・オデッセイ「ホワイトホットOG」の目玉は、元祖『ホワイトホットインサート』

・新ラインは、再設計した「Rossie(ロッシー)」を含む8種類のモデルで構成

・「ストローク・ラボ」シャフトの新バージョンはオプション


新作「ホワイトホットOG」パターの開発にあたり、オデッセイはなんと20年も前のフェースインサート技術にさかのぼった。

新商品には最新で、最先端の技術を採用するのが掟なのに、なぜ“後退”することを選んだのか?それは、オデッセイのツアープレーヤーの半数を含む、多くのゴルファーが途方に暮れていたからだ。欲しかったものがようやく手に入る。


元祖「ホワイトホットインサート」の復活

そう、オデッセイは最初の「ホワイトホットインサート」を復活させたのだ。

どのような経緯で復活に至ったのか?昨今のパンデミックのため、今年はいつものようにカールスバッドにある同社を訪ねることができなかったが、オデッセイのデザイナー、ルーク・ウィリアムズ氏とショーン・トゥーロン氏で交わされた会話はこんな感じだったのだろうか。

ルーク:「今回やろうとしているのは、昔に戻ること。」

ショーン:「どれ位戻るつもり?」

ルーク:「かなり昔に。ホワイトホットインサートの時代に。」


多分、正確にはもっと違った会話だったと思うが。とにかく「ホワイトホットインサート」が「OG」で 復活したという事実だけでなく、「OG(Old Gangster)」パターが重要な役割を果たす理由は他にもいくつかある。

まず、プレーヤーがずっと望んできたということ。以前、グローバルツアーのオデッセイプレーヤーの半分が「ホワイトホットインサート」を好んで使用していると述べた。

さらに、由緒ある「ホワイトホットパター」を愛用するアマチュアゴルファーもまだ多くおり、彼らはその「打感」と「パフォーマンス」から、それを手放すことができないそうだ。プロとアマチュアの両方が望むなら、彼らの望むものを作る以外選択はないだろう。
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以前オデッセイを訪問した時も、新作パターとインサートについての会話は常に「ホワイトホットインサート」が関係していた。インサートXの硬さは「ホワイトホット」と同じに。 この新しいインサートYは、「ホワイトホット」と同じトーンで。インサートZは「ホワイトホット」に非常に近く、などといった感じに。

「ホワイトホット」を繰り返し複製して、さらに改善することは毎回の設計テーマだった。設計において奇跡を起こすのは偉業とも言えるが、それを2回起こすというのは非常に大きなプレッシャーだ。

しかし、1回奇跡を起こせたなら、もう一度起こすことだって可能なはずだ。



「ホワイトホットOG」パターのスペック

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・モデル:8種類

・構造:キャスト(鋳造)、表面はミルド

・インサート:2レイヤーウレタン構造、元祖「ホワイトホット」

・シャフト:ステップレススチールか、新ストローク・ラボ

・グリップ:オデッセイDFX Rubber

・レフティーモデル:1、7、7S、および2-Ball

・小売販売:1月28日

・価格:219.99ドル(スチールシャフト)、269.99ドル(ストローク・ラボシャフト)


「ホワイトホットOG」が“ホット”な理由

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「ホワイトホットインサート」は非常に人気があるため、ある時点で復活する予定だった。しかし、これを読んでいる人の中には、「ホワイトホット」をよく知らない人もいるだろう。

簡単に説明すると、20年前、最初の「ホワイトホットインサート」は、「Rule35」というウレタンカバーボールを作ったキャロウェイゴルフ・ボールデザインチームと共同開発された。これと同じウレタン素材を一部採用して生まれたのが「ホワイトホットインサート」だ。

初代の2レイヤー「ホワイトホットインサート」の何が特別かというと、主にパッティング時の物理的特性だ。このインサートは、感触は非常に硬いが、ボールとのインパクトスピードによって柔らかくなる。

「硬さ」と「柔らかさ」の二面性により、黄金の組み合わせである「期待する転がり」と「インパクトスピード」が合致するのだ。基本的に、“転がしたいところに転がせる”。それが、20年間ファンを虜にした「ホワイトホット」の魔法だ。


「ホワイトホットOG」はアップグレードされているか?

