ミズノから発売されるMP-20アイアンは、トップクラスのアイアンモデルに期待できるすべての要素を兼ね備えているという。

MP-18の経験を活かし新たに生まれたテクノロジーやデザイン改良は言うまでもなく、注目すべき点は、薄く重ねられた「銅層」であることは間違いないだろう。

ミズノによると、層が加わることにより打感がより軟らかくなるという。それが、今回のキャッチフレーズ「Layers of Feel(層状の打感)」の由来であり、MP-20を語る上で非常によい切り口となっている。

この打感の層は、クロム合金の下にニッケル、銅、ニッケル、スチール(原材料)と重ね合わせることにより作られる。

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外装にサテンハイポリッシュ仕上げを採用したのはミズノらしいが、ヘッドの内部は銅層という面白い技術が詰まっている。

銅層といえば、馴染みのファンなら昨年日本で発売されたミズノプロTN-87の銅下メッキが記憶に新しいだろう。

久しぶりの登場ではあるが、ミズノが再びこの技術を生かしたクラブを作りたいと練っていたことがうかがえる。

銅は、製造コストの上昇が懸念される上に、実際の性能は期待できないという意見もあったようだ。そのため、銅層アイアンの試作クラブを調べた時、誰もその性能差がわからなかった。

しかし、実際には明らかな違いがあったのだ。

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2モデルのアイアンを使ったブラインドテストをPGAツアープロ(ミズノ契約プロとミズノ以外のプロ)に実施したが、驚くほど多くのプロが銅層アイアンの打感の方が軟らかいと認めた。

ただ、ミズノには実際に銅がアイアンの打感を軟らかくするという説明できるものがなかった。インパクトの時僅かだが打音の差に気づくが、音の特徴を分析する際これらは消えてしまうようだ。

たったひとつ分かっていることは、プロにはその差が確実に分かるということだ。

「説明できるものがないことには我々も困っている。」とミズノのクリス・ヴォーシャル氏は言う。

現在のところ、証拠が付随的なものだが(もっと追究する予定だとヴォーシャル氏は述べた)、ミズノは「打感」カテゴリーを占領しようとしている。そのため、ツアープロの評価や意見に従い、MP-20ラインナップに銅層設計を採用することにした。

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MP-18からの学び

MP-18の特徴は、MP-18が各アイアンシリーズと統一できるように設計されたことだ。

つまり、他のアイアンモデルとの一体感を重視したデザインになっている。Fli-HiやMMC、SC、MBすべてのアイアンが、互いにつながっていて、MP-18もあらゆる組み合わせを意識した設計になっている。

また多くのゴルファーがそれを好んできた。

中にはフルセットを選ぶ人もいるが、MP-18(ブレード)は8番~PWが人気だった。

ミドルアイアンは、SCやMMCを選ぶ人が多く、ロングアイアンは(主に3番と4番)DLR(ダイレクト・ロングアイアン・リプレイスメント)が独占している。DLRには、ハイブリッドとFLI-HI ユーティリティークラブが含まれる。

あまり驚くことでもないが、ゴルファーがモデル同士の組み合わせや個人のニーズに合わせたアイアンセットの組み合わせが可能だと知ると、多くの人が実際にそうするというのがミズノの見解だ。

前作MPラインでは、販売された約80%のアイアンセットに、2本以上のMPモデルが含まれていた。

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MP-20の開発にあたり、ミズノはMP-18でのノウハウをMP-20に活かし基盤作りに取り入れ、各モデルに特色を持たせると同時にそれぞれのアイアン性能を最大限高めることを目指した。

たとえMP-20がフルセットとしてうまく機能したとしても、モデルごとの構造によりフォーカスしたのだ。

この場合、「性能を最大限高める」とはやさしさや、コントロール性、弾道の高さを万遍なく揃え、各モデルの性能の差別化を明確にすることを意味する。

そのため、MP-20は少し編成が加えられた。後ほど詳しく説明するが、MP-18ラインは4モデルで構成されるが、MP-20は3モデルだ。

ミズノがSCモデルの廃止を決めたのは、差別化を意識したためだ。SCのルックスはMP-18(MB)とは明らかに違ったが、性能の差はほとんどなかった。

MP-18よりわずかにやさしさに優れていた以外は、ボールの飛びや弾道に大差がなかった。差別化できるのはルックスだけで、これだけではアイアンをアップデートする十分な説得材料にはならない。

SCモデルをランナップから排除すれば、「やさしさ」と「弾道」の観点から新たなカテゴリーを作ることが可能になる。そうすれば、ゴルファーの要望に近いコンボセットを提供する機会がさらに増える。

