キャロウェイ「JAWS FULL TOE(ジョーズフルトゥ)」ウェッジの注目点

・2019年の「PMグラインド」シリーズのアップデート版

・フェース全面に溝があり、ソールを改良、さらに形状がスリム

・8月26日から先行販売。店頭には9月9日から発売される


ゴルファーには2つのタイプがおり、今回の新作「JAWS FULL TOE」ウェッジは、その両方にフィットする。

まずは、「PMグラインド」を絶対的に好むゴルファー。キャロウェイは、こうしたゴルファーがこの「JAWS FULL TOE」に惚れ込むと確信している。

そして次に、「PMグラインド」やその他のフルフェースグルーブでハイトウのウェッジの見た目に失笑するようなゴルファー。こちらのタイプもキャロウェイ曰く、「JAWS FULL TOE」に惚れ込むだろうという。

まぁ、これはキャロウェイの願望だ。

すごく期待値が高いって思うよね?


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

キャロウェイ「JAWS FULL TOE」ウェッジ - 「PMグラインド」の最新版

キャロウェイは、「PMグラインド」を発表した2015年にフルフェースのウェッジを流行らせた。このウェッジはフィル・ミケルソンのウェッジで、ピン「Eye 2」の「直系の子孫」と言えるもの。

そして、一芸だけに秀でていた。

「『PMグラインド』は、より特殊なウェッジだった」と言うのは、キャロウェイのウェッジR&Dシニアマネージャーのパトリック・ドーソン氏。「幅広い層には全然フィットしていなかった」。

「PMグラインド」はグリーン周りでのアプローチで非常に有効だったが、フルショットのような場面ではそこまでではなかった。これは、まだマシな言い方。リーディングエッジは丸みがあり過ぎたし、オフセットもつき過ぎていた、さらに全体の形状も「慣れ」が必要だった。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

ドーソン氏によると「ソール形状を変えたことで短い距離で非常に効果的だったが、フルショットになるとロフト角が減り、バウンス角も小さくなっていた。その為、打ち込み過ぎてしまうこともあっただろうし、バウンス角を増やさないといけないということも課題だった」。

「だが今回の『JAWS FULL TOE』はフルショットで使えるウェッジになるはず。『PMグラインド』はどちらかと言うと特化し過ぎていたんだ」。

つまり、キャロウェイは「PMグラインド」と「JAWS MD5」を融合させ、「見た目」がさらに良いウェッジにするため、そこに味付けも加えているということ。そして、キャロウェイによれば、この新作は50ヤードから100ヤードで前作よりも、より武器になるという。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

スピンマシーン?

ともかく、2015年にフルフェースのハイトウウェッジを再び手がけることになったのはキャロウェイだった。それ以来、テーラーメイド、ウィルソン、クリーブランド、その他数社がこの分野に参入している。

名前の通り、キャロウェイ「JAWS FULL TOE」は、同社「JAWS」の『グルーブテクノロジー』が特徴。キャロウェイは、2年前に「JAWS MD5」ウェッジで「JAWS」という名称を復活させ、当時これを「業界No.1のアグレッシブな溝」と表現していた。

ちなみに、これまで自分たちが作ったウェッジの「溝」を称して、“アグレッシブ”だとか(あるいはその逆の表現だとしても)言っているのなんか聞いたことはない!だって仕方ないだろ。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

もちろん今回の「溝」はフルフェース、そして2019年の「PMグラインド」でデビューした『オフセット・グルーブ・イン・グルーブ』テクノロジーを採用している。なんだか凄い溝っぽい。

キャロウェイ曰く、「マイクロフィーチャーに角度をつけ、アプローチやピッチショットでよりスピンがかかるようになっている」という。

「マイクロフィーチャーに角度がついている」って何だ?

「グリーン周りでは、フェースをオープンにするのでインパクトする箇所がトゥ側になりやすい」とドーソン氏。「そのため、そういったインパクト箇所にも溝が必要というわけだ。

そしてフェースを開いた時、斜めに配置されている『オフセット・グルーブ・イン・グルーブ』が、ターゲットに対してスクエアになる。その上、ボールをしっかり捉え斜めの角度で当てられる溝もしっかりあるというわけだ」。

ドーソン氏によれば、キャロウェイのテストでこうした角度のついた「マイクロフィーチャー」により、フェースを開くアプローチショットではよりスピンが増えたようだが、一方、フルショットではそこまでメリットがないことが分かったという。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ



「JAWS FULL TOE」はより多彩な「MD 5」

キャロウェイ「JAWS FULL TOE」が、「JAWS MD5」ではなく、発売から2年の「PMグラインド」に変わるものであるということに着目することは大切だが、「MD5」も間もなくアップデートされることは間違いない。

そして、この新作にも「PMグラインド」のDNAが継承されている一方、その形状は「PMグラインド」よりもトラディショナルなウェッジに近いものとなっている。

「PMグラインド」でよく聞かれたマイナスポイントは、かなりのオフセットと丸みのあるソールグラインドにより、フルショットを打つことが難しいということだった。

一方、今回の「JAWS FULL TOE」は、大幅にオフセットが少なく、目に見えてリーディングエッジもストレートになっている。またソール自体は「Cグラインド」から改良されている。トゥ・ヒールも削られており、「MD5」の「Cグラインド」よりもバウンス角がついているため、バンカーショットやフロップショット(ロブショット)が打ちやすくなっているのだ。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

