PINGの次世代ドライバー「G450」シリーズが、USGA(全米ゴルフ協会)の適合クラブリストに掲載された。
確認されたのは、現行モデルの後継となる「G450 MAX」「G450 LST」「G450 SFT」の3モデル。そして、今回の注目モデルが「G450 MiniMax」だ。
新製品の発表シーズンが近づき、USGAの適合リストには各メーカーの次世代モデルが続々と登場している。
PINGの「G450」シリーズもそのひとつだが、今回のポイントは単なるモデルチェンジではない。
これまで独自のアプローチを取ってきたPINGが、いよいよ本格的なミニドライバーを投入する可能性が出てきたのだ。
まずはミニドライバーから

PING「G450 MiniMax」ミニドライバー
「G450 MiniMax」の登場は自然な流れだが、個人的には少し遅かったと思う。
PINGのミニドライバーのプロトタイプは、すでに1年近くツアーで使用されている。一方、テーラーメイド、キャロウェイ、タイトリスト、コブラなど、主要メーカーのほとんどはすでにミニドライバーを発売している。
有力メーカーの中で、市販のミニドライバーを持たないのは、事実上PINGだけだった。
もっとも、PINGが通常のドライバーよりもコントロールしやすいクラブを求めるゴルファーに、何も提案してこなかったわけではない。
そのひとつが、「スライバー(thriver)」と呼ばれるアプローチだ。PINGのマーティ・ジャートソンは、これを「マクロドライバー」とも呼んでいる。
「マクロドライバー」は、通常サイズのドライバーヘッドに、フェアウェイウッド並みの短いシャフトを組み合わせたものだ。
具体的には、ロフト角12度の「MAX」ヘッドを使い、用途に応じて次のシャフト長に仕上げる。
- 3番ウッド相当:43.5インチ
- 5番ウッド相当:43インチ
- 7番ウッド相当:42.5インチ
普段から3番ウッドを地面から打つ機会が多いなら、そのまま使えばいい。逆に、ほとんどティーショットでしか使わないなら、短いシャフトに大きなドライバーヘッドを組み合わせた方が、慣性モーメント(MOI)を高めながら、コントロール性も向上させられるというわけだ。
この考え方には十分な説得力がある。
ただし、一般的に「ミニドライバー」と聞いてイメージするクラブとは少し違う。
現在の市場でメーカーやゴルファーが期待しているのは、単に通常のドライバーを短くしたものではなく、専用設計の小ぶりなヘッドを持つクラブだ。
「G450 MiniMax」も、おそらくそうした一般的なミニドライバーに近いモデルになるだろう。
「MiniMax」という名前が意味するもの
PINGの「マクロドライバー」は、これまで「MAX」ヘッドをベースにしてきた。その流れを考えれば、PING初の本格的なミニドライバーも「MAX」をベースに開発されたとして不思議ではない。
少なくとも「MiniMax」という名前からは、そう読み取れる。いかにもPINGらしいネーミングだ。
おそらく「G450 MiniMax」も、飛距離性能より寛容性を重視したモデルになるのではないだろうか。
USGAの適合リストに掲載されているロフト角は13度の1種類。これは、ミニドライバーを展開する多くのメーカーと同じ設定だ。
おなじみの3モデルも登場
通常サイズのドライバーは、従来どおり「MAX」「LST」「SFT」の3モデルがラインナップされる。
「MAX」「LST」「SFT」は、ここ数世代にわたってPINGのラインナップを支えてきた定番モデルだ。今回もそれぞれの後継モデルとして、性能を改良しながら進化していると考えていいだろう。
PINGは、変えること自体を目的に大きな変更を加えるメーカーではない。
PING「G450 MAX」ドライバー

