・オデッセイの「WHITE HOT OG(ホワイト・ホットOG)」が新デザインと新価格で2023年も継続

・高い人気を誇った『VERSA(ヴァーサ)アライメント』が復活

・2023年モデル「WHITE HOT OG(ホワイト・ホットOG)」のメーカー希望小売価格は199ドル、「WHITE HOT VERSA(ホワイト・ホットヴァーサ)」は249ドルで、発売は2023年2月3日(アメリカ)

※日本での価格および発売

「ホワイト・ホットヴァーサ」は¥35,640 から(税込)、23年2月3日より発売


オデッセイゴルフの2023年モデルを一言でいうなら“時代は巡る”だが、これを心から喜ぶ人もいるだろう。

そう、2023年のPGAツアーにおける“No.1パター”(1月の現時点でオデッセイ使用者が3戦3勝!)は、まるで“2013年”にタイムスリップしたかのように時代を遡っている。だがオデッセイは、前進するためには振り返ることも厭わない。確かなデザインに満ちた確かな実績を持つ彼らが、そんなことを気にする理由などないからだ。

実際、オデッセイは2021年に古き良き「WHITE HOT OG(ホワイト・ホットOG)」シリーズで初代『ホワイト・ホット』インサートを復刻させたことで時代を逆行した。

理由は、新モデルではなく古い「ホワイト・ホット」パターを使い続けるプレーヤーが多くいたから。だからこそ、オデッセイは賢明さを発揮し、プレーヤーが望むインサートを提供したというわけだ。

そして2023年、オデッセイが自らの戦略を手本に、再び人気のデザインを復活させた。人々や消費者が望むものを提供し続けることこそ、確かなマーケティングプランに思える。ではオデッセイは、何を市場に向けて復刻させたのか?一言で言うなら、それは、「VERSA(ヴァーサ)」だ。


ブラック-ホワイト-ブラックが復活だぜ!

言うまでもなく、オデッセイは2013年以降、「VERSA(ヴァーサ)」パターを再販していなかった。できたのかも知れないが、そうなると、初代「ヴァーサ」発売以降、オデッセイが実現してきた10年に及ぶパターのパフォーマンス進化を軽視してしまうことになるからだ。

だったら、両方取り入れちゃえば?というわけで、オデッセイは「ホワイト・ホットOG」シリーズのように、ゴルファーが好んだ古い「ヴァーサ」の中核要素を取り入れ、近年のデザイン手法と融合させたってわけだ。

では、「ホワイト・ホットOG」と「ホワイト・ホットヴァーサ」をチェックして、オデッセイがどのように新旧モデルを融合させたのか見てみよう。


オデッセイの2023年「WHITE HOT OG(ホワイト・ホットOG)」パター

2021年の「WHITE HOT OG(ホワイト・ホットOG)」シリーズは、初代「ホワイト・ホット」パターデビュー当時を良い意味で懐かしむことができた。今回は「ホワイト・ホットOG」シリーズ3度目の発売。

多くのパターシリーズが長くても2年しか息が続かない時代に、さらに一年伸びたことは賞賛すべき事態と言える。「OG」継続はユーザーのフィードバックと販売額により可能になったと言えるが、もしそうなら、オデッセイが2023年に大幅なデザイン変更に踏み切ったことは興味深い。

でもお気になさらず。初代の「ホワイト・ホット」インサートはそのまま。今回はウエイトと価格設定に変更点が集中している。


アジャスタブルウエイトなしで新価格に改定

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2023年の「ホワイト・ホットOG」パターには『可変式ソールウエイト』がない。

先祖返りの話のようだが、パターメーカーがパターをどんどん手間のかかったものにしていく中、オデッセイは「ソールウエイト」を外すことで「ホワイト・ホット」のデザインをシンプルにする選択をしたってわけだ。

でも、どうしてそんなことをするのか?みんな、パターのソールにあるウエイトを調整するのに何時間もかけているんじゃないのか?

