ゴルフは、プレーだけを楽しむだけでなく、四季折々の風景を感じながらラウンドするのもまた一つの楽しみでもある。

しかし、大事なティーショット、特にスタート直後の第1打で悩みのスライスが出てしまっては、気分が落ちるだけでなく、その後のプレーにも影響する。また、周りの景色すら楽しむ余裕はなくなるだろう。

そこで役立つのが、このPING「G430 SFT」ドライバーだ。「G430 SFT」は、ひどく強烈なスライスを克服することに特化し設計されている。

今回、我々はPING「G430 SFT」ドライバーならではの特徴を深掘りすると同時に、前作の「G425 SFT」と比較し、どちらが良いか検証することにした。

結果として、このスライス撲滅ドライバーが、あなたに合っているのか、あるいは単なる興味を引かせるためだけのネタに過ぎないのか、十分な情報を得た上で決断を下せるようこの比較データが参考になれば幸いだ。


今すぐチェック! スライスは直る!?「G430 SFT」対「G425SFT」

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スライスとPING「G430 SFT」を理解しよう

スライスは本当に厄介だ。スライスした直後、クラブを地面に叩きつけたくなる気持ちもわからなくもない。だが幸いなことに、PING「G430 SFT」はスライスを矯正するよう設計されている。

さらに「寛容性」が高く、『2023年ドライバーランキング』では30モデル中の2位にランクインするなど、「SFT」ならではの設計により、意図通りの安定感を実現している。では、「SFT」の特徴をさらに深掘りしていこう。


「SFT(ストレート・フライト・テクノロジー)」

「SFT」とは『ストレート・フライト・テクノロジー』の略で、ドローバイアスを必要とするゴルファー向けだ。

「G430 SFT」にはヒール付近に22gのウエイトが搭載されており、スライスを軽減しボールをフェアウェイにキープしてくれる。PINGによると、これにより最大20ヤードのスライス矯正が可能らしい。


FORGED T9S+チタンフェース

FORGED「T9S+」チタンフェースは、PING独自の熱処理で生まれた高強度・極薄の反発素材で、PINGはこのフェース素材をずっと使い続けている(「G425 SFT」も同様)。

「G430 SFT」においても、この反発フェースがフェースの中心部・周辺部と、部分的に肉厚が異なるよう最適化されている。このフェースが生み出すたわみがボール初速と飛距離アップを可能にする。


「一貫したスピン量」と「打音」

まず、「G430SFT」のスピンの話をする前に、ドライバーのフェースには必ず「バルジ」と「ロール」がある。「ロール」は上から下への湾曲、「バルジ」はヒールからトウへの湾曲のことだ。これらの湾曲のおかげで、オフセンターヒット時にもボールは効果的にクラブの重心方向に向かった回転がかかる。

ロールに関しては、フェース下部に当たればスピン量は多くなり、フェース上部に当たればスピン量が少なくなる。

長きにわたり、ドライバーのロール半径はほぼ均一で、上から下まで対称だった。それが近年変化し、現在ではほとんどのメーカーがフェースの上下でそれぞれ異なるロール半径を採用している。

均一なロールは基本的に半円であるが、PINGの「G430」のような“一貫したスピン量重視”の設計ではより卵形に近くなる。トップよりも下部の方がより緩やかにロールするのが特徴。

この設計の意図は、インパクト位置によるスピン量のばらつきを抑えること。スピン量が安定すれば飛距離も安定するからだ。

そこで、PINGは『スピンシステンシー』という、フェースの上下に当たったオフセンターヒット時でも飛距離ロスを防ぐテクノロジーを搭載している。このテクノロジーは、「飛距離」と「寛容性」の両方に作用するものだ。

通常、だいたいスピン量は2,500回転/分前後だと言われているが、ドローバイアスモデルは、スピン量が増える傾向にある。そのため、実際我々のテストで計測された「G430 SFT」のスピン量の数値は、2,757rpmと30モデルテストした中で一番スピン量が多かった。「G425SFT」のスピン量は2,895 rpm。

そしてこのスピン量は「飛距離」に影響を及ぼす。

「G430 SFT」のトータル飛距離は243.93ヤードに対し、「G425 SFT」は226.10ヤードと、その差17.83ヤード。

ちなみに、このトータル飛距離を『2023年ドライバーランキング』飛距離トップのモデルと比較すると、トップのモデルが259.27ヤードで「G430 SFT」との差は15.34ヤード。

※(2023年「飛距離部門」1位:コブラ「エアロジェット LS」スピン量2,093rpmの超低スピンモデルと比較した飛距離差)

ドライバーと言えばやはり「飛距離」は最も大切な要素と捉えるだろうが、ミスショットが多かったり、スライスしては元も子もない。

まずは、「飛距離」よりも「ミスショットを減らすこと」、「スライスを抑えること」に目を向けよう。「寛容性」においては、どちらも申し分ない性能。

「打音」に関して、ウッドの設計において「打音」と「打感」よりも「性能」が優先されることはままある。ウエイトやソール構造など、設計のあらゆる要素は音響特性に影響を与えてしまうため、「これらすべてを上手に組み合わせるには相当な配慮が必要だと」PINGのプロダクトデザインディレクターであるライアン・ストッキ氏は語っている。

