ゴルフ用品の世界には、『Most Wantedテスト(MyGolfSpy独自のランキング)』 や『バイヤーズガイド』では大きく取り上げていないが、魅力あるギアがたくさん存在する。これらの隠れた名品にどんな性能や機能が隠されているのか、読者の皆さんなら興味があるだろう。

そこで、『We Tried it(トライ)』と称してこれらの商品を取り上げ、広告通りの性能が備わっているのか検証してみることにした。


フットジョイ,FUEL,フューエル,ゴルフシューズ,FootJoy

トライした商品は?

フットジョイ「Fuel(フューエル)」ゴルフシューズ


テストしたのは?

ゴルフにかける情熱なら誰にも負けないMyGolfSpy創設者アダム・ビーチが今回のテストを担当した。多くの人が苦労して稼いだお金でゴルフ用品を購入していると思うが、そのようなゴルファーのために商品を調査(テスト)するのが私の役目だ。

これまで使っていた道具より良いものでない限り、一銭も費やしてほしくない。


試した理由は?

それは、「フューエル」がとても格好良かったから。だが、性能が一致するかどうかを検証したかった。フットジョイ「フューエル」は、久しぶりに私が実際に履きたいと思ったシューズだ。


フットジョイ「フューエル」とは?

この商品を見ると、フットジョイがより「モダン」な、若者の言葉を借りると「イケてる」ゴルフシューズを作ろうとしていたことがわかる。

ゴルフシューズといえば、やはり「フットジョイ」だ。彼らはツアーだけでなく、長年に渡り商品棚のスペースを占領してきた。同社は1945年以来、PGAツアーのすべてのトーナメントでNo.1を維持するという、とてつもない偉業を成し遂げている。

米野球選手のジョー・ディマジオが56試合連続安打を達成したくらいすごいことだ。しかし、“ルックス”に関してはもう少し若返ったら良いと思っていた。

これまでゴルフシューズ界は大きく変化してきた。目を閉じて、昔のゴルフショップを思い出してみよう。おそらく一面テーラーメイド「R7SuperQuad( R 7スーパークワッド)」ドライバーだったのではないだろうか?

しかし、「DryJoy(ドライジョイ)」や「GreenJoy(グリーンジョイ)」、「SoftJoy(ソフトジョイ)」、「Joy(ジョイ)」シリーズがあなたの足に「喜び」をもたらしたのも事実だろう。良い時代だった。





そして時は過ぎ、2022年人々はあまり店に足を踏み入れることはなくなった。そう、「アマゾンプライム」の登場によってだ。

さらにイケてる若者はこぞって「アディダス」か「ジョーダン」を履いている。

フットジョイ「フューエル」は、「ボーリングシューズ」のようなルックスからもっとスニーカーのようなモダンなデザインに変貌を遂げている。


フットジョイ,FUEL,フューエル,ゴルフシューズ,FootJoy

フットジョイ「フューエル」をテスト

非常に素晴らしい。

何もかもが丁度良い。柔らかすぎず、非常に快適。軽すぎず、でも見た目よりも軽い。安定感は完璧とはいえないが、適切な場所で安定している。全体的に、靴底から靴ひも(またはBOA)まで本当によく考えられたデザインだ。

2022年の『Most Wantedスパイクレスシューズランキング』で1位を獲得するだろうか?私の予想では、他社のシューズより優れているのではないかと思う。

ところで同社はどのような経緯でこの靴に至ったのか?

これまでのシューズ設計から学んだ多くのことからだ。例えば、「フューエル」のアウトソールデザインは、「PRO SL」の一部を採用。「インフィニティーデザイン」とか「8の字パターン」と呼ばれるものだ。

ゴルフシューズ好きのために、89ポイントのトラクション(グリップ力)が搭載され、ヒールの表面積が17%増えた。2021年『Most Wantedスパイクレステスト』では、同様のデザインの靴が「安定性」の項目でトップ5に入っているため期待が高い。


フットジョイ,FUEL,フューエル,ゴルフシューズ,FootJoy

「フューエル」の履き心地

では「履き心地」はどうか?どんなにルックスの良い靴であっても、履き心地の悪いゴルフシューズは価値がないと言っても良いくらいだ。その点フットジョイは問題ない。

同社ラインナップの中で最も柔らかいわけではないが、履き心地が良く快適だった。フットジョイ「Hyperflex(ハイパーフレックス)」の「StratoFoam(ストラトフォーム)」に精通している人は、「フューエル」にも採用される「StratoLite (ストラトライト)」に馴染みがあるかもしれない。

衝撃を吸収して快適な歩きを可能にし、エネルギーリターンを最大化して疲労を軽減するように設計されている。アディダスのブースト素材ほど快適で心地よいものではないが、十分よい履き心地だ。

『モールドスパイクレスデザイン』も人気の「PRO SL」からの借り物。「ナブ(突起物)」や「スパイク」は、「安定性」と「トラクション(グリップ力)」を考え戦略的に配置され、トップクラスの機能性を持つ。目詰まりを避けるためスパイクを配置しない場所についてもかなり考えられている。これも重要なポイントだ。

ゴルフスイングは個人によって異なり、靴も同様にその独自の動きに合わせて正しく設計する必要がある。「フューエル」はその点でトップクラスだといえる。

また、サイズはハーフサイズ大きく、かかとのパッドが少し薄いことに気づくかもしれない。とはいえ、テスト中の「快適性」には影響しなかった。さらに、1年間の防水保証がついている。


フットジョイ,FUEL,フューエル,ゴルフシューズ,FootJoy

まとめ

ついにフットジョイもこの域に入ってきた。コースからどこへでも行くことができるゴルフシューズ。フットジョイは若返る必要があった。このシューズはまさにそれを実現した形だ。

同社は多くのことに取り組んできたが、若いゴルファーための靴作りはこれまでなかった。過去には競争に過剰に反応して、若いルックスの格好いい靴を作ろうとしているように感じた時期もあったが。しかし、ご存知のように、実際に格好良い靴を作ろうとすることと、実現させることはまったく異なる。

今回は違うようだ。彼らはゴルファーを魅了するゴルフシューズを作り上げた。今回の調査の後、私は多くの人が失望することはないと確信した。