また「PMグラインド」は、“ヒマラヤ山脈”のようなトゥの盛り上がりが特徴だった。「ハイトゥ・デザイン」にする目的は、重心位置を高く、そしてスピンがかかるようによりトゥ側に配置すること。

「JAWS FULL TOE」は確かにトゥ部分が高くなっているが、ヒマラヤ山脈ほどではない。そして、少し低くなったトゥ部分を補うために、今回の新作はトゥ部分に重量が追加されている。これにより、重心位置を高く、さらにトゥ寄りに配置することを可能にしているのだ。

またクラブ後部のウェイトポートが、重心をよりトゥ側に配置する役割を担っている。

「改めてになるが、フェースを開くと、よりトゥ側で打つ傾向が強くなる」とドーソン氏。「今回、最もヒール側にあるウェイトポートを一番大きくし、他のポートよりも深くしたことで、ヒールサイドのウェイトを取り除き、重心をトゥ側に配置することを可能にしている」。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

キャロウェイ「JAWS FULL TOE」ウェッジ – 最後に

フルフェースのウェッジ部門は、一巡したように思える。確かに、フルフェースのウェッジはグリーン周りで非常に効果を発揮するし、誰もがフィル・ミケルソンレベルのフロップショット(ロブショット)を打てるような気分になれるウェッジと言える。

しかし、フルショットの多彩性という点では今ひとつ、クリーブランド「RTX ZipCore」のフルフェースウェッジが、そのトレンドを変え、キャロウェイの「JAWS FULL TOE」がそれに追随しているような形だろう。

キャロウェイは、フルショットに対する性能もあると謳っているが、「JAWS FULL TOE」は54度から64度とトラディショナルなサンドウェッジとロブウェッジのみラインナップしている。

一方、クリーブランドは(テーラーメイドの「Hi-Toe」同様)、フルフェースにロフト50度も採用しており、2ヶ月間に及ぶコースでのテストではクリーブランドのこのロフトが立ったウェッジが、フルショットでも十分使えることが分かった。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

しかし、ここで混乱するようなことを言うわけにはいかない。キャロウェイはシンプルにこう考えている。「MD5」(または後継モデル)はロフトが立ったウェッジとして、「JAWS FULL TOE」か「MD5」(または後継モデル)はサンドウェッジかロブウェッジとして使うべきということ。

参考までに、キャロウェイでは6月下旬の「ロケット・モーゲージ・クラシック」で「JAWS FULL TOE」を契約プロに手渡し、そのうち8名がすぐにこのウェッジを使うことを決めたという。

「彼らは(このウェッジを)見た瞬間に『見た目』を気に入っていた」とドーソン氏。「そしてストレートなリーディングエッジに対する評価も高かった。彼らは今後『MD5』と組み合わせて、このウェッジを使っていくと思う。

このウェッジのロブウェッジだけ使うプロもいるし、サンドとロブウェッジを使うプロもいるだろう。様々なセッティングになるはずだ」。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

スペック、価格、発売時期

キャロウェイ「JAWS FULL TOE」は54度から60度まで2度刻みでラインナップしており、“フライ返し”のような64度もある。そして、全ラインナップとも左右モデルがあるのも特徴だ。

そして前述の通り、全モデルにキャロウェイの改良された「Cグラインド」ソールを採用。54度と56度モデルはバウンス角が12度、一方、58度、60度、64度はバウンス角が10度となっている。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

そして今回の仕上げが、「ロウクローム」と「ロウブラック」の2つある。ともにフェースはロウ、つまり仕上げがなく、残りの部分が「クローム仕上げ」か「QPQブラック仕上げ(PVDに比べて耐久性が大幅に向上)」が施されている。

当然、フェースは時間が経つと錆びるが、キャロウェイは錆びることでよりスピンがかかるとは言わない。(実際、錆ではなく、仕上げがないことでスピンはかかる)

純正スチールシャフトはトゥルーテンパーのニュー「ダイナミックゴールド・スピナー」(115g)で、純正カーボンシャフトは80gの「Project X Catalyst(プロジェクトX カタリスト)」ウェッジシャフトが装着。純正グリップは、52gのラムキン「UTX」となっている。

また「JAWS FULL TOE」は「Callaway Custom」にも完全対応。希望すれば、20ドルで10種類のペイントと色付きのウェイトポートにすることができる。そしてさらに15ドルから25ドル払えば、カスタムスタンプを多くのラインナップから選べる。


callaway,キャロウェイ,JAWS_FULL_TOE,ジョーズフルトゥ,ウェッジ,ゴルフ,ゴルフクラブ

希望すればだが。

キャロウェイ「JAWS FULL TOE」ウェッジの先行販売は8月26日からスタートし、店頭に並ぶのは9月9日。価格は169.99ドルだ。