MP-20の3モデルを比べる際は、ルックスの違いだけでなく、MOIや弾道の詳細にも注目してほしい。

アイアンをミックスする際にルックスを理由に選ぶ人もいると思うが、どのモデルも意図した独自の特徴を備えていることを覚えておいてほしい。


 

MP-20 BLADE

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MP-20の目的は、「究極のツアーブレード」を作ることだとミズノは宣言している。

見た目には、MP-14ほどではないが、確実にMP-29を振り返ったようなアイアンだ。一昔前、このコンビはタイガーがよく使っていた。

周知のとおり、究極のツアークラブには、ツアープレーヤーの協力が必要だ。最終設計に至るまで、ヘッドシェープとバックタイプは2種類用意されたという。

ツアープロには従来のブレード(ミズノはタイプAと呼ぶ)のルックスが好まれたが、同時にタイプB(チャンネル・バックデザイン)の打感を望んだため、容易には進まなかった(ありがたいことだが)。

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解決方法としては、タイプAとBの両方の要素を混合して、ミズノが「テイパーバック」と呼ぶデザインを実現することだった。

機能的には、ピンやPXGが採用するトップラインの面取り技術に似ている。これは実際の計測とは違い、トップラインが薄く見えるという賢い設計だ。

ミズノによると、テイパーバック設計が彼らの望むルックスを実現すると共に、トップラインに幅があればツアープロ好みの打感(トップラインが薄いアイアンは硬い音がするが、厚みのあるトップラインの打感は軟らかい傾向がある)が得られるという。

トップライン幅はロフト角によって変化し、それにより9番からPW、ミズノの新T20ウェッジまで一貫性を持たせている。

また、それに関連してMP-20 Bladeはロフト角が大きくなるほど貫通するようなボールの飛びが期待できる。

言うまでもなく、このブレードモデルはMP-20の中でも、一番やさしさの少ないタイプだが、弾道は最も低く貫通性があり、操作性に最も優れている。

MP-20Bladeは、1025Eカーボンスチールから成る完全なるグレイン・フロー・フォージド HDで、アドレス時のぎらぎらした感じはなく、洗練されたルックスが特徴のサテンミラー仕上げだ。

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MP-20 BLADEスペック

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MP-20の長さはJPXラインと同じだが、ロフト角は1度ねている。これが今後のミズノ基準になりそうだ。

MP-20 Bladeは、3番からPW。シャフトはDynamic Gold S300で、グリップはGolf PrideのZ-Grip Full Cordを装備。

また、豊富なセレクションから無料でシャフトやグリップがアップグレードできる。

価格は、1本162.50ドル。

右利き用のみ。


 

MP-20 MMC

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SCモデルの排除により、MMCが昇格した。位置づけとしては、MP-20ラインナップの真ん中に位置する。

基本的に、上級プレーヤー好みのルックスと近代テクノロジーを兼ね備えることが、MMCの主な特徴だ。ブレードに関しては、一からやり直そうとはしない。

MMCはウェイト配置をわずかに変えただけで、基本は従来のものと同じだ。もちろん、打感の向上と望みの性能にアクセスできる銅層設計だ。

改良された点といえば、1025Eカーボンスチール製の グレイン・フロー・フォージド HDとチタンを使用した 複合素材だ。

チタンによって、フェース裏に厚みがでて、自由自在にウェイトをヘッド周辺に配分することでやさしさが増す。

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また、冷却中のスチールとチタンの収縮率が異なる特性を生かすことで、溶接や接着剤を使わずチタンを固定することができ、理論上は打感への影響はない。

とはいえ、MMCから他のミズノのフォージドアイアンほどの打感が得られないという声もある。ヴォーシャル氏によると、そこに銅層を加えることで、よりブレードに近い優れた打感が生まれるという。

軟らかさをもたらす銅以外のMP-20 MMCの特徴といえば、初の試みであるアイアンごとに異なるチタンを挿入した点だろう。

4番~7番アイアンと8番~PWに異なるチタン形状を採用することにより、チタンに合わせたアイアンを設計する必要がなくなった。

その代わりに、最近のMMCはロングアイアンほどソール幅が厚く、次第に幅狭になるノーマルなソール幅を採用している。

また、トップラインを薄く改良、ロングアイアンの重心を低深部に配置し(打ち出しが高くなる)、ショートアイアンはより操作性に優れるようになった。これら全ては、上級プレーヤーが望む特徴だ。

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ご存じの通り、MMCはMP-20 MBよりも少しやさしい設計で、スイートエリアのサイズは、JPX919 TourとJPX 919 Forgedの間くらいだ。上級者向けであることは間違いないが、やさしさがゼロではないことがデザインから分かるはずだ。

弾道を比較すると、MMCはMP-20ラインナップの中間に位置する。


 