オデッセイは、ウエイトキットの売上を見て、殆どのゴルファーが“ウエイト調整などしたことがない”と考えているようだ。それどころか、ウエイトを取り外せることすら知らない人もいるかもしれない。

我々のようなパター調整大好き派にとって、このコンセプトは罰当たりに見えるが、当然パターをいじらない人もいて、ただそのままの状態でパッティングしているゴルファーもいるってことだ。

だからこそ、オデッセイは「ホワイト・ホットOG」シリーズから『可変式ウエイト』を永久になくした。これにより、オデッセイは製造コストを削減し、「ホワイト・ホットOG」を199ドル(約26,000円)という新価格で提供できるようになったというわけ。

安価で高品質のパターに消費者も大喜び。『可変式ウエイト』はなくなったけど、「ホワイト・ホットOG」パターは形状が改良されているし、『ホワイト・ホットインサート』も搭載されているのだから。

マジかよ!という声が聞こえてきそうだが、新パターシリーズは値上げどころか価格が下がった。これこそ、ほぼ使われない機能をやめて、価格を下げるという私が支持できる手法と言えるだろう。

ゴルファーにとっては喜ばしいことだし、オデッセイにとっても、パターを200ドル以下で市場に投入できる。最近は、お店を見回しても200ドル以下のパターはほとんどない。オデッセイは、ほぼ空っぽの池に大きな魚を放ったというわけだ。


「VERSA(ヴァーサ)」の復活

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今回、注目すべきは『VERSAアライメント』が復活したことだろう。

2013年の「VERSA(ヴァーサ)」登場は、大きな話題になった。ブラック/ホワイト/ブラックにペイントされたパターが気にならないはずなどなく、ゴルファーは「ヴァーサ」を無視することもできなかったが、一方で何なのかをすぐには理解できなかった。色が交互になっているパターを欲しがる理由などないはずだったのだ。


アライメントが全て

「VERSAアライメント」が黒と白で明暗をくっきりさせているのは、ゴルファーを目標に向けて構えやすくするためだ。それぞれのラインはターゲットラインに対して垂直になっており、フェースをターゲットラインに向けてスクエアに構えやすくしている。

そんな「ヴァーサ」パターは、プロやアマチュアゴルファーからも非常に人気があることを証明している中でもフィル・ミケルソンは「VERSA NINE(ヴァーサナイン)」を何年も愛用した。仕組みが分かりやすく、かつ効果的だったことで人気を博したのだ。

ではどうして「ヴァーサ」が復活したのだろうか?

改めてとなるが、そこには需要と潜在市場があるからだ。「ヴァーサ」愛用者が、「ヴァーサ」を捨てて他のアライメント方法を搭載したパターにすることは考えにくい。

ツアープロたちも「ヴァーサ」に拘りを持っているし、フィル・ケニオンのようなパターコーチも、パッティングにおける「ヴァーサ」の影響力を讃えているほどだ。そして、その他のゴルファーは、初代「ヴァーサ」を使うには若すぎる。つまり、「ヴァーサ」の潜在的なユーザーは多数存在するということだ。

そうなると「ホワイト・ホットOG」同様、オデッセイがゴルファーのニーズに答えないはずなどない。


2023年「WHITE HOT VERSA(ホワイト・ホットヴァーサ)」

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23年2月3日になれば、みなさんのお近くのショップに新しい「ホワイト・ホット ヴァーサ」パター5モデルが並ぶはずだ。そこで、すぐに「ヴァーサ」お馴染みのデザインに気づくだろうが、新しい「ヴァーサ」が単なる初代のブランド再生だとは一瞬たりとも思わないでほしい。

「ホワイト・ホットOG」と同じように、みなさんが望む過去のものと現在のオデッセイパターのテクノロジーが融合しているのだ。


「WHITE HOT(ホワイト・ホット)」インサート

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「ヴァーサ」のデザインで一番歓迎されるべき変更点は、おそらく『ホワイト・ホットインサート』だろう。オデッセイさん、賢明な一手だ。ユーザーの需要が「OG」シリーズにおける『ホワイト・ホットインサート』で増えるなら、「ヴァーサ」の新バーションにこれを入れない理由などない。

ちなみに、初代「ヴァーサ」には『WHITE HOT PRO(ホワイト・ホットプロ)』インサートが搭載されていた。もちろんブラックでもホワイトでもね。


現在のオデッセイのデザイン要素

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2023年の「ホワイト・ホットヴァーサ」パターは、改良されたオデッセイのデザイン要素が搭載されている。

まず、オデッセイの「ストロークラボ・シャフト」だ。「ストロークラボ」とはツアーとユーザーの間で実証されたオデッセイのテクノロジーで、2023年は全ての「ストロークラボ」シャフトが赤くなっている。きっと、TV放送やコースでこの赤いシャフトを多く目にすることだろう。

そしてオデッセイ「ホワイト・ホットヴァーサ」のウエイトには、同ブランドの現在の“ウエイトフォワード哲学”が反映されている。

「ホワイト・ホットOG」シリーズとは異なり、こちらのモデルには『可変式ウエイト』を搭載。パター前方にウエイトがあり、転がりと安定性を向上させるために重心をフェースに近づけるというオデッセイの2022年のプランが継承されていることが分かる。


