105を採用。スタンダード、Pro共にLamkinグリップが使用されており、カスタムシャフトも可能だ。

スタンダードRogueは、スチールシャフトで$899.99、グラファイトでは$999.99で発売予定。Rogue Proはスチールのみで、価格は$999.99だ。

 

Rogue Xは全体を通してロフトが強めで、4番から6番までが長いのが特徴だ。

Rogue Xのシャフトは、スチールではKBS Max 90、グラファイトでAldila Synergy 60を使用している。同じくLamkinグリップが標準装備され、スチールシャフトで$899.99、グラファイトシャフトで$999.99にて販売予定。

また、レディース向けのRogueもある。メンズよりも軽く、ワイドソール、大きめのキャビティー、低重心が特徴だ。こちらもスチールシャフトで$899.99、グラファイトシャフトで$999.99である。

明日から全モデルの先行販売が開始する。メンズクラブは2月9日、レディースは3月2日から店頭に並ぶ予定だ。