突然だが質問がある。

ゴルフメーカーが持つべき最も重要なことを4つか5ほど挙げて欲しい。どんな業界のメーカーでもOKだ。

おそらく開発、技術的な専門知識、ハイパフォーマンスな製品、供給力あたりを思い浮かべるのではないだろうか。

では、プロモーションによる商品のアピールや情熱はどうだろうか?

4年前、スリクソン、クリーブランドやXXIOには商品をアピールする情熱が不足していた。

良い商品にも関わらずスリクソンは「自分探し」状態で、クリーブランドはウェッジとパターを除けば、まるで総合ブランドとして開店休業状態だった。

XXIOは、誰も発音できない高価格のニッチなブランドといったところだろう。

では、この4年間で何が変わったのだろうか?

メーカーの舵取り役が新しくなり、ツアーでは何勝かを挙げメジャーにも勝ち、(本社がある)ハンティントン・ビーチでは明らかに活気がある。

データを重視したクラブのパフォーマンスと惜しげもない活気と熱気が、ようやく創造性や商品デザイン、PR、そして売上に表れてきたようだ。

そんな中、スリクソン、クリーブランドやXXIOは、今月にクリーブランドの各クラブカテゴリーのシリーズ第2弾を発表したことで、その興奮も大きくなっていると言えるだろう。

既に新作のCBX2ウェッジやフロントラインパターはチェックしたし、新作アイアンとハイブリッドも発売予定だが、今回は新モデルのランチャーHB TURBOのメタルウッドを掘り下げたいと思う。

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この湧き上がるような興奮が正しいと感じてもらえるはずだ。


 

ターボチャージでパワーアップ

クリーブランドは、2年前にHBランチャーシリーズのウッドとアイアンを発売しフルラインナップを揃えたが、どれもエンジョイゴルファーや初心者向けだった。

今回のランチャーHB TURBOのウッドラインナップは、確かに名前の通りの製品と言える。

「基本的にランチャーシリーズをターボチャージした」と言うのは、クリーブランドでエンジニアリング・R&Dディレクターを務めるダスティン・ブレッキ氏。

「我々がターゲットとするタイプのゴルファーが、より飛距離を出せて、より易しく、より良いパフォーマンスを出せるようにした」。

間違いないのは、ハンディ2でツアーレベルのスイングを持ち、スイートスポットをほぼ外すことがないゴルファー向けではないということだ。

もしあなたが、ゴルフを娯楽としている一般的なアマチュアゴルファーなら、この先も読んでもらえればと思う。

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まずは、ツアープレーヤーを気取るゴルファー向けとは言えないドライバーから。

「打ち出しを高くしたいというゴルファーに向けたドライバーを作ることがゴール」と語るのはクリーブランドのマーケティングディレクターで元ゴルフクラブ・プロダクトマネージャーのブライアン・シャルキ氏。「そして、高く、真っ直ぐ、遠くに、というのがカギだ」。

シンプルに聞こえるが、ツアープレーヤーや上級者は必ずしも高弾道が打てるクラブを欲しておらず、方向性重視。一方でその他の普通の方は、高く、真っ直ぐ、遠くで十分なのだ。

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発売されて2年経つオリジナルのHBランチャードライバーはクリーブランドの復活を示す代表格だが、「MyGolfSpy」の2018年「Most Wanted」のドライバー部門では、万人受けするという評価。

しかし、ヘッドスピードの遅いゴルファーには非常に好評で、全体で4位とキャリーの飛距離ではトップだった。

一方で批判的な言葉もチラホラあった。一つ目が、ヘッドスピードが速いゴルファーにとってはフック製造機になるほどつかまりが良いということ。

スライスに悩む方にとっては良いドライバーと言えるが、それ以外の人にとっては…。

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二つ目はとても主観的なことだ。シンプルな見た目で、ブルーのラインが入ったシルバーとブラックのソールも印象に残らず、ブラックのクラウンも微妙。

