・テーラーメイド「300 MINI」ドライバーは同社最新の「ミニドライバー」

・ヘッド体積は307ccで前作の「ミニドラ」よりもやや大型化

・定価は399.99ドルで発売は7月16日から


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テーラーメイド「300 MINI」ドライバーは、「ミニドライバー」部門において同社の最新で唯一のモデル。現状ではこうしたクラブは他にない。もしMyGolfSpyが『Most Wanted』ミニドライバーテストをしたら、該当するのはこのテーラーメイド「300 MINI」ドライバーと伝説の「GX-7」に絞られるだろう。後者は単に盛り上げ役、、、なってしまうかもしれないが…。


そんなに長くない「ミニドラ」史

「460cc時代」におけるテーラーメイドの初代ミニドラ「SLDR Mini」以来、このカテゴリーはテーラーメイド一色となっている。ピンが13度の「ラプチャー」を一度投入したが、ヘッド体積は219ccで「ミニドラ」というよりは巨大なフェアウェイウッドという感じだった。

キャロウェイも「ビッグバーサ Mini 1.5」で一発勝負に出たが、これはテーラーメイドのそこまで記憶に残っていない「エアロバーナーミニ」に対抗して発売されたもの。あえて言うなら両社のどちらかが勝ったと言えるようなものではなかった。

本題から逸れたな。

テーラーメイドは「エアロバーナー」から数年、「オリジナルワン」ミニドライバーをこのカテゴリーに投入。このドライバーは、オリジナルのメタルウッド「ピッツバーグパーシモン」を連想させ、ちょっとしたノスタルジーを感じさせるものとなっていた。


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ミニドライバー – 1本のみのカテゴリー

その間、このカテゴリーに参入するメーカーはなかったが、私がテーラーメイドのR&Dシニアレベルのスタッフの一人に、「ミニドラ」投入はないのか聞いてみたところ、当時の彼の答えは「作るかもしれないが、一方で我々は利益も出さないといけない」というものだった。

つまり「競合他社は需要がほぼないと見ていても、テーラーメイドはチャンスと捉えている」ということ。

そして、「オリジナルワン」ミニドライバーをリリースしてから2年、同社は「300 MINI 」をローンチすることになった。目の肥えた方なら、全米オープンでフィル・ミケルソンがテーラーメイドの「300 MINI」をセットに入れていたことは知っているはず。契約プロのセッティングに競合他社のメタルウッドが入っているなんて良いわけなく、キャロウェイがミケルソンのセッティングからテーラーメイドのクラブを外すために、「ミニ」を投入する可能性もないとは言えないだろう。

しかし、ミケルソンは気まぐれなところがあり、こうした課題が浮上する前に別のクラブを手にする可能性もある。今のところ、「ミニドライバー」を出しているのはテーラーメイドだけで、このクラブを使っているプロもミケルソンだけ。

テーラーメイドによれば、PGAの契約ツアープロ数名が「300 Mini」に興味を示しているようだが、ミケルソン以外に実戦で使うのかは定かではない。


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テーラーメイド「300 MINI」ドライバー – テクノロジーを深掘り

テーラーメイド「300 MINI」でまず特筆すべきは、そのサイズだろう。「SLDR Mini」は260ccとそれなりの大きさだった。「エアロバーナー」はそれより一回り小さい253cc。2019年の「オリジナルワン」はやや大きくなって275cc。それに比べると、「300 MINI」は307ccと巨大だ。

境界線はどこにあるのだろうか?どんな大きさなら、それは「ミニ」ではなくなるのだろうか?

テーラーメイドでは「300 MINI」を「高弾道・低スピン」性能と謳っているが、これは投影面積に関わらず「ウッド部門」ではどのモデルもそのように表現している。

この他、このクラブには、オフセンターヒット時の正確性を実現する『ツイストフェース・テクノロジー』、ソールの抜けを良くしつつ低重心化する『Vスチール・ソールプレート』、フェース下部で打ったミスヒットでもボール初速維持に貢献する『スピードポケット』を搭載している。


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テーラーメイド「300 MINI」ドライバー – 使い勝手

デザインそのものは、懐かしい感じがする。テーラーメイドでは、この「300 MINI」を、20年前に人気を博した「300シリーズ」メタルウッドを現代風にアレンジしたものと位置付けているようだ。愛用するクラブを想起させることで、ゴルファーに温かくもワクワクする気持ちになってもらうため、カーボン、チタン、そしてスチールを複合した今風の構造を採用している。

それは理解できるものの、私が「SLDR Mini」でお気に入りだったのは、大型ヘッドにも関わらず地面から直接打てたこと。スプーンの代わりとなり、新作に魅力を感じるまでは常に愛用していた。

今でもこのクラブは持っているし、時折、セッティングに戻そうかと思うほどだ。

307ccというヘッド体積は、テーラーメイドが、話題性や、少なくとも「ミニ」ではない“ミニドラ”を作りたいがために、幅広い層にとっての使いやすさをやや犠牲にしているのではないかと思わせる。

多くのゴルファーにとって、「3番ウッド」は一番難しいクラブで、大型ヘッドタイプや長尺シャフトのモデルを出してもその問題が解決されるというわけではないだろうが、同社の他の同類のモデルと同じく、テーラーメイド「300 MINI」は誰にでも合うというわけではない。


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テーラーメイド「300 MINI」ドライバー – 誰に合うの?

テーラーメイド「300 MINI」ドライバーのターゲット層は、現代の440cc以上あるドライバーの使いにくさを嘆き、たくさんあるやや小ぶりで操作性のあるヘッドの中から選べた時代を懐かしむ層だ。

市場に選べるクラブが一つしかない場合、それは選択肢と言えるのか分からないが…。

また、可能な限り長いクラブを3番ウッドの代わりに使いたいという人にも向いているし、それは私も理解できることだ。

私が「SLDR Mini」をバックに入れておいたのはまさにそのためであり、テーラーメイド「300 Mini」を試すのを楽しみにしている理由もそこにある。


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価格と販売時期

テーラーメイド「300 MINI」ドライバーはロフト角11.5度と13.5度があり7月16日から発売される。

純正シャフトは三菱の「MiDr Proto」。グリップはゴルフプライドの「Z-Grip」が装着されている。また毎度のことながら、入荷は遅れるだろうが追加料金なしで多彩なオプションが用意されている。

価格は399.99ドル。