・20年の時を経て、スコッティキャメロン「スタジオスタイル」の名称が復活。
・初代同様、新しい「スタジオスタイル」パターには『フェースインサート』を搭載。
・新しい「ファストバック」と「スクエアバック」モデルは、新たなアライメント機能を採用した複合素材設計。
・3月14日より店頭販売開始。標準モデルは希望小売価格499ドル、「ロングデザイン」モデルは549ドル。
※価格は¥82,500(税込)※ロングデザインは¥88,000(税込)名前が意味するもの

最後に本気で驚いたのはいつだろうか?私は、スコッティキャメロンが最新パターに「スタジオスタイル」という名前をつけると知ったときだ。
その名前を聞いて、またしても驚いた自分が何ともおかしかった。

正直、20世紀生まれでない限り、この名前に特別な感情的リアクションをすることはないだろう。なぜなら、初代モデルのリリース時にはまだ生まれていなかったか、せいぜいおむつをしていた時期だったからだ。
しかし、人生の終盤に差しかかり、大人用おむつが現実味を帯びてくる年齢になりつつある我々にとって、「スタジオスタイル」という名前は、決して忘れられない特別な響きを持っている。私自身も、2005年に登場した初代「スタジオスタイル」シリーズのパターを懐かしく思い出す。
まあ、どうでもいい話かもしれないけど、名前一つであの頃の思い出や情熱がよみがえってくるんだから、不思議なものだよ。
20年前、私がゴルフとパター収集に熱中していた頃、「スタジオスタイル」のパターは最高峰だった。
独特のインサート、鮮やかな色付きドットの美しさ、そして印象的な赤い「スタジオデザイン」グリップを備えたこのパターは、まさに見た瞬間に「これで決まり!」と思わせるほどの存在感を放っていた。
今回、初代から20年の時を経て、スコッティキャメロンが「スタジオスタイル」という名前を再び世に送り出した。
これは純粋なマーケティング戦略なのか?それとも、初代シリーズを受け継ぎ、進化させた真の後継モデルなのか?ファンとしては、その真意を確かめずにはいられない。時を超えて蘇ったこのネーミングには、一体どんな物語が隠されているのか…。「スタジオスタイル」の主要素:新しいSCSフェースインサート

初代「スタジオスタイル」シリーズの主な特徴は、『ジャーマンステンレススチール(GSS)フェースインサート』の採用だった。パターヘッドは「ステンレススチール製」だったが、フェースは「ポリマー」に支えられた『GSSインサート』が搭載されていた。
この「GSS/ポリマーインサート」によって、精密に削り出されたステンレススチールとは一線を画す、よりソフトな打音と打感が実現されていた。これが当時、多くのゴルファーを魅了したポイントの一つだった。新しい「スタジオスタイル」シリーズでは、『スタジオカーボンスチール(SCS)インサート』が採用されている。
このインサートは「カーボンスチール製」でステンレススチールよりソフトな特性を持つ。さらに、フェース部分には新しいミーリングパターンが施されており、素材の一部が削られているため、打感がより一層ソフトに感じられる。
「カーボンスチール」という言葉は、私を含め、多くのキャメロンファンに懐かしさを感じさせる。実際、私が初めて手にしたスコッティキャメロンパターの1本は、カーボンスチールの「オイルカンクラシックニューポート」だった。
このパターはいまだに私の“お気に入りの打感リスト” で堂々とトップの座に君臨している。錆の問題があるため、オイルカン仕上げの100%カーボンスチールパターがすぐに復活する可能性は低い。
しかし、新しい「スタジオスタイル」パターには錆びにくいニッケル仕上げのカーボンスチールインサートが採用されており、かつてのソフトなスチール特有の打感を見事に再現している。「スタジオスタイル」の主要素:キャメロンの美学

