キャロウェイ・アクシネット第2四半期財務報告 – 重要ポイント

・キャロウェイの第2四半期の純売上高は11億ドル、純利益は1億500万ドルに達した

・今年のキャロウェイの売上高は40億ドル近くになる見込み

・アクシネットの第2四半期の売上は6億5,800 万ドル、純利益は6,660万ドルを計上

・アクシネットの純利益は、前年比18%減少


キャロウェイとアクシネットの第2四半期の財務報告書が発表されてから約1週間が経ったが、この2つの報告書の内容を理解するのに少し時間を要した。ご想像のとおり、キャロウェイは驚異的なペースで売上高と収益を更新している。

一方のアクシネットでは不可解なことが起こっているように見える。しかし、詳細を読み解くと少し異なったストーリーが見えてくる。

財務報告書を読み解くのは私たちの楽しみでもある。では早速始めよう。

先に言っておくが、私たちは金融の専門家や投資カウンセラーではない。ゴルフと関連するビジネスに対する探究心から投稿しているだけだ。


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止まらないキャロウェイの勢い

今年5月、キャロウェイ第1四半期の売上高が前例のない10億4,000万ドルを達成したと報告された。

では、第2四半期はというと11億ドルを達成。第1四半期と比べるとわずかな増加だが、2021年の第2四半期を大幅に上回っている。

キャロウェイのチップ・ブリューワー最高経営責任者(CEO)は、「当社の第2四半期の収益は22%の増加を達成し、全製品カテゴリー、地域、事業セグメントでの増加を反映している。」と述べた。

売上高11億ドルは、昨年と比べて2億200万ドルの増加だ。さらに、1億500万ドルの純利益は、前年比15%アップとなっている。


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年初来の売上高は、昨年の15億6,000万ドルに対して21億5,000 万ドル。トップゴルフによる利益が6ヶ月分加わったためだ。キャロウェイとトップゴルフの合併は2021年3月初旬に完了したため、昨年の数字はトップゴルフ買収後4ヶ月の収益のみを反映していた。

年初来の利益は1億9,200万ドル。この数字はビッグファイブ以外のメーカーなら1年分の売上か、それに以上に相当する。

興味深いのは、2021年第2四半期よりも利益が大幅に低いこと。しかし、昨年報告された3億6,400万ドルの利益は、トップゴルフの評価額を追加したものが反映されている。

より正確な指標は事業からの収入だ。「トップゴルフ」の評価額を差し引くと、年初来の営業利益は昨年よりも 4,000万ドル近く増えたことになる。


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第2四半期カテゴリー別

ここでは、「トップゴルフ」の影響力が明らかだ。売上高は、昨年の3億2,500万ドルに対し、第2四半期は4億400万ドルに達した。24%の増加に値する。さらに、「トップゴルフ」事業の利益は、第2四半期に4,420万ドルを計上。これは、対前年で2倍、利益率は11%にあたる。

年初来の「トップゴルフ」の売上高は7億2,600万ドル。同社は年末までに15億6,000万ドルの売上を見込んでいる。

四半期の終わりに近づいているが、「ゴルフ用品」は依然として同社の売上と収益の多くを占めている。2四半期のゴルフ用品の売上高は4億5,200 万ドルに達し、前年から13%近く増加している。年初来では9億2,000万ドル、昨年の上半期から18%の増加だ。


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この4億5,200万ドルの売上げのうち、利益は1億ドルで利益率は22%。確かに素晴らしい数字だが、売上が5,000万ドル増加したにもかかわらず、前年と比較して利益は200万ドルしか増えていない。その理由については、後で説明しよう。

「アクティブ・ライフスタイル」には、主にアパレル、ギア、小物が含まれる。このカテゴリーの売上高は今期2億6,000万ドル、年初来で5億1,000万ドルを超えている。

特に、「Travis Mathew(トラビス・マシュー)」、「Jack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)」、「OGIO(オジオ)」、「キャロウェイブランド」はすべて、今期2桁の成長を遂げている。このカテゴリーの利益率は、前年比43%増と大幅な増加を達成した。


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さらに読み解くと

今期のクラブの売上高は約3 億6,800 万ドル(前年比15%増) で、年初来で7億3,800万ドルに到達している。

また、第2四半期のゴルフボール売上高が3.4%とわずかに増加したと報告されているが、年初来の売上高は1億8,200万ドルで前年比28%の増加だ。最新の「Golf Datatech(ゴルフデータテック)」によると、キャロウェイの市場シェアは21% を占めるという。

同社の米国での売り上げは25%増えたが、驚異的なのは年初来の数字だ。レポートによると、2022年上半期の米国の売上高は15 億ドル。これは対前年46.5%アップと驚くべき数字だ。

欧米ゴルフ産業の有力調査機関である「ゴルフデータテック」は、キャロウェイは依然としてハードグッズでNo.1ブランドであると評価している。


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ただし、お分かりの通り報告書は「Topgolf(トップゴルフ)」 に重点を置いている。同社は今期中にカリフォルニア州エルセグンドーとワシントン州シアトルを含め新たに5箇所にトップゴルフをオープンした。シアトルは、今後のスタイルとして先端をいく施設になっている。

広くて開放的なロビーにはゴルフシミュレーターがあり、キャロウェイのフィッティングスタジオもある。今年はさらに 7箇所にトップゴルフがオープンする予定だ。

「トップゴルフ」と「ゴルフ用品」ビジネスの両方で、今年の売上高が10 億ドルを超えることは明らかだ。新たな点として、「アクティブ・ライフスタイル」分野の売上が10 億ドルに達すると見込んでいること。