「G450 MAX」は、ロフト角9度、10.5度、12度をラインナップするPINGの主力モデルだ。
もともと「MAX」は、他メーカーの主力ドライバーと比べても慣性モーメント(MOI)が高い傾向にある。ただし、前作「G440」では寛容性をわずかに抑え、よりバランスの取れた位置づけに変更された。これにより、MOIを極限まで高めた「K」との差別化が図られている。
ちなみに、今回のリストに「G450 K」が見当たらないことを不思議に思うかもしれないが、心配はいらない。
PINGは「MAX」「LST」「SFT」を隔年で発売し、その間の年に「K」を投入するサイクルを採用している。
「G440 K」が登場したのは今年1月。そのため、次の「K」が登場するのは、多少の前後はあるにせよ、来年の今頃になると考えられる。
PING「G450 LST」ドライバー

「G450 LST」は、ロフト角7.5度、9度、10.5度の3種類がリストに掲載されている。
注目したいのは7.5度だ。前作では発売からしばらく経って追加されたロフトだが、今回は発売当初からラインナップされる可能性が高い。
スペック上、7.5度というロフト角は、市販ドライバーの中でも特に小さい部類に入る。ツアープロやヘッドスピード約56m/sを超えるようなハードヒッター向けに思えるかもしれない。
しかし、実際は少し違う。
PINGの「LST」は、他メーカーの低スピンモデル(LS)と比べると、スピン量が極端に少ないわけではなく、慣性モーメント(MOI)も高い傾向にある。
ロフト角を小さくすることで、インパクト時にロフトが増えやすいゴルファーの打ち出し条件を調整し、スピン量をさらに抑えることができる。
フィッティングを重視するPINGにとって、フィッターが選べるロフトの選択肢を増やすことには十分な意味がある。
とはいえ、実際の販売で主力となるのは、やはり「MAX」だろう。
PING「G450 SFT」ドライバー

「G450 SFT」は、ロフト角9度と10.5度の2種類。基本的にはスライスに悩むゴルファー向けの、やや用途を絞ったモデルだ。
そして、その役割においては非常に優れている。
スライスを抑えたいゴルファーにとっては、頼もしい選択肢になるだろう。
一方、スライスに悩んでいないなら、そもそも検討する必要のないモデルだ。
USGAの適合リストから分かること、分からないこと
USGAの適合クラブリストには、技術的な詳細がほとんど掲載されないことで知られている。それでも、刻印や写真からいくつかの情報を読み取ることはできる。
まず、「G450 MiniMax」を含む全モデルに、カーボン製クラウン「カーボンフライ・ラップ(Carbonfly Wrap)」が採用されている。
これは新しい技術ではなく、前作「G440」ですでに全モデルに採用されていたものだ。ただし、今回のミニドライバーにも引き継がれている点は注目しておきたい。
また、「G450 MAX」「G450 LST」「G450 MiniMax」のソールには、後方のウェイトポートに加えて「ドロー(DRAW)」と「フェード(FADE)」の表記が確認できる。その中間には、おそらくニュートラルの設定も用意されているのだろう。
一方、「G450 SFT」では「DRAW」と「DRAW+」の表記になっている。
そもそも「SFT」を選ぶゴルファーで、フェード設定を求める人などいないだろう。
新技術「FASTFLEX」とは?
刻印から確認できる新技術が、PINGの「FASTFLEX」だ。
具体的な仕組みはまだ明らかになっていないが、ソールの外観を見る限り、テーラーメイドの「スピードスロット(SpeedSlot)」やミズノの「コアテックチャンバー(CORTECH CHAMBER)」に似た、スロット構造を採用した技術のように見える。
「FASTFLEX」という名前からも、その狙いはある程度想像できる。
「FAST(速さ)」と「FLEX(たわみ)」を組み合わせた名称は、ボール初速の向上を意識したものだろう。これまでの例を見ても、スロット構造はフェース下部でヒットした際の性能向上と結びつくことが多い。
もっとも、これは現時点で外観から読み取れる範囲の話だ。
実際には、内部構造にもまだ明らかになっていない技術が隠されている可能性が高い。
価格と発売時期
PINGは現時点で、価格や発売時期を正式に発表していない。ただし、これまでの傾向から考えると、発売は2027年1月になるだろう。
価格については、通常サイズのドライバーが650ドルになると予想している。「G450 MiniMax」は、それより少し安い価格設定になっても不思議ではない。