評価を得たドライバーとしては、他のウッドシリーズと同様に面白みに欠けていた。店頭で見た目は大切なのだ。



 

ボールスピードと性能が進化

今回の新作ではこうしたことを解消しようとしているようだ。ランチャーHB TURBOのトップは、ピンのG410に非常に似ており、先週プレーした時の同伴者が、13番まで私がピンのドライバーを使っていると思っていたほど。

しかし、「似ている」ということは同じではないし、コピー品でもないということは言っておきたいと思う。

確かにマットブラック仕上げでクラウンにヒレのような特徴があり、ソールに赤いアクセントがあることは似ているが、クリーブランドがピンをパクったと騒ぐことはよろしくない。

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クリーブランドによれば、HB TURBOは前作と同じテクノロジーの多くを継承し、ボールスピードとパフォーマンスを進化させたとのこと。

6-4チタンのカップフェースを採用しバリアブル・フェース・シックネスを新たに改良。フェース中央の厚みが0.2mm薄くなったことで、USGAのルール制限ギリギリに近くなったという。

「カップフェースは実際のところ、オフセンターヒットでのボールスピードにメリットがある」と付け加えるのはシャルキ氏。

「毎回同じところでヒットするツアープレーヤーのクラブを作るなら、カップフェースはそれほど大切ではない。逆に打点にバラツキがある人にとっては効果的だ」。

新モデルのその他の特徴として挙げられるのが、重心をできる限り深くそして低く配置したこと。

前作同様、調整機能はないが、これはコスト削減よりもウェイトの軽減と再配分に主眼を置いた結果。実際のところ、ニュー・ウルトラライト・ホーゼルデザインは、第一世代よりも13%の軽量化に成功している。

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ブレッキ氏によれば「今回のホーゼルとホーゼルのスリーブは若干短くなっており、軽量化に成功している。4グラム程度だが、これにより全体のデザインを変えることなく、さらに低・深重心にすることができた」そうだ。


 

初心者に優しい

クリーブランド独自のHiBOREクラウンは微調整が加えられ、2.2mm低重心化されているが、それはそこまで重要ではない。クラウンにはカーボン繊維ではなくチタンを採用しており、そのテクスチャーと隆起した突起は空気抵抗と見た目を意識した。

「高級感のある見た目になった」と言うのはブレッキ氏。「ヘッドスピードを速くするためエアロダイナミクスも改善しているが、これは市場でも欠かせないことだしターゲットゴルファーへのアピールにもなる」。

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まとめると、今回はヘッドが改良されたことで17gの重量がヘッドの後方と低い部分に配置。

これによりランチャーHB TURBOでは合計35gの重量が可能な限り深く低く配されたことになり、ヘッド最後部には「Deep Weighting」という文字も読み取れる。

また重心は10%深くなり、前作よりもヒール・トゥの慣性モーメントは8%アップした。

また、オリジナルのランチャーもつかまりの良いドライバーだったが、今回のニューモデルはそこまでではない。

ブレッキ氏は「オリジナルのランチャーHBは、ヘッドスピードが速いゴルファーや、ヘッドを返しがちのゴルファーが使うと、左にミスしやすく誰にでもフィットするわけではなかったが、今回のランチャーは、つかまりは良いものの前作ほどではない」と語る。

そして、今回のランチャーHB TURBOでは、さらにつかまりが良いモデルが必要なゴルファーに対してロフト角10.5度のドローバイアスモデルもラインナップ。

初めはつかまりが良いドライバーのドローバイアスモデルということを変に感じたが、ターゲットゴルファーを意識し、標準のHB TURBOが前作ランチャーよりもドローバイアスでないことは認識いただきたい。

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両モデルとも、アドレスでフェースを開くタイプのゴルファーにはオススメではない。

「今回のモデルを上級者に見せたら『どうやって構えれば良いんだ?左に飛んでいきそう!』と言うだろう」とシャルキ氏。

「そこがポイント。いつも右にミスしている人は、フェースがオープンなクラブは持ちたくないはず。そういうタイプのゴルファーは、クローズフェースのクラブだと安心する。我々のターゲットゴルファーにとってはメリットだ」。

