MyGolfSpy の『Ball Lab(ボールラボ)』では、市場に出回るゴルフボールの「品質」と「一貫性」の調査、数値化を行っており、無駄のない最適なボール選びに役立てもらいたいと考えている。

今日取り上げるのはキャロウェイ「Chrome Soft X (クロムソフト エックス)」だ。ラボで使用する機器の概要はここに掲載した。また、テストプロセスや、「不良」ボールの定義、独自の「True Price」測定方法については、MyGolfSpy Ball Labのページにて確認できる。


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2021年最初の「Ball Lab」に登場するのは、昨年の一番手を飾ったキャロウェイ「Chrome Softシリーズ」だ。

「Chrome Soft X」はキャロウェイのボールラインナップの中で唯一の「高コンプレッションモデル」(唯一の正当なツアーボール)なので、多くの高ヘッドスピードゴルファーにとって(キャロウェイボールの中では)より最適なオプションであることは間違いない。

もちろん、これは話の半分に過ぎない。今日の議論はむしろ「品質」にフォーカスしている。2020年の「Chrome Soft (クロムソフト)」ボールテストでは、キャロウェイが「品質」と「一貫性」の課題に取り組む必要性があることを結論付けた。

今回も注目するのはそこである。

同社は、稼動する工場の改善プロセスを、移動中の車のタイヤ交換プロセスに例えるなど、これらの問題について前向きに取り組んできた。正直にいって、大きな挑戦である。

さらに、改善が実現するまでにはかなりの時間がかかることも指摘されていた。

したがって、キャロウェイ「Chrome Soft X」の結果に目を通す時は、いくつかの点に注意してほしい。

まず、低コンプレッションボールよりも高コンプレッションボールを作る方が簡単だ。つまり、「Chrome Soft X」の方が製造に関しては少し容易だといえる。

次に、「Chrome Soft X」は「Chrome Soft」の発売数か月後に登場した。今回のサンプルは、「Chrome Soft」のサンプルボールを購入してから約3か月後に購入したものだ。これは、工場の改善に3か月の猶予が与えられたに等しい。

これらが「品質」の観点から何を意味するのか見ていこう。



キャロウェイ「CHROME SOFT X (クロムソフト エックス)」について

キャロウェイ「CHROME SOFT X」について

標準「Chrome Soft」と同様に、「Chrome Soft X」は332個のディンプルを備えたウレタンカバーボールだ。

キャロウェイによると、「Chrome Soft X」の特性は一般的に「中弾道・高スピン」として分類されるという。スピン特性は、テーラーメイド「TP5」やタイトリスト「Pro V1x」に最も近い。

「Chrome Soft」や「ERC Soft」と同じく、「Chrome Soft X」の製造はアメリカのマサチューセッツ州チコピーにある同社ボール工場で行われる。


キャロウェイ「CHROME SOFT X」-コンプレッション

キャロウェイ「CHROME SOFT X」-コンプレッション

ゴルフボール業界において、「Chrome Soft X」ほど目を疑うブランドはないだろう。私達の測定による平均コンプレッションは95で、「Chrome Soft」(測定コンプレッション75)よりもかなり硬く、コンプレッション値が41の「Super Soft」よりもはるかに硬い。

モデル間のコンプレッション差は54もある。ツアーボールのカテゴリー内でも、「Chrome Soft X」は平均よりもやや硬い方だ。

前にも言ったが、「Chrome Soft X」のコンプレッション数値を知らなければ単に“ソフトなボール”だと判断されがちなネーミングだ。

仕方がない。そういうものなのだ。


キャロウェイ「CHROME SOFT X」-重量と直径サイズ

キャロウェイ「CHROME SOFT X」-重量と直径サイズ

・サンプルボールの1つが、USGAの重量制限である1.620オンスを超えていた。

・真円度の基準を満たしていないボールを1個確認した。

・計測器をくぐり抜けそうなボールがいくつか見られたが、全てのボールがUSGAの最小許容直径テストに合格した。

USGAルールに適合しないボールを「優良品」とは言えないが、失格のレッテルを貼るほどでもない。完璧とは言わないが、重量オーバーと球にゆがみがあるボールが1個ずつ見つかった程度ならさほどひどくない。


キャロウェイ「CHROME SOFT X」-インスペクション(検査)

キャロウェイ「CHROME SOFT X」-インスペクション(検査)


中心性と同心性

ほとんどがマイナーな問題ではあるものの、全体の約75%にコアの「中心性」やレイヤーの「同心性」に問題が見つかった。

大部分は厚さの不均一や、(下のコア画像のように)レイヤーの侵入などが原因だった。また、これらのほとんどが外側のマントル層で見られた。

問題の割合が多いように聞こえるが、パフォーマンスに影響を与える可能性は低い。小さな欠陥はどのブランドにも共通して見られるため、重大な問題ではない。

8%の欠陥は不良品に値するものの、前モデルで見られた目を見張るようなひどい問題がなかったのは幸いだった。


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コアの一貫性

コアカラーは比較的一貫していた。他に比べてややカラーが薄いボールもあったが、それほど深刻な問題ではない。全般的にコアはきれいでよく混合されており、物質の塊や異常なものも確認されなかった。


カバー

「Chome Soft X」のカバーは非常に優れていた。厚さはほぼ均一で、指摘するほどの欠陥は確認されなかった。


キャロウェイ「CHROME SOFT X」の一貫性

このセクションでは、キャロウェイ「Chrome Soft X」の「一貫性」について詳しく説明する。これは、これまでにテストしたすべてのモデルと比較して、サンプル内のボールが互いにどの程度一貫しているか示す目安だ。

キャロウェイ「CHROME SOFT X」の一貫性



重量の一貫性

・キャロウェイ「Chrome Soft X」の(重量の)一貫性は平均範囲内だった。


直径サイズの一貫性

・直径の一貫性は、他のボールと比較して平均範囲内に収まったもののやや下回る。


コンプレッションの一貫性

・コンプレッションの一貫性は平均範囲内。

・3個所で測定したコンプレッション値に大きな変動が見られたボール1個を欠陥品とした。ボールを割ると、レイヤーが大きく他のレイヤーに侵入しており原因の説明がつく。

TRUE PRICE-ボールの真の価格-

『True Price』は、ゴルフボールの品質を独自に数値化した指標だ。これは、「優良ボール1ダース(12個)を得るのに必要な金額」を表す。

『Ture Price』は常に「小売価格以上の金額」になる。「Ture Price」と「小売価格」の差が大きいほど、ボールの品質が懸念される。


キャロウェイ「CHROME SOFT X」-まとめ

詳しいテストプロセスや「不良」ボールの定義方法、「True Price」の測定については、MyGolfSpy Ball Labページを参照いただきたい。

キャロウェイ「CHROME SOFT X」-まとめ


良かった点

・今回の結果から、ボール工場の改善が明らかに生かされたことがうかがえる。

・品質は、「Chrome Soft」より明らか優れている。

・品質に関する指標はすべて平均範囲内にあった。


悪かった点

小さな欠陥は大部分に見られたが、不良品と見なされたボールは全体の8%に及んだ。


TRUE PRICE-ボールの真の価格-

キャロウェイ「Chrome Soft X」の「TRUE PRICE」は53.99ドル。小売価格($ 47.99)を13%上回っている。

結論として、「品質」と「一貫性」の観点では決して「Chrome Soft X」を“トップレベルの製品”とは言えないが、同社の品質改善への取り組みの成果が出始めていることを示唆するのに十分な結果だといえる。


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