ロングアイアンの代替クラブ
2012年に発売されたキャロウェイのX Utility Prototypeをご存じだろう。X Utility Prototypeは浅いフェースやスイングウェートのチューニングポート、低重心設計などに特徴があった。初のモダンユーティリティーアイアンとうわけではなかったし、ヘッドの形状も独特であったが、ユーティリティーアイアンの概念が再び注目されるきっかけとなった。 2014年9月にはトラディショナルな外見のApex Utilityが発売された。X Utility Prototypeの代替商品だ。Apexという名前ではあったが、そのルックスはApex CG 16/Pro 16アイアンの延長で造られたクラブには見えなかった。むしろApex MBの非ユーティリティーロングアイアンの代替モデルだといえるだろう。 今回発売される新X-Forged UTにはApex Utilityのような矛盾はない。名実ともにキャロウェイの新X-Forgedアイアンを完璧に補うことができるクラブだ。
注目に値する点は、X-Forged UTにみられる改良点だ。1つ目の改良点は、X Utility PrototypeとApex Utilityにあった取り外し可能なウェートをなくし、業界で注目のタングステン・インナーウェイトを内蔵した点だ。キャロウェイによれば、この改良によって重心を低く保つだけでなく、重心位置をクラブフェースの中心に置くことが可能になるという。タングステンはゴルファーがロングアイアンに求める、低くて貫通するようなボールの飛びを維持すると同時に、MOI(慣性モーメント)を高めてくれる。
2つ目の改良点は、キャロウェイのコアテクノロジーの1つである360フェースカップが採用された点だ。360フェースカップはキャロウェイのフェアウェイウッドやスティールヘッドアイアン、他のキャロウェイの人気クラブにも採用されている。ここで復習をしておこう。360フェースカップとは、クラブフェース全体でたわみを最大限に引き出すキャロウェイ独自のテクノロジーのことである。オフセンターヒット時の飛距離ロスを防ぐには必須のアイテムだ。ロングアイアンの代替クラブとして使うことで真の利益が得られる。
キャロウェイは、X-Forged UTのロフト角のオプションを増やすことによって、これまでのユーティリティーアイアンより広い用途に対応することを目指している。Apex Utilityが2番から4番アイアン(ロフト角18度、21度、24度)のみの展開であったのに対し、X-Forged UTにはロフト角27度の5番と30度の6番が加わった。ミズノのMP18 MMC Fli-HiやタイトリストのT-MBと同じように、X-Forged UTをバッグに忍ばせるようになるかもしれない。
X-Forged UTは、それぞれに対応する番手のX-Forged アイアンと比較してロフト角が1度少なくなっている。X-Forged UTとスタンダードなX-Forged セットの設計の差を調整するためだろう。このロフト角の微妙な差によって、よりシームレスに飛距離の階段を作ることが可能となるに違いない。
レフティー用には、2番、3番アイアンのみの限定販売。
水面下でのリリース
ユーティリティーアイアンは人を引きつけるような魅力に欠けるのだろう。キャロウェイですらX-Forged UTを重視していない。あえて言うならば、他に比べてプレスの取り上げも非常に少ない。単刀直入に言わせてもらう。確かにツアースタッフには重要かもしれないし、レベルの高い一般ゴルファーなら使いこなすことができるかもしれない。だがユーティリティーアイアンが市場に変化をもたらすことはないというのが現実だろう。 製品ライフサイクルが3年というのも納得だ。
とは言うものの、ユーティリティーアイアンをロングアイアンの代替クラブとして使うことはできる。もしあなたが、ユーティリティー(ウッド)を使わないようにしているとか、ミニフェアウェイウッドのようなクラブをうまくスイングできないとか、あるいは、ただ単にゴルフバッグのクラブの本数を減らしたいというのであれば話は別だが、そうでなければ、ユーティリティーアイアンは代替クラブとしての価値はある。
繰り返すが、もし思い通りにスイングできた場合だ。
もし素振りで思うようなスイングができなければ、「危険な武器」になる可能性もあるので注意が必要だ。