この世には確かに「キャメロンの美学」というものは存在する。スコッティキャメロンのパターには独特のデザインが施されており、それは決して偶然ではなく、明確な意図を持って生み出されたものだ。
おそらくその源は、スコッティキャメロン自身の美意識とデザインに対する鋭い目にあるのだろう。スコッティキャメロンは、パターの外観を非常に重視している。「パッティングの芸術」とでも言うべき世界観がそこにはある。我々が近所のショップでスコッティキャメロンのパターをひと目で見分けられるのには、ちゃんと理由がある。
それは、そのパターが間違いなく「スコッティキャメロンらしい」デザインを備えているからだ。見た目そのものが、彼の美学を物語っている。「スタジオスタイル」パターにおけるキャメロンの美学を知りたいなら、まずインサートのミーリング加工に注目してみるといい。パターのフェースは、ボールと接触する金属の量を減らすために完全に削り出されている。
この加工によって、インパクト時の接触面積が小さくなり、よりソフトな打感を生み出しているのだ。見た目だけでなく、フィーリングにもキャメロンのこだわりがしっかりと息づいている。
また深く削り出された溝は、ソフトな打感生み出すための定番の手法だ。
しかし、キャメロンはカーボンスチールインサートを使ってその効果を生み出すことも可能だったが、あえてイケてる見た目の「チェーンリンクパターン」を採用した。見た目の美しさは、スコッティキャメロンのパターにとって機能と同じくらい重要な要素だからだ。もしもキャメロンが映画製作者だったら、新しい「フルコンタクトスリムグリップ」のエンドに施された「チェーンリンクパターン」の連なりを冒頭のシーンに持ってくるはずだ。視覚的なインパクトを大切にするキャメロンらしい演出だよ。
「2025スタジオスタイル」の主要素:複合素材ミッドマレット

2025年のスコッティキャメロン「スタジオスタイル」シリーズでは、初代シリーズから受け継がれている要素もあれば、全く新しい特徴もいくつか追加されている。その一例が、2005年には存在しなかった『調整可能なソールウエイト』が今回の新作「スタジオスタイル」パターでは全モデルに搭載されている。
また、初代「スタジオスタイル」モデルも複合素材を使用した設計だったが、新しいシリーズではさらに幅広い素材の組み合わせが採用されている。これは特に、新しい「ファストバック」と「スクエアバック」モデルに顕著だ。
「ファストバック」と「スクエアバック」モデルは、「303ステンレススチール」の削り出したヘッドに、カーボンスチールとポリマーのインサート、そしてアルミニウムのソールプレートを搭載している。さらに組み立て時の重量に応じて、ウエイトにタングステンが使用される場合もある。
新たな「スタジオスタイル」の主要素:リングデザインのミッドマレット

「ファストバック」と「スクエアバック」モデルについて語るなら、新しい形状についても触れるべきだろう。どちらのモデルも今回はフランジの中央に穴があいている。中央部分から素材を取り除くことで、重量が周辺部に配置される設計となっている。
これは、「慣性モーメント(MOI)」と「寛容性」を高めるための典型的な手法だ。
“VERSA”っぽい要素

また、「ファストバック」と「スクエアバック」モデルのエッジ部分に、新たに黒いパーツが加わっていることに気づくはずだ。これらは、全体的な重量配分に影響を与えるだけでなく、アライメントを補助する役割も果たしている。
もしもこの新しい『ハイコントラスト・マルチマテリアル・アライメントシステム』に見覚えがあるとしたら、それはおそらくキャメロンのパター研究開発担当シニアディレクター、オースティ・ロリンソン氏がオデッセイでパタービルダーをしていた頃にデザインしたパターを知っているからだろう。
スコッティキャメロン 2025年「スタジオスタイル」モデル

ではここで「スタジオスタイル」各モデルを見ていこう。下記モデルに加えて、「スクエアバック2」と「ファストバック 」モデルには、カウンターバランスの「ロングデザイン」モデルもある。
左利き用モデルがあるのは、「ニューポート2」、「ニューポート2.5プラス」、「ファストバック1.5」、「カタリナ」。
(ゴールドで表記されたモデルの説明はスコッティキャメロンによるものだ。)
スタジオスタイル「ニューポート」

「303ステンレススチール」を用いて米国で設計、精密ミルド、組み立てられたこのクラシックなブレードパターは、お馴染みの丸みを帯びた輪郭を持ち、『スタジオカーボンスチール(SCS)」フェースインサート』を搭載している。
また、「アイビーム」プランバーネック、ミスト加工のステンレススチール仕上げ、調整可能な『タングステンパフォーマンスソールウエイト』を備えている。スタジオスタイル「ニューポートプラス」