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また、“ウエイトフォワード哲学”は「ホワイト・ホットヴァーサ」の「SEVEN(セブン)」のソールを見れば明からだ。まずウエイトが前にあることに気付くだろうが、後部のツノの部分は中空になっていることが分かるだろう。

これにより、相対的にウエイトが前方に押し出されている。初代の「VERSA SEVEN(ヴァーサセブン)」は中空ソールではなかったが、今回の「SEVEN」は当時の「SEVEN」とは違うというわけだ。

新しい「ホワイト・ホットヴァーサ」パターは、ペイントこそ当時のようだが、中身は全て今どきのオデッセイと言える。


今回のラインナップは少なめ


オデッセイは、少なくとも今回の初回リリースで、「ヴァーサ」パターのモデル数を控えめにすることを決めている。ぶっちゃけ、初代「ヴァーサ」シリーズよりも少ないモデル数でリリースするのは、初代「ヴァーサ」が黒/白/黒と白/黒/白で6,000本の販売だったというから簡単なジャッジだった。そうそう、ペイントが90度回転して、ターゲットラインと垂直ではなく並行になっているパターもあったな。当然、その辺りのモデルも、黒/白/黒と白/黒/白の両パターンで展開する必要があったし。

あまりにも「ヴァーサ」パターのモデル数が多かったので、2013年のエイプリルフールには“新型「ヴァーサ」ドライバー誕生”なんてことをしてオデッセイを皮肉ったこともあった。


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2023年の「ホワイト・ホットヴァーサ」シリーズは5モデルあり、そのうちの数モデルはネックのオプションもある。

確かに2013年の強烈な“ヴァーサ祭り”には遠く及ばないが、ほとんどのゴルファーは、自分のストロークと好みに合ったパターをこの中から見つけることができるはず。もし人気が出れば、モデルやバリエーションが増える可能性もあるし、スラントネックで白/黒/白の「ホワイト・ホットヴァーサ 90 SEVEN」が出ることも期待しておこう。

全体としては、今回のモデルは新旧のヘッドがうまく融合している。「ONE」と「SEVEN」はクラシカルなタイプ。新しくて人気の「DOUBLE WIDE(ダブルワイド)」もある。また新しいヘッドも2タイプ追加されている。

「THREE T(スリーティー)」は、コンパクトマレットでトゥーロンデザインの「アトランタ」っぽい感じにも見える。新しい「TWELVE (トゥエルブ)」は、どっしりとしているオデッセイ「ELEVEN(イレブン)」から進化しており、従来のブレードからモダンな大型マレットまで、形のラインナップは幅広い。

ちなみに私が好きな「ヴァーサ」はスラントネックの「TWELVE」。このモデルがかなりの確率で入るんだよ。もうこのパターは手放せないね。


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10年逆戻りしても新しい

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オデッセイが、初代「ヴァーサ」シリーズを発売してから10年。「ホワイト・ホットヴァーサ」のペイントは前作と同じだが、新デザインは10年間に及ぶパターの研究の成果が取り入れられている。ユーザーとしては、過去と現在のベストが手に入るということ。ユーザーの反応が興味深いところだ。

「ヴァーサ」復活を歓迎する人もいれば、コースで初めて「ヴァーサ」を体験する人もいるはず。「ヴァーサ」を初めて試すなら、今でしょ!ってわけだ。

『VERSAデザイン』と『ウエイトフォワード』、『ストロークラボ・シャフト』、そして現在の『ホワイト・ホットインサート」を組み合わせることで、2023年にリリースされる最も興味深いパターの1つとなり、「ヴァーサ」の見た目は注目を集めることになるだろう。

そしてオデッセイのテクノロジーと259.99ドル(約34,000円)という価格をもってすれば、多くのパターがゴルフバッグの中に入るはずだ。

「ヴァーサ」復活に対するみなさんの感想が気になるところだが。既に初代「ヴァーサ」から愛用しているベテランゴルファーも、今回初体験となる方も、惹かれるモデルはあっただろうか?

あるいは、やはり復活を望む初代「ヴァーサ」が良いという方もいるだろう。お伝えしたように、白/黒/白の復活も望むところ。「NINE(ナイン)」のヘッド形状のリリースにも期待したい。「SABERTOOTH(セイバートゥース)」までは言い過ぎだろうけど、それもカッコ良いのかもね!