私たちは、数ヶ月前から読者の皆さんに対して「ドライバー満足度調査」を行っていた。目的は単純。ブランド別にドライバー購入者の「満足度」が異なるのかどうか知りたかったからだ。非常にシンプルだが、重要な視点だと考えている。

確かに、「飛距離」や「やさしさ」、「弾道測定器の数値の最適化」も必要なのだが、リピート顧客を予測するには、前作の購入品に対する「満足度」を調査する以外ベストな方法はない。

アンケートにはおよそ9,500名の読者に参加してもらった。では、アンケート結果を見てみよう。


試打経験

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これについては以前にも説明したが、いくつかポイントをまとめた。

・新しいドライバーを購入する前に平均2〜4モデルのドライバーを試す

・購入前の試打で最も多かったのは3モデル

・驚くことに、全体の18%の人が1本も試打することなく購入している!


試打したブランド

以下のグラフは、これまで試打したことのあるブランドをまとめたものだ。

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・「テーラーメイド」と「キャロウェイ」が圧倒的

・その後に続くのが「ピン」

・「タイトリスト」と「コブラ」は、30〜40%の人が試打経験あり


マーケットリーダーが優れた製品をつくっていないからというのが理由ではないが、、それ以外ブランドにとってはある程度不利な状況となっている。その理由は、多くのゴルファーが試すのは3モデルで、その中には必ず「キャロウェイ」と「テーラーメイド」が入っているからだ。

言い換えれば、「小規模ブランド」には単に“顧客を作るチャンス”が与えられていない、ということ。


最近購入したブランド

試打や試打会などで話題にのぼるのはどんなブランドか。「メジャーブランド」で占められていることは容易に想像できる。さて、次の質問は「最近購入したドライバー」についてだ。 2021年,ドライバー,満足度,調査,結果,ゴルフ,ゴルフクラブ

・アンケート内では「キャロウェイ」、「ピン」、「テーラーメイド」が最も購入されている

・現在の市場ナンバーワンは「テーラーメイド」

・トップ3以降は「タイトリスト」と「コブラ」、その他は1桁代まで落ちる


ドライバー満足度

購入ブランドが分かったところで、次はアンケートの核心に触れよう。最終的には何を購入したかが重要だが、このアンケートでは購入品にどれだけ「満足」したかについて調査した。

答えを導き出すために、関連づけて質問した。

まず、購入したドライバーの「満足度」に関して調査した。分かりやすく、購入頻度の高いドライバーブランドに限定した。

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・「期待通りもしくは期待以上」と答えた人が最も多かったのは「タイトリスト」

・「期待通りもしくは期待以上」と「ほとんど期待通り」を合わせた数が多かったのは「スリクソン」

・トップブランドでは、90%がほとんど「期待通り以上」と回答

・「期待以下」の割合が最も多かったのは「ツアーエッジ」と「クリーブランド」


「期待以下」と答えた理由を聞いたところ、「正確性」「飛距離」「やさしさ」が期待外れだったという回答が挙がったが、最も一般的な理由はパフォーマンスの向上がコストと比例しないことにあるようだ。

図を見てみよう。

前回の購入から5年が経過している場合は、ある程度のメリットは得られる可能性はあるが、これらのゴルファーが500ドルの価値に見合うプレーができたかどうかを聞いてみたいものだ。


もう一度やり直すとしたら?

次に、「同じドライバー」を購入する可能性について聞いた。詰まるところ「自分に合ったドライバーかどうか」に尽きるのだが、アンケート結果はこのようになった。

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・「絶対に購入する」と回答した人が多かったのは「タイトリスト」

・その次に続いたのが「ピン」と「PXG」

・「XXIO」と「ミズノ」は「多分購入する」が最も多かった


総合的な満足度

最後に、調査によく使われる「ネットプロモータースコア(顧客ロイヤルティを数値化する指標)」に関する質問「友人や同僚にそのブランドのドライバーを推薦する可能性」についてアンケートを取った。

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・ドライバー満足度の観点からは、「ピン」がNo.1

・「タイトリスト」が2位、「XXIO」が3位

・業界リーダーである「テーラーメイド」と「キャロウェイ」のスコアが低いことは注目に値するが、深く掘り下げると理由が見えてくる





フィッティング

このスコア結果を掘り下げてみると、「ブランド」は確かに重要だが顧客の満足度に寄与する他の要因があることが明らかになった。最も興味深いのは、「フィッティング」が関係するということ。


フィッティングをしたか?

