PING(ピン)「i59」フォージドアイアン – 注目点

・発売から5年経った「iBlade(アイブレード)」の後継モデル

・「i59」は複合構造で“上級者向け”だが寛容性もアップ

・8月24日先行販売とフィッティングを開始、店頭に並ぶのは9月下旬の予定(※日本発売は9月9日)


新作のピン「i59」フォージドアイアンについて、確かなことが一つある。

それは、「フォージド(鍛造)」であるということだ。

あるいは、あなたが持っている「フォージド」の定義によっては“そうではない”かも知れない。

もし、実際にボールが当たる部分(フェース)が「フォージド(鍛造)」ではないのなら、それは「複合素材フォージドアイアン」と謳って良いのだろうか?果たしてそれは“フォージド”なのか?そんなこと、本来、気にすることなのか?

もし、あなたが「1020」や「1025」を採用した“フォージドアイアン”に恋する「中二病」のような感じなら、「i59」をフォージドアイアンと呼ぶことは“罪”だと考えるかも知れない。

しかし、できるだけ少ない打数でカップインし、それをイケてるスタイルで実現したいなら、ピン「i59」はこの秋のシーズン、注目の存在になるだろう。

もしあなたに、そこまでのスキルがあり、経済的にも余裕があればだが。


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ピン「i59」フォージドアイアン:「iBlade」とはお別れ

ゴルフクラブ版『Ancestry.com(自分の家系やルーツを調べるサービス)』があるのなら、今回のピン「i59」フォージドアイアンは、2003年にデビューしたピンのオリジナル「S59」の“直系の子孫”であることが分かるだろう。

従来のピンの多くのモデルと比較すると、「S59」は小ぶりでソールも薄く“上級者”をターゲットにしていた。そして、「ブレード」とは言えないが、ピンの他のラインナップよりも、よりブレードっぽかったと言える。

そして時は過ぎ、ピンは「S59」をアップデートする度に“数字”を遡っていく。2006年には「S58」が登場すると、その後、「S57」、「S56」と続き、ついに2013年には「S55」となった。そしてその次のモデルが「iBlade」。

過去モデル同様、このモデルも本当の意味でブレードではなく、「衝撃吸収剤(エラストマーCTP)」をキャビティ部分に挿入しタングステンも搭載していた。とはいえ、少なくとも見た目は“ブレードらしく”見えたと言える。

今回の「i59」は「iBlade」に代わるアイアンだ。ワンピースの“フォージドマッスルバック”に見えるし、ホーゼル(ネック形状)には「forged(フォージド)」の文字もあるが、この「i59」はマレットパターの逆を行っている。つまり、外見は大人しいが“中身はド派手”ということだ。


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「フォージド」の中身

「フォージド」の定義が書き換えられているのではない。そうではなく、そうした“決まり事”が廃れてしまったようだ。製造技術の進歩により、各メーカーはデザイン自由度が高まり、ボールが当たる部分が「フォージド」ではなくても、複合素材アイアンを「フォージド」と呼ぶようになってきている。

ピンの「i59」は「フォージド(鍛造)」の一種だ。

「i59」のヘッドは、圧着とプラズマ溶接により一体になった3つの部品が特徴。

1つ目のピースであるボディは「1025カーボンスチール」の「フォージド」で、2つ目のフェースはレーザーカットした高強度「17-4ステンレススチール」。3つ目のピースが、「i59」のテクノロジーで中心となる航空宇宙レベルの「アルミ・コア・インサート」となっている。


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「これ(アルミ・コア・インサート)は新しいテクノロジーだ」と語るのはピンの製品デザイン部門のディレクター、ライアン・ストック氏。「我々は、それぞれの番手間のロフトに合わせて個別のコアを製造しているが、このコアの比重は従来のステンレススチールの3分の1だ」。

意外に多いな、と思った方もいるのでは。。

ストック氏はこう続ける。「約30gの素材が各番手のコアから取り除かれることで、それを再配分することができる。これはMOI(慣性モーメント)アップに非常に役立つし、打感の向上にも直結することだ」。

「打感」には主観が伴うが、「MOI」はそうではない。「アルミコア」により生まれた余剰重量は、ボディ全体にシフトされ、さらにトゥとヒール部分には「タングステンウェイト」が搭載されている。結果的にどうなるのか?

