キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE(エーアイスモーク)」アイアンは、かなり興味深いモデルだが、我々が正しく答えられるかわからない、ある疑問が存在する。

まず、どのモデルの後継なのか?ということ。

単純ではあるが、今回の「パラダイム Ai SMOKE」アイアンは昨年発売された「パラダイム」や「パラダイム X」アイアンの後継モデルではないかという考え方もあるが、これが正しい答えではないかもしれない。

テーラーメイドやコブラも同じく「中級者向けアイアン」を毎年リリースしているが、キャロウェイは一味違う。中級者向けアイアンを2つのシリーズに分け、それぞれを一年おきにリリースし、さらにそれぞれの存在を正当化するのに十分な特徴を持たせているのだ。

紛らわしく聞こえるかも知れないが、キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE」アイアンに価値がないなどと言っているわけではない。それどころか、昨年リリースの「パラダイム」に続き、よりクリーンで美しい見た目をしている。


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キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE(エーアイスモーク)」アイアンはどの後継モデルなのか?

正直、キャロウェイのアイアンシリーズを追いかけるのは面倒だ。「Apex(エイペックス)」は、上級者向けキャビティバックから易しいワイドソールに及ぶコンボセットアイアンを目的とした鍛造シリーズになっているのに、初・中級者向け(スコア改善型モデル)シリーズについては、各世代の「ビッグバーサ」、「EPIC(エピック)」と「EPIC STAR(エピックスター)」のプレミアムシリーズ、そして2018年発売の初代「ROGUE(ローグ)」がリリースされてきた。

その後は、2020年に「マーベリック」、2022年に「ROGUE ST(ローグST)」そして昨年は初代「パラダイム」が登場。しかしキャロウェイによると、「パラダイム Ai SMOKE」はこれまでのアイアンの後継モデルではないとのこと。そうではなく「ROGUE ST」シリーズを受け継いだモデルらしい。


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だが、その「ROGUE ST」は、賛否両論で微妙な感じだったように思う。このシリーズは異なる特徴を持つ4つのモデルがあったが、ネーミングは混乱を招くほど不規則で、ほとんどのメーカーの「MAX」が“「寛容性」が最も高い”という意味にしているのに、「ROGUE ST MAX」が主力モデルとなっていた。

「ROGUE」に関して言うと、「ROGUE ST MAX」は、「ROGUE ST MAX OS」と軽量の「ROGUE ST MAX OS Lite」に次いで3番目に易しいアイアンだったのだ。

この全3モデルは、明らかに初・中級者向けアイアンで、ディープキャビティとブラックのアクセントとゴチャゴチャしたグラフィックが特徴だった。「ROGUE ST Pro」は他よりも地味な作りで、中空ボディのブレードのようなデザインを採用しており、「APEX」の見た目を好むものの、より「寛容性」を求めているゴルファー向けとなっていた。

そんな「ROGUE ST」シリーズは昨年、新作の「パラダイム」と「パラダイム X」が登場しても現行のままだった。しかしキャロウェイが言う通り、「パラダイム Ai SMOKE」アイアンはそれらの後継モデルではない。


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となると、初代「パラダイム」は2024年も現行モデルとして継続販売されそうだが、セットで200ドルも値引きされているのでそうならない可能性もあるだろう。

まとめると、新しい「パラダイム Ai SMOKE」は「ROGUE ST」の後継であることは間違いないが、「パラダイム」と「パラダイム X」が廃盤になるのかどうかは、不明ということだ。


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Ai Smoke(エーアイスモーク):差別化も十分

前作の「パラダイム」と今回の新作「パラダイム」が両方現行モデルになるなら、新旧「パラダイム」の分岐点を知っておくべきだろう。そして、キャロウェイによると、多くの違いはモデル名にあるという。

「『Aiスマートフェース』設計で真剣に飛躍的な進歩を求めていたし、これらのアイアンでAI主導のアプローチから何が得られるのか確かめたかった」と語るにはキャロウェイのR&Dバイスプレジデントのブライアン・ウィリアムズ氏。「その上で、我々のアイアンで明確な差別化を図りたいと考えている」。

3モデルある新しい「パラダイム」は、スタンダードの「Ai SMOKE(エーアイスモーク)」。軽量で高弾道をもたらす「Ai SMOKE HL(エーアイ スモーク エイチエル)」、そして一番軽量で高弾道の「Ai SMOKE MAX FAST(エーアイ スモーク マックスファスト )」だ。


