MyGolfSpyの『Ball Lab（ボールラボ）』では、市場に出回るゴルフボールの「品質」と「一貫性」の調査、数値化を行っている。
今回取り上げるのは、タイトリスト「ツアーソフト(Tour Soft)」の2022年モデル。テストプロセスについては、MyGolfSpy『Ball Lab』ページで確認できる。
タイトリスト「ツアーソフト（TOUR SOFT）」ゴルフボールについて
タイトリスト「ツアーソフト」は、一般に「プレミアム・アイオノマー」というカテゴリーに分類される。
価格は30～35ドルで、ある特定の指向を持つゴルファーに支持されている。ソフトな打感を求めるものの、プレミアムボールほどの価格は払いたくないが、それでも有名ブランドのボールを使いたいゴルファーが好んで購入する。
タイトリスト「ツアーソフト（TOUR SOFT）」構造
「ツアーソフト」は、346個のディンプルを備えた2ピースアイオノマーボール。
製造は同社ボール工場２で行われている（ウレタンボールはボール工場3）。
コンプレッション（硬度）
私たちの測定では「ツアーソフト」の平均コンプレッションは「67」。前モデルよりも1ポイント柔らかく、このボールのターゲット層が全く変わっていないことを示している。
市場全体で比較すると、多くの「ソフトウレタン」製品よりも少し柔らかいが、最も柔らかいカテゴリーの「アイオノマー」よりも硬め、と硬さでは「中程度」と言える。
直径サイズと重量
タイトリストの品質レベルを考えると驚くことに、「真円度」の基準を満たしていないボールが3個も確認され、不良ボールとした。
アイオノマーボールはウレタンよりもサイズが少し大きい傾向があるが、全てがUSGAのサイズ規定に準拠していた。
同社のボールは通常USGA規定の限界ギリギリに挑むようなことはしないため、重量制限の安全圏内に収まっていたことは特に驚くことではない。
検査
中心性と同心性
レイヤー（層）の同心性に関する顕著な問題はなかった。
コアの一貫性
コアの色は全体を通して一貫しており、予期せぬ混合物はなかった。
カバー
今回も例外になく、「ツアーソフト」に目立ったカバーの欠陥は見つからなかった。
タイトリスト「ツアーソフト」– 一貫性
ここでは、タイトリスト「ツアーソフト」2022年モデルの「一貫性」について詳しく説明する。これは、過去テストしたモデルと比べて、ボール同士の品質がどの程度「一貫」しているかどうかを調査したものだ。
重量の一貫性
・「重量」の一貫性は「Average（平均範囲内）」
・Box 2（2箱目）に関しては全体的にわずかに重かったが、それ以外は目立ったばらつきはなし
直径サイズの一貫性
・真円度に問題のあるボールが見つかったものの （1箱につき１個）、「直径」の一貫性は「Average（平均範囲）」以上。
コンプレッション（硬度）の一貫性
・「コンプレッション」の一貫性は「Average（平均範囲）」
・Box1（1箱目）は、Box2（2箱目）やBox3（3箱目）よりも平均して少し柔らかかった
TRUE PRICE－ボールの真の価格－
「True Price」とは、ゴルフボールの「品質」を独自に数値化した指標だ。これは、「優良ボール1ダース（12個）の対価として必要な金額」を表す。
「Ture Price」は常に「小売価格以上の金額」になる。「Ture Price」と「小売価格」の差が大きいほど、ボールの品質に疑問が持たれる。
まとめ
テストプロセスや、「不良」ボールの定義方法については、MyGolfSpy 『Ball Lab』のページにて確認して欲しい。
特に粗探ししたいわけではないが、サンプル内で不良ボールが3つ見つかった。それでもデータ全体で見ると、品質の一貫性は「平均範囲内」に収まる。タイトリストにしては予想外だったが、市場全体で比較すると品質に問題があるわけではなく、確実に平均内だ。
良かった点
・「一貫性」の項目では平均から平均以上の評価
・レイヤー（層）の欠陥がない
悪かった点
・丸さの基準に満たないボールが3個見つかった点については想定外だった
タイトリスト2022年モデル「ツアーソフト」は 『ボールラボ（Ball Lab）』の総合スコアで「74」を獲得。データ平均 「73」よりも1ポイント優れているという結果となった。
Leave a Comment