ジェイソン・デイがブリヂストンに移籍−重要ポイント

・元世界ランキング1位のジェイソン・デイがブリヂストンのツアースタッフに加わる

・タイガー、ブライソン、フレッド・カプルズ、レクシー、マット・クーチャーに続くツアープロ

・ジェイソン・デイの使用ボールは、2022年ブリヂストン「Tour B X」


世界ランキング650位の選手と契約したというニュースほど驚くものではないが、本日ブリヂストンから届いたニュースは注目に値するものだ。

ジョージア州コビントンからの声明では、元世界ランキング1位のジェイソン・デイが今週末オーランドで行われる「アーノルドパーマーインビテーショナル」でブリヂストンツアースタッフに加わるというもの。

複数年契約の条件は発表されていないが、ブリヂストンは“当面の間”、ジェイソン・デイが2022年「Tour B X」を使うと発表している。

これで、タイガー・ウッズ、ブライソン・デシャンボー、マット・クーチャー、フレッド・カップル、レクシー・トンプソンと共にブリヂストンファミリーに加わることになる。

「ジェイソン・デイとは1年以上一緒に仕事をしている。彼は今私たちのボールに非常に満足しており、チームの大きな一員になりたいと思っている。」と我々に語ってくれたのは、ブリヂストンゴルフボールフィッティングマネージャーのアダム・レーバーグ氏。


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これまでの経緯

デイが「TOUR B XS」を試し始めたのは、約2年前、ベイ ヒル(Bay Hill)でタイガーとプレーした際、彼は当時まだテーラーメイドと契約を結んでいたが、タイガーに頼み1スリーブ貰ったのがきっかけだった。その後テーラーメイドとの契約が切れ、デイは契約なしで「XS」を使い始めていた。

「しかし、タイガーのボールはすべての人に合うわけではない」とレーバーグ氏。「ジェイソン・デイのようなトッププロでさえも、スピンが効きすぎることがある。彼にはすでにグリーン周りで十分なスピンがあったが、「XS」では6番から9番アイアンでのショットが“浮きやすい”ことが分かった。その点では「X」の方が安定していた。」

実際、デイは昨年8月に「XS」から「X」に切り替えていたが、ついに先週ブリヂストンチームとの正式なボールフィッティングを行った。


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「彼は『XS』のグリーン周りでの特性が気に入っていたが、9番アイアンで右奥のピンを狙うと、少し短く、さらにスピンバックした。」「その後『X』と打ち比べた結果、『X』では9番アイアンで約10,000RPMのスピン量に対し、『XS』では11,500から12,000RPMだった。9番アイアンではかなりのスピン量だ。」

「タイガーのようなプレーヤーは、すべてのスピンを望む。彼の場合は、それをコントロールする能力を持っているから。しかし、多くの人は同じショットを打ち、機械的に打てるボールを選ぶ」とレーバーグ氏


ジェイソン・デイの苦悩

34歳のデイは、公式ワールドゴルフランキングの上位に留まってから数年が経過している。メジャーで6回トップ5入りを果たしたデイは、2015年ようやくチャンスに恵まれた。彼は「ウィスリング・ストレイツ」でその年のPGAチャンピオンシップを獲得し、20アンダーでメジャーを終えた初のプレーヤーとなった。

その年の9月、「フェデックスカップ」でプレーオフの末優勝し、世界ランク1位に輝いた。その1週間後ジョーダン・スピースにトップの座を奪われたが、翌年デイは「ファーマーズ」、「WGCデルマッチプレー選手権」、そして「プレーヤーズ」で優勝し、ランキング1位を取り戻すという快挙と成し遂げた。


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ジェイソン・デイの活躍は素晴らしいものだった。2017年1月、彼はナイキと年間1,000万ドルのアパレル契約を結んだ。しかし、その後4年間彼は悩み続けることになる。2018年に2度目の「ファーマーズ」優勝を果たして以来、ツアーでの勝利はない。

その間、彼の世界ランキングは123位と大幅に落ちた。しかし、最近の成績は良く、今年(22年)の「ファーマーズ」で3位、現在の公式ランキングでは90位につけている。

「彼と最初に話をしたのは一年前。彼は完全に競争の世界に戻るには、ヘッドスピードをある特定の数値まで上げる必要があると言ってきた」とレーバーク氏。「しかし先週テストしたとき、その数値をはるかに超え、彼のヘッドスピードは戻っていた。スイングはよりスムーズで無駄な力が入っていないように見えた。」


ブリヂストンにとっての意味とは?

ジェイソン・デイがブリヂストンに加わったら、彼は同社にとって大きな意味があるのか?

現在、ブリヂストンとスリクソンは、タイトリスト、キャロウェイ、テーラーメイドに次ぐ、ゴルフボール市場シェア4位と5位を行き来している。2016年にタイガーがブリヂストンに加わったとしても、その順序はそれほど変わっていない。

だが、同社は2019年マスターズでのタイガーの勝利が大きな後押しになったと言うかもしれないが、実際ツアーの存在がボールの売り上げにどの程度影響するかを予測するのは難しいことだ。


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そして、5年間の苦境にもかかわらず、デイの人気は変わらない。

「彼は非常に地に足のついたプレーヤーで、何が必要で何ができるか私たちに問い続けてくれた。おかげで解決に近づくことができた。とてもフレンドリーで良いプレーヤーだ。」とレーバーグ氏。

「そして、2024年のボールテストをあと数か月で開始すると話したら、彼は驚いた様子を見せていた。どうやら私たちがすでに新作ボールに取り組んでいることに衝撃を受けたようだ。」


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同社によると、デイはタイガーやブライソンと共に2年間のプロトタイプの開発に参加するという。ブライソンはこれらのプロセスを仕事と捉えるが、デイはむしろ喜びを見出す点でタイガーと似ていると言う。

「R&Dテストはきっと楽しいものになる、と彼には伝えてある。今後は1日中私たちと一緒にボールを打つことになるだろう。これまでは『X』と『XS』だけだったが、彼と共にプロトタイプを作り上げるこの機会を非常に楽しみにしている。」とレーバーグ氏は語っている。