MyGolfSpy の『Ball Lab(ボールラボ)』では、市場に出回るゴルフボールの品質と一貫性の調査、数値化を行っており、無駄のない最適なボール選びに役立ててもらいたい。ラボで使用する機器の概要はここに掲載した。

また、テストプロセスや、「不良」ボールの定義方法、独自の「True Price」測定方法については、MyGolfSpy Ball Labのページにて確認できる。

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“No.1 ball in golf(世界No.1ボール)”で知られるタイトリスト「Pro V1」は、間違いなく誰もが知るゴルフボールブランドだ。

非常に人気のあるボールということもあるが、ほとんどのゴルファーが一度は使用したことがあり、世界のほぼすべてのゴルフコースで見かけるボールブランドである。

このレポートでは、ラボで得られた「Pro V1」の考察を簡潔に説明し、他のゴルフボールとの比較を行う。

最後に、ボールの『真の価格』=『True Price』、つまり優良のボール1ダースがいくらなら妥当かを公表するつもりだ。


2019年タイトリスト 「PRO V1」

2019年タイトリスト 「PRO V1」

「Pro V1」は、タイトリストのツアーボールカテゴリーの中核を担う。キャストウレタンカバー、3ピース構造、352のディンプル設計、これらが「Pro V1」の主な特徴だ。

「Pro V1」は、フルショットで中打ち出し、中スピンのツアーボールに分類される。「Left Dash Pro V1x」を除いて、同社のTourモデルの性能は互いに似ている。

その中でも、「AVX」の特性は低打ち出しと低スピンだが、「Pro V1x」は高打ち出し・高スピンに分類される。標準の「Pro V1」はその中央に位置する。

これらのボールは、マサチューセッツ州ニューベッドフォードにある同社のボールプラント 3で製造されている。


2019年タイトリスト「PRO V1」-コンプレッション

2019年タイトリスト「PRO V1」-コンプレッション

Ball Labでの計測の結果、2019年「Pro V1」のコンプレッションは90で、マーケット全体で見るとMEDIUM(ミディアム)~FIRM(硬い)からFIRM(硬い)のカテゴリーに入る。

しかしPGAツアーで頻繁に使われるボールの中では、「Pro V1」は比較的柔らかいボールで、週によってはツアー中最も柔らかいボールになることもある。



コンプレッションの一貫性

「 Pro V1」のコンプレッションの一貫性に関しては、高評価(「Good(良い)」の範囲)を得ただけでなく、限りなく「Excellent(非常に良い)」に近い。

テストしたサンプルボールは、どれもコンプレッションの中央測定値から大幅に(さらに言えば、ほとんど)ずれることはなかった。

同様に、各ボールで測定した3点のコンプレッションも、その差異が平均1.5未満という非常に安定した結果だった。

2019年 タイトリスト「Pro V1」のコンプレッションは、ボールブランドの中で最も安定していると言える。


2019年タイトリスト 「PRO V1」-直径サイズ

2019年タイトリスト 「PRO V1」-直径サイズ

マーケット平均に比べて、「Pro V1」の直径は小さい方だがツアーボール平均に近い。

私達が収集したデータによると、同社のボールは一部の競合他社ほどサイズのばらつきがなく、品質がより安定していることが分かる。

ボールトラックテストに合格しなかったボールはひとつもなかった。つまり、100%USGAのサイズ規則に準拠しているということだ。


一貫性と真円度

サンプルの「Pro V1」すべてが、真円度の基準を満たしていた。

「Pro V1」のサイズが群を抜いて一貫しているわけではないが、特に問題も見つからなかった。


2019年タイトリスト「PRO V1」-重量

2019年タイトリスト「PRO V1」-重量

USGAの重量制限である1.620オンス(約45.93g)を超えたPro V1サンプルボールはひとつも確認されていない。

また、「Pro V1」の重量は一貫しており確実に平均範囲内だ。


2019年タイトリスト「PRO V1」-インスペクション

2019年タイトリスト「PRO V1」-インスペクション

通常3ピースボールでは、コアが中心からずれることは問題ではない。問題は、レイヤーの同心性の異常(レイヤーの厚さが異なること)が現れることだ。

多少のレイヤーの不均等を確認したのは数個だったが、明らかな異常が見られた欠陥ボールはたった1個だった。


コアの混合

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コアの色は非常に一貫しており、箱同士で比較しても大きな差は確認されなかった。


カバー

ボール数個にペイント工程による小さなピンマークが確認されたが、これらは一般的であり、パフォーマンスの問題を引き起こすことは考えにくい。

また、カバーに小さな傷が付いたボールも1個確認したが、それ以外に重大な欠陥は見つからなかった。


総合的な考察

3ピース構造では中心コアが大きく、ボールの直径の大部分を占めるのが一般的だ。さらにキャストウレタンカバーは柔らかく薄いのが特徴で、グリーン周りのスピンが懸念されやすい。その点については、このカテゴリーボールの期待値を満たす必要がある。

「TRUE PRICE」-ボールの真の価格-

『True Price』は、ゴルフボールの品質を独自に数値化した指標だ。これは、優良ボール1ダース(12個)を得るのに必要な金額を表す。

『Ture Price』は常に小売価格以上の金額になる。「Ture Price」と「小売価格」の差が大きいほど、ボールの品質が懸念される。


2019年タイトリスト「PRO V1」 まとめ

詳しいテストプロセスや「不良」ボールの定義方法、「True Price」の測定については、MyGolfSpy Ball Labページを参照ください。

2019年タイトリスト「PRO V1」 まとめ

直径サイズと重量の一貫性については平均から平均以上の範囲だったが、コンプレッションの一貫性は際立っており、Ball Labのテスト対象ボールの中でも最高の部類に入る。

目視検査では、レイヤーの同心性に異常がある欠陥ボールを1個発見したものの、全般的に「Pro V1」が高品質で一貫性に優れたゴルフボールブランドであるという世間の期待に見事に応えていると言える。