ブレードパターのためのアライメント機能を採用した、わずかに幅広のボディを持つこの精密に削り出されたステンレススチールパターには、プランバーネックを搭載している。
また、新しい『SCSフェースインサート』に、『チェーンリンクフェースミーリング』を施し、ソールには「6061アルミニウムソールプレート」と一体化した「ステンレススチールソールウエイト」採用。これにより、慣性モーメント(MOI)が向上し、安定したパフォーマンスを実現している。スタジオスタイル「ニューポート2」

この象徴的なパターの形状は、洗練された角張った輪郭、新しい『SCSフェースインサート』、『チェーンリンクフェースミーリングテクノロジー』、わずかに厚みを増したトップラインを備え、新たな時代へと進化を遂げている。
また、カスタマイズ可能な「タングステンソールウエイト」、洗練された「トライソールデザイン」、「アイビームプランバーネック」を特徴とし、左利き用も用意されている。スタジオスタイル「ニューポート2プラス」

「ニューポート2」よりわずかに幅広で、「スクエアバック2」よりスリムな「ニューポート2プラス」は、「303ステンレススチール」から精密に削り出され、ソフトな打感を生む『SCSインサート』を搭載している。
また、高MOIと安定性の向上のため、「6061航空機グレードのアルミニウム製ソールプレート」を採用。さらに、バランスと打感を調整できるカスタマイズ可能なステンレススチールのソールウエイトも備えている。スタジオスタイル「ニューポート2.5プラス」

「ニューポート2プラス」と同様に精密に仕上げられたこのモデルは、「アイビーム」ジェットネックを採用し、トウフローを強化しているのが特徴だ。
また、ソフトな『SCSフェースインサート』、改良された『ダンピングテクノロジー』、『チェーンリンクフェースミーリング』搭載。さらに、「6061航空機グレードのアルミニウム製ソールプレート」を一体化し、効率的な周辺重量配分によって慣性モーメント(MOI)が向上しバランスも強化されている。左利き用も用意されている。スタジオスタイル「スクエアバック」

洗練されたソールのドラフトアングル(パターのソール部分に施された角度)と新しいデザイン要素を取り入れ、スクエアなアライメントをサポートするように設計されたこのモデルは、ミッドベンドシャフトによるほぼフェースバランスの設計が特徴。
『SCSフェースインサート』と新しい『チェーンリンクフェースミーリングテクノロジー』が、ソフトな打感と心地よいインパクト音を実現。安定した構えとパフォーマンスを提供する、現代的な進化を遂げた一品となっている。スタジオスタイル「スクエアバック2」

この複合素材モデルは、進化を続けるミッドマレット型パターとして登場。お馴染みの「アイビームプランバーネック」を備え、トゥハング形状による優れたアライメント性能を持つ。また、新たなヒール・トゥ・インレーと改良された「ソールドラフトアングル」により、スクエアなセットアップがしやすくなっている。
『SCSインサート』によりソフトな打感を実現し、「303ステンレススチール」から精密に削り出されている。さらに、「6061航空機グレードのアルミニウムソールプレート」を組み合わせることで、バランスの取れた重量配分が可能ととなり、安定したパフォーマンスを発揮する設計になっている。スタジオスタイル「ファストバック」

改良された丸みを帯びたこのミッドマレットは、ミッドベンドシャフトを採用し、フェースバランスに近いパフォーマンスを提供する。
新しいヒール・トゥ・インレーにより、ツートンのアライメント性能が向上し、「6061航空機グレードのアルミニウム製ソールプレート」の一体化によって慣性モーメント(MOI)も高められている。また、『SCSフェースインサート』と『チェーンリンクフェースミリングテクノロジー』により、ソフトな打音と打感を実現している。スタジオスタイル「ファストバック1.5」

3/4のシャフトオフセットで、トゥフローを促す「アイビームジェットネック」が特徴のこのモデルは、完全に再設計されたミッドマレット型パターとして復活。
コンパクトマレットの性能とブレードのフィーリングを求めるプレーヤー向けに設計されている。『SCSフェースインサート』とツートンの垂直アライメントにより、目標ラインに対して自然にクラブをスクエアに構えられる正確なセットアップをサポートし、安定したショットが可能。左利き用も用意されている。スタジオスタイル「カタリナ」

昔懐かしい名前がついたこの新モデルは、標準よりわずかに幅広の高MOIブレードサイズで、シャフトオーバースパッド設計と最新のシングルベンドシャフトを採用し、フェースバランスに近い性能を発揮する『SCSフェースインサート』により、ソフトな打音と心地よい打感、そして比類のなき性能をもたらす。左利き用もラインナップ。
「スタジオスタイル」:試打結果