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「ヘッドスピードの速いプレーヤーと遅いプレーヤーとでは、基本的に結果が違うものになる」とウィリアムズ氏。「初速があるプレーヤーがストロングロフトの今風のスペックで打つとスピン量の多い高弾道になるが、初速が遅いプレーヤーの場合、最適な弾道条件を生み出すことが難しくなってしまう」。

(4モデルある「ROUGE ST」に比べ)3モデルに絞ったメリットは、差別化が少しクリアになったということ。キャロウェイによると、7番アイアンのキャリーが130から135ヤードなら、スタンダードの「Ai SMOKE」が最適らしい。

ウィリアムズ氏も「フェースが有効的になるし打ち出しとスピンも本当に改善されると思う」と語っている。


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それ以下なら、高弾道の「Ai SMOKE HL」なのか、軽量の「Ai SMOKEMAX FAST」になるのかはフィッティング次第というわけだ。


人口知能と実際のデータ

事実上、全メーカーが「AI」を設計ツールとして活用しており、これが業界のトレンドワードである「最適化」につながっている。この言葉は、私たちのようなメディアとしてはいつか書き飽きるだろうし、今後は皆さんも読み疲れると思う。

しかし「最適化」は人工知能の背後にある重要ポイントと言える。人工知能の得意分野は、実際のプレーヤーのデータと高度な機械学習を融合させ、パフォーマンスを最適化させることだからだ。

新しい『Aiスマートフェース』は、キャロウェイ曰く、何千人ものゴルファーのスイングデータを活用した業界初となるデザインだ。キャロウェイはこれらのデータを、ヘッドスピード、クラブの軌道、インパクト直前のフェースの向きで構成する「スイングコード」と呼んでおり、これらのスイングコードがコンピュータに入力され、特定のプレーヤータイプに最適化されたフェースデザインが生み出されるという。


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「(AIは)パワーと初速を駆使して、バラつきの抑制に取り組むことができる」 とウィリアムズ氏。「我々は、飛距離が伸びている中で、着弾範囲をコントロールすることで、より飛んでより正確なゴルフクラブになるようにしている」。

クラブの軌道とフェースアングルをコントロールしているのはゴルファーだが、スーパーコンピューターはあなたの悪いスイングの影響を最小限にするためにフェース設計を何度でも徹底的に反復できる。

そしてこれにより、あなたのナイスショットの“楽しさ”も最適化するはずだ。シャンクが良い感じのドローになったり、ハンディキャップ20がいきなりスクラッチになることはないが、シャンクしないようになったり、ハンディキャップ20を18や15に、あるいは20でももっと楽しいゴルフにさせてくれる可能性はある。

「我々は、フェースをたわませ、打ち出しとスピンをコントロールし弾道を操ることができる」とウィリアムズ氏。「AIを駆使してフェースのたわみをコントロールすることで、それらの結果を改善し、バラつきを抑え、そしてゴルファーにグリーンをさらに捉えさせることはできる」。


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モデル別ターゲット

キャロウェイの主力モデルとなる「パラダイム Ai SMOKE(エーアイスモーク)」は、初・中級者カテゴリーの中で「上級者向け飛び系」寄りのアイアンと言える。洗練された中空ボディデザインで、みなさんが思う以上にトップラインとソールは薄い。ロフト構成は、初・中級者向けでは標準的な7番で28度となっている。

一方、「パラダイム Ai SMOKE HL」と「パラダイム Ai SMOKE MAX FAST」はより従来通りのキャビティバックになっている。両モデルとも可能な限り低重心化を促進する「タングステンウエイト」の搭載が特徴で、ヘッドスピードが中程度から遅いゴルファーでもボールを上がるようにロフト角はややウィーク(寝かせる)の設定だ。


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「単にロフトを寝かせただけだとショートアイアンになってしまう」と説明するのはウィリアムズ氏。「しかし我々は、AIで打ち出し角とスピン量を最適化させた。フェースのたわみについては、対象ゴルファーがボールを上げやすくして、高い最高到達点でグリーンに対してスティープ(入射角が鋭角)に着弾できるようにした。グリーンで止めるだけでなく、キャリーも向上するようなアイアンにできればと考えている」。

例えば、リバース・ストロングロフトみたいなものだと考えてみればよいだろう。

「パラダイム Ai SMOKE HL」は7番アイアンでロフト角は30度となっており、「パラダイム Ai SMOKE MAX FAST」は7番で31度というセッティング。低重心化とこうしたロフト角を組み合わせることで、ヘッドスピードが遅いプレーヤーでもボールを高く上げることが容易になる。この手のゴルファーにとっては“大きな勝利”と言えるだろう。

