ピン「G425」フェアウェイウッド・ユーティリティー・クロスオーバー


重要ポイント

・フェースロールを改良してより一貫したスピン性能が実現

・モデルが多様化

・価格:フェアウェイ(327.50ドル)、ユーティリティー(292.50ドル)、クロスオーバー(250ドル)


「G425」フェアウェイウッドとユーティリティーを見ると、ピンが「大きな目標」への一歩として「小さな改善」に取り組んでいることがよく分かる。

ピンをよく知る人には、驚くことではないだろう。同社がひどい設計ミスをすることもなければ、一度に全力を出すことも滅多にない。

このようなアプローチをする理由は、リリースするモデルを段階的に構築するためだ。1回のリリースで大幅に改良することはまれであり、概してあまり必要なことでもないのだ。

ピンの設計哲学は明確だ。業界をリードする「MOI(クラブのやさしさを図る指標)」を維持し、特定の領域で性能を向上させる技術を追求し続けている。


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「G425」フェアウェイウッドとユーティリティーでは、同社が設定した「2つの明確な目的」がある。まず、特に薄い当たりのショット(少しだけ芯を外したインパクトのショット)での「一貫したスピン」を提供すること。2つ目は、モデル間の「差別化」を明確にすることだ。

同社は広告やマーケティングの点では、消費者を喜ばせるようなメーカーではないかもしれない。

それでも、以前「設計」「性能」「誠実」「謙虚さ」などの言葉から連想するメーカーを読者にアンケートを取った際、「ピン」に対して肯定的なイメージが多かったのは、やはりこのような彼らの実用的なアプローチが功を奏したのかもしれない。


ピン「G425」フェアウェイウッド

ピンのフェアウェイウッドとユーティリティーは、毎年の「Most Wanted」テストで測定する「飛距離」と「ボールスピード」の項目でトップにランクインすることは滅多にない。

2019年「G410 SFT」は、対象のフェアウェイウッドの中で最も「ショットエリア(方向性)」が優れていた。ピンが「やさしさ」を推すのも頷ける。一方、「ボールスピード」は19番目という結果だった(24モデルのうち)。

だが、「スピード」がピンの優先事項ではないという言い方は、正確には語弊があるかもしれない。どちらかと言うと、「操作性」や「やさしさ」を犠牲にしてまで「飛距離」を求めるほど飛距離の優先度が十分ではないという意味だ。


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ピン「G425」 「フェース・ラップ」と「スピンシステンシー」

「G425」フェアウェイウッド(およびユーティリティー)で重要なのは、『スピンシステンシー・テクノロジー』と『フェース・ラップ・テクノロジー』の2つのデザイン要素だ。

『フェース・ラップ・テクノロジー』は比較的簡単で、多くのメーカーが同様の技術を採用している。

「フェース・ラップ」とは、フェース面をトップラインとリーディングエッジを超えてクラウンとソールまで拡大した「ワンピースマレージング鋼」の構造のこと。

これは、(フェースより僅かに小さい)メタルをソール、フェース、クラウンが交わる部分のすぐ内側のボディに取り付ける「フェースインサート」とは対照的なデザインだ。


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このデザインのメリットは、より「ダイナミックなフェースの動き」が可能になることで、「ボールスピードの向上」につながる。

ところで、ピンのマーケティングチームは早口言葉が得意なのだろう。「スピンシステンシー」を5倍速く言うことなんて無理だ。

「フェース・ラップ」よりも言いにくいが、「スピンシステンシー」の概念は至ってシンプル。目的は、インパクトの場所に関係なく、「より一貫したスピンを生み出す」こと。

メタルウッドのフェース面は平らではない。わずかにある湾曲は、「バルジ(ヒールからトゥ)」や「ロール(上下)」と呼ばれる。そのため、フェアウェイウッドやユーティリティーは、フェースのどこで測定するかによりロフトが異なる。

通常、薄い当たりのショットの場合は、「スピン量」や「打ち出し角」が明らかに少なく(低く)なる。アマチュアゴルファーによくある急降下するようなショットだ。

「G425」では、フェース下部にミスしたショットでもスピン量を維持できるように、ロール半径に改良を加えた。興味深いことに、ロールの改良によって実際には打ち出し角が小さくなる。

ただし、ボールを長く空中に飛ばすのに十分なスピンを保持する設計になっているため、最終的にMOIが1.4%向上し、ボールスピードが0.67m/s増加するという。

繰り返しになるが、同社は劇的な「飛距離」を謳ってはいないし、パフォーマンスの保証もしていない。それでも、今年の「Most Wanted」テストでは、「G425」が読者を驚かせるかもしれない。



ピン「G425」フェアウェイウッドラインナップ

「G410」シリーズと比較して、「G425」ラインでは3つのモデル同士の差別化が顕著になった。ただし、違いについて説明する前に、いくつかの共通点について説明しよう。

各モデルは、+/- 1.5度のロフト調整が可能な「トラジェクトリー・チューニング2.0(弾道修正)」や、3つの「フラットライアングル設定」を備えている。

また、「タービュレーター」がないことにもお気づきだろう。代わりに、クラウンにグレーの3点ドットが描かれている。なぜ3つなのか。真ん中の大きな点は、フェースの中心を示す。

