1月になると“猛吹雪”が襲来する。

その大量の…「雪」をかき分けるのは一苦労。でも、今こそ来たる寒波に備える絶好のタイミングだ。新商品の数に圧倒されるかもしれないけど、今年も数百本の「クラブ性能テスト」を実施する予定。我々「Mygolfspy」も、少なからず皆さんの手助けができたらと思う。


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そんな“ローンチシーズン”には、何度も聞いたことがあるようなる都市伝説や真実、そして誤解が飛び交う。そこで今回、新商品ローンチシーズンを記念して、「都市伝説」と「真実」を仕分けしてみた。

読者のみなさん、準備はOK?信じるか、信じないかはあなた次第だ。


都市伝説1:「さらに飛距離が10ヤードアップする?」

ゴルフクラブの新作が出るたびに耳にするおなじみのフレーズ。「これで10ヤード伸びます!」なんて話、正直聞き飽きたよね。でも、果たしてそれは本当なのか?それとも単なるセールストークなのか…?


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メーカーの広告やプレスリリース、公式発表、さらには裏話まで徹底的に調べたら驚きの事実に行き着いた。

そもそも、メーカーは彼らの新ドライバーが「10ヤード飛距離アップする」なんて言ってない。実際、そんな宣言文句はもうずいぶん昔に終わっている。

これからも「もっと遠くへ」「真っ直ぐ飛ぶ」「初速アップ」とは言うだろうけど、「今回の新作ドライバーは10ヤードの飛距離アップに成功」と言い切る広告やリリース、または信頼できるメーカーがあったら教えて欲しい。


現実1:「ミスヒットした時に」という意味

まず誤解のないようにはっきりさせておこう。


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ルールは守るべきで、そのルールはゴルフボールやCTに厳しい制限を設けている。「CT」は「Characteristic Time」の略で、USGAではインパクトでボールがクラブフェースに接触している時間、いわゆる「トランポリン効果」に制限をかけている。

これにより、クラブの反発力が過剰になりすぎないようにコントロールしているというわけだ。

「さらに10ヤード伸びる」というフレーズは、もはやボケを通り越して、使い古しの常套句だ。芯で打ったショットで「さらに10ヤード」を約束するメーカーなんてない。

だけど、ミスヒット時ならパフォーマンスが向上する可能性はある。Sub 70の新モデル「859」ドライバーに搭載された『ART』フェーステクノロジーだろうが、各メーカーがAI設計した『バリアブルフェースシックネス(可変フェース厚設計)』だろうが、その狙いはミスショットでも性能を最大限に引き出すこと。

つまり、現在のゴルフクラブ開発における技術革新の焦点は、真ん中を外したときのパフォーマンスをいかに向上させるかにある。

もしあなたが、ドライバーの芯を一度も外したことがない「選ばれし者」なら、「神」と呼んでもいい。でも他の人にとっては、オフセンターヒットしたショットがフェアウェイに残って、さらに飛距離が出るようになる技術は本当にありがたい進化なんだよ。


都市伝説2:6週間待てば次の新作が出る…

2012年~2013年頃が懐かしい。その頃なら、「ちょっと待てば、どうせまた新しいモデルが出る」なんていう噂話もアリだった。

これは毎年恒例のことで、特にテーラーメイドの新作ドライバーの発表後には良くあった。

テーラーメイドが2013年初頭に発売した白いクラウンが特徴の「R1」ドライバーや2013年9月に発売した『スライディングウエイト(SLDR)システム』搭載の「SLDR」ドライバー、そして、2014年1月発表のテーラーメイド史上初『スピードポケット』搭載「JetSpeed」ドライバーの頃の話。

圧倒的な革新力と攻めたマーケティングで注目を集める一方、過剰な宣伝や短い製品サイクルが批判を浴びる結果に。だが、これらはテーラーメイドが当時の市場をリードする革新を続けていた証でもある。

テーラーメイドの親会社は今と違っていたし、我が道を進んで、ほぼ自業自得のマーケティングで苦戦していたわけだ。


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もし過去10年の間に、テーラーメイドが全く新しいドライバーを発表して、その6週間後にまた別の全く新しいドライバーを投入したことがあるっていうなら、自分のことをディスろうが、何を言っても構わないよ。


