つい数年前、オデッセイゴルフは史上最多数ともいうべき多くのパターを開発した。ここで話すのは2013年に発売されたパターVersa(ヴァーサ)のことだが、白と黒のペイントが特徴だった。Versaは何千種類ものモデルがあったのではないだろうか。

Versaのヘッドは白黒の配色で、白がベースになっているものと、黒がベースになっているものがあった。また、差し色が入ったモデルもあった。何千種類は大げさだとしても、少なくとも14種類のパターが発売された。世界有数のパターメーカーではあるが、それにしてもこの商品数は多いと思う。

そんなオデッセイが、2018年に再び大量のモデルを発売することを決定した。今回は基本モデルが32種類あり、それには新しいトゥーロンデザインやスペシャルエディションは含まれていない。圧倒的なモデル数だ。

先週オデッセイの本社を訪問した際に分かったことだが、一見無謀にも思われる大量のリリースには目算があるようだ。現に世界中の販売店が、これらを店頭に並べるために追加融資を受けていると聞く。

32種類のパターのリリースは、オデッセイにとって名案となるか、窮地に陥るかの正念場になるだろう。

 

O-WORKS、バリエーションを追加

 

32種類のモデルのほとんどは2017年のO-Worksレッド&ブラックの延長なので、馴染みがあるかもしれない。

昨年7月、オデッセイは人気があったO-Worksのレッドバージョンを発表した。従来のマイクロヒンジ・インサートを維持しつつ、赤を追加した。

ツアープロの要望に応えたのか、大ヒットしたテーラーメイドのレッドスパイダーを追随したのかは不明だが、オデッセイのレッドパターが新モデルとしてゴルファーを興奮させたのは事実である。

レッドの登場よりもさらにクールだったのが、スラントネック採用のオデッセイ 7番だ。少し傾いたネックが、多くのブレードパター愛用者の興味を引き、(今ではトゥハングになっている)7番のマレットパターを試すきっかけとなった。私も試してみたが、以前の7番モデルと比べて心地良いスイングができた。ネックに施された少しの変化が、ブレードに適した私のストロークとうまく調和したようだ。

レッドの7番は、まさに待ち望んでいたパターだった。

 

 

さらに増えるレッド

オデッセイは今年もレッド&ブラックを増やすようだ。昨年リリースされたレッド&ブラックの9種類のパターのうち、3つがレッドだった。そのうちの2つは7番のヘッドが採用されているので、レッドは 2モデルに減らしてもいいだろう。

そして今後「グリーン」が加わる予定だ。

近所のショップに全種類のヘッドが揃っているとは限らないが、ユーザーフレンドリーなオデッセイのオンラインストアでは、カスタムオーダーを受け付けている。

試打をする時は、各モデルの細部までチェックして欲しい。色の違い以外にも微妙な違いがあるからだ。例えばジェイルバードミニは、ブラックとレッドではアドレスにかなり差がある。ブランデン・グレース承認のレッドは、ボディラインがブラックで塗装されているが、ブラックバージョンよりもVersaの特徴がよく出ている。

店頭で各モデルを並べて比較すれば、違いが分かるはずだ。あくまでも私見だが、他社のパターで見られる赤色より少し濃い色合いで、スプレー缶で塗装したような安っぽい仕上がりではない。

 

追加されたヘッド

昨年夏のリリースでは、ヘッドと色の組み合わせが限定されていたが、今回はすべてのヘッドで両色が選択可能だ。レッドを避けたければ、クラシカルなブラックを選んでもかまわない。私はもともとレッド派ではないが、今回のオデッセイのレッドには好意的だ。光の加減で変化する、深みのある赤色だ。

選択肢はどのくらいが理想なのか。24種類ぐらいだろうか。そう、レッドとブラックにそれぞれ12種類のヘッドが用意されている。

商品数を把握しなくてはならない販売店には申し訳ないが、合計で何種類のモデルになるのか、今の時点でははっきりしていない。ただ、ターゲットは32種類である。

 