MP-20 MMC スペック

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MP-20 MMCは、4番~PWの展開。シャフトはKBS Tour S-Taper、グリップはホワイト×ブラックのGolf Pride MMC Classicを装備。

価格は、1本175.00ドル(製造コストが高いため)

右利き用のみ。



 

MP-20 HMB

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MPラインナップFLI-HIモデルの後継モデルを作ることは、中空ボディアイアン構造への全く異なるアプローチである。

HMB(ホット・メタル・ブレード)はMMCと同じ複合素材構造のアイアンだが、類似しているのはこれだけだ。

最近はFORGEDと刻印されたフォージドヘッドがマーケットに溢れている。半分だましのようなブランドも存在するため、ミズノはHMBヘッドのあらゆる箇所がフォージドでないことを明白にしている。

MP-20 HMBの特徴は、「グレイン・フロー・フォージド」フェースと、ステンレススチールに溶接されたネックレーザーが特徴だ。

ミズノの考えとしては、フォージドの部分を鋳造に置き換えたら、軟らかいフォージドの部分だけがボールをしっかり捕らえるというのがその説明だ。

さらに番手次第で、アイアン構造は変化する。HMBモデルの2番~7番アイアンは、クロモリ鋼4135からのグレイン・フロー・フォージドだ。

Hot MetalやHot Metal Proの鋳造を行う際に使われる素材とほぼ同じだが、主な違いはよりカーボンスチール寄りであることと、軟らかい打感を作ることが可能なこと。これらの特徴は、クロモリ鋼をフォージングする際に必要である。

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2番~7番は、キャビティー内に12グラムのタングステン2個が設置される。知って置いて損はないと思うが、その目的はウェイトを低後部に配置して高い打ち出しを実現すること。

タングステンは直接ソールに固定されておらず、ソールに少し余白を持たせることで、フェース下部にミスヒットした際にボールスピードが維持できる設計になっている。

タングステンウェイトが1つだったFLI-HIとは異なり、HMBのタングステンはトゥとヒールに均等に配分されている。

また、トゥウェイトは一部のプレーヤーにとって、過剰なトゥダウンを招きやすいとミズノはいう。そのような人にHMBはうまく解決してくれ、特に問題を抱えていない人でも使いこなせる設計だ。

HMB 8番アイアンは、同じクロモリ鋼4135構造だが、タングステンウェイトは搭載されない。

9番~PWは、一部中空デザインだ。他の番手と異なり、これらは1025Eから成るグレイン・フロー・フォージド HDだ。他のMP-20シリーズと同様に、HMBも打感向上が望める銅層を採用している。

HMBは、Hot Metalにも使ったCORTECHフェーステクノロジーの類似モデルとされるが、実情は異なる。

Hot MetalとHot Metal Proのフェースはボールスピードの最大化を狙って設計されているが、ミズノはこのフェーステクノロジーを効果的に転化させ、ボールスピードを通常に戻した。

スピードの最大化を諦めた代わりに、より安定したボールスピードを目指したのだ。

これは、上級プレーヤーを惹きつける程の特徴ではないが、知っておいてもいいだろう。HMBの構造は、増加傾向にある中級者向けアイアンや飛距離系アイアンのそれと似ているが、実際にはあらゆる点で上級者向けのアイアンだと判断できる。

「大きいヘッド、やさしい設計ではない。アドレスをとる時、まるでマッスルバックのように見える。」(ミズノ クリス・ヴォーシャル氏)

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薄いトップラインに、コンパクトボディーなどの特徴に目を向けてほしい。構造的にソールは厚いが、その特徴がボールフライトというHMBとMMCの決定的な違いを生む。

しかしソールにしっかりと傾斜があるため、ソールの薄いアイアンと同じような芝の滑りの良さが期待できる。

HMBのMOI(慣性モーメント)が、MMCと事実上同じという点を見れば、HMBがMPラインナップにうまく溶け込ませた「中級者向け」や「飛距離系アイアン」カテゴリーではないということが分かるだろう。

MP-20コンボを作りたい人向けに、HMBのロング・ミドルアイアンのヘッドはコンパクトでもがっちりでもない。

高い弾道を望むならHMBが合うし、もっと真っ直ぐ貫通するような弾道が欲しいなら、MMCがベストだ。どちらにしても、MPらしいルックスが得られることは間違いない。


 

MP-20 HMB スペック

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MP-20 HMBは3番~PW。高い打ち出しが可能なため、ヘッドスピードが遅い人の興味もかき立てるかもしれない。シャフトは、ニッポン Modus 120(S)とModus 105(R)がそろう。グリップは、GolfPride MMC Classic(白/黒)を装備。

価格は、1本175.00ドル。

右利き用のみ。


 

MP-20 SEL

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最初にMP-20は3モデルと言ったが、数え間違いのようだ。