現実2:メーカーの製品リリースサイクルは1~2年

この状況はもうかなり前から続いていて、短期間での新作投入というやり方をほぼやめている。1~2年の製品サイクルは今や業界の標準となり、もはや例外ではなくなっている。


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テーラーメイド、キャロウェイ、コブラは毎年1月に新ドライバーシリーズを発表して、同じく1月にはスコア改善型アイアンをローンチするけど、ここでネタバレ!2025年1月はちょっと様子が違うかしれないよ。

それぞれ、2025年後半にもう一つドライバーを出すかも知れない。ただ、シリーズの追加モデル(ミニドライバーやトリプルダイヤモンドマックスかも)か、限定モデルだろうけど。

そして、PINGとタイトリストは、アイアンとメタルウッドの製品サイクルが1年半から2年だけど、おかしなタイミングで発表することもある。

例えば、PINGは1月に「G430 MAX 10K」をローンチしたけど、この時点で「G430」ドライバーシリーズはすでに2年目に突入したところだった。

ちなみに2025年には新しい「G440」シリーズが出るけど、この「G430 MAX 10K」は当面ラインナップに残るらしい。

とにかく、「追加」というのは「後継」じゃないってことだ。


都市伝説3:「これ〇〇にそっくり」や「また〇〇のコピペでしょ」

これも“ローンチシーズン”のお約束だ。

新しいクラブが登場するたびに、こんな声が必ずと言っていいほど上がる。「結局、前作と同じじゃない?」とか「他社の製品を真似ただけじゃないの?」ってね。

でも実際のところ、見た目が似ているからといって中身まで同じとは限らない。

だが、外見だけで判断するのは、クラブの本当のポテンシャルを見逃してしまうことになる。つまり、「似ているから完コピ」と決めつけるのは、いささか早すぎるってことだ。


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「これ、〇〇にそっくり」と思ったら、一歩踏み込んで中身の違いをチェックしてみると面白い発見があるかもしれないよ!

自分たちのコメントの後ろに笑っている絵文字をたくさん足したり、 「(笑)」や「w」を足せば「自分が一番誰よりも分かっている」とアピールすることができるよ。


現実3:「似ている」と「〇〇と同じ/のコピペ」は違う

一年ほど前だと思うけど、とあるメーカーが新しい3番ウッドの写真を投稿したら、 「これって、去年の別ブランドの3番ウッドとクリソツじゃね(^^)笑?」というユーザーからのコメントがあった。

「コピーだろ」って言いたかったんだと思うけど…。


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ただの物書きの自分が言うのもなんだけど、3番ウッドってどれも大体同じように見えるでしょ。「競技志向者(上級者)向け」アイアン、「競技志向者(上級者)向け飛び系」アイアン、「スコア改善型(初・中級者向け)」アイアン、それにウェッジもそう。

どれもホーゼル、トウとヒール、ソール、トップラインがある。理にかなったデザインは「コピー」というわけじゃない。

ゴルフクラブは、ゴルフクラブらしい形状である必要があるし、似たデザインになるのは避けられない部分もある。

だから、次に「これ、〇〇に似てる!」と思ったときは、単に見た目だけでなく、その背後にある技術や意図を見てみると、もっと面白い発見があるかもしれないよってこと。

ゴルフクラブはただの形だけじゃなく、性能や使い心地が本当の勝負だからね!

また、似ていると言えば低価格帯の直販ブランドのクラブもある。

こうしたクラブは大体、「オープンモールド」アイアンなんだけど、これは、アジアの鋳造工場にある「汎用デザイン」のことで、そこに直販ブランドのネーミングやロゴをつければ、これで立派なブランドになるってわけ。

これだけじゃない。大手でそれなりにオリジナリティもあるゴルフクラブのデザインが、なぜか網をくぐり抜けて、別の鋳造工場で「オープンモールド」としてコピーされるなんてことも。

この件について伝えたこともあったけど、下請けのまた下請けの・・・なんてことになると、どこで網を掻い潜ったか真実は闇の中という感じになる。


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都市伝説4:メーカーはガツガツしてる!価格は制御不能になりつつある!

