キャロウェイ「グレートビッグバーサ」アイアン

主な注目ポイント

・チタンフェース&チタンボディでドライバーのテクノロジーを搭載

・低重心化を実現するため最大145gのタングステンを搭載し、打ち出しも簡単

・ヘッドスピードの遅いゴルファーをターゲットにした軽量構造

・超プレミアム価格で1本449.99ドル


「グレートビッグバーサ」のネタとしては、大半の人にとってこれで良いのかもしれない。

1本449.99ドル。

でも、いきなりコメント欄に飛んで、メーカーは平均的なゴルファーを除け者にしていると投稿する前に、我々が今朝ネットで確認したことを気に留めて欲しい。ゴルフ業界は「Sub 70」を閉鎖に追い込むことはなかった。PXGの「0211」シリーズも市場からなくなっていないし、「ツアーエッジ」もその扉を閉ざしていない。

実際、昨日ネットに掲載されていた1,000ドル以下の中級者向けと初級者向けのアイアンは今日も健在だ。ウィルソンとクリーブランド、コブラ、PING、テーラーメイド、ミズノ、キャロウェイの599ドルから999ドルのアイアンセットは、今でも買うことができる。


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だから、キャロウェイの新しい「グレートビッグバーサ」アイアンを語る前に、みんなでこう言ってやろうじゃないか。

「高額でプレミアムなゴルフクラブがあったって、低価格帯のクラブはなくならない」。

では、このくらいにして本題に入るとしよう。


キャロウェイ「グレートビッグバーサ」アイアン

キャロウェイが「グレートビッグバーサ」の対象ゴルファーについて正直に話したことは評価したい。

「このアイアンが使われるのは基本的に会員制のゴルフコースだろう」と言うのはキャロウェイのアイアン&ハイブリッドのマーケティングマネージャー、ザック・オークリー氏。「対象ゴルファーは、飛距離のために高級クラブを買うことを全くいとわず、このアイアンをキャディーバッグに入れていることを自慢したい層だろう」。


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キャロウェイの「EPIC STAR(エピックスター)」シリーズが「ゼクシオプライム」と本間の「Beres(ベレス)」と“一つ屋根の下”という関係なら、「グレートビッグバーサ」も同類だ。

このモデルは、可処分所得がたんまりある年配のゴルファー向け。テクノロジーをこれでもかと詰め込んだ軽量タイプで、上述したゴルファーでも簡単にボールを上げられる他、「時の流れ」という飛距離ロスを寄せ付けない。

「ここまで作り込んだモデルは他にない」とオークリー氏。

具体的に言うと、今回キャロウェイはチタンとタングステンをてんこ盛りにしているのだ。


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アイアンにも採用したドライバーのテクノロジー

1本499.99ドルにすると何が搭載されているのだろうか?まずは、チタンフェースとチタンボディの両方だ。

「今回は超極薄の鍛造チタンフェースを採用した」とオークリー氏。「普段はドライバーに使っている素材をアイアンに搭載したと思って欲しい」。

またキャロウェイでは、ドライバー同様にAIデザインの『フラッシュフェース』を採用し、ボール初速とスピンの一貫性を最適化させている。

さらに今回キャロウェイでは、「工業用純チタン(CP Ti)」を「グレートビッグバーサ」のボディに搭載。「CP Ti」は、微量の不純物を含む純チタンで、医療業界や歯科業界では通常、小型のインプラントに使用されているものだ。


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キャロウェイが「CP Ti」を採用したのは3つの重要な資質を備えているから。「CP Ti」は軽くて強く、そして通常のチタンと違い柔軟性があることが特徴となっている。

「これ(「CP Ti」)により従来のステンレスボディのアイアンに比べ96g軽量化されている」とオークリー氏。「相当な余剰重量を獲得できるので、各所に配分して打ち出しや初速を向上させることができるのだ」。

また、1本で145gというような大量のタングステンなしにキャロウェイのアイアンとは言えないだろう。

「巷にあるアイアンよりもタングステンの量は50%以上多い」とオークリー氏。「これにより、高い打ち出しが必要なゴルファーの打ち出しをサポートすることが可能だ」。


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「グレートビッグバーサ」:軽くてスピードがある

超高級アイアンの共通テーマは軽量化によるパフォーマンス向上だ。「ゼクシオ」であれ、本間の「Beres(ベレス)」であれ、今回ならキャロウェイであれ、グリップから先端にいたるまで軽くすることを目的としている。

「グレートビッグバーサ」シリーズは一から作り上げられたが、各製品にはそれに取り組む専門チームがあった。

「チタンフェースとチタンボディを採用したら、かなり初速がアップする」とオークリー氏。「飛距離アップするために、ロフトをそこまで立てる必要はないのだ」。

スペックをざっと見ると、ロフト角はそこまでストロングロフトになっていない。「グレートビッグバーサ」のロフト構成は、7番で30度が基準。実際、全体的なロフト構成は、キャロウェイの「Apex DCB (エイペックスDCB)」アイアンにそっくりだ。しかも、形状、トップライン、オフセットも実際のところ瓜二つとなっている。


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違うのは、軽量化されていることと、タングステンを145g使用しているため重心がかなり低いということだろう。

「我々が目指すこと、そしてターゲット層を考えると、ヘッドを構成する上で明らかに軽量なパーツが必要となる」とオークリー氏。「そして、より高級なものが良いと思う」。

「ゼクシオ」と「Beres(ベレス)」は独自の軽量シャフトを採用していることも特徴だ(どちらも親会社はシャフトメーカーを保有している)。「グレートビッグバーサ」はキャロウェイアイアン史上、初めて日本シャフトの製品を純正スチールシャフトに採用したモデル。

日本シャフトによると、「NS Pro 850GH」は日本の女子ツアーで人気となっており、対象ゴルファーを男女アマチュアとしており、中級者向けと初級者向けの大型低重心ヘッドにマッチするように開発されている。


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純正のカーボンシャフトはUSTマミヤ「Helium Nanocore(ヘリウムナノコア)」。USTによると、昨今のヘッドにも対応できるようデザインされており、軽量ながら安定感のあるカウンターバランスデザインとなっている。


キャロウェイ「グレートビッグバーサ」の価格・発売時期、そして最後の言葉

新しい「グレートビッグバーサ」アイアンは、11月4日からフィッティングと先行販売がスタート。発売日は11月11日となっている。

お伝えした通り純正のスチールシャフトは85gの日本シャフト「NS Pro 850GH neo」で、フレックスはSとRがある。UST「Helium Nanocore」が純正のカーボンシャフトで、フレックスは50gのウェイメンズフレックスに加え、60gのL、R、Sがある。

純正グリップはウィンの「Dri-Tax Lite 2.0」だ。


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「グレートビッグバーサ」は、間違いなくキャロウェイのプレミアムシリーズとして「EPIC STAR(エピックスター)」に変わるモデルだ。

1本449.99ドルのアイアンセットの潜在市場がどのようなものなのか気になるだろうが、「ゼクシオ」、「Beres」などが、既に市場があることは証明済み。市場として大きくないが、十分な規模でありビックリするほど開拓されていない。

“成金市場”と言う人もいるだろう。でも、ゴルフクラブに費やすようなお金を持つには賢さが必要だという意見もある。いずれにしても、使うのは富裕層。どうぞご自由にってことだ。

もう一度言っておこう。「高額でプレミアムなゴルフクラブがあったって、低価格帯のクラブはなくならない」。


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