先日のMyGolfSpyの投稿では、ゴルフ用品メーカーやクラブフィッターがゴルフクラブを性別によって区分けすることを止め、女性ゴルファーを顧客として見直す必要性について議論した。

その際、ゴルフクラブ愛好家とMyGolfSpyメンバーの間で、「女性用クラブとはいったい何なのか」という興味深いディスカッションがあった。

一般的な女性ゴルファーのイメージと言えば、レディースティーから打ち、かろうじてボールをフェアウェイに乗せるという姿だろう。

USGAの報告によると、HCが6以下の女性ゴルファーの平均飛距離は196ヤードで、HCが13~20になると平均は150ヤードだという。

一方男性の場合は、HC13~20は平均198ヤードだが、6以下だと平均236ヤードになる。

一般的に、男性は女性よりも強健でヘッドスピードも速いが、例外もある。ゴルフを始めたばかりでも元々ヘッドスピードが速い女性は、「女性用クラブ」が自分には合わないと思うかもしれない。

まず女性用クラブによくあるのは、小柄な女性ゴルファーに対応するために、元々柔らかいシャフトをさらにカットしてしまっているケースだ。カットしてしまうとクラブはまったく別の物になってしまい、男性用クラブと比べて明らかに軽くなる。

また、女性用クラブのグリップは細い。細過ぎるものも多く、鉛筆を握っているように見えることもあるくらいだ。

典型的なLPGAプロのドライバーのヘッドスピードは42.5m/sだ。

有能なクラブフィッターなら、女性であるというだけの理由で女性用ドライバーを手渡すことはないだろうし、チャンピオンズ・ツアーでプロにシニア用クラブを手渡すこともないはずだ。

少なくとも、そうすべきでないことは言うまでもない。

ゴルフクラブを性別によって分けることで、初心者がこうむる別の問題も発生する。

販売員が、顧客を一人のゴルファーとしてではなく、年齢や性別などのカテゴリー別に識別してしまうのだ。

そうなると、ゴルファーが性別や年齢によって区分されたラベル通りにクラブを選ぶようになってしまう。そのゴルファーにフィットしないかもしれないのに、だ。

ミスリードによって合わないクラブを買ってしまった初心者は、ゴルフをやめてしまうかもしれない。



「女性用クラブ」とは何か

女性用クラブの話になると、「そもそも女性用クラブの定義とは何か」という疑問が出てくる。

色がピンクやパープルかどうか?グリップの細さ?ヘッドの軽さ?シャフトの長さ?

実を言うと、私は今までレディース用クラブを使ったことがないので、その定義を知らない。

とは言え、クラブが軽くて短くても、グリップが細くても「女性用クラブ」が「女性向き」のクラブとは限らない。

女性用クラブは、大抵は男性用クラブを少し修正しただけのものだからだ。

実際、女性用クラブが男性に合う場合もあるし、女性でもフィットしない人は絶対にいるはずだ。

ある読者が、以下のようなコメントを送ってくれた。

「人間は誰一人同じではない。チャールズ・バークリーは素晴らしいバスケット・ボール選手なのでゴルフも上手いと思うかもしれないが、そうでないことは有名な話だ。一方でLPGAツアーのルーキー、アン・ヴァン・ダムの今シーズンのティーショットの平均飛距離は306ヤードだ。彼女のスイングを見てほしい(以下のビデオ)。誰が彼女に女性用クラブを渡すだろうか?」

ゴルフクラブを性別によって区分けする「クセ」はすぐにはなくならないだろうが、ゴルフ業界自体が女性ゴルファーのためにできることは、たくさんあるはずだ。

私は、この問題を解決するのはとても簡単だと思う。

すべてのクラブフィッターと販売員が女性に「選択肢」を与え、貴重な消費者として扱えばいいのだ。

「女性ゴルファーには(たった1種類しかない)女性用クラブを勧める」と決めつけずに、「その女性」に本当に合うクラブを紹介すればいいだけだ。

ジーンズを買う時、「あなたには、このジーンズしかない」と勧められることはないはずだ。ゴルフクラブも同じで、たった一つの選択肢しか与えられないということは、あってはならないのだ。