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では、オデッセイは単に20年前と同じパターをリリースしたのか、それとも「ホワイトホットOG」に何か目新しいものを加えたのか?一番の目的は、過去20年間愛されてきた「ホワイトホットインサート」を顧客に再度提供すること。

そのため、デザイン部分は意図的に焼き直している。しかしメタル部分については、2000年の古い型を再利用したわけではない。インサートはレトロかもしれないが、残りの部分は間違いなく最新仕様にアップグレードされている。


最新プロセスによる「OG」インサート

「ホワイトホットOG」パターのインサートは過去のポリマー形状を採用しているが、インサートを搭載するヘッドは最新の製造方法を取り入れている。すべてのヘッドはまず鋳造の工程を経て、「ホワイトホットOG」パターのフェース面とインサート以外の面はその後最終的な形状に削り出される。

これにより、完全な鋳造ヘッドでは不可能ではないにしても難易度の高い、微妙な隆起と波線をヘッドに加えることができる。ヘッドをよく見ると、粗い鋳造面の感触と、正確にミーリングされた表面の感触の違いがわかる。

上記の「#7」モデルのキャビティーの写真は、その違いを示している。このミーリング加工による感触はおそらくスコアメイクにはつながらないだろうが、ミーリングされた表面はかなり格好いいパターになる。


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また、ヘッドには「取り外し可能なウェイト」や「スラントネック」のオプション(「#7」や「Rossie」)などの最新要素も備わる。これらの機能は2021年にはニューノーマルとして受け入れられるが、2000年には存在しなかった。

初代「ホワイトホット#7」モデルには「複合素材構造」はまだなかった。また、「#7」モデルをフィーチャーした初代「ホワイトホット」シリーズは、「プランマーネックのラウンドマレット」だったのも懐かしい。後の後継モデルでは、「ファング」デザインがメインとなった。


新シャフトオプション「ストローク・ラボ」

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おそらくインサートの影に隠れてしまっているが、「ストローク・ラボ」の新シャフトも導入される。新しい「ストローク・ラボ」シャフトは、スチール部分がより短く、「ステップレス」になるように再設計された。

これにより、7グラムの減量に成功。同様に硬いシャフトだ。同社テストでは、テンポとスイングアークの数値が6%向上し、フェースインパクトの一貫性が9%改善されるという。一見小さな数字だが、わずかな改善がスコアに役立つことは誰もが知っているだろう。

「ストローク・ラボ」シャフトが特に好みではないという人のために、今回の「ストローク・ラボ」シャフトはオプションだ。「ホワイトホットOG」ステップレスシャフト装着モデルの価格は219.99ドル、「ストローク・ラボ」シャフトの価格は269.99ドルだ。


最も「HOT」なパターがついに発売

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オデッセイが「ホワイトホットOG」を安全に世に送り出すには、十分なほど時間が経ったと思う。毎年同じものをリリースし続ける会社は、長くは続かないものだ。しかし、古いヒット曲を演奏したがらないバンドもまた、長くツアーには出られない。時には昔に戻って、ファンを喜ばせることも必要だ。

「ホワイトホットインサート」はオデッセイの最大のヒットのひとつであり、そのため多くのファンがいる。新「ホワイトホットOG」ラインが発売されればファンが喜ぶのは間違いないが、「ストローク・ラボ」シャフトのような最新のオデッセイ要素を高く評価するゴルファーにも魅力のパターだ。

ところで、高性能な「ホワイトホット・マイクロヒンジ★インサート」などの最新インサートはもう採用しないという意味なのか?そうではなく、インサートの研究は、2回目の奇跡にかけて今も研究開発が進められている。いつ採用するかはオデッセイ次第だ。