少し前、ミニドライバー市場の拡大について記事を書いた。ミニドライバーが自分に合っているかどうか、その判断のヒントになればと思っている。

その中で、ミニドライバーは興味深い選択肢ではあるものの、一般的なアベレージゴルファーにとって必ずしも理想的な選択肢とは言い切れない、という点にも触れた。

というのも、多くのゴルファーにとっては、フルサイズのドライバーをフェアウェイウッド並みに短くカットした方が、現実的で扱いやすい選択かもしれない。

自分でも似たようなスペックのクラブを試してみたが、もし「ティーショットをもっと安定させたい」と思っているなら、その効果は謳い文句通りだと思う(もっとも、短尺ドライバーが大々的に宣伝されてきたわけではないけれど)。

この手のクラブセッティングに関する一般的な考え方としては、「3番ウッドの方がドライバーよりも正確」というのは実は思い込みに過ぎないという点がある。

そして、ミニドライバーはティーショットではフェアウェイウッドより安定するものの、フェアウェイから打つとなると難易度はぐっと上がる傾向がある。

ある読者がミニドライバーを「両方の悪いとこ取り」と評したのも、そんな理由からだ。

やや厳しい見方ではあるが、「ミニドライバーが限られたゴルファー向けのクラブである」という見方は、実際かなり的を射ているかもしれない。


PING「G440 MAX」ドライバーのヘッドクローズアップ画像。カーボン・フライ・ラップ構造と調整可能ウエイトを搭載。

ミニドライバーよりマクロドライバー?PINGが提案する新たな選択肢

こうした流れの中で興味深いのは、ミニドライバーを投入すると噂されるブランドの中にPINGの名がなかったことだ。

ただし、それは、PINGが「操作性の高いドライバー」に価値を見出していないという意味ではない。

むしろ、「フェアウェイからも頻繁に打つ必要があるなら、3番ウッドを使い続けるべき」と考えているようだ。

そして、そこまで必要がないなら、“スライバー”と呼ばれる選択肢を検討するのも一つの手だろう。

簡単に言えば、「スライバー」とはPINGのフィッティング&パフォーマンス部門バイスプレジデントのマーティ・ジャートソン氏が提唱する「マクロドライバー」のことだ。

これは、フルサイズのドライバーヘッドに、3番ウッド(43.5インチ)、5番ウッド(43インチ)、あるいは7番ウッド(42.5インチ)相当の長さにカットされたシャフトを装着したクラブを指す。

ジャートソン氏が投稿した以下のグラフィックに「スライバー」あるいは「マクロドライバー」を検討すべきゴルファーの特徴や、PINGのテスト施設「Proving Grounds」で収集されたデータが示されている。

そこで、短尺ドライバーと一般的な3番ウッドとの比較結果も掲載されており、クラブ選びの参考として非常に有益な内容だ。


PINGが提案する「ショートドライバー」ビルドガイド。フェアウェイウッドと比較した弾道データ、最適なシャフト・長さの構成例を紹介。

要約すると、ここでは「マクロドライバー」と呼ぶことにしよう。マクロドライバーは、PING「LST」の3番ウッドと比べて、フェアウェイキープ率が10%高く、弾道のバラつきも40%も抑えられたという結果が出ている。

ただし、ミニドライバーとは違って、マクロドライバーはフェアウェイから打てるという前提はない。シャフトの長さが3番ウッドと同じくらいなので飛距離もそれに近いが、その分、高い操作性が手に入る。

グラフィックが示すように、既に十分な飛距離があり、ドライバーよりも操作性を求めるゴルファーにとって理想的な選択肢となる。

また、そもそも3番ウッドをバッグに入れてはいるものの、実際にはフェアウェイから使うことがあまりない、というタイプにもぴったりのクラブだ。


マクロドライバーの始め方。PING「G440」ヘッドとシャフト長の基本セットアップ

マクロドライバーを試す際は、まずロフト角12度の「G440」のヘッドをベースに組むのが基本。

PINGでは、3番、5番、7番ウッド相当の長さに対応するシャフトラインナップが用意されており、それらを組み合わせてカスタムすることができる。一般的には、シャフトが短くなるほど操作性は高まると考えられている。

もちろん、ミニドライバーと同様、マクロドライバーがセッティングに入る余地がないかもしれない。でも、もし自分のプレースタイルに合いそうだと感じるなら、一度PINGのフィッターと相談してみる価値は十分にあるはずだ。


ご意見お待ちしてます

さて、「マクロドライバー」の方が「ミニドライバー」より理にかなっていると思う?あなたのご意見を是非聞かせてほしい。