「『MAX FAST』の対象者は、フィッターにとって分かりやすい」とウィリアムズ氏。「だからさらなる初速アップを促せるようにヘッド重量を軽くしている。さらにそうしたプレーヤーのために、AIによって打ち出しとスピンの向上を優先しているのだ」。


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まとめ

昨年の「パラダイム」の見た目がおかしいと思っていたプレーヤーもいる一方で、前作はキャロウェイの10年に及ぶ初・中級者向けアイアンの外見からの顕著な、敢えて言うなら、歓迎すべき変化だった。

昔のキャロウェイアイアンらしいデカさはないものの、「X Hot」、「XRスチールヘッド」、「ビッグバーサ」、「ROGUE」、「マーベリック」、「ROGUE ST」という流れは、多くのゴルファーが嫌がりそうな見た目をしていたのだ。

しかし、くすんだ感じのバッジがついているにも関わらず、「パラダイム Ai SMOKE」は「飛び」と「寛容性」を求める上級者に対して魅力的なことは間違いない。また「Ai SMOKE HL」と「Ai SMOKE MAX FAST」は、ほぼミズノ「JPX」のような見た目を備えている。

まぁ、それは言い過ぎかも知れないが、少なくともこの10年では最も見た目が良いキャロウェイの中級者向けアイアンだと言えるだろう。


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また、今年のMyGolfSpyの「アイアンテスト」で分かるだろうが、「正確性」に重きを置くキャロウェイは歓迎されると言えるだろう。初代「パラダイム」は上級者向け飛び系の「飛距離」部門で2位だったが、「寛容性」と「正確性」ではそれぞれ13位、15位という結果だったからだ。

さらに「パラダイム X」は初・中級者向けテストで同様の結果だった。「飛距離」では3位だったが、「正確性」と「寛容性」は期待外れで最終的に総合8位という結果となった。確かにトップ10には入ったが、テストの対象は11モデルに過ぎなかった。

キャロウェイは、明らかに飛びの秘訣を紐解いている。しかし、「飛距離」に多少なりとも「正確性」と「寛容性」がなければグリーンを捉えることは難しい。

キャロウェイの方向性は正しいし、「正確性」と「寛容性」を重要視している姿勢を疑う理由もない。結局のところ、我々のテストでコンピューターがどれだけうまく機能したのか分かるはずだ。


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キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE(スモーク)」アイアンのスペック、価格、発売時期

「Ai SMOKE」と「Ai SMOKE HL」アイアンはともに右打ちとレフティ(左打ち)モデルがラインナップしている。また、ともに7本セットで発売されるが番手は4番からSWまでカバーされている。

一方、「Ai SMOKE MAX FAST」はメンズ、ウィメンズともに右打ち用のみ。メンズモデルは5番アイアンからで、ウィメンズモデルは6番アイアン以下となっている。

またそれぞれのアイアンの純正シャフトは個別にある。「Ai SMOKE」はトゥルーテンパー「Elevate 95エレベート95」、「Ai SMOKE HL」は軽量の「Elevate 85」を装着。「Project X Cypher(プロジェクトX サイファー)(70g/S、60g/R、50g/L)が純正のカーボンシャフトだ。


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「Ai SMOKE MAX FAST」の純正シャフトは40gの「Tensei Blue(テンセイブルー)」で、ウィメンズモデルにはキャロウェイ専用設計の三菱ケミカル「Eldio(エルディオ)」(40g)が装着されている。

純正グリップはラムキン「Crossline(クロスライン)」とWinn(ウィン)「Dri-Tac 2.0(ドライテック2.0)」だ。

「パラダイム Ai SMOKE(エーアイスモーク)」アイアン3モデルは全て1月12日が先行発売日で店頭販売は1月26日からスタート。価格は7本セットでスチールシャフトが999.99ドル、カーボンシャフトは1,099.99ドルとなっている。


<日本での標準シャフト・グリップ>

・NS950 NEO IR用

・ZELOS 7(ゼロスセブン)

・テンセイ50 BLU/BLK for Callaway

・ラムキン ST+2 ハイブリッド キャリブレート45G Bラインあり

価格:1本¥ 24,750 から(税込)

発売:2024年2月発売予定

シャフトの詳細は、キャロウェイウェブサイトより。

追伸。2023年のキャロウェイ「パラダイム」シリーズから、現在「パラダイム」「パラダイム MAX FAST」アイアンがアウトレット価格で発売されている。こちらも詳しくはキャロウェイホームページより。

また、キャロウェイ「パラダイム」シリーズの中古価格を検討したい方は、こちらを参考にすると良いだろう。

キャロウェイ「パラダイム」シリーズの中古価格サイト