アンケートでは、購入に際してどこまでフィッティングを行ったか調査した。

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・29.21%が「フィッティングなし/試打なしで購入」と答えている。おそらく、オンラインで購入したか、店に入って「これが欲しい」と試さずに購入したパターンだろう

・28%が試打会に参加したがフィッティングは行わなかった

・43%がドライバーのフィッティングを行ったと回答


次に、上記のフィッティングレベルに基づいて、どのブランドのドライバーを購入したか調査した。

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・試打せずにドライバーを購入するゴルファーは高い確率で、テーラーメイド、キャロウェイのドライバーを購入している

・クラブの試打を行ったがフィッティングを行わなかった人の中では、「ピン」を購入した人が最も多く、「テーラーメイド」や「キャロウェイ」よりもわずかに上回る

・「ピン」と「キャロウェイ」と比べると、トータルの数字が「タイトリスト」は約8%下回り、大手ブランドの中で最低水準

・「フィッティングを行った」と回答した人の中では、「タイトリスト」が7%上がった一方で、「ピン」は「テーラーメイド」と「キャロウェイ」を僅かに上回った程度に留まった


ここで、前のアンケート項目『ドライバーが期待以上(または以下)』のアンケート結果に戻ってみると新たな発見がある。


・ドライバーの「フィッティングを行った人」は、購入後「期待通りもしくは期待以上」と答えた割合が多い

・(もう一回購入できるとして)同じドライバーを購入する可能性は、「デモを行った」ゴルファーと「試打なしで購入」したゴルファーでほぼ同じだった

・フィッティングプロセスを経たゴルファーは、「同じドライバーを再度購入する」可能性が大幅に高い

・最後に、『ネットプロモータースコア』をもう一度見てみると、フィッティングを行ったゴルファーは、そうでないゴルファーよりも自分のドライバーを薦める可能性が明らかに高いことがわかる


フィッティング場所は関係する?

私達は常にフィッティングを推奨しているが、全員が同じレベルのフィッティングが受けられないこともわかっている。それを考慮して、フィッティングの場所が「顧客満足度」にどのように影響するのか詳しく調べてみることにした。

まず、ゴルファーがどこでフィッティングを行っているか知る必要がある。

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・「ゴルフ場外の小売店」が最も多い

・その他と回答した中には「ゴルフテック(GolfTec)」や「2nd Swing」があったため、今後アンケートには必ず含めたい

・「大手ゴルフショップ」に続いて、知名度の高いカスタムフィッティングでフィッティングしたという回答が多かった


上記の場所でのフィッティング体験に満足しているかどうか知るために、「フィッティングした場所をお勧めする可能性」についてアンケートを取った。(注:以下の場所は、アンケートで30回以上選ばれた場所のみ。)

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・総じて、「メーカー所有の施設」でフィッティングしたゴルファーが最も満足している

・「Cool Club(クールクラブ)」はカスタムフィッティングの中でトップだが、「True Spec(トゥルースペック)」や「ゴルフ場」も評価が高い

・カスタムフィッティングの中でも「Club Champion(クラブチャンピオン)」は評価が低い

「クラブチャンピオン」でフィッティングを行った人の多くが、人にお薦めするどころか「満足度が低い」ようだ。いつか満足度が低い理由をさらに掘り下げたいと思う。ちなみに、「クラブチャンピオン」を訪れた友人は、ひどい押し売りがイメージを悪化させていると述べている。


ブランドの視点

次に興味の観点から、フィッティングではなく「ブランドの視点」で見てみることにした。

・「大手ゴルフショップ」と「ゴルフ場外」の購入は、僅かに「ピン」に偏っている(28%)

・メーカー所有の施設でのフィッティングの約60%は、「タイトリスト」と「PXG」だった

・「True Spec」の顧客は、「テーラーメイド」を購入する可能性が高い。「キャロウェイ」よりも5%多く、「ピン」や「タイトリスト」よりも大きく上回る

・一方、「クラブチャンピオン」はメーカー最大手4社のバランスが均等に取れていた

・サンプルサイズは小さいが、「Cool Club」でフィッティングした人は「タイトリスト」ドライバーを購入し、次に「キャロウェイ」が多かった


最後に、フィッティングを行った場所に基づいて、ゴルファーが同じブランドのドライバーを再度購入する可能性について掘り下げてみよう。

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・メーカー所有の施設でフィッティングしたゴルファーは、同じドライバーを購入する確率が高い。“体験”が大きなポイントだろう

・「Cool Club」や「ゴルフ場」でフィッティングした人も、次に同じものを購入する可能性が比較的高かった

・「True Spec」、「Club Champion」、「大手大型ゴルフショップ」の満足度はほぼ同じだった

・前の満足度の質問と並べてみると、「クラブチャンピオン」の購入者は“結果”には満足しているが、必ずしも“経験”に満足しているとは限らないということが見えてくる


その他の気付き

・スクラッチゴルファーはハンディキャップグループの中でも最小限の試打数だが、商品に満足する確率は最も高い

・ハンディキャップが大きくなると、満足度も低下

・フィッティングの65%は屋内で行われる。ただし、アウトドアフィッティングの方が、満足度が高い

・ドライバーに1,000ドル以上を費やすゴルファーは満足する可能性も高いが、700ドルから750ドルを費やすゴルファーと比べてもその差はわずかだ

・満足度は400ドルから600ドルの価格間ではほとんど同じ

・ところが、購入価格が350ドルを下回ると、満足度が大幅に低下する