加速したホットロッドテクノロジー
ドライバーを除く他のクラブのキャリーは、「飛距離の空白」が出ないよう適切にセッティングされるべきだが、ボールスピードやエネルギー効率の改善は、フェアウェイウッドやユーティリティーにも大いに関係する話だ。 どんなに飛ぶドライバーを手に入れたとしても、他のクラブの「飛距離の間隔」が適切でなければ望まぬ空白が生まれてしまう。 そのため、「ホットロッド・クラウンテクノロジー」の主な目的は、「ボールスピード」であることには間違いない。 だが、同カテゴリーでNo.1を目指すのであれば、上級者好みのルックスや打感がなければPXGの求める完成形とは言えない。 フェアウェイウッド/ユーティリティーにも搭載した「マルチレベル・カーボンコンポジットクラウン」「高精度な重量配分」「ハニカムTPEソールインサート」「マットブラック仕上げ」は、0811X GEN2ドライバーと同様だ。 つまり、GEN2フェアウェイウッド/ユーティリティーは単にボールスピードが速いだけでなく、ルックスと打感も優れているということだ。
カーボンクラウンの改良によって空力性能も向上している可能性があるが、主な目的はボディーを強化し意図的に硬くすることだ。
なぜならカーボン素材は非常に軽いため(重さはチタンの1/4、鉄の1/8)、ウェイト配分はエンジニアの裁量によるところが大きくなる。PXGでは、重量はヘッドの低前部に配置された。
カーボン素材の欠点は、その構造にレジン(接着剤)が不可欠であることだ。
レジンにはエネルギーを屈折させず、吸収する特性がある。
ボールスピードを速めるため、PXGの主任技術者であるマイク・ニコレットとブラッド・シュワイガートの両氏はクラウン構造を利用し、エネルギーバリア(トップラインから約1/2インチの部分にカーブしたくぼみをつけた)を造り、インパクトの後すべてのエネルギーがフェース側に戻るように設計した。
その結果、GEN1フェアウェイウッド/ユーティリティーよりもボールスピードが速くなった。さらにラインの意図せぬ恩恵によって、スイートスポットが一列に収束したのだ。
サンプルサイズが小さく、統計的な有意性は確認できていないが、安定的にセンターヒットすることに気づいたツアープロもいた。
ドライバーと同様に、今回使用されたタングステンウェイト(4.1g)とチタンウェイト(0.8g)は前モデルより重いので重心の動きが増し、打ち出しやスピンが改善された。
0341Xフェアウェイウッド/0317Xユーティリティーともに、ヒールに2つ、トゥに2つ、リーディングエッジ下に4つ、合計8つの可動ウェイトが設置されている。
オリジナルの状態では、タングステンウェイト4つが前部に配置され、それによりボールスピードが最大化する。軽めのウェイトはヒールとトゥ部分に設置されている。
いろいろウェイトを変えてみて自分に合う設定を探すこともできるが、ここは機能に大きな違いが出る部分なので、フィッターに任せたいところだ。
オリジナルウェイトに加え、フィッターはスイングウェイトが実質1ポイント(1.6g)分軽い2.5gのタングステンウェイトを使用することもできる。
私はフックの傾向があるため、フィッターから、前方のヒール部分からトゥ側へ重いウェイト2つを移動するようアドバイスを受けた。他にも調整は必要だろうが、これによってニュートラルな状態に近づいた。
最初のテストでは、17度のハイブリッドの弾道は3番アイアンにかなり近かった。ボールが吹け上がることなく、理想的な弾道を描いた。
結果的に期待通りの性能を持ったハイブリッドに仕上がっているが、明らかにロングアイアンの特性を持ち合わせている。
ドライバーと同様、フェアウェイウッドとユーティリティーには「ハニカムTPEインサート」が組み込まれ、不要な振動を減らし、打音と打感を向上する。
仕上げはマットブラックで、銀色の「X」の文字はアドレスでボールをスクエアにセットするのに役立つ。クラウンにある繊細なラインは、立体構造のカーボンクラウンを際立たせている。
PXGは他のブランドと同じく、差別化を目的としてフェアウェイウッドとユーティリティーを個々のモデルとして発売している。
時には価格帯の区別を目的とする場合もあるが、特定のニーズ(低スピン、スライスの矯正など)に応えるための特別なモデルであることをアピールするためでもある。
0341Xと0317Xは元々低スピンだが、可動ウェイトによる調整を考えると、正しいフィッティングを行えば、これらのモデルは幅広いゴルファーに対応できるとPXGは考えている。
パフォーマンスデータ
PXG内部テストによると、GEN2フェアウェイウッドとユーティリティーはGEN1と比較して飛距離は長く、正確性も増した。 特に、0341Xフェアウェイウッドのボールスピードは0.45~0.9m/s速くなり、スピン量は300~400rpm減り、7~10ヤード飛距離が伸びた。 同時に、ボールの分散は3%減少している。同様に、0317Xもボールスピードが0.9~1.35m/s上がり、飛距離は4~7ヤード伸びて、ボールの分散は6%減少した。
マーケットで強気に出るか?
これまで、PXGのメタルウッドはアイアンほど注目されていなかった。 PXGがGEN2に「革新」以上のものを望んでいるのは、そのためだ。ボブ・パーソン氏は、「ウッドに合うアイアンとして認知されつつある」と新モデルの成功についての確信をほのめかしている。 簡単ではないだろうが、低価格帯であることは魅力の一つだろう。 とはいえ、PXGの意図的な排他性は、彼らがビッグ5(キャロウェイ、タイトリスト、ピン、テーラーメイド、コブラ)のシェアに食い込もうとしていることを意味し、それは電撃戦というより、ゆっくりと侵略してくる形になるだろう。 いずれ時間が経てば分かることだが、おそらく0317X GEN2ユーティリティーは、4~6番アイアンを使うのをやめようと考えている上級者(あるいはもっと上手い人)を魅了することになるだろう。 馬鹿げていると思うかもしれないが、多分そうなると思う。