ネックも追加される

昨年のモデルでは、スラントネックのマレットパターを試したければ、7番ヘッドしか選択肢がなかった。今回はどのマレットヘッドにもスラントネックが選択できる。つまり2-Ball Fangでもスラントネックが可能とういうことだ。実にエキサイティングである。2ボールアライメントは、通常のフェースバランスの性質とはうまく調和しなかった。だがこれで2ボールアライメントでも、アーク(弧を描く)ストロークがより快適になる。

2-Ball Fangはより快適になったが、マレットパターも忘れてはならない。私は長年、「Marksman(マークスマン)」のルックスが大嫌いだった。ゴルフをやめたくなるほど、今思い出してもゾッとするようなパターだった。しかし今回Marksmanのスラントネックモデルをトライして、その使い心地の良さに自分でも驚いている。

私のMarksmanレッドモデルへの反応は以前とは正反対だった。目を引く中央のラインは健在だが、トーンダウンして私にも受け入れやすい。スラントネックのこのパターは、私にとっては非常に扱いやすく、Marksmanへの偏見を払拭してくれた。オデッセイのパターデザイナーであるルーク・ウィリアムズ氏も、Marksmanのスラントネックの愛用者だ。世界中のパターを試すチャンスがあって、しかもデザインすることができるウィリアムズのような人間が愛用しているのだから、試してみる価値はあるはずだ。

なぜオデッセイはマレットにスラントネックを採用したのだろう。他社との差別を図るためか、あるいはブレードからマレットへトレンドの移行を狙っているのかもしれない。「ブレードを使いこなせるのは一部のゴルファーだけだ。」これは私がオデッセイを訪問した際に聞いた言葉だ。アイアンに関してよく使われる表現だが、パターについてのこの言葉は私のお気に入りだ。

マレットパターは、高MOI(慣性モーメント)や複雑なアラインメント、低重心を提供する。これらすべてが、マレットが優れたパッティングを実現するのに役立っている。

問題は、ブレードの愛用者が従来のネックのマレットを使う場合だ。ブレードのようにスムーズに振れないのだ。しかしスラントネックにすることで、ブレード愛用者にもスムーズで快適に使えるマレットを開発した。私の分析だと、スラントネックは従来のダブルベンドシャフトよりも打感が優れている。試しに、何人かのゴルファーに目隠しをしてもらって実験して、結果を見てみたい。

レッド&ブラックについてもう一点付け加えておく。すべてのパターにO-Works(柔らかく静かで、ボールのスムーズな転がりを生むマイクロヒンジインサート)が搭載されている。ステンレス製のマイクロヒンジプレートは、サーモプラスチックエラストマーのレイヤーに一体成型されている。つまりO-Worksのレッド&ブラックでは、色、ネック、テクノロジーのすべてを享受できるのだ。

 

トゥーロンの新作2モデル

ゴルフ界で最もクールな男、ショーン・トゥーロン氏と、彼の2人の息子 トニーと ジョーが新しいパターを発表した。今年注目が集まるマレットのトレンドを意識して、トゥーロンAtlanta(アトランタ)とPortland(ポートランド)の2種類の新作マレットパターをリリース予定だ。

Atlantaは見たことがあるのではないか。キャロウェイの新契約プロとなったセルジオ・ガルシアのモデルとして、以前ソーシャルメディアが大々的に取り上げた。トゥーロンデザインのツイッターで、下の写真を見たことはあるだろうか。

Atlantaはミッドマレットタイプで、先端は丸みをおびているが、よりスクエアに近いデザインである。ヘッドの後部を切り取ったことで、全体的なビジュアルが大きく変わった。

Portlandはあまり知られていないが、小さめのマレットで、Fangの要素を取り入れている。

以前ソーシャルメディアから試作品の画像をもらったが、こちらがPortlandの最終版の画像だ。

レッド&ブラックと同様、トゥーロンデザインにもスラントネックのオプションがある。今年はマレットのネックタイプが注目されると予想している。ショーン・トゥーロン氏自身が南カリフォルニアで、スラントネックタイプのAtlantaをかなり効率良く打っており、商品の信頼性は高い。

