27年間に及ぶナイキとの契約を終えたばかりのタイガー・ウッズが、次なるアパレルの新天地を決めた。

ウッズは、初めてアパレル業界への本格参入を目指すテーラーメイドとの提携拡大を発表。メジャー制覇15回を誇るウッズは2017年から同社クラブを使用しているが、今回新たなアパレルライン「SUN DAY RED（サンデイレッド）」の顔となるようだ。

「SUN DAY RED（サンデイレッド）」のローンチは5月1日とのこと。

ウッズは発表パーティで「人生で今が一番いい時期だ」とコメント。「変化する時だ。もう僕は子供じゃない。これからも誇りに思えるブランドを持ちたい」と話した。

テーラーメイドのデビッド・アベレスCEOによると、新ブランドは同社内でも独立した部門だという。テーラーメイドのカールスバッド本社ではなく、カリフォルニア州サンクレメンテを拠点とし、独自のスタッフを抱えることになる。

「このブランドはテーラーメイドではない」とアベレスCEO。「テーラーメイドとは独立したものであり…私たちは今夜、私たち、私たちの生活、私たちの家族、そして今後何世代にもわたって生き続けるブランドを誕生させます」。


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PGAツアー、ジェネシス招待の大会週がスタートしたところで今回の発表となったわけだが、ホストプロのウッズはこの大会で昨年のマスターズ以来の実践復帰を果たすことになる。

先月、テーラーメイド・ライフスタイル・ベンチャーは、米国特許商標庁（USPTO）に対して、新ブランド「SUN DAY RED」の商標を4つ出願。この中でメインとなるロゴは、SNSで広く拡散され当然ながら既に明るみになっていた。ロゴには、ウッズがこれまでに成し遂げた15回のメジャー優勝を表す“15本”のストライプが入っていることが特徴だ。

そしてロサンゼルスで開催されたメディアイベントでは、ポロシャツからパーカーまで、さまざまなアパレルがお披露目された。



7年前にウッズがテーラーメイドと契約した時には、契約内容に同社への出資も含まれていたが、アベレスCEOによると、今回のウッズとの最新ベンチャー事業は“本格的で明確なパートナーシップ”という。

1979年から続く老舗用品メーカーのテーラーメイドがアパレル市場に参入することは、以前からバレバレだったが、新規のアパレル部門の求人が出たことで、ここ数ヶ月でその兆候はさらに明確になっていたのだ。

そして、以前クイックシルバーやRVCAを率いていたブラッド・ブランキンシップ氏が、「SUN DAY RED」の新社長に就任した。

ウッズは1996年のプロ転向以来、ナイキのウェアを着用してきた。2013年に結んだ10年間の契約更新による2億ドルを含め、契約期間中の収入は5億ドルとも報じられている。

しかし、上記の契約は先月満了となり、ウッズとナイキは別々の道を歩むことを選択。彼らの契約は、スポーツ史におけるアスリートとブランドの関係性としては最も象徴的なものの一つだった。

そんなウッズは、2000年初頭からナイキがクラブ事業を撤退する2016年まで、同社のクラブを使っていたが、これがウッズとテーラーメイドが契約する契機に。2017年以降のウッズは、ブリヂストンゴルフのボールとスコッティ・キャメロンのパター以外、テーラーメイドのギアを使用している状況だ。

テーラーメイドのウェブサイトにはアスレジャー（アスレチック・レジャー）アイテムがあるものの、アパレル分野での存在感は極めて限定的で、コースで着てもらえるようなアパレルは生産してこなかった。そんな中、アディダスは1997年にテーラーメイドを買収したが、2017年にはKPSキャピタルパートナーズに売却。

2017年以前は、ナイキの契約プロはナイキのアパレルを着用し、テーラーメイドの契約プロはアディダスのウェアを着ていたが、売却によってその垣根がなくなり、ウッズはテーラーメイドのクラブを使いながらもナイキにアパレルを着用できるようになっていたのだ。

これでウッズは、クラブもアパレルもテーラーメイドに。今週のリビエラCCでは新たな装いを披露することになる。

「僕は長い間、多くのことを学んできたし、ウェアとシューズの構造に基づいてプレーが向上できるように、自分のアパレルとシューズを調整できる経験則もある」とリリースで発表したウッズ。「自分が何年もしてきたことで、みんなが知らなかったこともある。その秘密を世界のみなさんと共有する準備はできているよ。『SUN DAY RED』はゴルフのプレーと競技に対する愛を体現し、コース上でも人生においてでも、そうした価値を共有する人たちのためにある。僕たちはアスリート第一を考えて製品を決めるように務めるつもりだ」。

ナイキのウェアを着用しているテーラーメイド契約プロの中には、ロリー・マキロイ、トミー・フリートウッド、スコッティ・シェフラー、そしてネリー・コルダなどが含まれている。

ナイキはゴルフアパレル市場から完全撤退するのでは？という噂もあるが、長年に渡りナイキウェアを愛用してきたジェイソン・デイは、最近になってナイキを離れマルボンと契約。ナイキは最近、今後3年間で20億ドルのコスト削減計画を発表しており、これには数百人の従業員解雇も含まれている。