特にレフティーゴルファーは注意深く読んだと思うが、こう表示されている。

・MP-20 Blade:右利き用のみ。

・MP-20 MMC:右利き用のみ。

・MP-20 HMB:右利き用のみ。

しかも太字で強調されている。ミズノはレフティーゴルファーを見捨てたのか?そんなことは初めてだ。

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ヴォーシャル氏の見解では、ミズノはすべてのモデルにレフティー用を作るわけではないという。

例えば、MP-68以来、レフティー用は発売されていない。SELモデルがレフティーの希望をすべて叶えるわけではないが、左利きの顧客向けに特別なモデルを用意したいというミズノの配慮が見られる。

基本的に、MP-20 SEL(Special Edition Lefty)はHMB 3番・4番とMB 5番~PWがプリパッケージになったコンボセットで、ヘッドに刻印された”SEL”の文字はレフティーだけの特権だ。

技術的には同じだが、スペックは異なる。番手ごとのクラブレングスの差は1/2インチ、ロフト角の差は4度。エンジニアの視点では、完璧なアイアンセットであり、どのアイアンもそうあるべきだという。

フィッティング時のロフトいじりの結果、ナンセンスな打ち出し計測器上の数字争いが生まれ、すべての番手が正確なロフト角に設定されているわけではないという。

それらの数字は平等に扱われるべきだが、デモに使われる7番アイアンのロフト角は正確なものより立っていることが多いのが現実だ。他の番手はそれに合わせて調整されている。

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右利きでも左利きでも、確実にロフト角の差が4度のクラブをオーダーすることをお勧めする。

レフティーゴルファーにとってコンボセットの選択が少ないのは残念だが、特にブレードが選択肢として増えれば、間違いなくレフティーゴルファーは満足するだろう。

MMCはないが、ロングアイアンで高い弾道、ミドル・ショートアイアンでは格好いいブレードが手に入る。完璧とは言い難いが、レフティーにとっては有り難い選択肢だと思う。


 

MP-20 SEL SPECS

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MP-20 SELは、3番~PW。シャフトはDynamic Gold S300、グリップはGold Pride Z-Gripを装備している。

価格は、HMBモデル8本セットで1,325ドル、MP-20 Bladeだと1本162.50ドル。

左利き用のみ。


 

新たなシャフトオプション

MP-20ラインナップとT20ウェッジの発売に伴い、シャフトオプションが増える。無料アップグレードには以下が含まれる。

・KBS S-Taper(SとXはシルバーとブラック)

・UST Recoil ESX 460(F0, F1, F2, F3)

・ニッポンNS Pro Modus 125 Wedge(S)

・KBS Hi-Rev 2.0 Wedge(S)

・Dynamic Gold Tour Issue Wedge(S400)

さらに、豊富に有料アップグレードも用意されている。

有料オプションは以下の通り。

Steelfiber以外の新シャフトは、フィッティングカートには用意されない。


 

コンボセットの正しい作り方

MP-20のモデルは、1本から購入可能だが、ミズノの意図としては複数モデルから自由に組み合わせ、自分に合ったアイアンセットを作ることだ。

では、自分に適したコンボセットを作るにはどうしたらよいか?

繰り返しになるが、モデル同士の特徴の違いは、主に「弾道」と「やさしさ」に分かれる。

貫通するようなボールの飛びやコントロール性を求める場合は、MBモデルが最適だ。特にショートアイアンでそのメリットを享受できる。

ヴォーシャル氏との会話の中で興味深かったのは、ブレードはやさしさに欠けるため、自信のないゴルファーは敬遠しがちだが、むしろ番手やロフト角の方が、飛距離に関わる重要な要因になる。

「やさしさ」はさほど問題ではない。ブレードタイプが推されるようになっても、ショートアイアンの貫通するような弾道や優れたコントロール性のメリットを得られるのは、低ハンデかミドルハンディーキャッパーだけである。

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MMCやHMBの主体は、完全に「弾道」だ。やさしさはほとんど同じで、両モデル共にMBより打ち出しは高いが、MMCの弾道の方がより貫通性(真っ直ぐな飛び)に長けている。

プロならMBでもいいが、ミドル・ロングアイアンでさらにフラットな弾道を求めるなら、MMCが適任だろう。繰り返しになるが、ブレードタイプは万人向けではない。

MP-20モデルは高い弾道が特徴のため、HMBはロングアイアンの代替として理想的だろう。

全体を通して高い打ち出しを望む人は、ミドルかショートアイアンにHMBを検討するべきだ。ピンG500のように、低ハンデの人でも絶対に有効なクラブとして活躍してくれる。

すべてのモデルに銅層設計が採用される。

MP-20ラインナップは9月5日から事前販売開始、9月20日から正式に販売開始となる。