トゥーロンデザインの他の商品と同様に、ステンレススティール製AtlantaとPortlandは、ソールプレートを交換することでウェート調整が可能だ。また、カウンターバランスによってスイングウェートをカスタマイズすることができる。両モデルとも、摩擦を生成するディープダイアモンドミル(Deep Diamond Mill)のコンタクトパッチが、フェースセンターに搭載されている。Portlandの場合は、どちらかといえばセンターというよりはもう少し下方に位置しているが。

 

そして、2-BALL

 

 

トゥーロンデザインの4つのバリエーションを加えれば、合計36種類のモデル数となる。そして37番目に登場するパターがEXO 2-Ballだ。

「お前ら死ぬ前に何がやりたい?」-タイラー・ダーデン(映画「ファイトクラブ」より)

オデッセイのパターデザイナーが、この映画のセリフに刺激をうけてEXO 2-Ballを造ったとは思わないが、その精神はデザインに反映されている。オデッセイの強力なデザインチーム(ルーク・ウィリアムズ氏・ショーン・トゥーロン氏・オースティー・ローリンソン氏の3名)は、究極の2-Ballパターのデザインに着手した。コストや売れ行きなど、通常は考慮するべき制約を忘れ、どんなデザインを思いつくかを試した結果に生まれたのがEXO 2-Ballだ。

EXO 2-Ballは複数素材でデザインされたパターだ。2-Ballの特色は残しているが、従来の2-Ballモデルにはないメタル素材と製造工程が特徴だ。EXO 2-BallにはO-Worksと同じインサートが使用されているが、ボディーは完全にミーリング(削り出し)されている。

ゴールドのヘッド上部はアルミニウム素材、ソール部分はミーリング(削り出し)したステンレススチール素材が使われている。これらの素材はパターのCG(重心位置)を下げ、ボールの転がりを促進する。精密に削る作業には非常に多くの時間がかかり、結果としてそれが価格に反映される。ソール部分のバッジからミーリング加工された傾斜面に至る細部まで気配りが行き届いている。

2-Ballに馴染みがあるゴルファーなら、EXO 2-Ballには他のバージョンにはない内部バーやその他の構造があることに気づくだろう。オデッセイへの訪問で、彼らがインサートと打感に対してどれほどこだわっているのかを知ることができたのは、私にとって大きな収穫だった。パターに必要なのは、優れたルックスと打感である。ボディの形状や配置の変更は打感に大きな影響を与える。EXO 2-Ballは素晴らしいルックスと打感を実現するために細心の設計がなされている。

 

37種類のモデル

あなたはどう思うだろう。パターにこだわりがある私のような人間でさえ、37種類は多いと思う。なぜパターのリリース数は他のクラブより圧倒的に多いのかを聞いてみたところ、答えはシンプルだった。一般の消費者は、ことパターに関しての希望や好みが、他のクラブより多いからだという。1~2種類では満足しないのだ。それゆえ37種類のモデルをリリースするのだという。

私はこの37種類という数字について、意欲的だと言わざるを得ない。そもそも、カラーやネックのオプションが豊富なパターが少なすぎると思う。今回の大量リリースについて、販売店からどのような反響があるのか興味津々だ。私自身はハングしたマレットパターのファンだが、ブレードの愛用者が、どのくらいの割合でマレットに切り替えるだろうか。オデッセイはハングタイプのマレットパターが今後の主流だと考えており、そのムーブメントをリードし、卓越した存在になるよう専念している。37種類のモデルは、彼らの強い信念の表れだ。

オースティーがプレーでどのパターを使っていたかについて、私が言及しなかったことを疑問に思った人もいるだろう。残念ながら、その情報はまだ口外できない。来週にでも、うわさ話をしてみよう。

 

オデッセイの37種類のモデルには、まだ続きがあるようだ。

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