シャフトの話をすると、今回のランチャーHB TURBOもMiyazaki C.Kuaを装着しており、ヘッド寄りが重たくなったカウンターバランスタイプで、いつもと同じようにスイングしてもヘッドスピードがアップ。

55グラムでミヤザキシャフトの中では中弾道から高弾道が手に入る。

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また標準グリップは、ラムキン360。クリーブランドのカスタムオーダー部門でオプションシャフトとグリップの装着が可能だ。

ランチャーHB TURBOのメーカー希望小売価格は349ドルで10月4日が発売日となっている。


 

ランチャーHB TURBOフェアウェイウッド

ウッドと言えば、いつだって注目されるのはドライバーだ。ドライバーが常に話題の中心で、他のウッドラインナップはその恩恵にあやかる程度。結果として、フェアウェイウッドはいつだって脇役だ。

私もフェアウェイウッドが好きと言うわけではなく、使うのはフェアウェイが狭い時のティーショットくらいであまり役に立っていない。

とは言え、今回のランチャーHB TURBOフェアウェイウッドはドライバーと同じテクノロジーが採用されており、一見の価値はあるだろう。

ブレッキ氏も「特徴はドライバーと同じ。3番ウッドにはキャリーが伸びるようカップフェースを採用し、バリアブル・フェースシックネスやソール形状、Deep Weightingも変わらない」と語る。

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3番ウッドはドライバーよりもシャローで小ぶりなため、重量を下部や後部に配すことは簡単ではないが、今回のフェアウェイウッドでは、HiBOREクラウンとウルトラライト・ホーゼル、その他のヘッド設計により余剰重量を下部や後部に配置。

前作よりもソールが大きくなったことで寛容性もアップしている。

My Golf Spyで目にしてきた各メーカーの製品プレゼンの殆どに、各メーカーによる競合製品との比較テストがあるが、毎回、プレゼンをするメーカーの製品の方が競合よりも勝っていることには驚きを隠せない。

そうではない結果を見せてくれたら表彰ものだと言うのに。

では、表彰に移ろう。

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今回の製品プレゼンでブレッキ氏とシャルキ氏は、フェアウェイウッドのボールスピードテストでランチャーHB TURBOフェアウェイウッドが2番になったことを正直に明かしくれたのだ。

シェルキ氏は「そんなこともある。毎回、我々の商品が優れているわけではない」と語る一方、「(テーラーメイドのM6が)ボールスピードテストでは勝っていたが、我々の新商品の方が真っ直ぐ飛ぶし、左から右のミスも少なかった」と付け加えた。

また「飛距離を出すためにボールスピードは大切だし、皆さんが飛距離を求めていることは分かっている」とブレッキ氏。

「今回の新製品は、真っ直ぐ飛ばすことができ、実際のところはややドローがかかり、さらに慣性モーメントが大きいことで、総合的にはテストでNo.1となった。ボールスピードは重要だが、他の要素が伴っていなければ総合的に良い結果にはならない」と話してくれた。

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また、クリーブランドのテストによれば、ボールスピードで一番だったクラブは、右への曲がり幅とバラツキも一番大きかったという。

意外なことは、今回のランチャーHB TURBOフェアウェイウッドのラインナップはメンズ、レディース共に3番(15度)と5番(18度)のみ。ターゲットゴルファーを鑑みれば、ストロング3がないことは納得できる。

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また、ランチャーHB TURBOにハイブリッドはない。理由はあるが、それはまた次回にお伝えする。

ランチャーHB TURBOフェアウェイウッドもグリップはドライバーと同様にラムキン360を採用。標準シャフトもカウンターバランスのMiyazaki C.Kuaを採用している。

メーカー希望小売価格は219ドルで、ドライバーと同じく10月4日が発売日となっている。