注目ポイント

・ショットスコープは、ショット/パフォーマンス追跡機能に「ストロークス・ゲインド」を追加

・先週(2021年1月)発表された第一段階では、ツアープレーヤーのストロークデータの比較が含まれている

・ホールごとの分析やその他の情報は、今春の第2段階で展開される予定

・第3段階では、自分と同等のハンディキャッププレーヤーとの比較が可能に


スコットランドのエジンバラに拠点を置くゴルフテクノロジー企業が生み出した「ショットスコープ」の新機能「Strokes Gained Data(ストロークス・ゲインド データ)」は、大きな意味を持っている。

ショットスコープは、2020年の夏にGPSウォッチ「V3」を発売し、大きな飛躍を遂げた。しかし、同じ年、「Arccos社」が「ストロークス・ゲインド」を機能追加したことで、ショットスコープはほんの少しだけ遅れをとってしまった。

その“遅れ”はもはや過去のことだ。

「ストロークス・ゲインド」は、ゴルフ(分析)オタクにとっての言わば“聖杯”のようなものだ。自意識の強いゴルファーほど、ストロークス・ゲインドによって自分の長所と短所を数値で把握することができるということに気が付くだろう。

自分がどこを改善すべきかを発見することができ、自分の進歩を実感するのに役立つ。

一方、自己欺瞞的なゴルファーは、この数値化する機能を冷たく厳しく感じるかもしれないが、最終的には現実を知る有効なものであることに気づくだろう。


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「ストロークス・ゲインド」とは一体?

「ストロークス・ゲインド」は、あなたがどこでどのようにストローク(打数)を稼いでいるか(あるいは失っているか)を正確に判断できる数値だ。

ストロークス・ゲインドは、何年にもわたって何百万ものショットを分析することで、ベースラインとなる平均的なゴルファーが、ゴルフコースのありとあらゆる場所からホールアウトするのに必要な打数(ストローク)を割り出す。

ストロークス・ゲインドはその情報をもとに、個々のショットが「平均よりも良いか悪いか」、またその「度合い」を教えてくれる。

いたってシンプルだ。

ショットスコープは「ストロークス・ゲインド」を3つの段階に分けて導入するという。

第一段階では、PGAツアーに参戦しているプロゴルファーを基準としたもの。つまり、ツアープレーヤーがゴルフコース上のあらゆる位置やライからホールアウトするのにかかるストロークス・ゲインドを算出するのだ。

例えば、400ヤードのパー4の場合、ホールアウトまでの平均打数が4.05ストロークだと仮定する。つまり、ツアープロは平均すると4打以上でホールアウトするパー4ということ。

このホールで、ドライバーで260ヤードをフェアウェイど真ん中に打ち、ピンまで140ヤードの距離を残したとする。「その位置からホールアウトするまでの平均打数」が2.91打。この場合、ティーグラウンドでのストロークス・ゲインド(Strokes Gained off the tee)は以下の通り。

4.05-2.91-1(さっきのショットの分)=0.14

つまり、260ヤードのドライバーショットを真ん中に打つことができたら、0.14ストローク分の効果があるということだ。


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しかし、2打目のアプローチショットがバンカーに入ってしまったとする。その位置からホールアウトするまでの平均打数平均が2.48打の場合。

2.91 - 2.48 - 1 = -0.57.

2打目のアプローチショットで、0.57打のストロークを「失った」ことになる。せっかくのドライバーショットを無駄にしてしまい、イライラして林の中に投げ込んだ8番アイアンを探す羽目に。そして、どれだけスコアを伸ばせるか?は、この位置からのサンドウェッジとパターに掛かっているのだ。


ショットスコープ「ストロークス・ゲインド」第2段階&第3段階

第1段階では、ツアープレーヤーと比較した総合的なストロークス・ゲインドなどのデータを得ることができる。

さらに、ティーショット、アプローチショット、ショートゲーム、パッティングなど、ゲームの各パートのストロークス・ゲインドのデータも、ツアー選手と比較して見ることができる。

今年の春に予定されている第2段階では、データをさらに拡張するという。前半9ホールと後半9ホールのストロークス・ゲインドのデータを比較することができ、さらに多くのショットが記録されるため、各カテゴリーをより深く掘り下げることができるようになるだろう。

例えば、ティーショットのストロークス・ゲインドを、距離別、ホール別、ティーからグリーンまでのパフォーマンス別に調べることができる。

ツアープレーヤーとの比較は良い面もあるが、アマチュアゴルファーにとっては落胆することの方が多い。第3段階では、同じようなハンディキャップを持つゴルファーとの比較ができるようになる。

まず、ショットスコープは、ゴルファーのハンディキャップを「0~5」「5~10」「10~15」「15~20」「20~25」のようにざっくりと分類している。 さらに改良されれば、より細かく分類できるようになるだろう。


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第3段階は2021年の6月を予定。

ショットスコープのアプリは、すでにストロークス・ゲインドの第1段階を反映するようアップデートされている。これにより、直近の1ラウンド、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド、さらには過去のラウンドのストロークス・ゲインドを確認することができるようになった。

ショットを記録し、データを収集するためのツールは数多くあるが、その中でも「ショットスコープ」と「Arccos」は、業界をリードする存在として注目されている。「Arccos社」は強い支持を得ており、“Link”のようなアクセサリーにより、ゴルファーがコースで携帯電話を持ち歩く必要性をなくすことを目指している。

ショットスコープは、新しいGPSウォッチ「V3」を採用し、ウォッチバンドの技術によってショットデータを収集、蓄積している。また、グリップに取り付けた電池不要のシンプルなプラスチック製センサー(タグ)でショットデータを収集し、どちらのシステムも強力なデータ分析機能を備えている。

詳細については、www.eyeinthesky.jpをご覧ください。