その結果、同社は2022年の売上予測を39億7,000万ドルにまで引き上げた。

「今年初め、ゴルフ消費が後退していくのではないかという懸念があった。ある時点で転換期がくるかもしれないし、そうではないかもしれない。もし、転換期が来たとしてもその影響は最小限に抑えられると予想している。」とはブリューワー氏。


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堅調なアクシネット*

いつものように、キャロウェイのレポートは見出しが強調されている。アクシネットの数字はより忠実だが、もう少し控えめ。キャロウェイよりも小さいとはいえ、数十億の話だ。

アクシネットの第2四半期の売上高は、6億5,800万ドルで前年比5.4%の増加*。年初来の売上高は12億5,400万ドル*で、キャロウェイより10億ドル近く遅れをとっているがそれでも素晴らしい数字だ。


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同社の利益も非常に健全で、第2四半期は6,650 万ドル*、年初来では1億4,750万ドル*を計上している。ただし、第2四半期の利益は昨年から18%、年初来の利益は11%の減少。しかしキャロウェイとは異なり、それを釈明するための人為的な数字はない。

答えは、すべてのアスタリスク*の中にある。

まずアクシネットはキャロウェイよりも、サプライチェーンの問題、特にゴルフボールに必要な「材料」に苦労しているようだ。さらに、為替レートがアクシネットの数字に大きな混乱を引き起こした。


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恒常通貨

第2 四半期の財務報告書は、2つの方法で提示されている。1つ目は、一般に認められた会計方法であり単純なドルでの表示。2つ目は、「恒常通貨」と呼ばれるもの。これは、外国為替レートの影響を排除するために企業が使用するレポート手段だ。

具体的には、今年は外貨と比較して米ドルが強い。海外旅行をするアメリカ人にとっては良いことだが、海外での売上高が大きい米国企業にとっては、売上の価値を下げることになる。

アクシネットのCEO であるデビッド・マー氏は、これを「通貨の逆風」と呼んでいる。

たとえば、第2四半期のボールの売上は0.5% 減少と報告されている。しかし、「恒常通貨(昨年と同じレート)」 で調整すると、実際のボールの売上は3%強伸びたことになる。キャロウェイのボール売上高が8,400万ドルだったのに対し、アクシネットは2億100万ドルを超えている。


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さらに、新しい「Tシリーズ」アイアン、「SM9」ウェッジ、「Phantom X」パターにより、第2 四半期のクラブ売上高が 7.5%増加したことを報告している(恒常通貨では12%以上)。

タイトリストのゴルフギアおよび小物の売上高は、バッグ以外のすべての製品の販売量が増加したため6.3%増加したが (恒常通貨では12%)、サプライチェーン問題が引き続きバッグ事業に影響を与えている。

フットジョイは引き続き好成績を収め、第2四半期の売上高は8%アップ(恒常通貨では約14%)。


アクシネット年初来の業績

アクシネットによると、今年上半期の売上高は約5%増加しており、恒常通貨ベースでは9.1%の増加だという。懸念されるのは、米国のボールセールスが3.4%減少し、世界規模でも2.9% 減少したこと。繰り返しになるが、アクシネットは原材料不足に悩まされている。

米国外での純売上高は年初来で6.3%アップ (恒常通貨では15%)、タイトリストのギア販売はサプライチェーン問題により基本的に横ばいだった。グローバルでのフットジョイの売上は16%近く増加している (恒常通貨では 21%)。


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前述のとおり、アクシネットの第2四半期および年初来の利益の数値には、これらの注意書き*が付く。利益は6,650 万ドルと健全に見えるが、前年比では18%減少している。

年初来で見ると1億4,750万ドルで、2021年から11% 減少。恒常通貨は確かに役に立っているが、詳しく調べてみると2022 年のグローバルビジネスの現実が現れている。

同社の損益計算書によると、第2四半期の売上高は昨年よりも3,400万ドル近く増加したが、売上原価 (材料および部品のコストと直接労働力) も2,450 万ドル増加した。

この数字は、間違いなく材料費と輸送費の高騰を反映している。どちらも粗利益に大きな打撃を与える。それに加えて、販売費、一般管理費が約2900万ドル増加しため、昨年と比較して四半期純利益が減少することになった。


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第2四半期財務報告:まとめ

2022年は難航するアクシネットをよそにキャロウェイが波に乗っている?もちろんそうなのだが、それには理由がある。キャロウェイが昨年の早い段階から世界的なサプライチェーン危機に備え、その対策が売上に反映されていることは明らかだ。

そして、世界的なウレタン不足がゴルフ業界最大のウレタンユーザーに最も大きな打撃を与えることは驚くべきことではない。

それでも、2022年の売上高は当初の予想を超え22 億ドルから22 億5,000万ドルになると予測される。


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これを苦難と呼ぶのか?売上高が20億ドルを超え、健全な利益を上げている。状況は理想的ではないかもしれないが、2022年に製造業に携わる誰もがおそらく受け入れていることだろう。

もちろん、キャロウェイは圧倒的だが、それぞれの企業が自社の業績を受け入れているに違いない。

キャロウェイは、今年の売上高が40 億ドルに近づき、3つの事業分野すべてが10億ドルを超えると予測している。不況に陥ったとしても乗り切れると同社は確信している。


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ブリューワー氏は先週投資家に対し、「景気後退による個人消費の後退は継続的なリスクであるが、我々のビジネスは非常に勢いを増しており、これまでのデータからも緩やかな景気後退に屈することはない。」と述べた。