ゴルファーを代表してもっとキツい言葉をメーカーに浴びせたいところだけどね…。大手メーカーのドライバーが600ドル近くなってアイアンセット(6本)が1,200ドルを超えてくると、顔をしかめたくなるし、「これは一体どこまで行くんだ」と言いたくもなる。

でも、その価格の裏には技術革新や素材の進化があることも忘れちゃいけない。それでも高いものは高いけどさ…。本当に痛いよね。

さらに、ゴルフボールが1ダース54.99ドルするなんて考えたくもないよ。

メーカーを操っている奴らは、アベレージゴルファーがこの価格についていけないことを知っているのかな?

今はギアが高すぎてゴルフ離れが加速しているわけ。彼らって、ゴルファーがこんな値段でも毎年新作ドライバーを買うなんて、マジで思っているのかな?


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現実4:ゴルファーにとって今より良い時代はない

今は、消費者にとってこれ以上ないほど恵まれた時代だよ。確かに価格が高騰している製品もあるけど、その一方で、選択肢の幅はこれまで以上に広がっている。

例えば、大手メーカーだけでなく、直販ブランドや小規模メーカーがゴルフ市場に参入し、独自の戦略で成功を収めているおかげで、性能の良いクラブを手頃な価格で手に入れることができるようになった。

また、ゴルフ市場全体が競争によって進化しているおかげで、どの価格帯でも技術的に優れた製品を見つけられる。

さらに、中古市場や過去モデルも充実していて、必ずしも最新の高価格モデルを選ばなくても、自分に合ったクラブを手に入れる方法はいくらでもある。

そう考えると、どんなゴルファーにも適した選択肢がある今は、まさに消費者にとって“最高の時代”だと言えるね!


今が一年で一番良い時期

これから1ヶ月半、我々「Mygolfspy」では50本以上の新製品発売に関する記事を出す予定だ。まぁ、“ローンチシーズン”恒例だけどね。でも、ここで映画「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」に出てきたウォルト・ホイットマンの言葉を伝えておきたい。

「決めつけずに、好奇心を持て」。

新しいクラブや技術に対して、最初から「またマーケティングの手口だろう」と批判的になるのではなく、「これはどういう仕組みなんだろう?」と好奇心を持って向き合う姿勢が大切ってことかな。

SNSで、見た目で判断したりウケ狙いの投稿をすれば、その時はバズるかも知れないけど、みんなの魂をむしばみ、この時期ならではの楽しみをブチ壊すような、暗くてシニカルな道にハマることになるよ。


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まぁ、そこまで深刻にならなくても良いけどね…(笑)。ゴルフは楽しむことが一番大切なんだからさ。

他の世界でも、定期的に新機能能やテクノロジー、ギミックを搭載した新製品がでてくるけど、ダッジの新しい「RAM」やトヨタの「4Runner」がカッコ良いからって、去年買った車が廃れるってことはないでしょ?

ゴルフ用品もそれと同じ。去年使っていたクラブで良いゴルフができていたなら、次の年も同じクラブできっと良いゴルフができるはずだ。

だから、新製品が登場するたびにワクワクするのは良いけど、去年のクラブが“まだまだ現役”だってことも覚えておこう!

逆に、去年のゴルフが良くなかったからって、新しいクラブを買えば良くなるってもんでもない。まぁ、フィッティングしたクラブなら、役に立つかも知れないけどね。つまり“絶対”はないけど、希望は持つべきだってこと。

結局、スコアアップのカギは、道具だけに頼るのではなく、自分のスイングやプレースタイルを理解し、それに合った道具を選ぶこと。そして、練習を積み重ねることで、道具とスキルがうまく噛み合ったときに初めて結果がついてくる。

つまり、「技術と道具のバランス」が成功への近道なんだよね。

とにかく今回の“ローンチシーズン”でどんな商品が出てこようが、一喜一憂しないこと。

だって、また次の年になれば、これを繰り返すだけなんだから。ゴルフの世界では、新しいクラブの登場は恒例行事。だからこそ、今を楽しみながらローンチシーズンを待ち遠しく思うとしよう!