主要ポイント

・クリーブランドの「RTXフルフェース」ウェッジの新ブラックサテンPVD仕上げ

・価格は159.99ドル(スチールシャフト)

・現在発売中


クリーブランド「ブラックサテンRTXフルフェース」ウェッジのポイントは、タイトルの中にある。

このウェッジは、クリーブランドの「RTX ジップコアフルフェース」ウェッジの新仕上げとして登場した。その新しい仕上げとは「ブラックサテン」。これをウェッジで採用。そして『ZipCore(ジップコア)』さらに「フルフェースの溝」だ。

もう少し伝えることはあるが、ポイントは分かっていただけたと思う。


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なぜ今なのか?

「RTXジップコア」シリーズの旅路は、最後の半年から9ヶ月に入っているようだ。クリーブランドが『ZipCore』を発表したのは2020年7月のこと。発売周期が2年ということは、新作は今年の夏に登場するはずだ。

夏に発売された当初は、「ツアーサテン」仕上げのみだった。その秋になると、クリーブランドは「ブラックサテン」と「Tour Rack(ツアーラック)」と呼ばれるノーメッキバージョンを追加。「ツアーサテン」と「ツアーラック」にフルフェースの『ZipCore』も追加した。

今回のフルフェースの「ブラックサテン」の発表は、シリーズの拡充だけでなく、シリーズが最終コーナーを回ったところで、現在の「ZipCore(ジップコア)」シリーズに新たな息吹を吹き込むものとなっている。

各メーカーは、こうしたことはお手の物だ。各社ともアイアンとウェッジが2年目となった時に、新しい仕上げがお目見えするのは珍しいことではない。特にメインとなる競合の発売周期が自社のそれと異なる時、メーカーは新しくて新鮮な話題を提供してくる。


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そして、クリーブランドが中級者(スコア改善型)向け「CBXジップコア」ウェッジの3世代目を12月に発表したのにもわけがある。今後1年か1年半をかけて、私のコリー・ペイビンのビアードブラシ(髭用ブラシ)・コレクションにも、新たな仕上げとフルフェースバージョンが加わるだろう。


物理蒸着法(フィジカル・ヴェイパー・ディポジション、PVD)

クリーブランド(そして他社)の「ブラックサテンPVD」の「PVD」とは、このことを意味する。

ブラック仕上げの世界において、「PVD」の評価は低い。ホーガンやコブラや他社が採用する超高級「ダイヤモンド・ブラックメタル(DBM)」とは違うし、Sub 70が使う独自の「クエンチ・ポリッシュ・クエンチ(QPQ)」仕上げのようなものでもない。

でも、だからと言ってダメというわけでもない。

「物理蒸着法(PVD)」とは、素材が凝縮相から蒸気相になり、再び凝縮相となる際にコーティングをかけけるコーティング工程を指す。これら全ては、華氏300度(摂氏約149度)から930度(摂氏約499度)の温度間で、真空中で行われる。


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「PVD」は、切削工具や金属加工中に使用されるその他の高応力下の素材をコーティングするために使われている。「DBM」や「QPQ」ほどのレベルではないものの、非常に耐久性に優れているのが特徴だ。

使ったばかりなのに、これらが摩耗してしまうと考えているなら、それらは「黒色酸化物」か「ブラックニッケル」の可能性が高い。私は、2本の「ブラックサテンRTXジップコア」をシーズン中ずっと使っているが、どちらのウェッジもソール、フェースともに摩耗は見られない。


なぜフルフェースなのか?

“フルフェース”と“ハイトゥ”は相性が良い。フルフェースのウェッジは、かなりの確率でハイトゥ・ウェッジでもある。

しかし、クリーブランドのために言っておくと、「フルフェースRTXジップコア」のハイトゥは嫌というほど“ハイ”ではない。同社の『ZipCore』テクノロジーと相まった時に、十分なハイトゥになると言っていいだろう。


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以前も『ZipCore』の詳細についてはお伝えしたが、ここでは「リーダーズ・ダイジェスト」版でお話しする。クリーブランドでは、16gの内部重量を削減した「ZipCore」シリーズ用となる新たな低密度コアを開発。

ブレードタイプのウェッジデザイナーなら、ここまでの余剰重量を与えられたら小さな子供のように飛び上がって喜ぶはずだ。これだけの重量が余剰となったことで、重心をフェースに近づけて、やや高くすることが可能。MOI(慣性モーメント)が高くなり、打感とスピン量も向上するという。

フルフェースの溝は、グリーン周りでいくつかの秘策を持っているゴルファーのためにデザインされている。ローバウンスの「Cグラインド」はフロップショット(ロブショット)を容易にし、ラフからのショットをトゥ側でショットするという、ベストプレーヤーでも時折起こってしまうミスのための溝となってくれる。

そして、フルフェースでハイトゥのウェッジは、基本的に56度以上のロフト角で最もメリットを得られる傾向にあるが、クリーブランドは50度から64度までの全番手でフルフェースウェッジ揃えることで、この波に乗っている。

フルセットをフルフェースにしたいのなら十分に理解できる。かなり多くのゴルファーが限られたフルフェースウェッジで、フルフェースへの欲を満たしているからだ。

それも好みが全て。


価格・発売時期

新しい「ブラックサテンRTXフルフェース」ウェッジは、その他の「RTXジップコア」シリーズと同じ純正シャフトである「Dynamic Gold Spinner Tour Issue(ダイナミックゴールドスピナー ツアーイシュー)(128g)」が装着されている。純正グリップは、ゴルフプライドの「Tour Velvet(ツアーベルベット)360」となっている。


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そして、新しい「ブラックサテン」仕上げは、全ロフト角で展開。「フルフェース」シリーズは50度から60度まで2度刻みで、ヘラのような64度のモデルもある。50度と52度は右利き用のみ。残りは右利き用、左利き用がラインナップしている。

フルフェース&ハイトゥになっているため、9度であればどんなバウンスにもなるし、「Cグラインド」ならどんなグラインドにもなる。


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「ブラックサテンRTXフルフェース」ウェッジの価格は、159.99ドルで発売中。