ここ数週間、スタジオスタイルの「ニューポート2」と「スクエアバック」を試打してきた。ここで私の第一印象をいくつか紹介する。
スタジオスタイル「ニューポート2」の感想

結論から言うと、これほど打感の良い「ニューポート2」を使ったのは久しぶりだ。このモデルでのパッティングがすごく気に入ったので、新作パターカバーをゲットするために今年はクラブキャメロンに入会してしまおうかと考えるほどだよ。
アドレス時の見え方は完璧。キャメロンはこの視界を完璧に捉えたと言える。

これまでの人生でアンサータイプのパターをどれだけ試してきたことか。まあ「相当数」と言っとくけど。その多くは問題なく使っていたけど、結局はすべて“選手交代”と相成っているわけだ。
しかし今回のパターは違う。『SCSインサート』の打感は素晴らしく、バランスは卓越している。
最近は主にマレットを使っているので、先週紹介した新しいキャメロンの「ファントム5.2」をバッグに入れようかな。
冗談はさておき。スタジオスタイル「ニューポート2」は、今「Dave’s Garage」で一番人気のパターだ。
スタジオスタイル「スクエアバック」の感想

「スタジオスタイル」のモデルの中で、どうしても試してみたかったのが「スクエアバック」だ。
私は幅広ブレードが好きだし、2020年の総合1位に輝いたスコッティキャメロンの「セレクトスクエアバック2」は、キャディバッグに入れて何度もゴルフコースへ連れていった。
当然、今回の「スクエアバック」は2020年の「セレクト」とはかなり趣が異なるけど、だからこそ興味を引かれたのだ。

ボールを転がしているとき、なんとも言えない不思議な感覚なんだ。これは決してネガティブなことじゃなくて、今までのパターでは味わえなかった、新しい感触ということだ。
打感がソフトなのに、しっかりとしたフィードバックがあるような、そんな絶妙なバランスが印象的なんだよね。
どういうわけか、私はパター後部がインパクト位置を通り過ぎるのを待っているタイプだと気がついた。ボールはとっくに消えていたというのに、パターが仕事を終わらせるのをひたすら待つタイプなんだ。なんだか妙な癖だよな(笑)
奇妙に聞こえるのは重々承知している。わかってもらえるといいんだけどね。
でもそれは全然悪い感覚じゃなかった。実際は真逆。「スクエアバック」はストローク中に非常に安定感があり、ストロークの感覚が他のパターよりも少し長く持続した。

3月中旬に店頭に並んだら、ぜひ試してみてほしい。同じように感じるかもしれないから。
そしてアライメント機能は馴染み深くかつ機能的だ。「セレクトスクエアバック」と「ジェイルバード」の間に子どもが出来たらスタジオスタイルの「スクエアバック」になるかもしれない。ちなみに、これは褒め言葉であって、けなしているわけじゃない。
おかえり「スタジオスタイル」

もうおわかりだろうが、私はスコッティキャメロン「スタジオスタイル」シリーズのファンだ。このシリーズのクラシックな形状ときたら。「カタリナ」の復活にどれほど心躍ることか。
『CSCインサート』のデザインは、打感と見た目の両方でパーフェクト。初代の「スタジオスタイル」パターのレトロな雰囲気を、完全にモダンなパッケージで実現している。
新しい「ファストバック」と「スクエアバック」のデザインを見れば、スコッティキャメロンは物事をミックスさせることに躊躇がないのがわかる。

これらのモデルを完璧なやり方でチラ見せしてくれたキャメロンのマーケティングとツアー担当者には感謝しかない。キャメロンはハワイのトーナメントでこれらのパターのPGAツアーバージョンの写真を見せてくれていたけど、今の今まで名前は伏せていた。
秘密を守るのは大変だったけど、その価値は十分。私自身、「ニューポート2」の試打を楽しんでいるのと同じくらい、このネーミングのサプライズに大喜びした。
キャメロンのファン、または初代の「スタジオスタイル」パターを使ったことがあるなら、このシリーズは絶対に試してみたくなるだろう。
新しい「スタジオスタイル」シリーズの詳細は、スコッティキャメロンホームページまで。
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