個人的な意見を言わせてもらえば、正直「G410」と「G425」の「打音」はイマイチだった。しかし、この「G430」シリーズで「打音」と「打感」は大幅に改善されたという感想が多く聞かれる。

それは、『新サウンドリブ』が搭載されたことによるものだろう。「G425」にもこの『サウンドリブ』が搭載されているが、ヘッド内部にあるリブの構造が異なる。「G425」ではリブを3箇所縦に配置しているが、「G430」では、最も振動が発生する4箇所にリブを配置している。だが、この2モデルの「打音」をどう感じるかの最終的な判断は、個々ゴルファーの感性に任せるとしよう。


ロフト角とライ角が調整可能

「G430 SFT」は、8ポジションのロフト角とライ角の調整が可能になっており、ロフトは±1度と±1.5度、ライ角はスタンダードとフラットの8パターンで好みに応じて弾道をカスタマイズすることができる。様々な可能性を探り自分のスイングに適したセッティングを見つけると良いだろう。


スペック比較

「G430 SFT」と前作「G425 SFT」は、ともにロフト角が10.5度でクラブの長さは45.75インチ、ヘッド体積460cc、だがヘッド重量は「G430 SFT」が200gなのに対し、「G425 SFT」は202g、となっている。


「G430 SFT」と「G425 SFT」の比較

項目Ping G430 SFTPing G425 SFT
ロフト角10.5 度、アジャスタブル10.5 度、アジャスタブル
クラブ長さ45.75 インチ45.75 インチ
ヘッサイズ460cc460cc
ヘッド重量200 g202 g
ボール初速速い遅い
キャリー長い短い
打音向上している魅力的ではない
調整機能±1.5°±1.5°

「G430 SFT」と「G425 SFT」の比較

「G430 SFT」と「G425 SFT」を比べてみると、プレーに影響する可能性のある注目すべき差異がある。

上記表を見れば分かるが、「G430 SFT」は「G425 SFT」よりもいくつかの改良が施されている。最も顕著なのは、ボール初速、キャリー、「打音」、そして個々に合わせたロフト角の調整が向上したことだろう。

以下は、2モデルの主な違いを簡単に比較したもの。

・ボール初速:「G430 SFT」の方が速い

・キャリー:「G430 SFT」の方が飛ぶ

・「打音」:「G430 SFT」の方が大幅に優れている


「G430 SFT」:ボール初速63.23m/s、キャリー231.43ヤード

「G425 SFT」:ボール初速61.19m/s、キャリー218.80ヤード


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PING「G430 SFT」ドライバーのソールのアップ。


パフォーマンス分析

「G430 SFT」は、PINGの“スライスキラー”として初めて『可変式ウエイト』が搭載されたモデルとなる。

さらに、「G430 SFT」には『ドロー』と『ドロープラス』ポジションのセッティングが採用されており、スライス矯正がよりコントロールしやすくなっている。

今回のテストで「G425 SFT」がセンターから18ヤード左に外れたのに対して、「G430 SFT」は12.2ヤード。左に行けば行くほど良いようにも見えるが、この背景にあるのは「G430 SFT」に追加されたこの『ドロー』と『ドロープラス』ポジション設計にある。

「G430 SFT」は2ポジション、22gのウエイトを備え約7ヤード相当の補正が可能とされている。『ドロープラス』ポジションは「SFT」の前作に近い設定で、『ドロー』ポジションでは、「SFT」が提供するドローバイアスのすべてを必要としないゴルファーに対する選択肢となる。

スライス軽減がそこまで必要ないなら、通常の『ドロー』を選べばOK。この機能により、スライス矯正度合いをニーズに合わせてカスタマイズが可能となっている。


テストの感想

今回PING「G430 SFT」でプレーするにあたり、いくつかの特徴が気になって仕方なかった。それは、クラウンにある空気抵抗を軽減するという『タービュレーター』によりボールがブレることなく、驚くほどのヘッドスピードをもたらしてくれること。

そして、「打音」と「打感」は、前作の「G425 SFT」よりもかなりの改善が見られていたことだ。

私のショットを含め、テスト中のショットはほとんどが左に飛んでいた。これは『ストレート・フライト・テクノロジー(SFT)』の真価が発揮されているということだろう。「G430 SFT」は、フェアウェイの右側ではなく左側にキープすることを目的としており、フラストレーションが溜まるスライスを効果的に修正してくれると感じた。

※(『2023年ドライバーランキング』30モデルを比較した「左右のばらつき」は、3,381ヤードとバラつきに少なさでは2位にランクインしている。)


まとめ

もしスライス軽減に役立つドライバーを求めているのなら、PING「G430 SFT」は最良の選択肢であり、前作「G425 SFT」よりも大幅に改良されていることが見て取れる。

また、「G430 SFT」の性能は、単なる“ネタ”ではなく、スライスの課題を解決するために特化した、市場にある中で“一番スライスを軽減してくれるギア”でもある。

もしあなたやあなたの知り合いがスライスに悩んでいるなら、このPING「G430 SFT」は素晴らしい選択肢と言えるだろう。