「i59」は、「i59」よりも大きくて古くて、さらに周辺重量配分がされている兄弟モデルの「i210」と同じMOIを実現しているのだ。

「このアイアンのサイズとフォージドのデザインの本質を考えると素晴らしいことだ」とストック氏。「ここまでMOIを向上できたのは、ツアープロだけではなく一般ユーザーにとっても意味があることだ」。


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結局のところピン「i59」は、前作の「iBlade」よりも「フォージドブレード」に見え、さらに寛容性もかなりアップしているということだ。「i210」が使いこなせるなら、「i59」も使えるはず。





イイ感じの仕上げ

(スピン性能向上において)「溝」それ自体よりも優れたものがあるのだとしたら、それは「溝の数を多くすること」だ。これが、ピンの新しい「マイクロマックス・グルーブ」の背景にある理論。ピンでは、「i59」において、溝と溝の間隔を狭めることでフェース面の溝の数を4つも増やした。

加えて、ピンは「溝の形状」を更新。「iBlade」で16度だった溝の「側壁角度」を20度に改良した。

「これにはいくつかのメリットがある」とストック氏。「まず、ショートアイアンでの“フライヤー”を抑えられる。そしてロングアイアンでは、“スピンを維持”することが可能になる。こうすることで様々な条件の中でもピンを攻めることができるようになるのだ」。


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また、ピンの「i59」は、同社独自の「ハイドロパール2.0仕上げ」を採用したことで「疎水性」があり、濡れた状況でのパフォーマンスが向上する。

そして、既にピン契約のビクター・ボブランド、コーリー・コナーズ、ハンター・メイハンらは「iBlade」から「i59」に変更しているようだ。

「『iBlade』はツアーで40勝程度している」とストック氏。「サイズと形状において、『i59』と『iBlade』には多くの類似点があり、バウンス角、ブレードの長さ。そしてオフセットは非常によく似ている」。

「しかし、全体的な『見た目』をスッキリさせたかった。弾道という点では、打ち出しが低くやや直進性も向上するように設計したかったし、フォージドのデザインと打感の向上も同時に目指したんだ」


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ピン「i59」フォージドアイアン:スペック・価格・発売時期

新しいピン「i59」アイアンは、3番からピッチングウエッジまで左利き/右利きモデルの両方がラインナップ。ピンのフィッティングのカラーコードも10種類全てに対応している。

またピンでは標準になってきているが、「i59」のロフト角のオプションは3つ。純正のロフト角は、上級者向けアイアンの業界標準となっており7番アイアンで34度だ。「パワースペック」ではより「飛距離」を重視しており、セットを通じて1〜2度ほどストロングロフトの設定となっている。

そして「レトロスペック」では、純正ロフトより1.75〜2度ほど寝かせている。


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純正シャフトは「Project X LS(プロジェクトX LS)」で、ピン曰く、「低弾道」と「低スピン」を求めるテンポの速いゴルファー向き。ピンの「AWT 2.0」シャフトも選択可能だ。

一方、純正のカーボンシャフトはピンの「Alta CB Slat(アルタCBスレート)」(シニア、R、S)、「Alta Distanza Black 40(アルタディスタンザブラック40)」(シニアのみ)、「UST Recoil(USTリコイル)」がラインナップしている。

スチールシャフトは、トゥルーテンパーの「ダイナミックゴールド」、「DG 105」、「DG 120」、そして「Elevate 95(エレベート95)」、「KBS Tour(KBSトゥルー)」、日本シャフト「NS Pro Modus3 105(NSプロ モーダス3 105)」を含め追加料金なしで対応。

純正グリップは、ブラックとホワイトのゴルフプライド「MCC Arccos(MCC アコース)」で、「ツアーベルベット」と「ツアーベルベット(コード入り)」はオプションとなっている。


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ピン「i59」アイアンは、出費を気にするゴルファーには向いていない。純正スチールシャフトのモデルは(1本)275ドルでカーボンシャフトだと(1本)290ドル。

この新作のフィッティングと先行販売は本日(8月24日)からスタートしており、店頭に並ぶのは9月下旬となっている。(※日本発売は9月9日)