しかし、ショットによっては、ボールをヒールやトゥ側に置きたい人もいる。小さめのドット2つはそのためのものだ。


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さらに、「タービュレーター」はエアロダイナミクス(空気力学)設計の要素としての機能的価値があまりなかった。

それらはパフォーマンスに悪影響を与えることはないが、どちらかと言えばライン全体を一貫したルックスに保つのに役立っていた。個人的には、タービュレーターがないクラウンは、アドレス時の見た目がすっきりしていて魅力的だと思う。

「G425 MAX」は、3モデルの中で最も高いMOIを誇り、「LST」や「SFT」よりも多くのゴルファーに合うはずだ。同社内部テストによると、「G425 MAX」は「G410」と比べて最大4.5ヤード飛距離が伸びたという。

低スピン特性を持つ「G425 LST」は、「スピンを減らして飛距離を伸ばしたいゴルファー」をターゲットにしている。「G410 LST」よりもスピン量は約200rpm少ない。

「G425 SFT」は、「G410 SFT」よりもドローバイアスが効いている。6ヤードのドローバイアスに値するという。すべての条件が同じであれば、これにより「G425」は「G425 MAX」よりも約20ヤード多くスライス矯正が可能になる。


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ピン「G425」ユーティリティー

技術的な話では、「G425」ユーティリティーはフェアウェイウッドと全く同じく『フェース・ラップ・テクノロジー』や『スピンシスタンシー・テクノロジー』を搭載。MOI(+4%)や数ヤードのキャリー(+3.5ヤード)の向上となれば、かなり説得力のある宣伝文句になる。

それでも、MOIのような小さな改善を笑う人がいるのは分かる。「4%」という数字は確かに小さい。でも、確かな利益だ。いかにもピンらしい設計だが、僅かであっても利益は利益として受け取ろう。


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キャリーが伸びるというのは、実際はもっと重要なことかもしれない。「G425」全てに共通するが、距離の改善はほとんど「スピンシステンシー」フェースデザインによるものだ。

余談だが、ユーティリティー市場は「スピード中心」にシフトしている。ピンがこの分野で競争したい場合は、それなりの馬力が必要だろう。


ピン「G425」クロスオーバー

ゴルフ用品業界で最も悩ましいのは、フェアウェイウッドとロングアイアンの間にあるのではないか。巷には、「ユーティリティーのように機能するフェアウェイウッド」や、「超やさしいドライビングアイアンであるユーティリティー」が存在する。

さらに、「ヘッドの大きいウッドのようなユーティリティー」や、「ユーティリティーの形をしたコンパクトなユーティリティアイアン」などもある。

このカテゴリーのクラブは、ある意味“雑種”のようだ。


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そう考えると、「G425」クロスオーバーの設計は高弾道で、アイアンのように見えるが同シリーズのアイアンよりも少し長い。「G410」クロスオーバーと比べてフェースは7%薄く、ピークの高さは約1ヤード高くなるという。

また、「G425」クロスオーバーのフェースはまるで飛び込み台のようにたわむ。フェースの下部が上部よりもより大きくたわむため、ボールフライトがやや高くなるというわけだ。

さらに、MOIが6%向上し、PVDの「ハイドロパールステルス仕上げ」によってより磨きがかかっている。ダークフィニッシュのメリットは、“滑らかで洗練された外観”になることだ。

また洋服と同じように、黒はすっきりした印象を残すが、主な欠点はPVDなどのダーク仕上げは標準仕上げよりも“摩耗が早い”ことだ。

それが嫌なら、一般のサテンやクロム仕上げを使うほうがよいだろう。


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ピン「G425」 シャフト

「G425」ドライバーと同様に、優れたシャフトオプションが揃う。

「PING ALTA CB Slate」は、同社の「ALTAライン」を進化させたもの。これは軽量で、オリジナルシャフトの中でも高弾道(低スピン)特性を持った「カウンターバランスシャフト」だ。中弾道のオプションでは、三菱「Tensei RawOrange」が用意される。

「PING Tour」は中~低弾道オプションであり、「Adila Rogue While130」は低弾道、低スピンカテゴリーに入る。


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最終考察

テクノロジーや改良以外にも、ピンがライン全体に「Arccos」グリップを標準装備するのは初めてだ。これが示すのは、パフォーマンス追跡システムがゴルフ小売市場に急速に統合されつつあるという事実だ。

「Arccos」は現在、5大ゴルフメーカーのうち3社と関わっている。近い将来、残りの2社と提携することもあり得るだろう。

『やさしさ』とはゴルフメーカーが親しみやすいキャッチフレーズとして使う用語で、「ミスショットをカバーすること」を意味する。

しかし、最終的には『やさしさ』は、特定の弱点に対処する場合のみ「メリット」になる。同じラインのモデル間で「差別化を強化」する動きは、ピンに限ったことではなく“業界のトレンド”になりつつある。

とはいえ、ゴルファーがこのようなトレンドの恩恵を受けるには、自分のプレーを正当に評価し、自分にとって必要な改善や最適なテクノロジーを決定することが大切だ。


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ピン「G425」 価格と販売予定

ピン「G425」フェアウェイウッドの価格は327.50ドル。ユーティリティーは292.50ドルで、「G425」クロスオーバーは250ドルだ。

フィッティングと前売りはもうすぐはじまる。小売販売は2月4日からだ。(アメリカ)※日本では昨年既に発売されている。


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